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おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶應義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも、辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、die と death ー抽象名詞を作る-th、という話題です。
th という語尾ですね。これは、抽象名詞を作る語尾としてあるわけなんですけれども、他にも、例えば何番目のと、4th, 5th, 6th あの th もあるんですが、それとは全く別語源でですね。
動詞や形容詞をベースとして、そこに今 th をつけることで、その意味に対応する抽象名詞を作る、こういう語尾がありますね。
今回は、ある意味この語源を利用したボキャビルという色彩が強いんですが、元となる動詞や形容詞、そしてそれに th をつけた抽象名詞ですね。
これのペアというのを紹介していきたいと思います。意外なところで、この動詞形容詞と名詞は同語源だったのか、あれに th をつけただけだったのか、という驚きが連続すると思うんですね。
それでは早速いってみたいと思います。今日のこの見出しの die, death ですね。
これも基本的には die に th がついて、その th がついた結果と言いますかね、母音も少し変形してしまうものが多いんですね。
なので、もともとの動詞形容詞と th をつけて出来上がった名詞がですね、母音が違うということで、関連付けっていうのが一見すると難しくなる。
なので、実は派生語だったんだと気づくと、いろいろ発見があるわけなんですが、まず典型例としてこの die という死ぬという動詞ですね。これに対して death という th をつけて、母音もちょっと変わった死という抽象名詞ですね。
名詞、これを表題に掲げたわけなんですけれども、他にもですね、いくつか挙げてみますね。
bear という動詞、これもともとは運ぶ、身をつける、産むという単語ですよね。bear born の bear 産むっていう意味があるわけなんですが、
そうするとわかるかと思います。 th をつけて、しかも母音を少し変えて birth 誕生、産むことということになりますね。
bear の名詞形が birth ということになります。
ストレートなのはですね、grow ではないでしょうかね。成長する、生えるということで、これに対して growth というふうに th をつけるだけ、これで成長ということになって、これは母音がたまたま変わらないので、非常にわかりやすいということですね。
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こんなのはどうでしょう。steal 盗むです。これに対して stealth 忍びとか内密ということですので、steal 奪う、盗むですが、これと非常に近い関係にあるというのがわかると思いますね。
それからあまり使わない単語かもしれませんが till 動詞としての till です。これ耕すってことです。これにそのまま th をつけて till 耕作、耕すことですね。ということになります。
それから mow 刈るっていうことですね。草を刈る、 mow と言いますが、これが実は th をつけると math になります。
数学の math とは違います。これ after math でありますよね。
余波とか影響というあるものが終わった後の余波、影響、結果というぐらいの意味で、math 自体ではあまり使わないと思いますね。
after math なんですが、これ草刈りをした後のその状態っていうことが本来の意味ですので、この mow っていう動詞、刈る、草を刈ると math、after math の math ですね。これとは関連しているということなんですね。
これは数学の後でという意味ではないということですね。
このような動詞から発声名詞を作る、抽象名詞を作る th という語尾なんですが、これ場合によっては th ではなくて t になっちゃうことも結構多いんですね。
ここまで広げるともっと例は上がりますね。
例えば draw、引っ張るとか絵を絵、絵を描く、描く、描くという意味があるわけなんですが、
これ実は draft というふうに t をつけて、で、母音もあのだいぶ変わってしまいますが draft。これ draft と言えば原稿を書いたものっていうことですよね。
これになります。それから drive。これもともとは押すって意味ですね。押して刈る、刈り立てるっていうのが drive の本来の意味です。
で、 drift って言うと、もともとは押し流すっていうことですね。押し進めて押し流すということ、そこから漂流っていうような意味が出てくるわけですね。
他には fly これ飛ぶです。それに対して flight これはわかりやすいと思いますね。
それから freeze 凍らせるから frost 霜 give 与える gift 与えたもの与えられたもの gift プレゼントということですね。
それから pledge 誓う plight 誓いというまさに動詞と名詞の関係ということになりますね。
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それから think 考える思うに対して thought これは過去形、過去分詞形のthoughtではなくて、名詞としての思考っていうことですね。
think、thought 最後に t が現れてますね。
それから weave 折る、折り物を折るってことです。それに対して weft 折り物ですね。
そして see、見る、これが名詞形がなんと sight、視界、視野という意味のあの sight ということになります。
th だけではなくて、その前い形とも言うべき t も入れると、かなり動詞と名詞の関係を、多くのペアをですね、説明できるということがわかったかと思います。
さあ次に形容詞いきたいと思いますね。形容詞に th をつけることで対応する名詞を作るという、
こういうものも結構ありまして、例えばですね、よく知られているのは long に対して length、これ長さっていうことで母音はまあ変わってしまいますが th がついてますね。
で同じ関係が strong、strength、力、強さっていうことになりますね。
他にストレートなのは true に対して truth、真実のに対して真実というのがありますし、そこそこストレートなのは deep に対して depth、深いに対して深さということです。
さあ次ぐらいから、これ関係してたんだと思うものが増えてくると思うんですが well。
これ I'm well っていうときの元気なであるとか、裕福なってことから実は wealth、富という意味の wealth は実は well の名詞形だったということがわかります。
それから foul、汚いって意味ですね。それに対して filth、母音がかなり変わってしまいますが filth というふうに th で終わって、これがまあ汚さということですね。
それから whole、whole です。健全な健康なって意味です。でなんとこれが health なんですね。
健康な健全なという whole ですから当然 health と意味的にもつながりがあるっていうことは聞けばわかるんですが、おそらく多くの人が初めて語源的に一緒だったんだと結びついたんではないでしょうか。
それから merry、メリークリスマスの merry ですね。陽気なから陽気さという名詞は mirth と th です。
dear、oh my dear のあの dear です。これ親愛なるであるとか貴重なってことですね。my dear friend 貴重なっていうことは貴重であるってことは貴重価値があるってことなので少ないって意味です。
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で death これ不足って意味ですね。欠乏、death っていうのがあります。それから broad、広いに対して breath というふうになりますね。
さあ最後に形容詞をもとにして th の異形である t がついたやつですね。これも多くありませんがあります。
high に対して height これ分かりやすいですね。高い、高さ。それから dry 乾いたに対して drought 干ばつ、ひでりっていうことですね。
このように th あるいは t をつけて動詞や形容詞からその対応する名詞を作るっていうもの。意外とあるなっていうことが確認できたかと思うんですね。
ぜひボキャビルに役立てていただきたいと思います。それではまた。