サイオン・ハウスの紹介
こんにちは、英国ドラマタイムへようこそ。この番組は、イギリスの歴史ドラマの世界が大好きな私が、その魅力を語る番組です。
おすすめのドラマや映画の紹介、見た感想、ロケ地や時代のことなどを話しています。
8月は、ドラマダウントンアビーのプロデューサー、ジュリアン・フェローズが手掛けたドラマや映画を紹介しています。
前回は、2001年公開の映画、ゴスフォード・パークでした。
イギリスにある架空のお屋敷、ゴスフォード・パークで、主のマッコードル卿の殺人事件が起こるというミステリー映画です。
この架空のお屋敷、ゴスフォード・パークは、3つのロケ地を使って撮影されていたのです。
建物の外観、階段、ダイニングルーム、応接間やマッコードル卿の所在は、ルータム・パークで、
そしてその上の階にある寝室はサイオンハウス、地下エリアにある使用人たちのスペースは、ストーン・イーストン・パークです。
地下エリアの使用人たちのスペースは、スタジオセットの撮影もあったようですが、主にこの3つの邸宅が使われて撮影されていました。
今日は、その中の寝室の撮影に使われたというサイオンハウスを紹介します。
サイオンハウスは、ノーサンバーランド公爵のロンドンの邸宅です。
ノーサンバーランド公爵とは、以前ダウントンアビーで登場したブランカスター城のロテ地、アニック城のところでもご紹介しましたが、同じ人物です。
アニック城と同じで、こちらも一般に公開されているので、入場料を払ったら中を転学することができます。
ロンドンの中心地から約13キロほどの距離にあるところなので、比較的行きやすいところだと思います。
私もだいぶ前のことですが、ロンドン市内から電車とバスを乗り継いで行ったことがあります。
バスに乗っているときも、案内の看板を見逃さないように必死で外を見ていましたが、看板が木に隠れるようになっていて、はっと気がついてちゃんと降りられたという思い出があります。
見学できるのは、お客様をもてなすエリアの1階部分です。
2階の高尺径のプライベートな空間の寝室は見ることができなかったはずなので、この映画で見ることができるのはすごく貴重な機会だと思います。
映画の中でマリー・スミスが雇ったばかりの若いメイドをコティ使ったり、モラハラ旦那が奥様となったり、
ショータイレクが連れてきた若い主要人を部屋に誘う女主人がいたり、1階部分だけではなく寝室エリアでも多くのドラマが繰り広げられていました。
花柄や篠祭り柄の壁紙の落ち着いた上品な寝室と、決して上品とは言えない登場人物との対比が皮肉でした。
映画には登場しないのですが、このサイオンハウスは1階部分が素晴らしいのです。寝室の雰囲気とは全く違って、威厳に溢れた豪華な雰囲気です。
大理石やゴールドがたっぷり使われていて、ギリシャやローマ時代を感じさせる柱や彫刻などがたくさん配置されています。
こういったものはイタリアから運ばれて使われているそうです。
1世紀以降になったインテリアを18世紀に大改装して作られたものですが、雇われたのはスコットランドの建築家でデザイナーのロバート・アダムです。
当時はアダムスタイルと言われて大人気でした。とても素敵なインテリアですが、映画の舞台は1930年代の設定なので、時代に合わないので使われなかったのです。
サイオンハウスは16世紀にサマセット公爵邸として建てられて、その後ノーサンバーランド公爵邸になりました。
9日間の女王と言われるレディ・ジェーン・グレイがここで女王になることが告げられたり、
ヘンリー・ハッセンの羊がウィンザー城に運び込まれる途中ここに立ち寄っています。
その夜に棺の蓋が開いて、遺体を犬が舐めているのが発見されたなんていう逸話も残っています。
庭園にはお屋敷と同じくらい大きくて美しいオモイスがあって、こちらも見どころの一つです。
サイオン・ハウスの歴史と設定
サイオンハウスもそのオモイスもドラマや映画で度々登場しています。
今日は2001年公開の映画、ゴスフォードパークのロケ地サイオンハウスでした。
次回はもう一つのロケ地、ルータムパークです。
ぜひそちらも聴いてくださいね。