こんにちは、英国ドラマタイムへようこそ。この番組は、イギリスの歴史ドラマの世界が大好きな私がその魅力を語る番組です。
おすすめのドラマや映画の紹介、見た感想、ロケ地や時代のことなどを話しています。
8月は、ダウントンアビーのプロデューサーとして有名なジュリアンフェローズが手掛けた映画やドラマを取り上げています。
今日は、19世紀のロンドン高級住宅地が舞台のドラマ、ベルグレービアです。
アマゾンプライムのスターチャンネルEXなどで始まった全6話の物語です。
原作はフェローズが書いた小説、舞台のベルグレービアは実在する場所です。
白いタウンハウスが立ち並ぶ、今は世界で最も高価な居住地の一つで、大使館の建物や大富豪の邸宅などになっています。
でも、ロケはこの場所では行えず、エジンバラで撮影されたそうです。
それもそうですよね。重要なエリアを封鎖して撮影するのはとても難しいはずです。
こんな感じで、登場する地名、人物、出来事など、実話がたくさん登場するところが、このドラマのとても面白いところです。
では、ここであらすじを少しだけご紹介します。
19世紀前半のイギリスを舞台に、2つの家族が織りなす複雑な人間関係と秘密が、26年の時を経て明らかになる物語です。
この2つの家族は階級が全く違うんです。
1つの家族はベルグレービアの建設にも関わっている、労働者から成り上がったトレンチャード家。
そしてもう1つは名門のブロッケンハウスと白尺家です。
2家族の出会いは1815年のブリュッセルです。
トレンチャード家当主のジェームスは、皇尺家で開催された武道会に家族と招待されます。
この武道会も本当にあったものです。
物語はフィクションなんですが、訳を固めるように実話がたっぷり織り込まれています。
トレンチャード家の長女のソフィアと、皇尺夫人の老いでブロッケンハウスと白尺家の長男エドマンドは愛し合っています。
武道会に出席していたウェリントン公の下に、ナポレオン軍が進行してきているという知らせが入ります。
そしてこの後、ワーテル軍の戦いに、ウェリントンを率いる軍は勝利しますが、多くの人の運命が変わっていき、エドマンドも戦死してしまいます。
戦場に向かう前に、実はエドマンドはソフィアを騙して偽の結婚していました。
にごもっていたソフィアは、出産で亡くなってしまうという悲劇が起こります。
それから26年後の1842年、物語はロンドンのベルグレイビアへと移ります。
ソフィアの母アン・トレンチャードは、あるお茶会で思いがけない人に出会います。
それがブロッケンハウスと白尺夫人です。
ここでアンは、長年隠してきた家族の秘密を打ち明けることに決める。
ストーリーをもっと語りたくなっちゃうんですけど、今日はここまでにしておきます。
結構最後までハラハラドキドキして見てみることができるので、ぜひ楽しんでいただきたいです。
このハラハラドキドキが増しているのは、裏で何を考えているのかわからないという人がたくさん登場するからなんですよね。
誰を信じて誰を信じない方がいいのか、癖の強い人がたくさん登場します。
26年後に登場するもう一組のカップルの行方もどうなるのか、これも後半の物語の中心になっていきます。
さて、トレンチャード家は、軍に武士を提供して、ワーテルローの戦いでも大活躍するという商人でした。
26年後のロンドンでは、歴史的な通りや広場の多くを開発したキュービと兄弟たちとパートナーとなって、不動産開発でも大成功します。
まるで貴族のような生活をしているんです。
ワーテルローの戦いも、キュービと兄弟たちの開発も実際の出来事です。
さらに興味深いのは、今日本でも大人気のアフタノンティーが、どのように出来て人気になっていたのか、というのも登場します。
第1話で、アント・レンチャードが、シグシグの発行されたはずの招待状を受け取って、ベトフォード公爵婦人主催の会を訪問します。
そこで楽しまれていたのがアフタノンティー。
第7代ベトフォード公爵婦人のアンナ・マリア・ラッセルは、実際にベルグレービアに住んでいて、
ここの場所ではないのですが、アフタノンティーを考案したと考えられているのです。
このきっかけは、どんどんとくそくなっていく夕食時間までの空腹対策でした。
もともと夕食の時間は今よりもずっと早くて、4時とか5時にスタートして、7時や8時まで。
そしてこの後に劇場やオペラに出かけて、その後また食事をする。
夕食の後の時間が夜の社交タイムだったのです。
でも1830年代になると、ロンドンからどんどんと夕食時間が遅くなっていき、
それがイギリス中に広まっていく。夕食自体が夜の中心的なイベントになっていったのです。
ドラマの中でも、第2話で登場する伯爵家のカントリーハウスでの夕食は、4時半となっていたのです。
そこに訪れた伯爵の弟家族は、最近のロンドンでは6時すぎなのに早すぎるとご文句を言っていました。