ホモサピエンスの生存戦略
この番組では、本を取り上げます。
これが5冊目です。書評をするわけではありません。本の内容を 詳しく紹介するわけでもありません。
LISTEN to the voice of booksというコンセプトで、 その本が何を言いたかったのか、どんなことが言いたくて この本を書いたのか、ということを伝えたい ということで始めた番組です。
今日は、『ヒトは家畜化して進化した』
ちょっとわかりにくいタイトルなんですけどね。 これは、なかなかいい本というか、まあいい本しか紹介しないつもりなんですけど、すごい本ですね。
自己家畜化仮説というのがあって、これ実は今、 進化論(進化生物学)の中では
この自己家畜化仮説というのがかなり有力な説になっているんですね。
なぜこの本を書かれたかというと、 人類には実はホモサピエンス以外にも
ネアンデルタール人とかデニソワ人とか、 あとホモエレクトゥスとか、あとフローレンス人とかね、
我々以外にも実は人類はいたわけですが、 それは
すべて滅んだと。 最近はちょっと混血もあったと言われてるんですけど、ネアンデルタール人とかね。
それはさておき、基本的にはホモサピエンスだけが生き残って、 他にも人類いたわけですね。
だけどそれはすべて滅んだということなんです。
で、なぜホモサピエンスだけが生き残って、 他の人類は滅んでしまったのかというのが一つ大きな問題意識なんですね。
実はホモエレクトゥスもそうですし、 ネアンデルタール人なんか特にそうですが、
一つ脳が大きくなったとね、脳みそが進化した。 これは大きな特徴なんですけど、ただホモサピエンスが特に脳が大きかったわけじゃないんですね。
むしろネアンデルタール人の方が脳みそが多かったという 化石もあるわけなんです。
で、どの人類も、 ホモサピエンス以外の人類も火を扱って料理をし、
そして道具を使って動物を狩り、
そして
まあそういう点では違いがなかったわけですよね。 だけど
ホモサピエンスだけが
唯一違ったことは何だろうか。 これが
社会的ネットワークの拡大だって言うんですね。 つまりホモサピエンスだけが大きな人間集団を作れるようになった。
より大きな社会的ネットワークを作ることができたのは ホモサピエンスだけだったって言うんですよね。
これちょっと具体的な人数どっかに書いてあったんですが、 ちょっと今
パッと出てきませんが、 ネアンデルタール人とかはやっぱり数十人
せいぜい2,30人ぐらいの集団しか作れなかったんじゃないかと。 それに対してホモサピエンスは100人を超える集団を作れるようになった。
これは何の違いなのかっていう。 まあ要は社会的ネットワークを巨大化できたのがホモサピエンスだった。
ではなぜ ホモサピエンスだけが社会的ネットワークを
大きくできたのか。 社会的ネットワークってのはソーシャルネットワークですね。
社会的ネットワークの拡大
我々が今使っているSNS、ソーシャルネットワーキングサービスっていうのは まさにこのホモサピエンスだからこそ
グローバルに地球大にソーシャルネットワークを拡大してきたわけですが、 まさにこれこそが
他の人類が身につけなかったことだったっていうね。 つまり社会的ネットワークを拡大できる力っていう
のが実はホモサピエンスが生き残った
有力な原因なんだっていうね。そういう他の人類は社会的ネットワークの拡大に失敗したわけですね。ある意味ね。
だから 滅んだということなんです。そういう意味では
実はこの社会的ネットワークの構築っていうのは
人類にとってホモサピエンスにとっては非常に重要な、生き残りに関わる
重要な要素だっていうことなんですよね。 じゃあなんで社会的ネットワークが拡大できたのかっていうのが一つと
もう一個は社会的ネットワークが拡大するとなぜ生き延びれるのかとこの2つですね
について
一つ目 なぜ社会的ネットワークが拡大できたのか
これは見知らぬ人とも友好的になれると
いうのが ホモサピエンスの特徴だったって言うんですね
まあこれイメージの世界ですけどネアンデルタル人とは結構こう マッチョな感じでね
あんまり友好的ということではなかったかもしれない。わからないです。 ただこれは
ここで出てくるのが家畜化っていう
セルフ ドメスティケーションって言うんですけどね
自己家畜化って言うんですね この自己家畜化が進んだのが
ホモサピエンスだけだったと言うんですね つまり自己家畜化つまり例えば狼が犬になる
これも自己家畜化のプロセスなんです つまり家畜化されるとおとなしくなるんですね
友好的になるんですフレンドリーになるんです これはもう狼が犬になったっていうのが一番端的な例ですよね
他にも例はあるんですけどもとりあえず狼が犬になった イノシシが豚になった
家畜化するとおとなしくなるわけです。友好的になるわけです ホモサピエンスは自己家畜化した
自ら家畜化した なぜ自ら家畜化したのかってこともこの本に書いてあるんだけどもこれを自己家畜化仮説というんですね。
犬も自己家畜化した 動物なんですけれども犬以外は
みんな人間が家畜化した。だから自己家畜化ではないんですね
なぜかホモサピエンスと犬、でもう一つボノボという類人猿 霊長類がいるんですけどもこれは自己家畜化が進んだというふうに言われてるんですよね
でまあそれはさておき 自己家畜化なぜしたかは説明しませんが自己家畜化したから友好的になった有効的になったから
社会的ネットワークを拡大することができた。つまり
大きな集団、こういうふうに書いてあるね ネアンデルタール人はやっぱり10人から15人の小さな集団で暮らす生活しかできなかったと
言われている これいろんな化石の証拠から推測するわけですけどね
それに対してホモサピエンスは100人以上の大きな集団での暮らしに移行することができた だから脳みそをそれ以上大きくしなくても
友と敵の区別
ソーシャルネットワークつまり他人の脳みそが使えるわけですよね 変な言い方ですけど
でそこに協力やコミュニケーションが取れるようになったと だからホモサピエンスだけが技術革新
が急速に進展した つまり
よりこう、ね器用な人とか いろんな長所を生かし合えるわけで強みを生かし合えるわけですね
社会的ネットワークを拡大することで だから集団力でですね、友好的に社会的ネットワークを
拡大できたからその集団力で 社会集団の規模の大きさで技術革新が急速に進展したと
だから他の人類に比べていろんな状況を生き残った ただそのプロセスには一方で
こういう問題があるんです。で今2つ言ったんですけど 自己家畜化によって友好性が発達したから社会的ネットワークが拡大したこれが一つ
もう一つはその社会的ネットワークが拡大したことで技術革新 生き延びるための技術革新が可能になった
これがホモサピエンスだけだったと ネアンデルタール人など他の人類はそれに失敗したと
結局一番フレンドリーなものが生き残った この本の
日本語のタイトルは「人は家畜化して進化した」なんですけども 英語のタイトルはサバイバルオブザフレンドリーエスト
フレンドリーの最上級ですね ザフレンドリーエスト
という一番友好的なものが生き残ったっていう そういうのが現代なんですね元の英語のタイトル
で もう一つこれ日本語の本の副題がついてある
私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか ということで友好性の裏返しは敵対性なんですつまり
友達以外は敵になるということなんですね つまり内輪と外、うちとそとっていうのをきっちり分けると、つまり
ホモサピエンスは仲間は とは友好的になれるけれども
仲間以外に対しては非常に敵対的残酷になれると 殺し合いも含めてね。だから
仮説としてはネアンデルタル人を虐殺したんじゃないかなんて仮説もあったりするし 逆にホモサピエンス同士でも人種の違いで
敵だと思ったらもう残酷に殺し合いをするというのも実は友好性の負の側面ですね つまりフレンドリーだからこそ
フレンドリーな奴を守るために攻撃をするという 非人間的になれる
残酷になれる というねこの友と敵の区別っていうのは実はホモサピエンスの特徴だと
つまり友好性の裏返しとしてその集団外の人 友以外は敵というねこういう本質を持ってるんだってことも書いてある
本なんですねこれなかなかね考えさせられる本です しかも今の人間の進化
生物学の中ではかなり有力な説になっているわけですね ということで脳の巨大化だけじゃなくていわゆる社会的ネットワークっていう
ものが実は人類ホモサピエンスの 存続
生き延び、サバイバルですよね、 には非常に重要な要素だったっていうことが書いてあってとても面白い
興味深い本なんですね これは
白揚社ってとこが出てる 3000円ですね定価3000円プラス税ですね
で
結構若い2人が書いてるんですよねブライアンヘアーさん いう人と
バネッサウッズという この2人は夫婦ですね
夫婦で書いてる しかも犬が大好き
という あなたの犬は天才だなんて本を早川書房から出しているそうです
これは僕は読んでません でこれは非常にまともな研究書です
ページ数で言うと330ページ以上ありますけれども だけど実際に本文は270ページぐらいしかなくてあとは
英文の注ですね。注が 30ページ40ページぐらい
というまあこれ研究書です
なんですけど非常に読みやすい研究書ですのでね ぜひ
興味のある方 ホモサピエンスにね、そしてソーシャルネットワーク
に興味のある方は 読まれたらいいんじゃないかなと思って紹介したいと思います
人は家畜化して進化した サバイバルオブザフレンドリーエスト
という本の紹介でした。ではまた。