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2021-11-23 1:02:37

BC025 『生命はデジタルでできている』『LIFESPAN』『LIFE SCIENCE』ほか

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面白かった本について語るPodcastブックカタリスト。第25回の本日は『生命科学に関係する本たくさん』について語ります。

1年の総括として複数の本を語る

今回のブックカタリストは、ごりゅごの1年の総括、今年興味を持った分野の本を複数まとめて整理する、ということをやってみました。

意識したのは「できるだけたくさんの分野にまたがる話にすること」

あらゆる学問分野はすべて「つながって」いるもので、ほかの分野のことを知っていれば必ずなにかの役にたつ。今回で言えば、生命科学、有機化学、コンピュータサイエンス、長寿によって生まれる社会問題など、ごりゅごがこの1年で学んだことがどう繋がって面白かったのかを伝えるのが目標でした。

正直、本を1冊紹介するのと違って、構成の段階から考えないといけないのはすごく大変だったんですが、これはこれで非常に有意義な体験でした。

今回の話に関しては、私が勘違いしている点や、伝わりやすくするために正確ではない表現なども含まれているかと思います。参考にした書籍は複数ありますが、内容に関してはすべてごりゅごの責任です。何か問題があれば、できるだけ優しく、そっとご指摘いただけましたら幸いです。

主な参考書籍(参考にした要素が多い順)



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サマリー

ポッドキャスト、ブックカタリスト、第25回では、生命科学についての特集があります。「生命はデジタルでできている、情報から見た新しい生命像と、ライフスパンおいなき世界と、ライフサイエンス長生きせざるを得ない時代の生命科学講義」の3冊分をまとめた話が届けられます。DNAとコンピューターの類似性や、生命のロバストさとフラジャイルさなどが含まれ、DNAコピーの過程でのミスや遺伝子の突然変異など、進化の話もあります。また、40億年の歴史を1年に例えると、バクテリアの時代から人類の登場までの出来事がわかります。多くの生物が死ぬ方が有利で、死んだ方が生き残ったという点も取り上げられます。老化の理由は死んだ方が適応しやすいためであり、ニシオデンザメやアホオドリなどの老化しない生き物や、寿命延長の研究も紹介されています。寿命延長経路として、カロリー制限や適度な運動、インスリンシグナルの抑制が重要とされていますが、科学技術の発展により、老化に対抗できる可能性もあると考えられています。さらに、高齢者に対する社会的な偏見や年齢制限などに関する考察や、長生きの影響、分野を横断した学びについてのエピソードなども紹介されます。

本のまとめ
面白かった本について語るポッドキャスト、ブックカタリスト、第25回の本日は、「生命はデジタルでできている、情報から見た新しい生命像と、ライフスパンおいなき世界と、ライフサイエンス長生きせざるを得ない時代の生命科学講義」の3冊分をいろいろまとめたお話をお届けしようと思います。
はい、ちょっと長い感じですね。
個人的にはですね、1年の総括というか、1年かけて新しく学んできたことを全部まとめて話すぞというイメージになっておりまして。
ということは、僕がこの前やった英語新書3冊を紹介するのとはちょっと切り口が違うわけですね。
そうですね、あれは3冊の本を順番にだったんですけれども、今回は、ある意味では本というよりは本から本を読んで学んだことを話すことが一番勉強になるので、俺はそれをやってみるぞっていう感じのノリで考えておりまして。
なるほど、レポートの発表みたいな感じですね。
ですね、そうやって言うと結構緊張するけど、多分そういう感じですね。
はい、わかりました。
きっかけっていうのが、これまたブックカタリストなんですよ。
第7回で話したと思うんですけれども、2030年全てが加速する世界に備えよう。
多分今までで一番、ブックカタリストの本編の時間が最も全部話そうとしたら長くなりすぎたっていう回だったと思うんですけど。
そこに書いてあった、その医療の発展、寿命延長分野っていうのの発展っていうのが、正直今まで全く知らなくて、まじかそんなことできるのかっていうことに結構衝撃を受けまして。
そこから、生命科学とか医療とか、遺伝子だとか、そういう分野のことに興味を持って、
主に本とインターネットぐらいなんですが、可能な範囲でいろんなことを調べておりまして、
DNAとか遺伝子とかって全然知らなかったぞっていうことがまず一つ分かったことと、
ある意味、俺たちが大人になってから判明したことがものすごくいっぱいあるので、
少なくとも学校では習ってないはずだし、習ってないんですよね、実際に。
そういう意味で、独学としても、昔だったら若い頃に勉強しておけばよかったっていろんなことをいっぱい後悔していたりもするんですが、
この分野に関しては不可能だったから後悔しなくていい。
そういう意味でも、なかなか学んでいて面白くて。
あとですね、学べば学ぶほど、深く理解しようとすればするほど、
学校の勉強がすごい重要だったっていうことを思い知らされたりもしました。
なるほどね。
この概念、大体がサイエンス、化学のほうの、ケミカルですね、化学の分野なんですけど、
これ習った習ったっていう感じの主に出てくる用語とかで、
例えば空論力っていう言葉だったり、有機化学のその辺の共有結合、なんとか結合みたいな話だったり、
そのあたりのことを深く知っていれば知っているほどきっと面白く学べるんじゃないかなと思います。
本は大きくいろいろ読んだんですよね。
遺伝子、親密なる人類史っていう本を読んで、これはちょっと人の名前がいっぱい出すぎて難しいなって思って挫折したりだとか、
その後その生命はデジタルでできているという話を読み、そこから老化に関する話で、
ライフスパンっていう本とか、ライフサイエンス。
あと割と売れている本で、生命科学的思考っていう本だったりだとか、
What is life? 生命とは何か? これが一番売れているのかな、多分ニュアンスで言うと。
などなどいろいろ読みまして、いろんなことが分かったので、それを順番にまとめていきたいと思います。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
まずいきなり面白かったのが、タイトルでもそうなんですけど、生命はデジタルでできているっていう本。
簡単に言うと、人間の仕組みって実はコンピューターのデジタルの仕組みと結構同じで、面白いもんなんだよ。
そのコンピューターの仕組みと似ているところと違うところを説明しつつ、
人間のいろんな遺伝子の仕組みだったり、どんなふうにできているかっていうような話を展開される本なんですが、
DNAとゲノムと遺伝子の違い
まず最初に多分、俺も分かってなかったし、ぜひとも知っておきたい重要なことというのが、
DNAとゲノムと遺伝子、この3つって違い分かりますか?
DNAは4つの要素からなっている、TとかAとかの4つからなっている鎖状のようなものであるというのは分かります。
はいはい、AT、G、Cですね。
はい、その4つからなっているものであるということはまず分かります。
ゲノムと遺伝子のそこの差は言語化できないです。
ですよね、俺もね、多分まずその概念をなんとなく理解するのが、
DNA分野の一番の入り口として、最初に知っておくべきところなのかなと思っておりまして、
そのDNAは今、倉下さんが言ったように、一言で言うと物質のことを指しているんですよね。
人間のDNAという物質があって、
DNAってよく徳屋の看板みたいなぐるぐるぐるぐる回った長い紐?
はいはいはい。
ああいう紐状に連なっているんですけど、
その物質名としてはデオキシリボカクサン。
AとTとGとC、アデニンチアニンクアニンシトシンだったかな?
っていう4種類のくっつく部分が順番に変わっていて、
あとはそれが延々と連なっている?
まあだからとりあえずそれは概念とかではなくて、
動物とか生物が持っている細胞をどんどん小さくしていくと、
DNAというより小さいものにぶつかるっていうことですよね。
そうですね。大雑把な結論で言うと、そこに全てが書かれているという言い方をすればいいのかな。
パーツパーツに振り細かく長い、超絶長い、1個の遺伝子が2メートルぐらいの紐らしいんですけれども、
その紐の1個1個のパーツっていうのが要するに4種類のパターンがある。
ちょっと成分が違う4種類が延々とつながっていて、
人間全部で30億文字ぐらいがつながっている長い紐という物質のことがDNAですね。
ゲノムというのはそこに意味を持たせたもの。
意味。難しい言葉が出てきましたね。意味を持たせたもの。
つらなってある程度のまとまりになって、何らかの意味を発揮する。
例え話として一番わかりやすいのが2つほどパターンがありまして、
すごく大雑把なこと言うとDNAって文字なんですよね。
ゲノムはその例えで言うと単語になる。
あーとかかーっていう言葉だけでは何の意味もなさないんだけど、
一定の集まりを持つことでその遺伝子だとかゲノムだとかっていう単語になって、
そのある程度の集まりを持って意味をなす状態をゲノムと表現する。
ということはゲノムと呼ばれているものも内部的にはDNAがいくつか集まったものっていうことなんですね。
そうですね。物質的にはいくつか集まったもので、
ただどちらかというとその概念という言い方の方が多分正しいですね。
ゲノムというのは。
だからそのDNAがある機能とかある方向性を持ったときに、それがゲノムと呼びうると。
そうですね。その単語を全部集めて一冊の本になった状態というのが遺伝子みたいなイメージ。
もう一個、CDで例えるっていうパターンもあったんですけど、
CDで例えるとDNAっていうのは素材なのでプラスチックなんですよね。
一曲集まって遺伝子になる。
一枚のアルバム全部がゲノムみたいなイメージ。
なのでそのDNAはハードウェアのことを指しているんだけど、
ゲノムとか遺伝子というのは概念としてはソフトウェア的なものであると。
働きとか機能とかに注目しているということですね。
そうですね。その辺のことが分かった上で、
ようやく生命はデジタルでできているという説明の方に進んでいけるのかなという感じなんですが。
いきましょう。
DNAの機能と解析の難しさ
DNAが何をしているのか。
そうですね。何をしているのか。
概念的な話をするとですね、DNAというのは要するに、
さっき全部で30億文字ぐらいあるって言ったと思うんですけれども、
30億文字の人間をプログラムする全てのデータが書かれているものがDNA。
具体的な作用で言うとDNAというものは30億文字あって、
何がどうなっているのかというのは現在でも何も分かっていなくて、
ほとんど遺伝子のレベルで何が書いてあるかは分かったんだけれども、
ここに書いてあることは何を意味するのかということはまだほとんど全然分かっていないみたいなんですよね。
だから古代文字の解読ができていないみたいな感じですよね。
人をゲノムプロジェクトというものが1990年に始まって、
2003年に人をゲノムプロジェクトというのは終わったらしいんですけれども、
その人をゲノムプロジェクトによって30億文字が何を書かれていたかまでは分かった。
つまりTAGCTAGCという仮にその並びが30億文字分は明らかにはなったってことなんですか。
でもその中の例えばTAGTTTGCTTみたいなのがあったとして、
それがどういう意味なのかとかっていうのはまだまだほとんど全然分かっていない。
30億文字あったらそれは分からんよねっていう。
意味っていうのはそれはそのDNAがどんな効果を人体に対して発してるかが分かってないっていうことなんですね。
そうですね。だからほとんどのことはそれがどんな効果を発しているのかが分からない。
でもそれが何でなのかっていうか、分からない理由っていうのは計算量が多すぎて全く全然追いつかないらしいんですよね。
現代のコンピューターを持ってしても。
そりゃそうでしょうね。
30億文字がその難しいのがただまっすぐに並んでいるわけじゃなくて、
DNAってどういう状態で存在しているのかっていうイメージというか、
DNAが、あとそれで言うと言葉なんですけど、染色体っていう言葉もあるじゃないですか。
ありますね、染色体。
あれってDNAが入っているやつなんですけど、
どういうものかっていうようなイメージがあって、
DNAってくっそ長い紐なんですよね。
2メートルぐらいの紐。
その紐がコマみたいな、コマっていうかヨーヨーみたいなのに2,3回転ぐらいして巻きついて、
ヨーヨーみたいなのに巻きついて、ヨーヨーみたいなのに巻きついてっていう状態になったものをぐるぐるぐるぐるねじねじ、
螺旋状に折りたたんで、それがさらに積み重なって出来上がるのが染色体。
形とかに関しては写真とかを見てもらうのが一番いいと思うんですけど、
30億文字書いてあるだけじゃなくて、そいつらがぐるぐるぐるぐるねじれてて、
さらにねじれたものがさらに集まったものが一塊になってようやく一つの染色体っていう物体ができていて、
結局それを立体まで含めて何がやってるかっていうことを計算しようとするとやっぱりとてつもなく難しい。
だからまっすぐな状態で解析したとしても、ぐるぐる曲がれてる状態とはイコールにはならないわけですから、
ぐるぐるなった状態も含めて解析せへんと意味がないと。
最近の話で言うと、ぐるぐるが緩まったりすることによって、
老化というものの原因の一つが、前までは洋々にキュッて巻きついてたやつが、
だんだん緩くなってくることによって、機能がうまく発揮できなくなって、
いわゆる老化という現象が起こっているんじゃないか、みたいなことがわかってきているらしいんですよ。
てことは緩まり方、締まり方によってDNAの働き方が変わるとしたら、これはかなりややこしいですね、解析が。
事例としてサンプルで出てきた面白いなと思ったのが、かつてクローン羊ドリーって覚えてますか。
はい、覚えてます。
あれって要するに細胞のDNAを取り出して、そのDNAを増やして羊を作ったわけですよね。
クローン羊ドリーって大人じゃないですか。
うん、確かに。
出てきた羊って、羊の子供が出てきてるじゃないですか。
どうやらDNA自体はずっと若いままでいられるっぽい。
おー、なるほど。
老化するというのはDNAが悪くなっているんじゃなくて、DNAとかDNAをコピーしてRNAという機能の部分を取り出すのが人体の役割なんですけど、
DNAの形が変わるというか、紐が緩まったりするとか、そういうバグが起きやすくなる状態になっていくことが年を取っていくことなんじゃないのか、みたいなことは最近ちょっとずつわかってきているみたいなんですよね。
うーん、なるほど。
その辺の老化の話は後でもうちょっと詳しくできたらいいのかなと思うんですが、
DNAがどういうふうに機能しているかっていう話で、何をしているかって言ったらいいのかな。
ここで科学で習った空論力とか共有結合とか何とか結合みたいな言葉って覚えてますか?
覚えてはいますよ。
説明できるかっていうと怪しいですけど。
俺もこれを読んで、最近ようやくもう一回根っこから勉強し直そうと思っているところなんですが、結局DNAというか人間の体全部に関して言えることなんですけど、
人間の体って何をしているかというと、くっつきやすいとくっつきにくいという性質を生かして、何かが入ってきたときにくっつきやすくなったりくっつきにくくなったりっていう作用を
DNAとコンピューターの類似性
DNAって要するに、電荷が場所によって微妙に偏っているわけなんですよね、立体で。
この辺はプラスで、入り口の辺はマイナスで、出口の辺りはプラスになってて、これと似たような構成の物質は割とくっつきやすくってみたいなことが
例えばウイルスが入ってきてウイルスがくっつくっていうのも同じような大雑把に言うと同じような仕組みだし、
そういうヘモグロビンが酸素を運ぶっていうようなのも、仕組みとしては要するに電気でくっつきやすいかどうか。
それが立体だからすげー難しくて、これもイメージで言うと、要するに鍵穴がぴったり合うようなものだとくっつきやすくて、鍵穴が合わないとくっつきにくい。
サンプルとして、例えば一酸化炭素でなぜ人が死ぬのかっていう話って割と有名だと思うんですけれども、それも俺最近ようやくちゃんと理解できたという感じなんですが、
一酸化炭素中毒ってよく聞いていて、一酸化炭素は毒じゃないけど人が死ぬって言ってて、わかったけどよくわからんなっていうことをすごい思っていたんですよね。
一酸化炭素で人が死ぬのって何でなのかというと、物質で言うとヘモグロビンというやつがですね、心臓からもらった酸素をヘモグロビンにくっつけて血液の中で、
体中のあっちこっちに移動して、ヘモグロビンはタンパク質とまあまあ弱い力でくっついてるらしいんですよね。
体の中のもっと酸素とくっつきやすい場所に到達することで、もっと酸素がくっつきやすい場所で酸素が離れていくことで、体中に酸素が行き渡る。
一酸化炭素の性質というものがヘモグロビンと酸素よりもはるかに強くくっついて、しかも離れなくなってしまうイメージで言うと。
なので一酸化炭素を吸い込んでしまうと血液がヘモグロビンが酸素とくっつけずに一酸化炭素とみんなくっついてしまって、
しかもなかなか離れてくれないから体中に酸素を行き渡らせることができなくなって、息ができるのに酸素が行かなくなって死んでしまう。
というのが人間が一酸化炭素で死んでしまう理由。
大体の人間の体の仕組みというのが、くっつきやすいとくっつきにくいということが、この物質はこの辺にくっつきやすいとか、この辺にくっつきにくいという仕組みを使っていろんな酸素を運ぶだとか、
ありとあらゆる動作というものはそれによって行われているらしい。
細胞が増えたり減ったりするっていうのもそこで行われているらしいんですよね。
ここでコンピューターの話をします。
今度はコンピューターサイエンスの話なんですけど、チューリングマシーンってわかりますか?
もちろん。
ちゃんと説明できるほどちゃんとわかったりしないんですけど、
アラン・チューリングさんという超絶偉大な数学者・暗号理論家が考え出した、こういう仕組みでコンピューターは計算をすることができるっていう言い方をすればいいのかな。
現代のコンピューター理論の基礎ですよね。
基礎を作った人ですよね。
チューリングさんが考えられている、こういう仕組みさえ動作すればコンピューターを実現することができる。
その上でコンピューターはこういう計算ならできるっていうことを考え出した仕組みなんですけど。
チューリングマシーンの簡単な定義を言うと、
1次元の無限の長いテープにデータとプログラムを両方置いて、それを好きな場所を読み出したり書き出したりできれば、そのコンピューターとしての機能は果たすことができる。
今の説明でだいたいあってますかね。
あってますけど、たぶんわからない人にはわからんでしょうね。
イメージはできますけど。
そこでですね、DNAが出てくるんですよ。
DNAってさっき説明したんですけれども、長さが2メートルぐらいあるスーパー超絶長い紐で、そこにAかTかGかCかっていう2ビット、4文字のパターンのどれかが書いてある。
これってチューリングマシーンでいう無限に長いテープにデータとプログラムを両方置いてあるっていうことと概念としては同じですよね。
さらに実際にやっていることというのも、何らかの作用をしたときにくっつきやすさの原理に従って、その場所で何らかの反応をするということもできている。
このDNAの仕組み、DNAが何らかの反応をする処理っていうのは、究極的な話をすれば、コンピューターがチューリングマシーンが実現しようとしていることと同じことができている。
さらにですね、これも全く知らなかったんですが、世の中に実際にその仕組みを使ったコンピューターってもう存在しているらしいんですよね。
DNAを使ったコンピューター?
DNAコンピューティングという仕組みで、DNAのAとTとGとCが結合する特性と構想を利用して動作するコンピューターというもので、
残念ながら現代の技術で2018年の段階で、コンピューターといえるレベルの計算の能力っていうのは人間の技術では実現はできていないんですが、
少なくとも1994年にDNAコンピューティングによって、レオナルド・エーデルマンさんという人がNP完全問題と言われるコンピューターが得意な問題を解いたという実績はあるみたいで。
マジかよ。すげえな。
だからもう説明なんてしなくても、要するにやっぱDNAの仕組みってコンピューターと全く同じじゃないの。コンピューターと同じことができているしやっているんですよね。
というか多分逆なんでしょうね、本来。DNAという高性能な情報処理機械がまずあって、私たちはそれによって生命を出していると。その生命の一個があたかもそれを追従するかのようにコンピューターという情報処理マシンを後追いで作っているという感じがしますね。
たぶん当時は技術の順番で言うと気づいてなかったけど、コンピューターはDNAがやろうとしていたことを人間が現実の世界で実現させることができたというぐらいの感覚に近いのかな。
なんかそんな感じはしますね。
面白かったのが、さっきの生命はデジタルでできているっていう本に出てきた用語。この人が独自に理解するための概念としてアピールしているのがロバストとフラジャイルっていう言葉。
頑強さと柔らかさ。
いわゆる人間が作ったコンピューターというものはすごくフラジャイルなもの。ものすごく堅牢なんですけれども融通が効かないし、すぐに壊れやすい。
人間のプログラムで言うと、人間が作ったプログラムはコロンが一個ないだけで動かない。プログラム初学者の人はまずそこでやっぱり挫折しやすいじゃないですか。
僕もフォームっていう変数を使った後にフォームデータっていう変数と間違ってずっとデータ合わへんなって2時間くらいやってましたからね。
対して生命っていうのは実は一個ぐらい文字が間違っててもう動いてしまうらしいんですよ。
ATCGの中の、さらに言うとATCGの中の3文字で20パターンしか作らないらしくて、アミノさんというやつは。
本来なら3文字作って64文字表現できるはずなのに、生命として認識できるのは20パターンしかないらしく。
そのぐらいなんか結構いい加減で雑でちょっとやそっと間違っていても動いてしまって、それが生命のいいところでもあり悪いというか不便なところでもあったりして。
例えばフラジャイルなコンピューターってちょっと動かないだけで壊れてしまう。
1文字間違えただけで動かないってすごく悪いことのような捉え方もできるんだけど、実はそれって1文字でも違ったら動かないということはバグ取りがしやすいんですよね。
厳密っていうことですからね。
どこかが何か間違っていたらこれは違うぞっていうことをすぐに教えてくれるので、すぐに修正はできるしやすいということで、意外とそれはそれで良かったりするんですが、人間の場合はちょっとやそっと間違っていても意外と動いてしまうので、仮にどこかがちょっと変になっていても、どこが変になっているかすごく分かりづらい。
これもまただから人間がDNAというものをどういう仕組みなんだろうって調べるときに厄介なことでもあるらしいんですよね。
ここがこうだからこうなんじゃないかって思うのに、ちょっと変わっても同じような動作をしてしまうから、こいつが果たして本当に思った通りの機能を果たしているのかどうかっていうのもすごく分かりづらい。
さっきの話に戻すと、厳密に酸素運びをデザインしたら、一酸化炭素と結合しないようにデザインするべきですよね、どう考えても。でもそうはなっていないと。
逆に言うと、一酸化炭素と結合してしまう遺伝子の働きっていうのが、これ後から見たときにこれ何をさせようとしているのかが漠然としてわからないっていう問題が起こってしまうってことですね。
そうですね。おかげで今でもこういう仕組みのせいでだから何をしているかっていうのがすげえ分かりにくいし、バグというものが見つけづらい。
ちなみに一酸化炭素の話で言うと、どれかの本に書いてあった著者が言っていたことは、要するに一酸化炭素中毒になるのって進化の上でのバグみたいで、もともと人類というか生命は海の中で育っていたので、不完全燃焼から一酸化炭素が発生するという場面を体験してきていなかった。
だからそこに対する冗長性というかがないままに一酸化炭素も普通にヘモグロムとくっついちゃう生命体が出来上がってしまったと。
遺伝子の進化と突然変異
もっと長い、あと1億年レベルでもし仮に人類が生き残っていたとして一酸化炭素に晒されたりすれば、一酸化炭素で死なない人類ができるかもしれないんだけど、そうではないような結局たまたま一酸化炭素というものに出会わないまま進化して増えてしまったせいで一酸化炭素というものに対しては耐性を持つことができなかった。
この辺で俺の中の第一弾、DNAとか生命の仕組みの基本みたいなところはこんな感じなんですが、ここから遺伝とか遺伝子とか生命の進化みたいな話がこの辺りを分かっていると色々と面白く理解できるようになるなと思っておりまして。
さっき言ったみたいにロバストとフラジャイルという概念があるんですけど、要するに人間が遺伝子をコピーする過程でも結構間違えてコピーしてしまったりするし、子供を作るときでも結構間違えてコピーしてしまっていて。
これは違う本、人体大全という本に書いてあったんですけど、だいたい個人の遺伝子の突然変異というのは20億個のうちの、30億だったっけ、100個ぐらい間違えるらしいです、30億文字のうち。
でも逆に言うとそれ以外は結構正常にコピーしてるわけですよね。
そう、あんまり触れなかったんですけど、DNAのコピーの仕組みというのはやっぱりとてつもなくよくできていて、二重でバグ取りして、ねじれのくっつき方ってあれってコピーでミスが起こりにくいようにするためにああいう形になってるんですよね。
なるほどね。
それによってすっげえミスの発生率は低いんですけれども、30億というオーダーで見るとやっぱり100個ぐらいはミスってしまう。
それでも例えば工場でいうとシックスシグマっていうような厳密さがありますけど、それよりはるかに高いレベルで厳密ですよね。
そうそう、恐ろしいぐらいレベルは高いんだけど、やっぱりそれでもミスってしまって。
なるほど、なるほど。
その100個ぐらいっていうのは自分の中ですごい人間の進化を考える上で参考になる数字だなと思って。
例えば20世代続くと2000個ぐらい、100世代続くと1万個ぐらい遺伝子が突然変異で変化するということは、人類の歴史で結構思ったより進化ってするんじゃないのかなという億年単位じゃなく、何百万年単位ぐらいで考えてみると。
でも突然変異が起こるだけであって、それが進化に適合している保証はないわけだから、有効なものはそれより低下がるでしょうね、割合は。
もちろんもちろん。なので、いわゆる世の中の難病と言われるものは、100個ぐらいのバグというやつがすごい運悪く人体にとってうまくいかないような仕組みのバグが起こってしまっていたというふうにも言えるし、
100個ずれるだけで、見えてないだけかもしれないんですよね。30億文字あったうちの、どうやら使われている部分ってもっと少ないっぽいっていうようなこともわかっているみたいで、たまたま使われている大事な部分がミスってしまうと、難病的な病気になってしまうかもしれないし。
その遺伝子の進化のすごい面白い話で、遺伝的アルゴリズムで最高にエッチな画像を作ろうっていうのが昔流行ったの知ってますか?
ロバストさとフラジャイルさ
昔でしたっけ?
昔っていうか、1年以内くらい。
そうですね、ちょっと前ありましたね。
あれがまさに人間の進化というか、あれをすごくよく表現してくれていて、イメージとして捉えやすいなって思ったんですけど、
ちょっとバグがあって、ちょっとバグを繰り返していくことで、数字を調べてみたんですけど、数千万回試行して1万世代くらい減ることで、Googleにエロ画像を判定されるようなエロ絵っていうのが作れたみたいで。
人類の30億文字のDNAが50億年かけて作られたっていうと、とてつもなく壮大な話なような気がするんだけど、意外とできるのかもしれないとも思ったし。
人間が感じる時間の流れのスパンというものが、いかに曖昧なものなのか。
100万年だろうが1億年だろうが、俺たちからしたら誤差でしかないっていうか、何の違いもわかんないんだけど。
違いが感覚できないですね、そこに。
100万年と1億年というのがどれだけ違うのかっていうのもやっぱりわかんなくて。
よく例え話にされると思うんですけど、最近ちょうどHumankindで40億年を1年に例えるっていう話をしてくれていたんですよね。
それでいうと、生物の40億年の歴史を1年にまとめてみると、10月の中旬までがバクテリアの生きていた時代だったらしいです。
11月になって、脳と骨を持つ動物だとか、つぼみと枝を持つ植物が登場した。
恐竜が絶滅したのが12月25日。
人類の登場は12月31日の午後11時。
なるほど。
農業を発明したのが11時58分。
ピラミッドからロケットへの発明というのが最後の60秒間に起こった出来事。
という感覚でいうと、40億年というものがいかに膨大な長さで、それだったら遺伝子2個しかなかった状態から30億個ぐらいもあり得るのかなってちょっと思ったりもできるなと。
それは起こり得るでしょうね。
恐竜の時代というのもめっちゃ長かったっていうのを全然知らなかったんですけど、
人類って長く見積もって700万年ぐらいに誕生したと推定されているらしいんですよね。
恐竜って1億6千万年も反映していたらしいんですよ。
そのぐらいのスパンで人類の生存というものはいかに短くてついつい最近で、
人類が要するにできてここまで進化したのも、
所詮、たった700万年で別の種類になってここまで来るっていうことが起こっていたりもしていて、
バグだとか自然の進化だとかっていうものもそのぐらいのスパンの巨大な出来事だっていうことが分かってきたというか、
その上で話が飛ぶんですが、人はなぜ老化をするのか。
生物の死と老化
これも面白いというか、言われてへーって思った話なんですが、
多くの生き物って結局死んだ方が有利で、死ぬ奴らが生き残ったというその逆説的な話というのがやっぱり有力な考え方らしいんですよね。
だからあれですよね、これ。理不尽な進化の時でも言いましたけど、
死ぬ種としての滅亡とその個体の死っていうのは別なんですよね。
生物が早く死ぬほどDNAの最適化が早く進むんで、死ぬ奴の方が環境的にはしやすいっていうことですね、要するに。
そうそう、それをですね、その概念を今までの遺伝子の話とか突然変異の話とかその進化の話とかを考えて見てみると、
だから多分なんですけど寿命が短ければ短い生き物ほどより繁栄しやすかったと言えるのではないか。
おそらくは。
さらに人間って他の動物と比べると老化するのも他よりもだいぶ早いらしいんですよね。
その比較として言われてみると、確かに人間って言ったらもう30歳になったらもういろんな機能って、
というか20歳がピークですらないぐらいじゃないですか、本当の生物の。
30になってもう落ちてて40になっているといろんなものがもうだいぶあらゆるところが衰えてきて、
そもそももともと20代30代で人間は死んでいた。
そのぐらいのスパンで変えていたっていう生き物が生き残っていて、
長生きできる生き物ほど適応ができなくて、適応ができなかったことによって死んでしまっていた。
寿命延長の研究
実際に探してみると超長生きするような生き物とか、全然老化しない生き物とかって一応残っているらしいんですよね。
有名なものとして、例えばニシオデンザメ。
ニシオンデンザメか。
っていうサメがいて、このサメは500年ぐらい生きてるらしいんですよ。
っていう生物がいて、これも研究の対象としてすごく注目されていたりだとか。
あとね、なかなか老化しないような生き物っていうのも結構いるみたいで、
アホオドリとかハゲか、裸デバネズミ、アルブタ、ゾウガメみたいな生き物とかって、
そのいわゆる老化現象みたいなものが全然ないらしくって。
どう測ってるんだろう。何を見て老化したってその場合言ってるんでしょうかね。
なんかね、ちょっと俺がそこまでその本には書いていなかったり、ちゃんと理解はできていないんですが。
人間の場合、例えば体力測定して落ちてたら老化っていうのはわかりますけど、
皮膚とかの含まれている水分が変わるとか、そういうのを見てるんですかね。
例えばの話なんですけど、さっきのアルブタゾウガメというものはですね、
インドの動物園にいたらしいんですけど、
それで言うとね、見た目が全く変わっていなかったっていうところで判定はされているらしいんですけど。
それはわかりやすいですね。
そのアホオドリとかネズミとかはちょっとわかんないんですが、
ゾウガメに関して言うと、若いカメと全く同じ見た目だったのに、
250歳になって突然死んでしまったっていうことがあったりするみたいで。
成長はしないっていうことなんですかね、見た目。
ある程度成長したらもう終わるってことなんじゃないのかな。
リアルサイヤ人なんですよ。
サイヤ人とかも、鳥山明が考えだしたらめっちゃ都合のいい設定だなって思ってたんだけど、
実はそうじゃなくて、世の中にサイヤ人みたいな生き物はどうやらいるし、
進化の過程でほとんどはサイヤ人みたいなやつはやっぱ絶滅危惧種だったし、
ドラゴンボールでもサイヤ人ってほぼ絶滅してたじゃないですか。
あれはでもほとんど機械的に子育てしてたから、もはや最後は。
そういうところが原因なのかわからないけど、
そういうことで意外と調べれば調べるほど、常識というものがいかに常識じゃないのか。
さらに言うと、不死の生物ベニクラゲ。
ベニクラゲっていう生き物は、これも詳しくまでは調べられなかったんですが、
老化はするけど若返るらしくて死なないらしいんですよね。
老衰で死ぬってことがないと。
ある程度年老いてくると、飼ってた人がいるっていうことが書いてあったんですが、
その人がずっと飼ってたら、老化していたのが若返ったことを確認したみたいなことが書かれていて、
人類の数千年の歴史の中で、人は必ず死ぬということが運命みたいなことを、
特にキリスト教とも紐づいているからだと思うんですけど、
絶対に人は死ぬものだっていう前提は正しくないのかもしれない。
そういうことが最近だんだんわかってきて、
人間が老化したり死んだりするということは、
理論的にはひょっとしたら、ある程度対抗できるのかもしれないというレベルまで、
現代の技術は進んできているっぽい。
正しい。それが生物と言って正しいのかは別の話ですよね。
その倫理とかは全くわかんないし、
それに関して言うと、さっきのライフサイエンスの人がいいことを書いてくれていたんですが、
科学技術はあるだけで、それをどう使うかを決めるのは科学技術ではないんですよね。
そのことができるとかできないとか、やるべきかやるべきじゃないかという話は、
さておくしかなく、少なくとも現代では、
そういうことがある程度までできそうということは結構現実になってきている。
多くの生き物というのは死ぬことがすごく有利だったんだけれども、
最近で言うと必ずしも死なない方法があるのかもしれないということがわかってきていて、
いろんな研究があっていろんなことがあるんですけど、
このライフサイエンスという本の中で書かれていた、老化に対して鍵になるであろう、
我々でもある程度実践できるであろうという、5つの寿命延長経路みたいなことが書かれておりまして、
これも全部まとめて最後に聞くと、めっちゃ普通やんという結論になるんですけれども、
まず一番誰でもできてきっと効果があることがカロリー制限。
食べ過ぎないことが生き延びるためにすごく重要なことで、
これはライフスパンの方に書いてあった話で言うと、極限状態に置くと細胞が生き延びるモードみたいなものに切り替わることで、
老化するんじゃなくて何とか生き延びようと、退社じゃなくて生き延びるモードになるっていう、
生き延びるモードを発現させるっていうのが、長生きするために重要なことなんじゃないかっていうのが割と有力な意見になってきているみたいで、
そこで言うとカロリー制限以外にもそういう寒い状況に置いとくとか、
めっちゃ当たり前なんだけど運動をするといいみたいなこともわかってきたりとか、
過酷な環境というものが実は逆説的に長く生きるためにすごく重要なことっぽい。
他にもインスリンシグナルの抑制をするといいっぽいぞっていう、
これもうまいことこれ以上深くわかるほど言えないんですけれども、
同じくラパーマイシン標的タンパク質と呼ばれるTORシグナルっていうのもやっておくといいぞだとか、
あとどうやら効果があるっていうのが生殖細胞の除去というのも長生きに効果があるっぽいんですよね。
実際に中国の肝がんがサンプルとしてすごくいい例だって話に出てきたんですけど、
当時の肝帝国の時代の中国とかって大体の人が40代後半から50の前半ぐらいで死んでいたらしいんですけれども、
肝球型っていう肝がん、菌玉を除去するやつ、肝がんの人たちは平均すると70歳ぐらいまで生きていて、
これもまだ何でなのかわかんないんだけど、取り除くと長生きしそうっていうところまではだいぶわかってきている。
だからその取ると長生きしそうっていうのは科学的に一応わかりますけど、
中国の肝がんは多分それ政治争いに巻き込まれなかったせいで平均寿命が高かったというふうに僕は説明できると思いますけど。
でも肝がんって言ったらなんですけど、生活環境は良かったと思うんですけれども、
政治争いか、でも五感の最後の方とかは無駄に死んだりとかしてるんですけど、
前半多くの期間は平和だったと思うんですよね。
なので環境としては変わんないんじゃないかなって思うんですけど。
個人的にはそういう人たちは本流から外れるんで、厄介事に巻き込まれない率は多分普通の人たちははるかに高い気がします。
だからそこの要素を取り除かない限りは、この説明だけではちょっとバックエンドは弱いなと思ったっていうそれだけです。
あとはミトコンドリアの機能を抑制するというのも大事っぽいっていう。
ミトコンドリアも色々と学んでいたら分かんないことがいっぱいあるっていうことが分かったっていう、
細胞の中のエネルギーを発生させる非常に重要なものなんですが、
全般的に全部そういうエネルギーを発生させるだとか、すごく相反することなんですけど、
活発に生きようとすればするほど老化しやすくなって死にやすくなるっぽいっていう。
でもそうなんですよね。ある使用期限みたいなのが決まってて、それを素早く使ってしまう。
だからその細胞の使用耐性粘土っていうかそれがあって、
ご飯をたくさん食べたりすると結局それを激しく使ってしまうから早く老化してしまうっていうことなんでしょうね、きっと。
これも同じくなんですけど、やっぱりほとんど全てのことが昔から言われていることで、
粗食で適度に運動をして無茶なことをしないのが長生きの秘訣だみたいなことが、
ようやくサイエンスの側でも裏付けが取れつつあるっていう感じなのかな。
だから生物としての基本に戻れっていうようなところですよね、これはやっぱり。
結局食べ物がない方が長生きするってね。
だから恐ろしいのはもし仮にこれから、今平均寿命ってめっちゃ長いんだけど、
実はここから飽食の時代からあと30年ぐらい経つと意外と平均寿命みたいなことも伸びないのかもしれないし、縮むのかもしれないし。
逆にこの飽食の時代に最適化していくかもしれませんね。このままずっと長いかもし続くのであれば。
あと話してそういえば思い出したんですけど、確かアメリカは平均寿命最近ちょっと下がってるらしいんですよね。
アメリカとかヨーロッパの一部の国だったかな。日本はまだ伸びてるらしいんですけど、
アメリカの場合は貧しい人たちが多いとかっていうのがあるので、もちろん一概に言えることじゃないんだけど、
ちょっと思ったのが世界一無駄に食いまくる国が平均寿命を下がるということを考えるとすごく可能性というか、
本当に食べないことがっていうのも分かりやすいような気もするし。
そこは文化的、科学的、政治的要因が空いてくるから簡単には言えないですが、
だから食べすぎないっていうことは重要だって言えますけど、
食べられるけど食べないか。食べられるけど食べないはいいですけど、
食べないことがいいことだったら貧困の国で生きてる人は長生きになるはずだみたいな無茶な話になってくるんで。
難しいところですけど。どうなんすかね。ちょっと僕には分からないですけど。
そもそも長生きすることがいいことかどうかが僕には分からないんで。
それを言ってしまうと難しいですよね。
でもこの人が、それもやっぱり一番最後のライフサイエンスの著者の方が素晴らしいなと思うのが、
健康であること、幸福な人生というものを長くするために科学者としてできることをしたいみたいなニュアンスのことを言っているんですよね。
ただ単純に寿命を延ばすのではなくて、健康寿命を延ばさないといけないし、
高齢者の社会的偏見
例えばで言うと高齢者だからという理由で、例えば強制的に会社仕事を辞めさせられるだとか、
高齢者だからという理由で何々をやらせてもらえない、まともに相手にしてもらえないということはすごく理不尽だと思うので、
その年齢を理由に云々みたいなことはなくなるべきだと思うし、
そうでない方がきっといい世の中だというようなことはすごく感銘を受けたというか、いいことを言っているなと思って。
でも退職で言うと、企業の中で一定の年齢の人間が退職させられるというのは、
生物が死ぬというのと一緒ですよね。ある細胞が死ぬというのと一緒ですよね。
新陳代謝が進むということだから、別の活躍の場を与えるということはいいことですけど、
新陳代謝が進むようになるというのは僕はいいことだ。
年齢によって役職が変わらざるを得ない、立場が変わらざるを得ないというのは、
僕は社会的なシステムとして好ましいと思いますけどね。
【佐藤】俺はね、まだできるのにやめさせられてしまうというのは、社会的損失なのではないかと思うんですよね。
【岡田】別のことをしたらいいという話であって。
例えばですけど、今の日本国の政治家の平均年齢を見たときに、果たしてこれでいいのかと思いますよね。
あの人たちは確かに仕事ができる正体ですけど、それはいいことなのかどうか、僕にはちょっとわからないですが。
【佐藤】まあそこはあれじゃないですか、でも私企業と政治だったら一緒になってしまうのか。
長生きの社会的効果と学びの重要性
【岡田】この辺はなんとも言えないですけど、別の場所で活躍できるということで、
企業体も一つの生命体というか体というか系というかシステムなので、そこの中で細胞が入れ替わるということをしていきつつ、
その入れ替わった細胞の先を何かいい利用先があったらいいなというふうに設計できたらいいっていうことは思います。
あと別にいくら年齢が経っても、自分なりのチャレンジができる環境を整えていくっていうのはもちろん社会的に重要なことだと思いますけど、
同じ会社に居続けることは別にイコール幸福ではないと思いますね。
【佐藤】そのことに関してはあれですね、自らの意思に反して年齢しか反対基準がないというのはよくないと思うんですよね。
肉体年齢みたいな話だったり、もはや年齢というものの価値が変わっているというのかな。
【岡田】例えば自動運転が圧倒的になったら、高齢者が免許を持っててもそんなに危なくないみたいなことは起こるでしょうね、きっと。
【佐藤】確かに高齢者が一律に免許で言うなら何らかのテストを、というかテストをしないともうやばいような世界にはなってきていますからね。
【岡田】だからやっぱり、結局運転技術と一緒で、例えばマネージメントというのも一つの技能なわけで、
それの多さでその会社の人々の幸せが変わってしまうということもあるわけで、そこだから原理があるはずですよね、そこには。
全ての自由が守られるというわけじゃなくて、他社に対するある種の原理性を守って、それぞれの幸せを見つけていきましょうという話になってほしいところですね。
【佐藤】マネージメントとか、どれかの本に書いてあったことなんですけど、そういう知能、脳みその能力にもいろんな種類があって、
いわゆる瞬発力とか筋力が要求されるような行為というのは、やっぱり若い人の方が強いらしいんですけど、
世間一般のイメージでいうマネージメントだとか交渉事だとか、そういう人との接触みたいなことっていうのは、
やっぱり老齢の方が脳の能力として平均として優れるっていうのかな、年月を重ねることで伸びる要素みたいなのは結構あるみたいで、
役割を交代していくべきだとは思うんですけどね。
【佐藤】だから、昔、ご遠慮様っていう制度は実にいいんですよ、あれ。大切な交渉事を彼らに任すけど、実権は別の若い人が握っているっていう、そういうバランスを取るといいんですよ。
それが崩れるとややこしいことになるというね。
【佐藤】この本、これ系の本に書いてあることでいうと、例えば老化によってどういう良いことというか、老化したからといって、
そのヤバいだけのことではなくて、例えば健康寿命を伸ばすっていうことは、社会全体の投資効率を上げるっていう言い方もしてるんですよね。
言ってみれば、人間が生まれてまともな仕事ができるようになるまでに、現代の日本でいうと20年間ぐらいコストをかけているという見方ができる。
それが60歳まで、例えば働くんだとしたら40年しか働い、成果、投資の回収ができないんだけれども、仮に80歳までできるようになれば、さらに20年余分に投資の回収ができるようになる。
そういう意味で、社会の回収効率を上げるという見方をできる。長生きをするようになると、高齢者が勝ち逃げをしなくなるって言ってるんですよね。
今の老人が、例えば自分の人生が残り1年しかないと思えば、10年後のことなんてどうでもいいと考えるのは、人間にとってすごく理にかなったことだと思うんですよね。
一般的に老人というものは、自分たちの世代さえ良ければいいという考えに陥りやすいということは言えると思うんですよね。
さっきの原理を応用したらそうなる。
例えば60歳の人の場合は、あと20年生き延びられればいいというので、20年先までしか見越さない考え方をするのが合理的なことになる。
それが仮に120まで生きられるとなると、あと60年先まで考えたことを自分のためにもするようになるよねっていうので、
最終的にどこかで老害化はするかもしれないんですけど、
自分のこれからの長く生きない前提の社会というものが大きく変わってくるのかもしれない、
っていうような希望を持たせてくれるようなこととかも書いてあったりはして。
大いに反論がありますけど、まあいいです。
いや、結局個人主義から逃れてないだけであって、そうじゃなくて、後の世代のためにどうしようって考える方が生物的に健全ですよね。
生物的に健全だけど、それを個人ができるのかっていうことをすげえ思うんですよね。
何回か前で、だから結局自分の幸せっていうのは他人のためになることだっていう幸福感を得るっていう方法をここで適用したらいいんですよ。
何て言うんだろう、概念としてはわかるし、自分はそうしたいと思っているんですが、世の中の多くの人がそう思えるようになるようになるのだろうか。
いや、なると思いますよ。結局だから今個人主義に合わせて社会制度が設計されているから僕らがそう思っているだけであって、
多分狩猟時代の人間はそんなことを考えていなかったと思いますよ。ただ単に文化がそうなっているだけっていう。
あるかもしれない。そうだね。確かに狩猟最終時代の人を勝手に想像すると。
勝手に想像ですけどね。
勝手に想像すると俺たちと同じようなことを思っていなさそうな気がする。
だからさっきの論法で、160歳の人が120歳まで自分の人生を考える方にやればやるほど、その人は結局自分の人生しか考えなくなってくるわけで。
一つの思考の方向性を強化しているだけであって、あまり変わってないんですね。僕の中では。
スパンがちょっと伸びただけで。本来は2世代3世代まで後のことを考えればもっとスパン伸びるじゃないですか。
そっちの方がより射程は広いと思いますけど、これは科学の話じゃなくて思想の話なんで別にどうでもいいんですが。
そうそう、サイエンスでは解決できないところではあって。なので今回の話でですね、いきなりちょうどいいのでまとめな感じなんですが。
いろんな分野を全部横断して話すということをできるだけ意識してみようと思ったんですよね。
今回はDNA、デジタルコンピューター、進化の話いろいろ出てきましたね。
うまくいったかどうかというのは聞いていただいた方に判断するしかないんですが、
例えば大学で文系に行くと、俺は文系だから数学はいらないになるし、高校生の段階でそういうことを言う人が多くの人がそう言い始めるじゃないですか。
だって試験で必要ないからっていう明確な文化の制度がありますからね。
逆に理系の人というものは、現代文の授業なんて何が面白いんだみたいなこととか、
英語ならともかく他の言語なんて学ぼうとしないとか、歴史とかなんて何の役にも立たないとか、いろんなことがあると思うんですが、
分野を横断して話そうとしてみたことで、ちゃんと全部の分野が面白くて、やっぱり繋がっているんですよね、特に現代。
この長生きするっていう話でも技術の話だったり、
ケミカルの物質としての話だったり、それが進化にどう影響していたかっていう話にももちろんなるし、
それによって長生きできるようになったら、最後の話でらしたさんが見事な意見を言ってまとめてくれたんですが、
人類はどうあるかというところまで話も広げることができる。
めっちゃ大変だったんですが、そういうふうに読む本に関しても一個のジャンルにとらわれないということがすごく重要だなと思うし、
話そうと思ってやればやるほど、いろんな分野をちゃんと横断的に知っておきたいし、知っておくと実際に面白いし便利なことが多かったなというのをやってみて思っていた以上に実感できました。
だから結局、文系理系の問題もやらないのって知らないからなんですよね。
面白さを知らないからそのことを知らないと。
知らないから面白さがわからないという無限ループというか循環に入っちゃってるんですよね。
そこをちょっとでも変えたら、理系の人間でも文系の話って面白いですし、文系の人間でも理系の話って普通に面白い。
何か情報に対して知的好奇心を持つ人間であれば、基本的に分野の方よりも面白いと感じられる土壌みたいなものはみんな持ってるはずなんですよね。
学校の勉強を馬鹿にしたらいかんというか、思っていた以上に役に立つなということを改めて思いましたね。
あと思っていた以上に忘れていたことも改めて思いました。
一応日本の教育制度も全然変わってないとはいえ、教科書は改訂されてって言ったら進化してるわけですよね、内容も。
だから本当に必要のないことって教えられるわけで、むしろギリギリまで必要なことに絞って教えてもらってるわけで、役に立たないわけがないんですよね。
例えば数学なんて何の役に立つんだって確かにわかんないと思うんですよね。
使う場面に立ったことがないからわからないっていう無知ですよね。
使う場面を教えてくださいって言うのも変ですからね。
でも若ければ若いほど当たり前なんだけど、役に立たないことを教えさせられていると思ってしまうし。
だから若い頃は何が役に立つかわからない状況から知識を覚えなあかん以上、我慢っていうのはある程度は避けられないでしょうね。
みんなが楽しくもちろん学べばいいですけど、その段階で価値がわからないものについてはちょっと我慢して学ぶということは必要でしょうね。
難しいところですよね。どっちが正しいのか。
少なくとも今回2,3日前からすぐに成果が出るとは思っていないんですが、有機化学の入門書みたいなやつを図書館で数冊見つけてきて読んでいたりするんですが。
めっちゃ忘れてるって思ったし。
そうでしょうね、きっと。
あと最近の教科書なのか、本なのか、自分の興味なのか、いろんな要素があると思うんですけど、めっちゃわかりやすいって思うし。
本の読み方が変わったんでしょう、きっと。
すごいわかりやすい上に、やっててよかったって思ったんですよね。
クモの好きみたいに。
学校の勉強をやっててよかったわ、共有結合ってこんな深い話だったんだ、それは今日ちょうど読んだところなんですけど。
原子ってこんな仕組みになってて、共有結合って繋がってると思ってたんだけど、そうじゃないみたいで。
とかっていうのも、わかりやすく伝えるための本で、しかも教科書じゃないので、よけい知ってるつもりにさせるのが上手な本だと思うんですけど。
すごいわかるようになっていて、そういう意味でも一年のまとめとして、よかったねっていう、いろんなことをやってみて、全部の話をつなげてみようとするのは大変良い経験だったなと思います。
面白かったですよ。
難しかったですね。一番苦労した。一回目ぐらい苦労した。
なるほど。
一回目のどうやって話したらいいんだろうっていう時の苦労がもう一回戻ってきて、ちょっと慣れてきて楽だなと思ってたけど、やり方を変えるとすっげえ大変だったですね。
でもやっぱり一年に一回ぐらいはこういうのをやったほうがいいですね、きっと。
そうですね。来年のこのぐらいの時期にも、自分の最後の晩ぐらいに一年間かけて学んだことをできるだけまとめて紹介するみたいなのはやりたいですね。
はい。
そんな感じですかね。
はい。ということで、感想や質問などがあれば、ハッシュタグ、カタカナでブックカタリストをつけてツイッターでつぶやいていただけると、ゴリゴとクラスターが確認して紹介します。
収録の後には本編で語れなかったアフタートークというものを収録しています。
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それでは今回もお聞きいただきありがとうございました。
ありがとうございます。
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