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レベル10N 危険度・該当なし 情報提供待ち
レベル10Nとは、バックルームにおける10N番目の階層である。
特記事項 当記事は、レベル10Nへの到達経験があるものが執筆している。
また、当階層に出現する実態に関しては、口述する実態の特性により判明している情報が極めて乏しく、かつ非常に曖昧である。
以上の事情から、実態の口に関しては、筆者自身の主観が多々交じること、あらかじめ了承願いたい。
概要 レベル10Nは、街路樹に囲まれた一本道である。
階層内は常に白昼であるため、視界は良好であり、路面状態も問題ない。
しかしながら、口述する実態の影響から、常に転倒の危険があるため注意するように。
なお、道の先はひどく霞みがかっているため、うかがい知れず、どこへ繋がっているのかは不明である。
これまでに寄せられた放浪者の証言を総合するに、レベル10Nは非常に安全な階層であると言える。
気候はやや肌寒いものの過ごしやすく、天候は常に穏やかな晴天である。
敵対的な実態はおらず、危険をもたらす構造物も存在しない。
実際に殺傷等の軽微なものを除けば、当階層で何らかの負傷をしたものはおらず、
加えて、到達したとの報告後に連絡が途絶えたものも確認されていない。
しかしながら、当階層では非推奨とされる行為がいくつか存在する。
主に実態への対応に関するものだ。
詳細は別講にて解説するが、当階層には一体の実態が出現する。
実態は常に放浪者の真横について回るが、これを意図的に見ようとしてはいけない。
加えて、常に人語と思われる声を発し続けているが、これを聞き取ろうとしてはならない。
また、この実態が放浪者に対し攻撃等の積極的な干渉を行うことはない。
少なくとも現時点ではそのような例は報告されていない。
しかし、時折袖を引く、肩口を強く押すといった軽い接触行動をとる。
これによって転倒した場合、それに転ばされのだ、それに転ばされたのだと気づいていることに気づかれてはいけない。
なお、以上の非推奨行為は、これまでにレベル10Nへ到達した放浪者の経験則によって自然に形作られたものである。
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よって、非推奨とされる理由及び実際にこれらの行為を行った場合、何が起きるのかは定かではない。
しかし、何かが起きたというものの証言が不自然なほどに残されていないことは留意すべき事実である。
実態
おそらくは人型だと思われるものの断言はできない。
なぜなら、筆者を含め放浪者が確認できた実態の姿は、視界の端にぼんやりと見える輪郭のみであるからだ。
具体的には、微かに目鼻がついているように見える乳白色の楕円である。
無論、実態の方を向けば明確に視認することが可能だと思われるが、前行で述べた非推奨行為に当たるため慎むべきである。
一方、実態から顔を背けた場合はついづいし、視界から外れることはない。走って振り切ることも不可能であった。
また、この際、追走する足音は聞こえたものの、一人分のものにしては明らかに不自然である。
足音が重なっており、2、3人が連れ立って歩いているのではないかと思われる。もしくは、二足歩行ではない。
実態への対応としては、周囲の風景に集中し、極力気に留めないよう努めるのが最善手である。
意識を向ける先は街路樹や雲、草など何でも良いが、足元に視線を落としていると覗き込もうとしてくるので注意が必要である。
また、目を閉じた場合、実態を視認する危険性はなくなるものの、聴覚に集中してしまい、口述する声を聞き取ってしまう可能性が高まることには留意しなければいけない。
実態は放浪者に対し、常に声を発し続けている。その声量はかなり大きいものの、発音はひどく不明瞭で聞き取りづらい。
しかし聞き取ろうとすれば聞き取れてしまう程度であるため、なるべく意識しないよう努めるべきである。
こういった経緯から実態の発話内容に関しては当然不明である。しかしその誤調等から推測するに、おそらく何かを尋ねている、もしくは確認しているのではないかと思われる。
戦術したように、当実態は常に声を発し続けている。しかしながら、例外として、前行で述べた実態の妨害行為によって放浪者が転倒した際、しばし沈黙することがわかっている。
この間、実態は目立った動きは見せないものの、筆者を含む多くの放浪者は強い視線を感じたと証言している。
また、詳しい関連は不明であるものの、足元を手で払う、靴紐を結び直す、など他の要因によって転倒したのだと予想をうことによって、実態は発話を再開することがわかっている。
実態が沈黙を続けた場合に起きる現象については報告がないため不明である。
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物品。いずれも路上に落ちている状態で発見された。
藁縄。桜。
腐りかけているものが多い。無地の紙片。錆びた釘。
入り口と出口。階層への入り方。他の階層または現実世界にて細い路地に入り込もうとした直後、気づくとレベル10Nに到達していたというものが多い。
階層からの出方。レベル10N内をしばらく直進することによって当階層から脱出することができる。
体感的には1時間程度だろうか。
なお、その場で留まった場合については不明だが、当階層内には食料や飲料となる物品が乏しいため、長期間の滞在はそもそも避けるべきであろう。
移動先の階層は放浪者によりまちまちであるが、以下の階層に到達する例が比較的に多い。
レベル42N。レベル24N。レベル808N。
画像が1枚。レベル10N内を撮影した写真。
街路樹ですね。狭い道で、左右に大きく木がカーテンのように掛かっています。
嫌だなぁ。なんかゾクッとしたな。
特に何をするわけ?いや、まあ妨害とか話しかけたりとかしてくるんですが、特別なんか不利益をあからさまに被るような実態じゃない。
でも見ちゃいけない。聞き取っちゃいけない。っていうのがすごい気持ち悪いですね。ゾクゾクしますね。
で、おそらくこれやってしまった、非推奨行為をやってしまった人は失踪してるんでしょうね。
失踪しているというか、なんだろうな、個人的には好感してるような印象を受けましたね。
失踪だったらその失踪した、到達した後に連絡があって、そこから連絡がない、失踪したから危ないよっていう情報が入ってると思うんですが、
全員出てこれている、現状ね。出てこれているっぽいので、
なのになんで非推奨行為っていうのがわかるのかっていうと、もともとそのこの実態だったからっていう可能性は大いにあるかなと思いました。
だから、うーんと、くねくねさまとか山のけみたいな、いわゆる回が乗っ取ってくる、その放浪者そのもの、主人公というか体験者になり変わるような、そんな回想なのかなぁとちょっと思いましたね。
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覗き込んできたり話しかけてきたりっていうのは、「変わって?」とか、「ねえねえ?」みたいな聞こえてるんでしょ?変わって?みたいな、そういう印象を受けましたね。
で、おそらくこの回想のルールとして、直接的な大きな危害は実態は加えられないみたいな制約があるのかなと。
この回想に捉えられた過去の放浪者だったり、外れ落ちた、現実世界から外れ落ちた人物だったり、というような印象を受けました。
すごいなんか、ゾワッとする。シャレコアにありそうな感じですね。
はい、ということで、また次回。お疲れ様です。