では早速、クラウドファンディングのプロジェクトにチャレンジしている3人の研究者の方に自己紹介をしていただきたいと思います。
最初に川口さんに自己紹介と簡単にプロジェクトの説明をしていただけますでしょうか。
クラウドファンディングのメンバーの1人の川口光栄と言います。
所属は香港にある香港科技大学っていう東京工業大学みたいな大学ですね。そこのビジネススクールで経済学の教員をしています。
今回は経済学の分野で使われているゲーム理論と、一般には実行科学習と言われていて、経済学では構造推定と呼ばれている手法があるんですけども、
それを使ってサッカーの味方、ファンから見てもコーチのようなゲームアルトから見ても新しい味方が提供できるんじゃないかということで今回のプロジェクトを始めています。
じゃあ他の2人の方をちょっと紹介したいんですけれども、このプロジェクトはまず最初、藤井さんどうぞ紹介お願いします。
藤井圭介と言います。長谷大学で今教員をしています。どこまで紹介すればいいでしょう。自分だけでいいですか。
私はスポーツ科学と、あと最近では機械学習をAIを使ってスポーツの解析を確信していこうということをやっています。
特に最近ではサッカーに限るとですね、選手とボールの位置情報を使ったスペース評価だったりとか、あとは結果を予測することによってプレーの過程を評価していくということをやっています。
そうすると強化学習という方法に行き着いて、最近はその強化学習を使って選手をエージェントとしてモデリングして評価をする、行動価値関数を評価するといったようなことをしていました。
ゲーム理論もすごく興味があってですね、昔からチャンスがあればやりたいなというふうに思っていたんですけども、よくあるのがペナルティキックとかですね。
ある意味、スタティックな状況においてゲーム理論的な分析をするというのはたまに目にはしてたんですけど、
私はもっと動的な局面を評価したいというふうに思っていて、なかなか手を出せずにいたんですけども、川口さんと染矢さんと出会うことで、
それができると。今でいうと強化学習にゲーム理論を導入できるということについて非常にワクワクしております。
詳しい話は後ほど川口さん、染矢さんからもあると思いますので、私のほうからはこれだけで。今日はどうぞよろしくお願いします。
じゃあ染矢さんも自己紹介よろしくお願いします。
はい、染矢太賀と言います。現在は東京大学の駒場にあります総合文化研究科というところの就寝員です。
基本的に私は専門としては自然言語処理、チャットGPTとか今流行っておりますが、あれを生み出したような分野で研究をしております。
普段はそういう深層学習を使った言語処理みたいなことをやっておりますが、最近ですね、もともとバックグラウンドとしてJリーグの柏レイソルというチームのユースのチームで、
高校年代中学年代そこでプレーをしていたというところもありまして、大学も東京大学でサッカーをしていたんですけれども、
そういうバックグラウンドとですね、深層学習の知見というのを組み合わせて何かできないかというところを考えているところですね。
藤井さんはじめ、こういう研究があるというところに行き着きまして、最近ここ1年、2年ぐらいはですね、こういうようなサッカーと深層学習を、
もしくは機械学習を適応するみたいなところで研究もやっております。今回のプロジェクトもですね、川口先生からこれだけいただいて、藤井先生が巻き込んで始まったプロジェクトですが、非常に面白いプロジェクトとなってますので、
今日いろんな話をすると思いますけれども、お話できるよう楽しみにしております。よろしくお願いします。
ありがとうございます。じゃあゲストの方にも紹介いただけますかね。最初は安田さんの方にお願いしようと思うんですけれども。
皆さんこんばんは。大阪大学の安田です。今ですね、大阪大学の経済学部で教員をしています。専門は今日のキーワードの1つでもあるゲーム理論とその応用をやっております。
川口さん、あと齋藤さんとは今まで何度もお会いしているんですけれども、藤井さん、染谷さんとは今夜が初めてかと思います。ただ、ちょこっとサッカー的な繋がりがありそうで、藤井さんはですね、
僕の中高時代のサッカー部だったんですけど、にこしたの後輩に赤木亮太君という人がいて、彼今柴浦高大でスポーツ科学とかやってるんですけど、藤井さんと結構仲のいいということで、
自分の名前出していいんで、ぜひ話のきっかけに使ってくださいというふうに赤木から言われているので、言及させてもらいました。
あとは染谷さん、僕は大学1年生の時だけなんですけど、足利州級部に在籍しておりまして、そういう意味で、こんなところで先輩数をふかすなんて考えないですけど、1年だけちょこっと同じ組織にいたっていう。
一応足利州級部こぼれ話としては、染谷さんの時もあったかもしれないですけど、東大のサッカー部って、僕らの頃は当然そんな強くなかったんですが、卒業生のおじいちゃんぐらいの世代でやたら強かったというか、当時サッカーがマイナースポーツで、
サッカー協会の住人とかに結構東大の先輩方がいらっしゃるんですよね。たまに気の向いたときに試合を観戦しに来て、お前らなってないけしからんみたいなこと言うんですけど、それはあんたたちと時代が違うから勝てないしよってことなんですけど、そういうお説教をよくされたって覚えてます。
川口さんとのサッカーつながりで言うと、僕、大学の1年目は足利州級部だったんですけど、2年目からサッカーサークルに移りまして、それがホットスパーズっていうサークルなんですけど、川口さん、トッテナムホットスパーズのサポーターでいらっしゃるじゃないですか。
なので、これも何かの誤弁かもしれないですけど、僕が3年間プレーしたのはホットスパーズで。ちなみにすごい強かったんですよ、大学の中で。
そうなんです。創設者の小林雅さんって人がトッテナムファンだったってので、サークルに名前を付けて、結構当時からサッカー部と掛け持ちで入ってる人とかも多くて、サークルの場合に激しくやってるとこだったんですね。
それを僕も気に入って、3年間在籍したんですけど。
すいません、サッカーつながりで強引にお三方と関係性を探ってみましたが、次は一見サッカーとちょっと遠そうな再三なんですけど、どんなつながりがあるのか楽しみです。
今晩よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
じゃあ次、鞘さん、紹介お願いします。
はい、よろしくお願いします。
今回すごいお誘いしていただけて、すごい嬉しいんですけど、なんで私なんだろうってちょっと思うところもあって。
私はエコノミストとして活動させてもらってるんですけども、今、ひとつ橋大学の経営管理研究科の博士高期確定というところにいて、専門はコーポレートファイナンスなんですね。
だからサッカー、ゲーム理論というところとはすごく遠いんですけど。
あれ、声途切れましたかね。私だけ聞こえてますね。
はい、いや、声途切れちゃいました。
聞こえてます?今これどうですか。
今聞こえました。一瞬聞けてました。
なんかちょっとエコーしてます。
ちょっと待ってくださいね。
イヤホンマイクをつけた方がいいですね。
すみません。
そうですね。
じゃあちょっとイヤホンマイクを取ってこないといけないので、先に話を皆さん進めていただいてもよろしいですかね。すみません。
わかりました。はい、大丈夫です。
じゃあまたちょっと後でお願いします。
私の声はハウリングしてないですかね。
聞こえてます。大丈夫です。
大丈夫です。
ありがとうございます。
なんか変なことがあったら多分Xのせいなんで、そっちのせいにしておきましょう。
じゃあ今回のプロジェクトの話、前回サッカーの監督の方を呼んで、いろいろ細かい話はしたんですけど、
今日はゲーム理論の専門家でもあり、サッカーにも詳しい安田さんがいるということで、
どちらかというとサッカーの話をしつつ、
どちらかというと技術的な側面の方をしていきたいと思っているんですけれども、
安田さん、私たちこれまでいくつかプロジェクトの内容を紹介していたと思うんですけども、そちらってご覧にもらえますかね。
部分的には読みました。逆強化学習とは何かとか、
川口さんの専門に引き寄せてどういったことをされようとしているのか、概略はつかんでます。
なるほど。じゃあ一度簡単に説明した方がいいんですかね。
あ、そうですね。リスナーの方で多分まだほとんど何も知らないという方もいらっしゃると思うので、お願いできればと思います。
ぜひ、今イヤホンマイクつけたんですけども、どうでしょうか。
いい感じですよ。ちょっとしてるかな。
私も最初から教えてください。はい、お願いします。
これ安田さんが多分スピーカー出してますかね。
安田さんがスピーカーになっているときにハウリングしてる気がするんですよね。
あ、今ハウリングしてます。僕スピーカーオンにしたんですけど、まずそうですかね。
大丈夫?
やっぱりなんか私がしゃべると安田さんの方から聞こえてくる感じがするんですよ。
違うの?
なんか僕もそのように聞こえます。
そう聞こえますね。安田さんって今イヤホン使われてます?
使ってます、はい。
不思議ですね。
まあまあ、じゃあXのせいでってことで進めていきますかね。
はい、わかりました。
えっとじゃあ、簡単に研究、あ、サイさん戻っていらっしゃったんで、
サイさんもう一度自己紹介お願いします。
すいません、なんか自己紹介でちょっとごめんなさいね。
専門がコーポレートファイナンスなんで、サッカーとゲーム理論ってすごく遠いんですけども、
身内に経済学者でサッカー好きでゲーム理論をやってるっていう人がいてですね、
よくゲーム理論がどうサッカーに使われるのかっていうのは、
PK戦の話は結構聞いてたんですよ。
あと野球が結構経済学を応用して戦術を立ててるみたいな話はすごく聞いていたんで、
それがサッカーでもできるんだっていうのがですね、
ちょっと今回私全然わかってないんですけども、
ちょっとそれすごく興味をそそられるなって思って参加させていただいたんで、
いっぱいたくさん。
わかりました。じゃあそういう形で話をしていきたいと思います。
実は鞘師さん、私直接お会いしたことはないんですよね。
そうですね。ツイッター上、X上でいつも見てます。
今日はサッカー、お願いします。
サッカーあまり詳しくないということなんで、
ただその素人的な視点からいろいろわからないことがあれば聞いていただけると、
他のリスターの方の手助けにもなると思いますのでよろしくお願いします。
じゃあ最初に簡単にちょっとプロジェクトの内容について説明してもいいですかね。
質問等はですね、経済学の世界だとセミナー中にいくらでも質問してもいいっていうルールなので、
鞘師さんそれと同じルールで、いつでもクラリフィケーションのクエスチョン等と
挟んでいただければと思いますのでお願いします。
了解しました。
今回のプロジェクトなんですけど、サッカーに詳しい方ですと、
おそらくゴール期待値っていう言葉を聞いたことがある人がいると思うんですね。
詳しくない方もいらっしゃると思うんですけど、
このゴール期待値っていう概念が多分おそらく過去5年とかの範囲で、
サッカーを見るっていう体験を一番変えた概念だと思うんですね。
一言で言うと、今回のプロジェクトっていうのは、
このゴール期待値っていうのをサッカーの全局面に自然に拡張するっていうことを目標にしてます。
そのゴール期待値って何かっていうと、これはサッカーのある状態ですね。
最後のキッカーがシュートを打つっていう、その時の盤面の状態を所有として、
その状態でシュートを打つとゴールが入るインパクトがどれだけかっていうことを統計的に計測したものになります。
例えば目の前にゴールキーパーしかいなくて、ゴールの真正面で、
1メートルの距離で打ったら70%の確率で入りますっていうことだと、
0.7っていうゴール期待値が与えられると。
PKが確か0.7ぐらいなんで、そういうふうな値ですね。
これを見ると、普通サッカーって90分走り回って点数が1点入ったとか2点入ったとか、
2点取られたとかっていう、全然動かない、アウトカムが全然動かないゲームなわけなんですけども、
このゴール期待値っていうやつを見ると、実はどれぐらい試合が切迫していたのかとか、
どっちが良いだったのかっていうのが分かるようになると。
なので最近のファンのサッカーの見方だと、例えばこの試合は2-1で負けましたと。
ただゴール期待値を見てみると、うちが3.4あって、相手は1.5だったと。
だからゴール期待値っていう意味では、うちのチームは勝ってたと。
足りなかったのは最後のシュートの段階での何らかの質であるとか、そういったことが問題なのであって、
変数地帯は間違ってなかったとか、そういうふうな形でゴール期待っていうのを使うんですね。
で、そういうふうにゴール期待値っていう概念が、もともとアイスOKに入ってきた概念なんですけども、
そうやってサッカーの見方を色々変えていると。
ただこのゴール期待値っていう概念は、あくまで最後の局面でシュートを打った時に、
どれぐらいゴールが入るかっていうことだけを見てると。
ただサッカーの局面とかアクションっていうのはそれだけじゃなくて、
ゴールの一歩手前のアシストとか、そのアシストを受ける側のフォワードレフトのランディアンとか、
そういった色んな行動があるわけなんですけども、
じゃあそういうふうな、シュートを打つっていうよりも一歩手前、二歩手前、三歩手前、
あるいはボールを持ってない側のアクションっていうものを局面ごとにどう評価したらいいかっていう問題が出てくるわけなんですよね。
で、その問題を解決しようっていうのが今回のプロジェクトの第一歩のところになります。
川口さんの関連記事にも書かれてたかもしれないですけれども、
将棋の評価値とすごい近いイメージですよね。
最終的にボードゲームって相手の王様を取ったら勝ちですっていう、
サッカーでいうと得点を取るっていう最後の秘訣があったとすると、
そこに行く前に行って戻る、1局面戻る、2局面戻るっていう形でやっていって、
どれぐらい最終的に勝ちに近いかっていうのを評価していくわけじゃないですか。
それと同じように時間を通じて局面が変わっていく中で、
最終的なゴールの局面までどれぐらいの確率で到達できるかというのを逆算していくと、
その時点その時点で大体何点ぐらい入りそうなのかっていうのが計算できそうな気がすると。
難しいのは、将棋の場合っていうのはどこを指すかって決めたら、
指し間違いとかって普通はないので、思ってることをそのまま板上で表現できるわけですけど、
サッカーの場合ってその辺にある種のランダムネスとかプレイヤーの上手い下手とかが関わってくるんで、
ノイズの入ったアクションが時々コクコクと流れてるって感じだと思うんですよ。
そこがすごいボードゲームのアナロジーで捉える評価値とさっきのゴール期待値の
あるいは時点と違いなのかなっていうのをお話しかかってて思いましたね。
ありがとうございます。まさしくそこがポイントでして、
ゴールから一歩手前、二歩手前、最終的にはゴールキーパーとかのビルドアップって呼ばれるプレイヤーまで、
遡るっていうところはゲーム理論の中の概念の一つである、
後ろ向き機能法っていうものを使って表現できるんですね。
これをうまく使ったのが強化学習とかで、
それは後ろの方の行動の価値っていうのを前の方にどうやって紐付けていくかっていう概念なわけです。
ただ普通のボードゲームの強化学習とかでは対処できない問題として、
いくつか問題があるんですけども、一つ目が安田さんがおっしゃった不確実性っていう部分ですね。
後ろ向き機能法っていうものを使って、
最後の方の行動の価値を手前の行動に紐付けていくときってどうやって考えるかっていうと、
最後この状態でシュートを打ったら何パーセントの確率でゴールが入りますっていうのを所有として、
一歩手前の人、ランクする人であれば、
こっちにランクしていけば次の状態がこうなるから、
その時のゴール期待値はこれだけになるっていう客観的な情報をもとに最適な行動をとっていると。
ボールを持っている人に関して言うと、今自分がこの選手にパスをすると、
次の瞬間にこういうゴール期待値になるから、これが一番最適な行動だっていう形で、
次の局面で起こること、そこで起こることを客観的に予測して、
それを正確に最適化しているっていうことを前提とした評価値になっちゃうんですね。
ただ、
すみません、ただのあいずしでした。続けてください。
ただ、そこで安田さんがおっしゃったみたいに、
実際は例えばですけど、自分がボールを持っていてアシストできる立場にありますと言っても、
例えば相手のディフェンダーからプレスを受けていて前を向けなくて、
味方の選手がランしているのに気づけなかったっていうことになると、
それは本来ランしている選手にパスを出せば、
その後にすごくゴール期待値が高いってことになるんだけれども、
気づけなかったってことになると。
どういうことかというと、今の行動を決める報酬関数っていうんですけれども、
それがゴールの期待値みたいな客観的なもので決まってるんじゃなくて、
それプラスノイズとか、それプラスバイアスのような、
その選手個人の主観的な報酬で決まっているっていうことになると。
そうすると話が難しくなってきて、
普通に強化学習を使って最後のゴール期待値から手前の方まで評価を敷衍していくっていう場合には、
各週間、各瞬間で各選手が最大化しようとしているその報酬っていうのが基地で、
分析者に見えてるっていう過程のことで話を進めてるんですけども、
今みたいに実際にはそこからずれた報酬に基づいて選手が意思決定してるっていうことになると、
そこに未知のパラメーターが入ってくる。
そうすると、それをどうやってデータから推定してあげるかっていう問題が出てくるわけなんですよね。
それを解決する方法が機械学習の分野でいうと、逆強化学習。
逆に報酬を予測してあげるっていう方法。
で、それと同じものが経済学の世界だと構造推定と呼ばれて使われているっていう、
そういう流れになります。
ここまでいかがでしたかね。
サイスさん。
シンボル質問してもいいですか。
どうぞお願いします。
ということは、安田先生がさっきおっしゃったように、
やっぱり気づけない、気づくっていう、
川口先生と安田先生がおっしゃったように、人間だから難しいところがあるってことなんですけども、
今回のプロジェクトの方法を使えば、
その癖も確率的にこの日なら大体これぐらいで気づけるだろうっていうことを計算できちゃうよってことなんですかね。
ちょっとすみません。
はい、その通りです。
わかりました。ありがとうございます。
強化学習と逆強化学習っていうのをそれぞれ説明しておくと、
強化学習って基本的に報酬とかそういうゲームのパラメータを与えられたときに、
そのもとで最適な行動っていうものを学習するっていう、
経済学でいうとモデルを解く方の話になるんですよ。
一方、逆強化学習っていうのは逆に、
何らかのデータの中にいるエージェントがそのゲームを解いていると仮定したときに、
その人たちに見えている報酬は何なのかっていうのを逆に推定するっていう作業。
経済学でいうと、そのモデルを仮定して解いた後に、
人々がそういう均衡戦略にのっとっているって仮定したときに、
彼らの雇用関数とか費用関数とかって呼ばれるパラメータを推定するっていう作業があるんですけども、
それに相当する作業になってくるんですよね。
なるほど、イメージつきました。ありがとうございます。
佐井さんはいかがですか?
佐井さんは本当に飲み込みが早いので、あっという間にイメージをつかんでくださったんですけど。
いやいや、ザックリです。
この構造推定の考え方っていうのを、
結構僕は一般の人に伝えるには苦労した経験があって、
適切な比喩かわからないですけど、ちょっと例え話をしてもいいですか。
人々が例えばあるA地点からB地点までどういうルートで歩いていくかっていうのに関心があるとするじゃないですか。
いろんな行動仮説があるんですけれども、
できるだけ短い時間で早く到達できるのがいいんじゃないかって結構もっともらしい仮説があったり、
でも中には安全性とか気を払うかもしれないと、
近いんだけれどもちょっと治安が良くないエリアは避けるかもしれないとか、
いろんな仮説が出てきますよね。
通常やるタイプのモデルっていうのは、
この人はAからBまで最短時間で行くんだっていう仮説を設定して、
その元でじゃあ今地図を見ながら最短ルートはこれだとかいうのを計算してあげると。
お勧めのルートはこれですと提案したりとか、
実際に人々がそのルート通り通ってるかを検証するとか、
そういうのは普通のモデルの立て方なんですよね。
一方でどういう動機でルート選択してるかよくわからないんだけど、
とりあえずいろんな人たちのA地点からB地点まで行く人類を眺めてると、
どのルートがたくさん使われてるかっていうのが計測できたりします。
計測されたデータを見て、そこから最短時間で行くとすればこのルート、
安全性に注意するならこのルート、
あるいは景色を楽しむならこのルートみたいなものが一応計算できると。
そうするとそれぞれの人が何を重視してAからBまでルート選択してるかっていうのは
なんとなくわかるじゃないですか。
直接観察できない各歩行者の目的というか好みみたいなものを、
実際に取ったルートから逆に推定してあげようというようなことをやってるんですね。
サッカーの文脈でいうと、おそらくどういうアプローチで攻撃をする、
あるいは守備をすると、機体得点を増やせるとか機体失点を減らせるかっていうのは、
直接外部の研究者よくわからない。
でも実際に取っている行動を観察していくと、
当事者たちはどれぐらいおもみ漬けをしているか、
どれぐらいこのアプローチを取ると得点の匂いがするかとか、
失点のリスクがあるかっていうことを考えてるんだろうなってことが、
一応外から計算できるとかわかる、そういうからくりなんだと思うんですよ。
っていうのはあってますか、川口さん。
川口 そのとりですね。
ありがとうございます。
すごくわかりやすい例を。
田窪 なのですごい賢い方法ですね、ある意味。
何を普通のモデルの立て方っていうのは、
選手たちとか、さっきの例で言うと歩行者の目的はこうだって決めちゃうんですよ、研究者が。
この目的に従ってプレーしてるに違いないとか、
おすすめのプレーはこれだってことを言いたくなるとか、そうじゃなくて、
データから本人たちの当事者の目的意識を逆に炙り出そうと。
炙り出された目的意識をもとに、
じゃあそれを踏まえた上で、この試合での得点の期待値はどうかっていうのを
もう一回精査し直すとか、そういった形で多分データ分析が
サッカーの戦術解説に活用されるんだろうなっていうのを
今日来る前は想像しながら来てました。
おっしゃる通りです。
先ほどの例をもう一回サッカーの方に戻して言いますと、
ルートっていうのが、例えば最後、アシストできる状況になる選手が
誰にパスするかっていうのを選ぶ問題のような形で考えることができて、
統計的に一応その状況から誰にパスしたら
一番ゴール期待値が高いかっていうのは分かるとするじゃないですか。
それがさっきの言う、どのルートを通れば
どれぐらいの時間で到達できるかが分かっている状態なんですよね。
普通の強化学習の場合っていうのは、最短の距離を行きたがっている、
最小時間で到達したがっているってことを仮定した上で、
じゃあその人はこの最短時間で行けるルートを行きますよね、みたいな感じで。
今は3つパスコースがあるとすると、
その中で一番ゴール期待値が高いのがA選手にパスすることだから、
ここを選びますよねっていう感じで想定するわけなんですけど、
実際行動を観察してみると、この選手っていうのは3つパスコースがあったときに、
80%ぐらいの確率で一番客観的にゴール期待値が高いパスをできてるんだけども、
20%ぐらいの確率で間違えると。
っていうことになると、この人は必ずしも100%の高い意思決定の質を持っているわけではなくて、
20%ぐらい間違えるような意思決定の質を持っているってことがわかると。
これをいろんな選手とか状況で比較できて、
例えばこの選手は同じ状況で20%の確率で間違えるけれども、
こっちの選手は10%しか間違えないっていうことになると、
こちらの選手のほうのが意思決定の質高いですよねってことになるわけです。
さらに同じ選手の中で別の状況でも分析ができて、
例えばですけど、相手のディフェンダーが距離が遠くて、
十分な時間とスペースがある状況でラストパスが出せるときだったら、
95%最適なパスを出せるんだけれども、
相手が目の前にいて全く時間もスペースも与えてくれないし、
スキャニングもできないみたいな状況になると、
途端に最適なパスコースを見つける確率が5%に落ちるということであると、
この人はそういうプレスへの耐性がない。
プレスがあると意思決定の質が下がるような選手だということが分かる。
っていうふうな議論になるわけです。
はい、どうぞ。
非常に興味深い説明で聞いてしまったんですけど、
西さんいかがですか、大丈夫ですかっていうか、
ここまで聞いて、
放っておくと僕がどんどんまた喋っちゃうかもしれないんで、
いかがでしょう、西さん。
いないか。
あれ?
じゃあ藤井さんと染谷さん、ここまでありますかね。
今のところ多分、分かんなくなったらすぐまた言います。
藤井さんと染谷さん、ここまで何か補足ありますかね。
補足というか、これから話す予定なのかもしれないんですけども、
やっぱりサッカーってすごく状態の組み合わせだったりとか選択肢の組み合わせ、
人数も22人いるというので、
内部にやってるとすごく大変というか、
データから学習するにしてもデータの量が膨大に必要だといったような、
そういうチャレンジが少しあるんですけど、
これは安田さんにお聞きするのが適切なのかどうかちょっと分からないんですけど、
こういった問題に対してチャレンジするような方法っていうのを、
我々も考えてるんですけど、
何かその状態とか行動の選択肢が多すぎるときにどう対処していくかっていうことについて何か議論できたらなと。
じゃあちょっと振っていただいたので、
僕はその種のデータ分析でどれぐらいのサイズが必要とか大きすぎるかって判断はそんなできないんですけど、
ただ状態空間が大きすぎること自体は、
それ自体ではそんな問題ないとは思うんですけれども、問題はやっぱり取得できるデータに制限がありますよね。
そうすると置かれている局面を細かく評価しようとすればするほど、
結局その局面からどれぐらい最終的に得点につながるかっていう、
何かこう値を計算するためのデータが必要になってきてしまって、
その辺なんかバランスがあるのかと思います。
つまりにも状態空間が小さすぎる、局面分析が荒すぎると、
それはサッカー分析に使うのはあまり使い勝手の良いモデルにならないでしょうし、
これ増やしすぎてしまうと、結局学習させるために食わせるデータが足りないって問題が起きると思います。
特にサッカーの場合、得点入ることが少ないじゃないですか。
バスキーみたいにパンパン入れば、こういうやり方をしたら点が入った、
こういうやり方をしたら点が入らなかったっていうのがデータとして入ってきますけど、
サッカーの場合、どう責めても基本点入らないわけですよね。
運がいいと、非常に成功する確率が高そうな選択肢を、
いろんな選手がうまく選んで選んで選んで、それでも入るかどうか結構微妙みたいな世界なので、
状態空間が広く過ぎると、そこで結局得点まで行き着くファスっていうのがすごい少ない、
ルートが少なくなりすぎて、あまり良い学習ができないんじゃないかっていうのを感じました。
それとはちょっと違う問題点を今日は伺いたいなと思って、
先ほど川口さんがある局面において、例えば正しいパスというのが何となくデータから予測されていて、
それを選手が取るか取らないか、80%の確率でこの選手は正しいパスを選択してくれるけど、
残り20は違うみたいなお話があったんですけど、細かく言うと、どのパスが正しいか、
あるいはパスに限らず、ここで縦にドリブルするのが正解なのか、
それとも中に切り込むのがいいのかって、この前のバーレン戦で突如出場した三島選手とか、
どっち行くのがいいんだとか、あるいは一旦ドリブル諦めてパスで繋ぎ直すのがいいのかって、
これは本人のプレーの質とか状況だけじゃなくて、相手がどういったこちらの攻撃に備えてるかっていうのに結構依存すると思うんですよ。
なので三島が縦にドリブルするって時に、ディフェンダーがもう縦ドリブルかなり意識しているって状況だったら、
強引に縦に行っても突破できる可能性は低いかもしれない。
一方でそういう局面だったら、縦じゃなくて中央に切り込んだ方がより局面を動かせるかもしれない。
それを外部の観察者が状態空間って形で整理しようとすると、
パッと見ディフェンダーが縦に備えてるか、内側を切ろうとしてるかってのはよくわからない。
将来的にものすごい細かい空間データとか手に入ったら、
ディフェンダーの重心の動きとかからどっちに備えているかわかるかもしれない。
それが当面手に入らないとすると、観察されたデータからは、
果たして三島選手が縦に抜けた時にどれくらいの確率で成功するかっていうところがわからないんじゃないかと思うんですよ。
つまり言い方を変えると、正しい選択肢が、ディターミニスティックな正しい選択肢ではないと。
もちろん確率的にはそうは言っても、どっちの方が成功確率が高いかっていう議論はできるかと思うんですけど、
このあたり状態空間をどれだけ整地化しても捉えきれない、
プレイヤー同士の駆け引きみたいなものを今回のアプローチでどう取り入れるのか、
あるいはそこは一旦取り入れずに確率評価でうまく、
ちょっと言い方はあれですけど、ごまかしながら十分に実用に耐える分析につなげるのかって、
そのあたりが一番気になりましたね。
ありがとうございます。
じゃあ岡田さんから答えさせていただくと、
その大量に使えるデータっていうのが、いわゆる選手の位置ですね。
1選手に1点で、しかもその2次元ですね、XY平面上の座標と、
あとはいつパスしたかとか、いつシュート打ったかっていうイベントのデータっていう、
その選手の位置とイベントデータっていう、その2つが主に使われていて、
このデータだと、これまでは50試合だったりとか、
あとはクラウドファンディングでもし十分に集まれば、
200試合、300試合とか、そのレベルのデータが手に入ります。
一方で、本当にその一対一の局面で抜くのか抜かれるのかっていうことを真剣にというか、
十分にリッチなデータを選ぶとすると、やっぱり選手の姿勢情報とか、
目線とかだったりとか、そういうデータが本当は必要になってくるんですけど、
現在、数十試合、数百試合っていうレベルでは、そういう姿勢のデータは得られないので、
ある意味そこは諦めて、選手の位置から得られるような情報で、
なんとか状態をおっしゃる通りでトレードオフがあって、
細かすぎても雑すぎてもダメっていう、ちょうどいい塩梅の状態、
あるいは構造もそうなんですけど、考えているところです。
で、二つ目の、ちょっと安田さんが言っていただいたような全く同意のところがあって、
今回、私の研究室ではその許可学習を使ってモデル化してるっていうのはやってたんですけど、
ゲーム理論を導入すると何が一番面白いかって、いろいろ面白いところがあるんですけど、
一つ面白い、特に面白いところが、
相手の戦略を考慮できるっていうのがすごい響いてですね、すごく面白いなと思ってまして、
やっぱりそれは本当にサッカーだったり、手段、スポーツ全体で共通なんですけど、
相手の戦略、あるいは味方の戦略とかっていうのを考慮しながら意思決定するっていう、
そういうところ本当にすごくワクワクしてるところで、
今後できたらすごいすごいなと思ってます。
先ほど僕がちょっと強引に挟んだ、A地点からB地点までの歩行の話で言うと、
個人の意思決定として目的地までどう行くかって問題を考えてる分には、
読み合いの要素って発生しないんですけど、
同じような歩行者がたくさんいて、
自分一人だけがこのルートを通っていけば一番早いんだけど、
たくさんの人が使うと混雑しちゃって時間かかるみたいなことが起こるじゃないですか。
これは適切な理由かわかんないんだけど、
自動車渋滞とかでよくよく交通工学とかで無責されるような、
他者がいることによって自分としては同じ戦略を取ってるつもりでも、
その効果が違うっていうようなインタラクティブな要素がスポーツの世界にもたくさんあると。
それを先ほどの状態空間で部分的には捉えられるけれども、
捉えられないものが多分残ると思うんですよね。
それをどうやって捉えていけるかとか、
捉えなくても実はあまり問題がないような規模僕はしていて、
それまた後に時間があったらお話したいんですけど、
そのあたりどうやって分析を深めていくのってすごい興味がありますね。
今いろいろな論点出していただいて、
5個ぐらい実はお話ししたかった点に触れてるんですよね。
なのでちょっとどれから今話をしようかなと思ってるんですけど。
まず最初が戦略的な相互作用とゲーム理論の話ですよね。
安田さんがおっしゃったみたいに、
サッカーみたいなゲームって味方は自分の行動の価値をすごい下げるように行動してくるし、
違う違う、敵は自分の行動の価値を下げるように行動を選んでくるし、
味方は自分の行動の価値を最大化するように行動を選んでくるっていう状況を
どう記述するかっていうところでゲーム理論を使いましょうっていうのがあります。
ただゲーム理論を使っても、
ゲーム理論って基本的にこういう状態だったらこういうふうに行動を取るっていうことを決めてて、
他の人はこういう状態だったらこういうふうに行動を取ってくるってことを予測して、
ここまで聞いて、安田さんいかがですかね。
僕はね、それは同意で、
それがさっき後で時間があればいいよって言ってたことなんですけれども、
結局その一瞬一瞬でどのプレーがいいか悪いかっていうのは
よくわからなくても、十分に卓越したプロ同士の試合とかになると、
あまりそんな戦略をお互いに取ることはないだろうと。
あ、もしもーし。
あ、聞こえてないですか。
私は聞こえてます。
じゃあひょっとすると、
サイさんの受信コンディションがあんまり良くないのかもしれないですね。
大丈夫、聞こえますか。
続けると、そうそう、何の話をしてたかっていうと、
細かい個々の局面っていうのは、分析できたら面白いかもしれないけれども、
そんなに今回川口さんたちがやろうとしているプロジェクトにおいて
大きな影響はないんじゃないかと、僕自身は思ってます。
なぜかっていうと、やっぱり基本はプロとか各国の代表とか、
そういった強いチーム、プロの本当にプロフェッショナルの
試合を分析しようという観点で考えると、
お互いにそんな読み合いをしているチームっていうのは、
そういったトッププロではあり続けられないですし、
そういった動きができない選手ってすぐ交代させられたりすると思うので、
ある程度、さっきのA地点からB地点までの話でいうと、
混雑するような現象っていう、読み合いによって生じるものはあるかもしれないけれども、
混雑現象があるときに、やたら時間がかかるルートを取り続けるみたいなことはなくて、
やっぱりルートを切り替えて、寄りすいてる方をすいてる方に
戦略を変えていくと思うんですね。
そうすると、最終的にはどっちのルートを通っても、
かかる時間ってのはそんなに変わらない。
作家の局面でいうと、縦に突破するか横かってのはありましたけれども、
ひたすら縦ばっか突破してると読まれちゃう。
中央に切り込んでばっかりでも読まれると、
ある程度バランスのいいところで落ち着くんだろうな、
その過程がどうなるかっていう、
個々のドラマみたいなのは、それはそれで面白いんですけれども、
ざっくり言うと、何割ぐらい縦に行って、何割ぐらい中央に行って、
結果的に突破できる確率はどれぐらいだっていうのが、
なんとなく出てくると。
そのなんとなくの状況評価だけで、
十分川口さんたちのアプローチは魅力的ですし、意味のある、
今よりも全然信頼性が高いようなゴール期待値を
算出できるんじゃないかと思うんですよ。
なので、個々の局面はそれは面白いんだけど、
均衡に従ってプレイしてると大体こんな感じになるんだというのは、
ざっくりつかめれば、そんなに精緻に分析しなくてもいいんじゃないかと、
思ってはおりましたという話でした。
はい、まさしくその通りで。
なんていうか、そういう戦術っていう領域がすごく生きてるようなスポーツじゃないと、
僕みたいな文外観が入ってくる意味って多分あんまりないんですよね。
ボクサーとかだと、データ分析したところで、
結局ボクサーにしか見えてない世界があるんで、
そこにアクセスできない僕には何も言えないと思うんですけども、
サッカーぐらいちょっと引いたところで分析する意味があるスポーツだと、
まだ統計データ使ってやれる部分があるのかなっていうのが、
面白い点だと思います。
というのが2点目、話したかったことで、
次に、選手とかボールの位置とか速度っていうデータがあったときに、
それで十分だとして、逆にどうやって低次元の構造に落とし込んでいくかっていうところを、
ちょっと話をしたいんですけれども、
そういう進め方でよろしいでしょうか。
他にも何かありますかね。
鞘師さん何かありますか、ここまでで。
私ちょっと途中で切れちゃったんですけど、
ちなみにデータって何試合ぐらい集まるといい?
あれです、今鞘師さんまた接続中になってるから。
あれ?聞こえてますね。
聞こえてますか。大丈夫ですかね。
ありがとうございます。さっき切れちゃったんですけど、
ちなみにデータって話があったんですけど、
何試合ぐらい集まってくると、いい研究がさらにできてくるっていうのが見えてるんですか。
現時代使われてるのは今だと数十試合で、
このあと数百試合ぐらいは手に入りそうなんですけど、
そこから先は全然まだ未知の世界というか、
大体データプロバイダーと呼ばれる会社が大量に持ってるんですけど、
なかなか我々研究者にはアクセスできなくて、
もしかしたらそこら辺が秘密裏にやってるかもしれないっていうのはあるんですけど、
なので我々がアクセスできるのは本当に、
知れたのは数十試合ぐらいのレベルで、
それは絶対足りないなっていうのは感触としてあります。
ただどれだけ使えるのかっていうのは、
使うと十分なのかっていうのはまだわかんないかなっていう。
でもとにかくデータが欲しいのは欲しいので、
集めていこうという、そういう感じです。
分かりました。だからこそクラウドハンディングですよね。ありがとうございます。
どれぐらいデータがあればOKかっていうよりは、
データがあったとすると、それでできるレベルの解像度が決まってくるので、
それに合わせていくっていうイメージだと思いますね。
僕の直感だと、たぶん1リーグの1シーズン分ぐらいのデータがあると、
見て面白い結果が出るぐらいの分析はできるだろうなと思っています。
あとはそれを使って来年以降とかですね、
その研究成果を使っていろんなところで概念実証をして、
それをてこにどんどんスケールアップしていくっていうふうにすれば大丈夫かなと。
最初の一歩としては1リーグ、1シーズン分ぐらいあればいいかなと思っているという次第です。
なるほど。相当多いですね。わかりました。ありがとうございます。
すみません。ちょっと補足で。
だいたい数十試合ぐらいだと、チームってだいたい18とかそれぐらいなんですけど、
チーム評価ぐらいしかできないんですね。
1チームだから5試合とかそれぐらいの数なので、個人評価ができなくて。
1シーズンあると選手の評価ができますね。
1シーズンぐらいだいたい出てる選手がいて、30試合ぐらいとか1つのチームであったりするので、
そうすると個人選手の評価ができるという、多分そういうぐらいのイメージかなと思います。
また細かい、それこそ逆評価学習でパラメータを推定するとか、
いうふうになっていくと、やっぱりもうちょっと2シーズンとか数十シーズンも地球上にサッカーの試合はないかもしれないですけど、
っていうようなぐらいのイメージかなと思います。
分かりました。ありがとうございます。
藤井さんがおっしゃったみたいに、結局データ量によって、
状態空間をどれぐらいリッチにできるかっていう部分と、
推定するパラメータをどれぐらいリッチにできるかっていうのが決まってくるイメージですね。
極端な話ですけど、状態空間とかもボールからゴールの間に何人いるかぐらいまで、
ちっちゃくしちゃったら回るわけですね。
それだと得られる資産がすごい小さくなってしまうと。
データの方も、さっき藤井さんがおっしゃったみたいに、
全員パラメータ一緒ってしちゃえば回るわけですし、
でも雑になっちゃうんですね。
雑になっちゃうんですよね。そこからイメージとしてはチームごと、個人ごと、局面ごとっていって、
理想はですけど、この選手がこういうプレスを受けている状態でボールを受けると、
どれぐらい意思決定の質が高くて、そこから出てくるドリブルとかパスとか、
そういったアクションのプレーの精度っていうのが、
これぐらいになるってところを出せるといいなっていう、そういう風なイメージですね。
なるほど。ありがとうございます。
これが今あるトラッキングデータって言うんですけど、
選手とボールの位置と速度のデータがあった時に、どう状態空間を切っていくかっていうところで、
こういうのを考える時に、僕がイメージしているのが、経済学とか計量経済学の世界で、
C部推定って言われているものがあるんですけど、それに近い考え方をしています。
C部推定って何なのかっていうと、例えばですけど、ある関数がありますと、未知の。
その未知の関数を推定したいっていう時に、その未知の関数は連続関数であるってことだけは分かってますと。
そうすると連続関数の空間っていうのが存在するわけなんですよね。
ただその連続関数の空間ってデカすぎるんで、ちょっと推定しきれませんっていう時に、
何をするかっていうと、その連続空間の関数の世界の中で中密って言って、
そんなに数は多くないんだけど、どんな連続関数にも近いやつが見つかるような、
別の関数の空間っていうのを考えるんですね。
一例挙げると連続関数の場合だと、例えばテーラー展開とかってありますけど、
一次元の関数だったら、そのA0たすA1XたすA2X2乗たすA3X3乗たすA4X4乗ってやっていくと、
そのものすごくたくさんの次数があれば、どんな連続関数であっても一応そういう多項式で表せますみたいな定義があるじゃないですか。
そういう空間を考えてあげて、データが少ない時はA0たすA1かけるXだけで禁止しますと。
データがちょっと増えてきたら、どっかの段階でA0たすA1XたすA2X2乗っていうので禁止してあげますと。
データが増えていったら、今度はA0からAKXK乗まで足したやつで禁止しますってやっていく。
そこでうまいことを、サンプルサイズNに対してどれぐらいの次数Kを選ぶかっていうのを決めてあげれば、
だいたい手に入るデータと、ある種最適な割り切りの良さっていうんですかね。
禁止の割り切り方っていうのが出てくる。そういうことをシーブスイートって言うんですけども。
結局今回の場合だと、サッカーの状態空間っていうのがあったときに、
それをうまく、実際のサッカーの選手とかが捉えている状態空間の、
そういうシーブの空間みたいなものってどういうものなのかなっていうのを、
多分考えてあげるっていうのが大事なのかなと、今3人で議論しているところです。
いいですか、安田です。
ちょっと今の関数空間どういうふうに作ってって話から若干ずれるかもしれないんですけど、
ステーと状態空間を作るときに、基本的にはその時点その時点での位置情報とかに注目しているんだと思うんですね。
一個あり得るかもしれないのは、その時点の局面だけじゃなくて、
どういう局面から移ってそこに至ったのかっていうのは、
一応今後のプレーの質とかに影響を与える可能性はあるじゃないですか。
ところが、そういった過去の歴史を全部状態空間に入れようとすると膨大になってしまって、
計算も難しいし、そんなにご利益もなさそうだと。
何かその時点その時点の空間情報に加えて、
ちょこっとその歴史を非常にざっくりとした形で縮約したような変数を状態変数の中に入れてあげると、
何か説明力が増えたりとかっていうのがあるのかなって考えたんですね。
あり得るとすると、例えば控え選手を投入すると、選手交代があって、
選手交代してからどれぐらい時間が経っているかみたいなものは、
一応入れようと思えば状態変数に入れれますよね。
あとはフォーメーションを変えた時に、変えてからどれぐらい経っているかって、
なんでそういった要素を入れてあげると、ちょっと当たはまりが良くなる可能性があると考えたかというと、
やっぱり何か戦術をガラッといじった時に、それにアジャストするのってそれなりに時間がかかると思うんですよ。
それが瞬時に変わって特に影響がなければ、新しく状態変数を入れたとしても、
それにかかる係数ってゼロになって終わりなんですけど、
ちょっとそういう戦術理解に時間かかるとか、慣れるのに時間かかるみたいな要素を、
何かしらステートスペースの中に入れてあげても面白いんじゃないかなっていうのを何となく思いました。
ちょっと関数の推計とは、関数をどう用意するかとは違う論点なんですけれども、思い出したので、はい。
それもCVの実数を増やしていく一つのダイメージョンだと思うんですよね。
マルコフ仮定っていう場合って、現在の状態だけを算出する。
でも2次のマルコフ仮定だと、1個前のところまでを算出します。
3次は3個前までっていう感じで、基本的にはそうやって増やしていくことができるんですよね。
例えば1次で決めるってやった場合には、今の状態と過去は平均とっちゃうとか、
2次やるんだったら1と2を入れて、3から前は全部平均とっちゃうとか、
理由にしていけば、それもデータに応じて何時のマルコフ仮定まで考えるのかっていう形で一般化できる。
そういう意味では、いい感じの両列をいろんな方向に考えていくっていうのを、
それ面白いですね。
今の状態っていうのでも、例えばですけど、ボール持ってる選手を起点にしたときに、
何枚目の見方まで考えるかっていう実数を考えられると思うんですよ。
自分と自分が一番近い見方の距離、あるいはそこにパスを出した場合に到達するのにかかる時間みたいなものを入れますと。
これが1次ですと。2次として今度は自分の1枚目の、間違えましたね。
この前にまずありました。まず1次として、自分がいたとして、ボール持ってる選手がいたとして、
それに一番早く到達できる敵選手の状態っていうものを入れますと。
その人が自分の方にタックルしてきたらとしたら、どれぐらいの時間で到達できるかっていうのを入れますと。
それが1次ですと。2次として今度、自分から一番近い見方っていうのがあったとして、その人の状態を入れます。
その状態って何かっていうと、自分がその人にパスをしたとしたら、どれぐらいの時間で到達できるかっていう状態であったりとか、
その人が今この瞬間に走り出したときに、他のどの選手よりも早く到達できる空間の面積、
いわゆるスペースってやつですけども、それを状態に入れてあげると。
それが2次だとすると、今度はその選手に対して一番早くチャレンジできる敵選手の状態も同じような形で入れてあげるとか、
その選手のパスコースに一番早く介入できる敵選手の状態を入れてあげるっていう感じで、
自分のボールを持ってる選手を起点として、何かしらの法則に従って、
ほとんど遠くまで入れていくべき状態を増やしていくっていうものを考えてあげると、
実際のサッカー選手が実際に意思決定をするときに取り入れている状態空間を捉えつつ、
かつデータが少なければ少なめにやって、データがたくさん入ってくればどんどん実数を増やしていって、
近似の精度を高めていくっていうことが自然にできるんじゃないかなっていうのを今ちょっと考えています。
この点はあれなんですよね、藤井さん。そういう似たような考え方っていうのは既にスポーツ科学の世界であるんですよね。
はい、そうですね。優勢領域というか、まずはボロノイズといわれる、
ある空間に対してどこにボールが落ちたらどのチームが取れるかっていうのを定量化するような方法であったりとか、
それをうまく速度とか加速度とか入れていったりして、
どっちのチームが支配しているかっていう領域をマップにしたりとかっていう研究も我々もしていたりしていて、
そういったのが積み重ねであってます。
なのでそういうこれまでスポーツ科学でやられてきたようなことをうまく取り入れながら状態というのを考えていけると、
何というか、それもある意味縮略した表現でもあるので、いいんじゃないかなというふうに思っているところです。
こんなところでいいでしょうか。
いかがでしょうか。
ありがとうございます。
ちょっと心配になってきたのは、結構高度にオタク向けな話で盛り上がりすぎていて、
イスランの皆さん大丈夫かなと。
今日はこういう流れでいかないつもりで言いましたから。
すみません、もう時間になってるんですけど、素朴に聞きたい質問が、ぜひ聞きたい質問が一個ありまして、
それはですね、こういったゴール期待値とかがより正確にわかるようになったときに、
一つの今後のアプローチとして、選手たちにリアルタイムデータをウェアラブル端末とかで共有してもらって、
自分たちのプレーがどういう評価値、期待値につながっているのかっていうのを見ながら、
プレーを変えていってもらうとかプレーしてもらうことによって、
サッカー選手、ないしはチーム戦術の理解っていうのが、
なんとなく改善していってもおかしくないと思うんですよ。
まさに将棋で評価値が見えることになったおかげで、
プロの騎士たちが、人間の騎士たちも強くなったみたいな話と、
アナロジーがあるかもしれないですけど、
そういったことって今後視野に入れていらっしゃるとか、
協力したいチームとか現れたら、
コラボしてそういったことに取り組んでいかれるのかとか、
そのあたりすごい気になるんですけど、いかがですか。
はい、そのあたりは、
東大アスキー主義ですね、
そめやさんにその展望を語っていただきたいと思います。
ありがとうございます。
リアルタイムはですね、僕も個人的には興味がありまして、
まず、ただ現状としてそういうデータが取得できないっていうのは、
壁としてはありつつですね、ただ一方で、
国内だとまだ見切れはないですけども、
海外だと、例えばアメリカですね、
MLSっていうリーグがありますが、
だんだんとそういうリアルタイムのデータみたいなのも、
取得がリーグとして始まっていくっていう動きがあったりしてですね、
データとしてアベイラブになってきてると思うので、
そういうリアルタイムのデータを取得して、
それを直接フィードバックすると、選手がゴーグルとか付けとらないといけないのに結構大変だと思うんですが、
リアルタイムに戦術の移り変わりだとか、戦略の移り変わりだとかっていうのを、
まずは指導人側が把握していくっていうような流れは、
割と近いぐらいにあるのではないかというふうに思っていますと。
もう一方の軸として、今ゴーグルって話にちょっとついてたんですけど、
この選手に直接フィードバックするっていうのに役に立つと、
大きく影響を受けるような機能が可能になるんですよね。
そういうことが大きな影響を受けたりするんですよね。
それはスポーツだけじゃなくて例えばビジネスの世界でも
イノベーションを生み出すためにどういうコラボをすればいいのか
これは空間的な一度用法だけじゃなくて他にもネットワークの特性とかを
炙り出すようなデータってあると思うんですけど
そういうのを使ったこの逆強化学習的なアプローチっていうのは
本当に応用ができそうでまさに川口さんの専門なのかもしれないですけど
今日はサッカーの世界を越えていろいろとワクワクするようなデータの使い方の
未来というのが一瞬垣間見えた気がしました
どうもありがとうございました
安田さんありがとうございます応用の幅がすごく広がりそうですよね
川口さん最後に一言いただけますでしょうか
今日は本当に貴重な機会をいただきましてありがとうございます
これからもまた今後もよろしくお願いします
どうもありがとうございます
どうも岩井さんありがとうございます
ちょっと普段その企業がどうの取り締まりからどうのってやっている私からはすごく遠くて
今何が新しく進んでるかっていうことがですね ちょっと分かってきたので ちょっとすいません
勉強になったっていうそれだけなんですけれども 今日はありがとうございました
ありがとうございます ありがとうございます
あとその 最後にソメアさんからも何かありますかね
はい 僕は結構今日は日が多めだったので 僕も勉強になりましたっていうところがあったんだけど
やはり何か 何でしょうね 今回は経済学ですけども ちょっともうちょいグローバルな話だと
こういう経済学以外にもサッカーとかスポーツに行かせる研究分野って もうすぐ困るとあると思うので
こういう他の研究分野の方がサッカーに関わってスポーツに関わって 研究の場が広がっていくっていうのは非常に素敵だと思うので
今はこのプロジェクトは経済学とサッカーということですが
基本的にはまた何か違う分野でコラボできるといいなと 毎回こういうプロジェクトのスペースをやって思っております
非常に楽しい会でした ありがとうございます
ありがとうございます なんかその 安田さんの話にも 西田さんの話にも ソメアさんの話にも共通するところですけど
学問ってある種抽象的な枠組みなんで ある部分で問題解決するために開発したやり方みたいなものが
実は他でもそのまんま使えるとか そこからさらに他のところに応用できるとかっていうのが
いろいろと実は可能性のある分野だと思うので そこを盛り上げていく 一端として今回のスポーツ科学かける機械学習かける
経済学かけるサッカーみたいな かけすぎの内容をうまく成果出せるといいなというふうに思っています
それをいろいろと支援していただいた方々には 今回非常に感謝しております ありがとうございました
はい 皆さんありがとうございます 時間も来てしまったので この辺で終わらせていただきたいと思います
今日は金曜日の夜ということでしたが たくさんの方にお付き合いいただきありがとうございました
ではこの辺で終了させていただきます ありがとうございました
どうもありがとうございました 楽しかったです
失礼します
失礼いたします