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2021-05-21 08:49

【詩吟ch】中級者向けの五言絶句<偶感/勝海舟>

偶感/勝海舟
孤峰 碧旻に秀ず
之を観て 真を養う可し
擾擾 何事をか成さん
時危くして 偉人を思う

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おはようございます。こんばんは。詩吟チャンネルのheyheyです。
このチャンネルは、詩吟歴20年以上純詩班の資格を持っていて、全国大会の優勝経験もある私heyheyによる、
詩吟というとてもマイナーな日本の伝統芸能のその魅力を分かりやすくお伝えしていく内容になっております。
ということで、今日はですね、中級者向けの詩吟をですね、一つご紹介して吟じていきたいと思います。
それはですね、僕も過去に何度か収録しているんですけれども、勝海舟本人が作った【偶感】という漢詩になります。
偶然、たまたま感じる、と書いて偶感ですね。
とても内容が分かりやすくてですね、僕はもう大好きです。
これがなぜ中級者向けかと言いますとですね、これは五言絶句と呼ばれる公文だからですね。
漢詩というのは五言絶句、七言絶句、五言立詩、七言立詩、そういったような公文があるわけなんですけれども、
これは漢詩の構成ですね、奇象転結ありますけれども、その奇象転結、それぞれ一つずつの塊に漢字でいくつ、いくつの漢字で構成されているかということを示しています。
五言絶句であれば5つずつで構成されているので、奇象転結の5×4、つまり20個の漢字でこの漢詩が構成されているということになります。
基本的にですね、詩吟の初心者向けの漢詩というのは七言絶句と言われています。
なぜ七言絶句が初心者向けかと言いますと、しゃべる内容、しゃべる長さと、吟の節調とかですね、伏し回しとか声を伸ばす長さ、余韻の長さ、これがですね、結構バランスが取りやすいんですよ。
一方、この五言絶句ではですね、漢字が5つしかないので、いかに書き下し文を読んだとしてもですね、結構余韻を聞かせる部分がだいぶ長くなってしまうんですね。
一銀としてのトータル長さは一緒なので、漢字が文字数が少なければ少ないほど余韻で聞かせなければいけない。
だから五言絶句はですね、まだ声ができていない、声のコントロールが難しいような状態では、しゃべりだけでごまかすことができないということになりますので、五言絶句は中級者向けということになります。
商談審査とかでもですね、ちょっと何段か上がってきたところで、この五言絶句をやらされるということになります。
ただまぁ、この空間をやることはちょっとあまりないかもしれないですね。もっと有名な五言絶句あるんですけれども、今回はあくまで僕の好みです。
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えー、この内容がいいんですね。ということで、読んでいきます。
空間かつ回収。
古法、碧瓶にひいず。
これを見て心をやしのべし。
常々何事かなさん。
時危うくして異人を思う。
古法、碧瓶にひいず。古法っていうのは一人の美音ですね。
碧瓶っていうのは多分これ青空っていう意味なんだと思います。
青空にただ一つ抜け出ているような山があると。
まあ多分富士山とか見てるんじゃないかなと勝手に僕の解釈ですね。
これを見て、これを見てですね、心をやしのべし。
本当にあるべき姿というのはもう何なのかと。
それをちゃんと考えてですね、行かないといけないなという風になっております。
常々何事かなさん。
この常々っていうのはですね、
てへんにうれえるっていう感じですね。
それを二つ重ねて常々という風に書きます。
これをどう表現するのかどういう意味なのか、
正直僕もつかみきれていないんですけれども、
まあ端的に言えばいいままよとか、
もう騒ぐんじゃない、しっかりしていろとか、
そういうような内容なんじゃないかなと思っています。
常にあれこれと騒がしく、もう考えるんじゃないよと。
何事かなさん。こんなドタバタしていたら何もできないと。
ということですね。
時危うくして偉人を思う。
時危うくして、国を背負っているような立場の方なんで、
この自分はこの重大な時期にあたって、
多分幕末の時期ですからね。
時期にあたって偉人を思う。
本当に優れた偉人で、過去の偉人ですね。
優れた人物とはどんなものだったか。
偉人であればこういう危険な時にどういったことを考えるだろうかと。
本当に大事なものをこの山、一つ抜け出ている山を見て、
しっかりと改めてしきりに思うという内容になっております。
ちょっとスマートな解説じゃなくて申し訳なかったんですけれども、
いい詩だと思います。
いろんなことを悩みそうな時にですね、
やはりだいぶ胸に響いてくる詩、漢詩じゃないかなと思います。
特にこれを吟じていくわけなんですけれども、
ポイントはですね、まず出だしですね。
古法、古法だけでもう15秒ぐらいたっぷりと聞かせないといけない。
ここを軽々しくやったらですね、もうその後が台無しになります。
そしてもう一つは転句ですね。
転句の上々、これもですね、これもだけで10秒から15秒ぐらい聞かせないといけないのと、
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この上々っていうのをどういう気持ちでやるのか。
もうなんていうか、上々なんですよ。
これも絶対軽々しくとか口先だけでやったらもうダメですね。
この詩の良さがなくなってしまうので、そこをやってみようかなと思います。
ということでですね、吟じていきたいと思います。
空間かつ回収
古法
壁面に
これを見て
信用
やしのべし
上々
なにごとかなさんとき
あやうくして
いじん
おも
おも
以上となります。
節張、伏し回し自体は結構シンプルなんですけれども、
いかに重みを見せるかというところが大事ですね。難しいですね。
でも結構身を引き、身を引き締まる感じなので、
ぜひぜひチャレンジしてみてください。
ということで今回は以上となります。
詩吟の魅力を発信する詩吟チャンネル。
どうもありがとうございました。バイバイ。
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