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2021-10-18 13:42

【詩吟ch】基礎にして上級「二句三息」について<絶句>

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絶句 / 杜甫
江碧にして 鳥逾白く
山靑くして 花然えんと欲す
今春 看又過ぐ
何れの日か 是歸年ならん

#詩吟 #漢詩
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おはようございます。こんばんは。詩吟チャンネルのheyheyです。
このチャンネルは、詩吟歴の長い長い、私、heyheyによる、詩吟というとてもマイナーな日本の伝統芸能のその魅力を、分かりやすくお伝えしていくチャンネルです。
週に2、3回ぐらいのペースでやっているので、ぜひ聞いていってください。
今日はですね、詩吟の基礎的な話、呼吸に関する話を一つご紹介した後に、一つ漢詩をですね、説明して、その後実際に吟じていくというスタイルで、進めさせていただきます。
ではですね、まず最初に詩吟の世界における息継ぎの話なんですけれども、
流派にもちろんよるんですがね、僕のいる流派は結構メジャーな方だと思います。
その中で言われている息継ぎのルールみたいなものですね。
二苦三足という言葉があります。
二苦三足、二つの苦、俳句の苦ですね。
三つの息、二苦三足というふうに読みます。
どういうことかと言いますと、二つの苦を言ったら、その間に三回だけ呼吸していいよと、息継ぎしていいよというルールなんですね。詩吟の中のルールです。
どういうことかと言いますとですね、多分有名な、一番有名な漢詩を例にしてご説明していきたいと思います。
絶苦って覚えてますかね。絶苦。中学校の漢詩の時間に習ったんじゃないかなと思います。
子を緑にして鳥いよいよ白く、山青くして花燃えんと欲す。
今春みすみすまたすぐ、いずれの日か、これ記念ならん。
あーこれこれみたいな風に思い出してくれたら幸いです。
あの、追句っていう風に確かなんかいろいろ習ったと思いますけれども、そういうのは今ちょっとどうでもいいんですね。
これ、まず詩の塊。四つの苦で構成されているの分かりますかね。
気象転結という風に四つに分かれています。
この漢詩の場合ですと、子を緑にして鳥いよいよ白く、これが気苦、一つ目の苦ですね。
山青くして花燃えんと欲す、これが生苦、二つ目の苦。
今春みすみすまたすぐ、これが三つ目で、いずれの日かこれ記念ならん、これが四つ目という風になります。
これを吟じていく際にですね、三足、子を緑にしてから花燃えんと欲すの前半のここの分ですね、
ここの間で三回だけ呼吸をしていいよという、結構鬼畜なルールです。
鬼畜なルールなんですよ。
どれだけ鬼畜かと言いますとですね、
この漢詩をちゃんと吟じていくと1分半から2分くらい吟じていくわけになります。
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2分くらい歌を歌うわけなんですね。
その間に合計6回、6回だけ息継ぎしていいよということなんですね。
6回、意味わかりますかねこれ。
2分だとしたら120秒、120秒で6回呼吸していいとなったら、
一度呼吸した後に20秒声を出すということですね。
アホかと言いますけれども、
これなぜそういう風になっているのか、むしろ一句ずつにちゃんと呼吸していった方がいいのか。
一句一足とか、いや多分こっちの方がきついんですけど、
一句一足むしろ一句二足とか、それぐらいの方がいいんじゃないかという風に思うかもしれないんですけれど、
あえてこの割り切れないような形にしてあるんですね。
なぜかというとですね、
その漢詩は起承転結で分かれているけれども、
やはり一つ一つ次の詩と次の句と次の句と全部がつながっているんですね。
特に起承と転結、それぞれがつながっているわけなんですよ。
だからそこでたっぷり息をしてぶった切ってしまってはですね、せっかくのストーリーが切れてしまうよと。
だからあえて二句三足の一足目、二足目、この二足目ですね。
二足目が一句と二句の間をもう一息で言うような形になるんですね。
だからそれで呼吸も気持ちも切らさずにやっていくと、詩の表現がより素晴らしいものになりますよということになります。
じゃあこの前半だけですね、ちょっと二句三足やってみようと思います。
絶句、徒歩。まず一息目ですね。
ここまででまず一回呼吸ができます。
次ですね。
ここがこれまでで一息。きついですね、めっちゃきついです。
最後。
ここで三足目ができるわけです。
後半もこんな感じになってくるんで、二番目がですね、もう尋常じゃなくきついんですね。
これをやり始めの頃に先生がですね、なんか言ってくるんですよ。
二句三足が大事でねえとか、そんなこと言われるんですけど、そんなできたもんじゃねえよと呼吸が続かないんだよというふうに思うんですけども、実際に二句三足でできる人はごくわずかだし、真面目にやっている先生もあんまり多くないです。
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そうなるとですね、なんかうまい言葉があってですね、補足というテクニックがあるんですよ。
息を補うと書いて補足ですね。
これはつまりバレないようにこっそり呼吸しましょうという技なんです。
ですので今の場合、鳥いよいよ白く山。
ここら辺でもう僕は限界になってくるんですね。
あーの後に口をあのままにしたまま口の形を変えないでそのまま青くしてみたいなこの一瞬で最低限ちょびっと音を入らないようにシュッと息をすると呼吸を息を吸うということになるんですね。
これを補足ということでまあここまで使えてなんか一人前みたいな風に言われております。
まあ難しいですね。難しい。
ただまあできるだけですね、使用全力で味わいたいなという時は僕もこの肉三足にできるだけ忠実にやろうとしている場合がしますね。
大会によってはCDの伴奏、オーケストラが入る伴奏に合わせて吟じる時があってですね、それはもうめちゃくちゃたっぷりと伴奏が入ってくるわけですし、
まあそれで伴奏のおかげで詩がつながっているということもあってですね、あまり肉三足を気にせずにたっぷり呼吸をするというそういうスタイルもあります。
ただまあなかなか古風な人はこの肉三足にのっとって詩吟をやっている場合がありますので、
もしやっていたらですね、この人いいですねと、肉三足素敵ですね、大変ですねと言ってあげると多分喜んでくれるんじゃないかなと思います。
ではですね、今日はこの肉三足をご紹介させていただきました。
まあ別の鑑賞をこの後に紹介してもよかったんですけれど、せっかくなんで今日は基本に立ち返ってこの絶句をちゃんと吟じていきたいと思います。
詩の内容は改めて説明するほどじゃないんですけれどね。
紅緑にして鳥いよいよ白く、川が青々と美しくてですね、鳥は真っ白で羽ばたいている。
山青くして花燃えんと放す、山の木々が青々として花が燃えるように咲いている。
今春みすみすまたすぐ、もう春もあっという間に過ぎ去ろうとしている。
いつになったらいずれの日かこれ記念ならんですね、いつになったらもう故郷へ帰れるのだろうかということで、
中学校の漢詩の授業が懐かしく思えますね。そういう話じゃないけど。
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本当は詩としてはですね、美しくて、ただやはりセリフで読むだけじゃなくて、詩吟でですね、このメロディーに合わせて節回しに合わせて吟ずることで、より味わいが深くなるんじゃないかなと思います。
こんな風にドラマチックになるんだよということを知ってみてください。
これ、経験者が吟じていく際にはどこに注意したらいいかと言いますと、
七言絶句ではなくて五言絶句です。五言絶句、五つの漢字、これが四、起承転結、四つ分あるんですね。
七つの漢字ではなく五つの漢字になっています。
ですのでその分だけセリフが少ないんですね。セリフが少ないということは節回しで表現をしないといけない。
だからですね、たっぷり呼吸をしないといけないのと、節回しでいかに聞かせられるかというところ。
ただ何か伸ばしてるなぁみたいな感じになると聞いてる人も飽きてしまうので、そこを意識しながら間延びさせない吟が大事になっているかなと思います。
まぁでもカラフルな漢詩なんで吟じていてきっと楽しいですね。この感覚多分僕にしかわかんないかもしれないけれど。
ではだいぶたくさん喋ってしまいましたので、二句三足にのっとってちゃんと吟じていきたいと思います。
最後らへん声かすれかすれになるかもしれないけれども、きついんだなぁと補足はしません。しないことにします。
頑張りますので聞いてみてください。
では行きます。
うううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
むえんとうあす
こんしんみすみす
またすぐ
12:11
いずれの日か
これ
きにん
なろん
きつい
途中危なかったですね。すいません。
この二句三足の良さが伝えられるかな?伝えられないですね。難しいですね。
まああの詩吟の世界、こういうよくわからない規則、マニアックなルールもあってですね、まあそれも意味があるんですよと。
ぜひ、俺は肺活量に自信があるんだという人はですね、まあこの僕の吟みたいな感じで聞いてみて、それに合わせて呼吸のタイミングも6回だけ、6回だけにしてみて、ぜひぜひトライしてみてください。お腹が鍛えられて良いと思います。
ということで今日は二句三足についてお話ししました。紹介した吟は徒歩による絶句ですね。では次もまあ数日後お楽しみください。詩吟の魅力を発信する詩吟チャンネルどうもありがとうございました。バイバイ!
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