派遣労働の制度と背景
最近読んだ本で印象的だったことがあります。 日本には派遣会社が約3万6千社らしく、 世界でトップクラスでおいしそうです。
人口当たりの方でも世界一おいしそうです。 日本は、派遣大国なんですね。
働く人を大量に雇い、ピンハンにして 儲けてる組織や経営者がこれほどたくさん存在し、 世界一だなんて驚きました。
もともと、派遣は一部業界以外は違法だったんですよ。 公安労働とか以外は。
なので、他の国も基本的に派遣労働っていうのは 大体違法だったりするんですよね。
フランスとかの場合だと、短期で決められた期間 契約しますってのであれば、その期間以降は絶対に雇用しちゃいけません。
例えば、ワインの仕込みをします。 なので、4ヶ月働いてくださいとかの場合であれば、
その4ヶ月間は働いてもらうんだけど、 それ以外は絶対働いてはいけませんと。
働いた場合、めっちゃペナルティーありますよ みたいな感じで、日本の場合って短期の派遣なんだけど、
1年ごとに延長して、結果として5年、10年 ずっと続きますっていうのを不可能にしてるんですよ。
なんでそんなことにしてるのかっていうと、 例えば、自由にすればいいじゃんっていう考え方にもあるにあると思うんですけど、
ストライキというのがなぜ認められているのか。
最近は前ですけど、昔JRが国鉄って言われてる時代に 電車を止めるストライキと書いてたんですよ。
ストライキってやられると不便じゃん。 なので勘弁してくれよっていうのがあるんですけど、
そうは言っても、どう考えても、 従業員と経営者で比べたら経営者のほうが有利なんですよ。
なので、従業員として対抗する手段を 与えなきゃいけないよね。
そのためにストライキをする権利というのを与えます。
本来で考えたら、会社の資産というのを会社の社員が 勝手に乗っ取って運転するだかしないだか、
製品を作るだかしないだかっていう判断を 従業員が勝手にしてしまうっていうのは、
本質的には違法なんですよ。
商品を作る会社であれば、その会社の商品を作るための機械とかを 勝手に使えないようにするとか封鎖するっていうのは、
ある種、汚料みたいなもんじゃないですか。
要は自分の会社のものを社員が判断で、 この機械使えませんとかってしちゃう。
でも、労働者っていうのは立場が弱いから、 そういう形で対抗することを可能にしようっていうので、
北朝鮮とか以外はほぼどこの国でも ストライキの権利というのを与えられてるんですよ。
派遣労働と他の国の比較
じゃあ、なんで派遣が他の国の認められてないかっていうと、 派遣をいくらでも雇えるんだったら、
正社員雇う必要なくなっちゃうよねって話なんですよ。
要は正社員っていうのはクビにできませんとか、 働いてるとき怪我した場合とかは、
病気になった場合は、それでも生活を維持させるために 会社からお金を払わなければいけませんとか、
それなりに労働者が有利な条件というのは 正社員ではあるんですよ。
でも、派遣でいつ来てもいいよって人を 雇えるんだったら、正社員に雇わなくていいじゃんってことになっちゃうので、
なので、正社員のシステムというのを維持するために 派遣を増やさないっていうのを本来の日本はやってたんですけど、
小泉政権の時代に公安労働者以外の 派遣社員というのを認めることによって、
実質的にはどの業種でも派遣社員いますよ みたいな形になってしまって、
本来であれば1年間しか雇えないのに 毎年毎年更新するっていう。
逆に言うと毎年更新するっていうのがあるので、 給料を上げてくれよって言ったら、
じゃあもうお前いらねえよってなっちゃうんですよ。
正社員とかの場合、給料を上げてくれないんだったら ストライクするぞとか、
みんなで寄ってたかって集まって文句言いますよ っていう団体交渉権みたいなのがあるんですけど、
でも派遣の場合だったら、じゃあわかったわかった。 じゃあ1年後にお前切るから関係ねえよみたいな。
時給1200円を1300円にしてくださいって言っても、 いいよお前切るから別にみたいなので、
時給が上がらないっていうのがあったりするんですよね。
なので、社会にとって良くないよね派遣はっていうのが 割と日本以外の国ではごく当たり前のルールなんですよ。
本来違法だからね他の国では。 でも日本はそれが合法化しているっていう。
で、派遣会社がなぜか大手を振って、 普通に真っ当な会社のように世の中に出回ってるっていう 不思議な感じですよね。
【佐藤】派遣についてお尋ねしたものです。
私も当時の時代について人から聞きますが、 小泉政権で派遣が禁止されたとき、
どのような時代だったんでしょうか教えてください。
【佐藤】小泉政権時代はちょうど2000年ぐらいで、 バブルが始まっていて、
不良債券処理とかもあったりして、
経済の側にある程度本気で振らないと、 日本やばいよねっていう状態だったんですよ。
なので、どちらかというと大企業が得である 派遣というのを入れることによって、
大企業とか銀行とかが潰れないようにした方が 社会に良いよねっていうところも多分判断できそうだったと思います。
その当時、不良債券集めた重製みたいな会社があって、
不良債券をちゃんと処理してくれる会社がないと、 連鎖でバンバン会社が潰れちゃうんですよ。
通常の営業自体うまく回ってるんだけど、
ノリで買っちゃったリゾート地が10億円して、
それの価値が10億円だと思うのが 1億円提出になっちゃうと
9億円の損失を上げなきゃいけないので、 書類上は倒産になってしまいます。
倒産になってしまって、キャッシュがなくなると 本当にアウトで、
未実際製法とかで、本来事業としては回ってるところが その事業も潰さなきゃいけなくなっちゃうっていうのもあるので、
連鎖倒産はまずいよね。
だから不良債券っていうのは ある程度国がちゃんと処理しなきゃいけないよね。
だから銀行にお金ぶち込まなきゃいけないよね っていう時代だったんですよ。
なので、ある種緊急避難的なのもあって、銀行に金突っ込むとか、
派遣みたいなものが通ってしまったっていうので、
余裕のある今の時代から見ると、
なんであんなの通っちゃったのっていうのは、
あの時代はそういう無理やり何とかしなきゃいけないような 時代だったんだよねっていうのもあったりするので、
多分一概にこういう主張が悪いかっていうと、 そうでもないような気がするんですよね。
【質問】ひろきさんの切り抜きを見て、仕事を少しサボりながら 結果を出すと気持ちが悪くなりました。
あ、よかったです。