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こんにちは、RyoTaです。 余生、余ってません。 〜リベラルアーツをまとって旅暮らし〜第12回です。
今は、2026年8月4日、火曜日の朝です。 今日もタイのジョムティエンの自宅から音で消しています。
雪はまだまだ続いているんですけど、朝は割と穏やかで、窓を開けていると湿った空気と遠くの波の音が混ざって聞こえてくるんですよね。
こういう時間に本を読んだり、こうして喋ったりするのが自分には一番合っている気がします。
前回はですね、1960年代生まれの脳の話をしました。
アナログとデジタル、両方生きたハイブリッドな脳。 試行錯誤で鍛えた人質の柔軟性。
そして60代で最高潮を迎える結晶性知能。
あの回の後、自分の中でこの結晶性知能のところがずっと引っかかっていたんですよ。
なので今日はその続きです。 もっとちゃんと知りたくなって一冊本を読んだ、その話をします。
前回の終わりあたりで、この成熟した脳をちゃんと使いたいみたいなことを言ったと思うんですけど、
あれ、口では言ったんですけど、じゃあ実際どう使うのか、というところで自分の中の解像度がまだ低かったんですよね。
流動性知能が落ちていく、結晶性知能が上がっていく、ここまではわかった。
でも、じゃあ人生後半は具体的にどう生き方を切り替えるのか、そこがぼんやりしたままだったんです。
で、ちょうどそのタイミングで目に入ったのがこの本でした。
タイトルが、人生後半の戦略書。ハーバード大学教授が教える人生とキャリアを再構築する方法。
著者はアーサー・ブルックスさん。
英語の原題は、from strength to strength。強みから強みへ、みたいな意味ですね。
前回触れた流動性知能と結晶性知能について、もう少し深く学びたかった。
それがこの本を手に取った一番の理由です。
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念のため、前回の復習を軽くしておきますね。
流動性知能っていうのは、新しい情報をパッと素早く処理したり、独創的なアイディアを生み出したりする力。
これがピークなのが20代で、30代から40代にかけて急に下がっていく。
まあ、残念ながらこれは避けられないらしいです。
一方の結晶性知能、こっちは経験や知識が積み重なってできる、いわば知恵の方。
で、これが最高潮を迎えるのが60代なんだと。
本書によると、流動性知能が成人した頃から衰え始めるのは、
全当然皮質、額の裏側にある部分ですね。
そこの組織が変わって、働き側にぶり始めるからだそうです。
素早い分析とか、創造的な発明がしにくくなる。
マルチサスクも難しくなる。
これ、自分でも実感があるんですよ。
静かな場所でないと集中して作業するのが難しくなったなっていう自覚がある。
カフェで作業みたいなことが若い頃より明らかにしんどい。
あと、音楽を聴きながら作業することができなくなってきた。
まあ、年のせいで済ませていたんですけど、そういう脳の仕組みの話だったのかと。
で、この本の始めに出てくるエピソードが特に印象的だったんです。
ここから話したくなるくらい刺さりました。
著者のブルックスさんが深夜便の飛行機に乗っている。
そしたら背後から聞こえる会話にどうしても気を取られてしまう。
どうやらその男性はもう誰からも必要とされていない。
死んだ方がマシだ、みたいなことをパートナーと母式女性に訴えている。
着陸して席を立った著者は、その男性の顔を見て愕然とする。
誰もが知る国民的英雄で、著者自身も子供の頃から憧れていた人物だったと。
すごい話ですよね。
表舞台では英雄。
でも飛行機の座席ではもう必要とされていないと嘆いている。
この落差。
著者はこの出来事をきっかけに人生が変わったと言っています。
つまり、ああいう成功を収めた人間がキャリアの落ち込みを受けて
満ちたれた人生を送るにはどうすればいいのか。
その研究を始めたと。
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自分はこのエピソードを読んだ時、ちょっと息が止まったんですよ。
成功者であればあるほど落ち込みによる苦しみは大きい。
落差があまりにも大きいから。
まあ自分は国民的英雄でもなんでもないので、同じ落差を経験したわけじゃないんですけど。
でもかつての強みにいつまでもしがみついている苦しさみたいなものはなんとなく想像できてしまう。
巷にあふれているファイヤー志向も同じ鉄を踏むんじゃないかとふと思ったりしました。
ファイヤー後の人生は虚無だったみたいな話よく耳にしますよね。
経済的な成功は必ずしも幸福には繋がらない。
このあたりはまた後で触れます。
この本を読み始める前、自分はだいたいこんなことを期待していました。
まず一つ目。
結晶性知能をどう使うのかの具体的な処方箋が欲しかった。
前回話した動画で概要は知っていた。
でも使い方がまだぼんやりしていた。
だからここを埋めてくれる本であってほしいなと。
二つ目。
乗り換えの話がきれいに書いてあるんじゃないかと思っていた。
流動性知能の生き方から結晶性知能の生き方へ
スムーズにシフトすればいいんでしょうくらいに
割と楽観的に考えていたんですよ。
これは後で裏切られます。
三つ目。
自分のこれまでの選択がなんとなく肯定されるんじゃないかっていう期待。
まあこれは少しずるい期待ですね。
定年でスパッと辞めたこと。
日本を離れてタイに来たこと。
荷物を減らしたこと。
こういうのが正しい乗り換えだったって言ってほしかった。
正直そういう気持ちもあったと思います。
本書ではよく言われる中年の危機の正体は
流動性知能の落ち始めに感じる不安だと言っています。
自分が一番得意だったやり方でもう勝てなくなってきた。
その違和感が危機の中身なのだと。
で、自分はいわゆる中年の危機をあまり意識してこなかったんですよ。
どうしてだろうと考えてみると
それを感じる頃に20年以上勤めた会社を辞めて
フリーランスになるっていう変化をしていた。
加えてそもそも世俗的な成功をあまり経験していなかったっていうのもあると思います。
ここで言う世俗的な成功って
お金とか地位とか権力とか
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世間でよく言われる成功のことですよね。
ああいう成功には再現がない。
上には上がいる。
だからそこを登り詰めた人ほど落ちた時の落差が大きい。
先ほどの飛行機の話とつながってくるんですよね。
自分はそこまで登っていなかった。
だから落差も小さかった。
これは負け惜しみにも聞こえるんですけど
まあそういう面もあったのかなと今は思っています。
読んでみてわかった本書のコアメッセージを先に言います。
短いです。
若さに固執するイノベーターであり続けることをやめ、
知恵を分かち合うし、ティーチャーになれ。
これです。
前回自分がぼんやり言っていた
成熟した脳を使うの一つの答えがここにある気がしました。
使うっていうのは自分のためだけに使うんじゃなくて
分かち合う方に回すということなんだと。
そして流動性知能の低下は避けられない。
だから叱るべき年齢に達したら
結晶性知能を使う生き方に乗り換える。
この乗り換えをしないまま流動性知能で
多成功に肯定し続けていると
人生後半は不幸なままになる。
まあかなり厳しいことも書いてあります。
ただその乗り換えはすんなりとはいかない。
少なくない苦難を伴うとも書いてある。
ここがさっき自分が楽観しすぎていたポイントですね。
乗り換えればいいんでしょうじゃなくて
乗り換えようとすると結構痛いんですよ。
成功体験がある人ほど痛い。
本書では2つ目の曲線
つまり結晶性知能が威圧曲線に乗り換えるための戦略として
5つのアクションを提案しています。
今日は地図として眺める程度に紹介しますね。
一つ一つを自分の生活にどう当てはめるか
そこは連動するニュースレターの方で
もう少し丁寧に書いてみようと思っています。
今日は名前を並べて自分の現在地だけ
ざっと触れる感じでいきます。
一つ目、衰えを受け入れる。
現実の直視です。
永遠に勝ち続けることはできないっていう現実を受け入れる。
ブッダの諸行無常とか
ラテン語のメメントモリ
死を忘れるな、みたいな思想ともつながる。
二つ目、足し算から引き算への転換。
若い頃は目標や財産や成功を付け足すことで幸福を得ようとする。
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人生後半では不要な欲望や名誉への執着や
身の回りのものをそぎ落とすことで真の自由が得られる。
三つ目、仕事上の知り合いから本当の人間関係へ。
肩書や利害に基づく浅いネットワークではなく
尊徳抜きで信頼できる人との関係に投資する。
孤独は人生後半の幸福度を大きく下げる最大の敵だと。
四つ目、奉仕と伝承に生きる。
他者や若い世代のために自分の知恵を使う。
ティーチング、コーチング、メンタリング、地域貢献。
誰かを育てる立場に回ることで
結晶性知能が最大限に発揮される。
五つ目、精神的・内面的な探求。
いわゆるスピリチュアルな成長ですね。
キャリアや外的な評価じゃなくて
自分の内面、哲学、宗教、瞑想など
より深い精神的探求に時間を割く。
これを自分に当てはめてみると正直言うとまだ途中です。
現実を直視して身の回りのものを削ぎ落とすこと。
これはある程度できていると思います。
荷物を減らして買いに来た。
年金の範囲で暮らすという選択も
足し算から引き算への転換に近いのかなと。
以前お金の話をしたときも
我慢と必要なくなったは違うという話をしましたけど
あれも引き算の話だったのかもしれない。
本当の人間関係の構築や
誰かを育てることにつながるアクション。
これは現在進行中です。
こうしてポッドキャストをやっているのも
本を書いているのも
広い意味では伝承の入り口なのかなとも思います。
でも入り口であって
ちゃんと誰かを育てているかと言われると
まだそこまでは言えない。
自分がティーチャー面をするのは
ちょっと気恥ずかしいというのもありますね。
5つ目のスピリチュアルな成長。
これは全くの哲学です。
正直自分はこういう領域に
ずっと距離を置いてきたタイプなんですよ。
哲学の本を読むことと
精神的な探求は多分違う。
ここはこれからの課題だと思っています。
課題っていうのは
ちょっと疑問っぽいんですけど
まだ地図の端っこに空白が残っているくらいの感じです。
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この本を読んでよかったかと聞かれたら
よかったと思います。
前回の結晶性知能すごいよね
で終わりそうだった話に
じゃあどう乗り換えるのかっていう地図がついた。
それだけでも自分には大きかった。
一方できれいに納得して終わったかというと
そうでもない。
乗り換えには苦難が伴うと言われると
自分はその苦難の本番に
入っていないのかもしれないとも思う。
世俗的な成功の落差が小さかった分
痛みも小さかった。
それは幸運でもあるし
同時にまだ本気で向き合っていない部分がある
というサインでもある気がしています。
ファイヤーの話に戻ると
読み入れた後に
じゃあ誰のために何を残すのかが
空欄のままだと虚無が来る。
これは流動性知能の曲線の延長線上に
ずっと追い続けようとしているからなのかもしれない。
ここも今日は問いとして置いておきます。
答えはニュースレッダー側で
もう少し自分の言葉でほっとみます。
でも今のところ
この本を読んだことは
一番の収穫だったかもしれません。
むしろまだ途中だと自覚できたのが
一番の収穫だったかもしれません。
というわけで今回は
前回触れた結晶性知能の続きとして
人生後半の戦略書を読んだ話をしました。
コアとなるメッセージは短いです。
イノベーターであり続けることをやめて
知恵を分かち合うしになれ。
そしてそのための地図として
ただ今日は地図を広げただけです。
5つのアクションを自分の暮らしに
どう当てはめるのか。
本書で触れられているチップコンディさんの
モダンエルダー
現代の長老という考え方
ファイヤーの後に来る虚無の正体
精神的な探求という自分にとって
一番手つかずの空白
このニュースレターのほうで
もう少し深掘りしようと思います。
合わせて読んでいただけると
今日の話はもう少し具体的に理解できるかもしれません。
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連動したニュースレターもやっていますので
18:04
今回は以上になります。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
また次の街でお会いしましょう。
りょうたでした。