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こんにちは、RyoTaです。 余生、余ってません。 〜リベラルアーツをまとって旅暮らし〜第11回です。
今は、2026年7月27日月曜日の朝です。 今日もタイのジョムティエンの自宅からお届けしています。
季節的には雨季真っ只中なんですけど、まだまだ序盤っていう感じですね。 経験的には、雨季の終わり頃、10月から11月が一番雨量が多いように思います。
最近は嵐のようなアスコールが降ったかと思うと、その後はカラッと晴れるっていう、 実に南国らしい天気を繰り返しています。
前回の冒頭で、この番組も2桁回になって、ポッドキャストの3ヶ月の壁を乗り切れるのか、なんて話をしたんですけど、おかげさまでどうやら乗り切れそうです。
まあ別に誰かに褒められるわけでもないんですけど、続いているっていうのは自分にとってちょっと嬉しいことだったりします。
で、前回はですね、年金だけでタイでどうやって暮らしているのかっていうお金の話をしました。
金額は言わずに、5対3対2の割合と考え方で話しました。まだの方はぜひそちらも聞いてみてください。
今日はですね、ガラッと変わって脳みその話をしようと思っていて、それも自分たち60代の脳の話です。
きっかけはたまたま見た1本のYouTube動画でした。
先日YouTubeを見つめていたら、ある動画のタイトルがパッと目に止まったんですよ。
何ていうタイトルかというと、60代、1960年代生まれの脳に眠る若者には真似できない最強の知恵。
まあずいぶん景気のいいタイトルだなと思いつつ、でもこれ自分がまさにドンピシャの世代なんですよね。
1960年代生まれの60代。だからつい再生ボタンを押してしまいました。
正直に言うと、この手のあなたの世代がすごい系のタイトルってちょっと警戒するんです。
気持ちよくさせて何か売りつけられるんじゃないかみたいな。自分そういうのには割と冷めているものなの。
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でも見てみたらこれがなかなか面白かったんです。
その動画が何を言っているかというと、ざっくり言うと1960年代生まれの世代はアナログの時代とデジタルの時代、その両方を生き抜いてきた。
だから今の若い世代には真似のできないハイブリッドな脳が育っているんだという話なんです。
これがいくつかの切り口で説明されていて、ちょっと紹介させてください。
まず一つ目が認知的柔軟性っていうやつ。
例えば、昔はどこかに出かけるとき、紙の地図と電車の時刻表をにらめっこしてルートを自分で決めてたじゃないですか。
じゃないですかなんて言ってもこれを聞いているほとんどの人は知らないと思いますけど。
あとカセットテープでラジオを録音するのも結構苦労があった。
録音ボタンを押すタイミングとかね。
あと駅の伝言板、これもほとんどの人は見たことないと思いますけど、
あれで来るかどうかもわからない相手にメッセージを残したりして。
こういう昔の不便って脳にとっては実は高度なトレーニングだったんだと。
すぐには正解が手に入らない状況で、あれこれ試行錯誤して何とか切り抜ける。
その経験を数え切れないくらい積んできた。
それで何が起きても動じずに次の最適解を探しに行く。
そういう脳の筋肉が鍛えられるんだという話なんですね。
面白かったのがロンドンのタクシー運転手の研究で、
カーナビに頼らず複雑な道を走っている運転手は、
記憶を司るカイバっていう部分が普通の人より発展しているんだと。
灰色の脳の皺の密度が高いらしいんですよ。
昭和の不便が脳を鍛えたと。
そう言われるとなんだか悪い気はしないですよね。
二つ目がレジリエンス。
しなやかな回復力みたいな意味ですね。
自分たちの世代って、社会に出た頃がちょうどバブルの絶頂期だったんですよ。
日本中がお祭り騒ぎで。
ところがそのバブルが弾けて長い長い停滞の時代に突入した。
しかも仕事のやり方も泥臭いアナログから効率重視のデジタルへガラッと変わっていった。
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自分たちはその頭の固い上の世代とデジタル世代の若手のちょうど真ん中で板挟みの調整役をやってきた世代なんです。
いやこれはね本当に身に覚えがありすぎて。
動画曰くそういう価値観がひっくり返るような激動を何度もくくり抜けてきた脳っていうのは
ただ単に傷ついて終わるんじゃなくて
むしろ前より高い次元の精神的な回復力を手に入れるんだと。
そして3つ目、これが一番なるほどと思ったんですけど
結晶性知能という話です。
英語のクリスタルの結晶ですね。
結晶性知能。
心理学では知能を2つに分けるらしくて
一つが流動性知能。
新しい情報をパッと素早く処理する力。
これは20代がピークで後は下がっていく。
まあ残念ながらこれは認めざるを得ないですね。
日々実感しています。
もう一つが結晶性知能。
こっちは経験とか知識が長い時間をかけて積み重なってできるいわば知恵ですね。
この結晶性知能が最高潮を迎えるのがなんと60代なんだと。
若い人は難しい問題に向き合うとき脳の片側しか使わない。
でも60代は左右の脳を両方いっぺんに統合的に動かしているんだと。
膨大な経験を創造員にして物事を俯瞰してみたり
人の表情から本当の気持ちを読み取ったり
一瞬で本質を見抜く熟練の直感、それを発揮できるのが60代なんだと。
ちょっと厚く紹介しすぎましたかね。
でも要するに感歴っていうのを役割に縛られた過去から解放される
新しい人生の始まりとして捉え直そうと。
そういうなかなか勇気の出る話だったんですよ。
こういう話って聞いている分には気持ちいいんですけど
自分としては本当かなって一歩を引いてみる癖があって
都合のいい話は疑ってかかる方なんで。
なんですけど正直に言うとこの動画に関しては
言われてみると確かに心当たりがあるなと思ってしまったんですよね。
っていうのも自分の子供の頃から若い頃を振り返ってみると
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まさにアナログの試行錯誤のオンバレードだったんですよ。
例えば自分子供の頃オリエンテーリングっていう競技が好きだったんです。
地図とコンパスだけを頼りに山の中のチェックポイントを順番に回っていく競技ですね。
まさに地図とにらめっこして自分でルートを組み立てる遊びです。
あとラジカスの録音。
ラジオから流れてくる好きな曲をテープに録音するとき
あの録音ボタンを押すタイミングを取るのが妙に得意でしたね。
曲の頭を切らずに、でもDJの喋りは入れずにっていうあの絶妙なタイミング。
今の若い人に言ってもなんのこっちゃでしょうけど。
家ではテレビのチャンネル争いがしょっちゅう勃発していましたし、
最初に就職した会社なんてほぼノーデジタルで紙で仕事していましたからね。
それからお店を何軒も巡って買い集めたり行動。
あの重さで腕が抜けそうになったり。
数年前までどうしても捨てられない本を引っ越しのたびに重さに苦労しながら運んだり。
待ち合わせの場所と時間なんて今よりずっと重い約束だったんですよ。
遅れたらもう会えないかもしれないっていうね。
いや、こうして並べてみるとただただ懐かしいですね。
でね、ここで一つ思い出したことがあって。
まだ会社にいた頃、若い人から大人の意見を聞きたいんですって言われたことがあったんですよ。
その時、自分正直ピンとかなかったんですよね。
大人の意見ってなんだって。
自分ではそんな立派な大人の意見を持っているつもりがなかったし、
ただ長くやってきただけで若い人とそんなに違うことを考えているとも思っていなかった。
でも今回この世代による脳の働き方の違いっていう話を知って、
ああそういうことだったのかと少しだけ腑に落ちたんですよ。
彼らは自分より流動性知能は全然高い。
でも経験を統合して俯瞰してみるっていうあの結晶性知能の方はまだこれからなんですよね。
だから自分たちの大人の意見に価値を感じてくれた。
まあ当の彼らも自分もそんな脳の仕組みなんて知りもしなかったんですけどね。
だから当時の自分の見立てとしては、
自分なんて別に特別でもなんでもない、ただ年を取っただけの人間だと思っていたんです。
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でもどうやらそうでもないのかもしれない。
実際のところどうなんだろう、次のパートでその辺を考えてみます。
まず良かったというか、実感として本当だなと思う方から話しますね。
60代はゴールデンエイジだってよく言われるじゃないですか。
これね、今の自分の充実感を考えると結構納得できるんですよ。
会社の役割からも人間関係のしがらみからも解放されて、好きな場所で好きなことをやって暮らしている。
前にサウナも映画館も必要なくなったっていう話をしましたけど、
あの足りているっていう感覚と地続きなんですよね。
今が一番頭も心も自由に動いている感じがある。
ただ正直に言うと、1960年代生まれが特別なのを持っているっていう、
あそこまで具体的な話はさすがに知らなかったんです。
えーそうなんだと。
でも言われてみると、さっき話した通り確かに心当たりはある。
で、ここからが正直に言っておかなきゃいけない、そうでもない方の部分です。
この動画を見て気持ちよくなった後に、ふと自分の中にあるあんまり褒められない感覚に気づいちゃったんですよ。
というのはね、自分の心のどこかで自分より上の世代のことを
頭の固い旧世代の人たちだなって思っている節があるんです。
で、逆に若い世代のことはなんだか浅はかで切な的だなって感じてしまうことがある。
これ口に出すと結構感じ悪いですよね、我ながら。
でもね、この自分たちの世代が一番バランスがいいみたいな感覚、
これってまさにこの動画が言っている1960年代までは特別だっていう話に
都合よく乗っかっていただきかもしれないなと。
自分に気持ちのいい話だから無批判に信じたくなっている。
それって結構危ういなと思ったんですよ。
上の世代だって自分たちが真似できないもっと過酷な時代を生き抜いた知恵を持っている。
若い世代だって自分には逆立ちしても真似できない新しい時代の感覚を持っている。
それを頭が固いだとか浅はかだとか言って一言で切り捨てるのは
それこそ頭が固くなっている証拠かもしれない。
この正直な結論は自分にちょっと耳が痛い話でした。
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一番大事なのはここからだと思っていて。
仮に自分の脳がこの動画の言う通り一番成熟した状態にあるんだとして、
じゃあそれをただ気持ちいいなぁで終わらせるのか、それともちゃんと使うのか。
自分はやっぱり使いたいんですよね。
この一番成熟したはずの脳をしっかり働かせて考えて動いていきたい。
まあこれは日頃から思っていることでもあるんですけど、
本を書くのもこうして喋るのも結局はその一環なんです。
前に創造性っていうものは直接関係なさそうなもの同士を掛け合わせるセンスだ
みたいな話をしたことがあると思うんですけど、
それこそ経験を統合する結晶性知能の一番の使い道なのかもしれない。
で、最後にこれは同世代で定年退職を控えている方に伝えたいことなんですけど、
もしその仕事が別に好きでもない仕事なんだとしたら、
再雇用とか職託とかは考えずに60歳できっぱり辞めるのがいいと思うんですよ。
自分がまさにそうしたので、ちょっと我田飲水なんですけどね。
でも本気でそう思っていて、この一番成熟した脳を使える特別な時間を有意義に過ごすことを
何より第一に考えるべきだと。
惰性で仕事を続けてこの時間を使い切ってしまうのはあまりにももったいない。
でも辞めた後やりたいことがないという方もいると思うんです。
それなら探せばいいんですよ。焦らなくていい。
やりたいことを探してあれこれ試行錯誤をしてみる。
その時間は決して無駄にはならないので。
だって試行錯誤こそが自分たちの世代が一番得意な脳の使い方だから。
で、もし見つかればもう儲け者です。
それがきっとさっきの新しい人生の始まりっていうやつなんだと思います。
まあこういう何々すべきだみたいな言い方はあんまりしたくないんですけどね。
あくまで一足先に辞めた人間の一つの実感として聞いてもらえたら。
というわけで今回はたまたま見たYouTube動画をきっかけに
自分たち60代の脳の話をしました。
アナログとデジタル。両方生きたハイブリッドな脳。
試行錯誤で鍛えた認知の柔軟性。
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そして60代で完成するっていう結晶性知能。
気持ちよく乗っかりすぎねっていう字回も込めつつ。
結局一番言いたかったのは脳が特別かどうかってことよりも
その脳をちゃんと使うのかっていうことなのかなと。
懐かしさに浸って終わるんじゃなくって
その懐かしさの正体をこれからの燃料に変えられたらいいなと思っています。
今回は脳っていうちょっと理屈っぽい入り口から話しましたけど
この便利さと引き換えに自分たちが失ってしまったものの多さ。
あの不便だったけど豊かだった時間のことですね。
ここは連動しているニュースレターの方で
もう少ししっかりと掘り下げてみようと思っています。
合わせて読んでいただけると
この回の話がもう少し広がるようになります。
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それでは今回は以上になります。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
また次の街でお会いしましょう。
りょうたでした。