中折れは、割合でも朝立ちでも自分を判定できません。この回を聴くと、自分を採点するのをやめて、「急がない」というひとつの段取りに置き換えられます。
同じ人たちに同じことを聞いても、聞き方を変えると当てはまる割合が3倍にも変わります。今回は、日本の全国調査の数字と、原因が3つでは足りないこと、そして今日からできる1つを10分でお話しします。
割合で、自分が当てはまるかどうかを決めないでください。
▼この回の持ち帰り(今日からできること)
- ✅ ★最初の一歩=急がない。じゅうぶんに高まるまでの時間を、先に取っておく(米国494人の調査で関連が示された、数少ない実務的な要因)
- ✅ 自分が当てはまるかを「割合」で決めない。割合は聞き方で3倍にも動く
- ✅ 朝の1回で自分を採点しない。専門の検査でも2晩必要で、それでも限界がある
- ✅ 原因をひとつに決めて自分を責めない。決めた瞬間に、ほかの5つが見えなくなる
- ✅ ポルノは「見た時間」を数えるのではなく、「やめられない・困っている」と感じているかどうかを自分に聞く
- ✅ うまくいかなかった日は、その場で終わりにせず、手や言葉やふれあいのほうへ戻す。不安は先にひとこと言っておく
▼科学のほうで分かっていること
- ✅ 日本の全国調査(6,228人)では、同じ集団でも聞き方で13.0% / 30.9% / 81.0% と変わった
- ✅ 81.0%が高く出るのは、最近の性行為について聞く質問だと、機会が無かった人も低い点数になるため
- ✅ 40〜44歳でも、中等度以上の悩みがある人は9%(日本を含む4か国・無作為抽出)。65〜70歳では54%
- ✅ 原因は「血管・薬・気持ち」の3つではない。血管・神経・体のつくり・ホルモン・薬・心理があり、多くは重なる
- ✅ 朝立ちの有無で心因性か器質性かは判定できない。専門の検査でも2晩必要で、それでも限界がある
- ✅ 米国の調査(494人)で関連したのは「十分に勃起する前に着けようとしていた」こと=高まるまでの時間を取る
- ✅ 日本の小規模調査では、治療を望んだ人がいる一方、医師に相談していたのは66人中1人だけ
- ✅ EAUのED章の全文に「ポルノ」の記載は無く、原因の候補として挙げられていない。視聴時間の長さとの関連は3,000人超の調査でも確認されていない。関連が出るのは「問題的な使用」のほう(符号が逆)
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参考文献・関連リンク
- Erectile Function and Sexual Activity Are Declining in the Younger Generation: Results from a National Survey in Japan (2025) — World Journal of Men's Health 43(1):239-248。日本・20〜79歳・6,228人(37,485人へ依頼・回答率16.6%)。直接質問で13.0%、勃起の硬さの尺度で30.9%、性生活についての質問票で81.0%。※国勢調査の構成に合わせた割当抽出で、無作為抽出ではありません。
- Epidemiology of erectile dysfunction in four countries (2003) — Urology 61(1):201-206。ブラジル・イタリア・日本・マレーシアで各約600人を無作為抽出。年齢別(4か国の統合値)は40〜44歳9%、65〜70歳54%。日本の年齢調整済みは約34%。※年齢別の値は4か国をまとめたもので、日本単独の値ではありません。
- Condom-Associated Erection Problems (2016) — American Journal of Men's Health 10(2):141-145。米国南部3都市・15〜23歳・494人。過去2か月に装着中19%、性交中17.8%が経験。多変量解析で「十分に勃起する前に着けようとすること」などが関連し、著者は興奮が高まる時間を十分に取ることを提案しています。※特定の地域・年齢層の調査で、一般男性の割合ではありません。
- Comparison of self-report and objective measures of male sexual dysfunction in a Japanese primary care setting (2021) — Family Medicine and Community Health 9(1):e000403。日本・札幌郊外の家庭医療クリニック・66人。治療を望んだ人がいる一方、かかりつけ医に相談していたのは1人でした。※小規模で、全国の受診率を示すものではありません。
- EAU Guidelines on Sexual and Reproductive Health — Management of Erectile Dysfunction(欧州泌尿器科学会)。原因は器質性・心因性・混合性に分けられ、病態別には血管性・神経性・解剖/構造性・内分泌性・薬剤性・心因性が挙げられています。多くの場合、身体的な要因と心理的な要因は重なるとされ、EDは複数の背景のサインになりうると整理されています。夜間の勃起検査は少なくとも2夜必要で、それでも限界があるとされています。※欧州のガイドラインであり、日本にそのまま当てはめられるものではありません。気になる状態が続くときは医療機関にご相談ください。
- Do pornography use and masturbation play a role in erectile dysfunction? (2022) — International Journal of Impotence Research。n=3,586。視聴頻度とEDの関連は確認されていません(p=0.28〜0.79)。
- Are sexual functioning problems associated with frequent pornography use and/or problematic pornography use? (2021) — Addictive Behaviors。関連が出るのは「問題的な使用」のほうで、単なる視聴頻度とは符号が逆でした。
▼次に聴くなら
- 「賢者タイムとのつきあい方」の回では、体の話と気分の話を分けたうえで、焦らない段取りをお話ししています。
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【ご注意】
本エピソードは、性に関する一般的な情報提供を目的としたもので、医学的診断や治療を目的としたものではありません。番組の内容で自己診断をしないでください。
番組で触れたカナエの話は、本人が見聞きした範囲の実感であり、統計や医学的な根拠ではありません。
紹介した割合は、調査の聞き方・対象・国によって大きく変わります。特定の数字をご自身に当てはめて判断するためのものではありません。
朝立ちの有無で原因を判断することはできません。気になる状態が続くとき、痛みや排尿の変化を伴うとき、服薬を始めてから変化したときは、泌尿器科などにご相談ください。薬の影響が疑われる場合も、自己判断で中止したり量を変えたりしないでください。
番組内でお伝えしている段取り(急がない/原因をひとつに決めない/不安を先に伝える)は、症状を治す方法ではなく、その日の受け取り方を変えるための工夫です。効果を保証するものではありません。
「ポルノが原因でEDになる」という説(英語の略語で語られることがあります)は、公式な診断名ではありません。ただし逆に「まったく無関係」とも断定できません。引用した研究はいずれも一時点の調査で、原因と結果を決めたものではありません。
本エピソードでは、特定の商品・サプリメント・器具の効果には触れていません。
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