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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙ばなし。
今回は、はやぶさ2が地球に小惑星を持って帰ってきて、その後、今何をしているのか、そんなお話をしていきたいと思います。
はやぶさ2は現在、拡張ミッションと呼ばれる新たなミッションについているんですが、
そちらも小惑星の研究にとって非常に重要な成果をもたらすんじゃないかと期待されているので、
今回はそちらの計画についてお話ししていきたいと思います。
3、2、1、イギネション
佐々木亮の宇宙話
2022年8月8日始まりました、佐々木亮の宇宙話。
このチャンネルでは、1日10分、宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
ということで、本日でエピソードが670を迎えるというところになっておりますが、
今回は、はやぶさ2が拡張ミッションと呼ばれるものに入っているんですが、
それが一体どういう内容なのか、そんなお話をしていきたいと思っております。
でですね、はやぶさ2、これこのポッドキャストにも何度か注目はしてきたんですけど、
はやぶさ2は、そもそもリュウグーっていう小惑星に行って、
その表面の物質をガサッと持って帰ってきて、で今地球にもすでに卸し終わってっていうところで、
そこから先日話したアミノ酸が見つかったっていう話だったりとか、
いろんな岩石の特徴が見えてきているっていうところで、かなり面白い研究結果をもたらしてくれているわけなんですよ。
で、一応それでメインのミッションは終了しているんですが、
今、拡張ミッションと呼ばれる、まだ余力あるから次のミッションやってみようかみたいな、そんな時代に入っております。
で、なんでこんなことができるのかっていうと、そもそもミッションを遂行する上で、ある程度余力のある、例えばエンジンだったりとかっていうのを積んでるわけなんですよ。
ただその中で、もうイオンエンジンと呼ばれる、いわゆる人工衛星を操作する燃料がまだ半分近く残っていたというところで、
じゃあいろんなことできるじゃんっていうので検討されて、次のミッションが決まっているというような状況です。
で、ここですね、実は今2031年ぐらいまでなので、今からあと7年ですかね、とか6年7年っていうような、もうちょいか、すいません、っていうところの計画が立っていて、
2つの小惑星に対してアプローチしようとしているというような状況です。
まず1つ、一番最初に近くに行こうとしているのが、2001cc21と呼ばれる小惑星です。
で、これなんですけど、命名規則みたいなのがかなりややこしくてですね、これ言っちゃえば仮名なんですよね。
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あの、早草Ⅱが行ったリューグーと呼ばれる小惑星は、まあこれリューグーっていう名前がもうついているから、みんなすごい相性、馴染みがあるんですけど、
この小惑星、まず1個目に行くのが2001cc21と。
で、最後に行こうとしている小惑星が1998ky26というような、もうなんともね、掴みどころのない明日には完全に忘れてそうな名前なわけなんですよ。
で、これ、なんでこういうふうになってるかっていうと、小惑星ってもう次々次々見つかってるわけなんですよ。
で、それは光の反射の具合だったり、結局小惑星って自分で光ってるわけじゃないので、どうやって見つけるかで言うと、周りの光、特に主に太陽ですね。
太陽の光が反射して、私たちのところにこう目に届くようになったら、あ、あそこに星あるじゃんみたいな形で小惑星が見つかるみたいなことなわけなんですよ。
もちろん他の方法もいろいろあるかもしれないですけど、メインではそんな感じになってるというところで、日々たくさん見つかってるわけなんですよね。
で、そうなってくると、一個一個に特定の名前をつけておくっていうことではなくて、なんか世界基準のそういう組織があって、その組織にまず登録されると。
で、そうすると仮の名前がついて、例えばアマチュアの天文学者とかが見つけた場合は自分で名前をつけれたりするのかなっていうところがあるんですけど、基本的にはその見つけた人が名前つけれるみたいならしいんですよ。
ただ大規模なミッションとか、それこそ巨大な望遠鏡で宇宙たくさん観測してるって中で見つかったものが本当に大量にあるっていう状況の中で、
じゃあそれに一個一個名前つけてたらしょうがないっていうところで仮名がついてるような、こういう1998年に見つかったから1998、で、KとかYとかそういうのは日付の情報だったりすると。
っていうところで、そういう仮の名前がついてる小惑星ですという感じですね。
で、そんな話は置いておいて、まず一つ目向かおうとしているのが2026年に予定している小惑星2001cc21へのフライバイと呼ばれるものですね。
フライバイっていうのは簡単に言えば近くまで飛ぶ、フライ飛ぶですね。で、バイがそばにみたいなイメージです。
で、それで行った時にこれ何ができるのかっていうとプラネタリーディフェンスと呼ばれる惑星防御、惑星防衛とかいう感じで簡単に言えば地球に小惑星が衝突しないようにする時のための研究ですね。
例えばこれまでも、もう1年、何年かに1回とか、結構大きめのサイズの小惑星が地球に衝突するみたいな話、まあこれ100年とか1000年に一度とかのレベルなんですよ。
大きさ的に言うと、だいたい数メートル、数十メートルとか、そういうレベルのやつって、多分そうやって甚大な被害を及ぼすかもしれないし、
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何なら今後もっと大きいのが地球にぶつかる可能性が出てくるなんていうところがあった時に、じゃあその軌道をずらせば地球にぶつからないよねみたいな発想になったら、その飛んできてる小惑星の軌道に対して何か人工衛星ぶつけに行くとか爆発させるとかっていうような本当にアルマゲドンみたいな世界が今考えられてたりするんですよ。
そんな中で、そういったじゃあ遠くから飛んでくる小惑星っていうところの軌道があやふやでも、とにかく近くまで行って、そこから小惑星自体をハヤブサ2がカメラで観測しながら自分で軌道を修正して近くまで行くっていう技術を実証させようとしてるんですね。
で、これがどれだけうまくいくかによって、今後のプラネタリーディフェンス、惑星防御みたいなところでどうやって小惑星の軌道をずらすかとか、そもそも軌道をどうやって変えていくかみたいな話のところが少し進化していくんじゃないかなと言われていて、ハヤブサ2の拡張ミッションにはそこが期待されている部分になってます。
で、もう一つ、もう一つの星は1998KYというところで、これが最終的に2031年とかに到達しようとしてるんですね。
で、これ数十メートルぐらいの大きさになっていて、で、自分でぐるぐるぐるぐる回ってるんですよ。
まあ、星って地球も回ってるじゃないですか。
それと同じ感じで10分で一周するみたいな数十メートルの球が、これすごい速い速度なんですよ。
で、そうなってきた時に、ぐるぐる回るとみんなもわかると思うけど、遠心力っていうのがかかるじゃないですか。
自分自身に遠心力が外側にくわーってかかるみたいな。
ああいう外側に遠心力がかかっていく力と重力、内側にぎゅーっと抑えていこうとする重力みたいな、そのバランスですね。
このバランスが崩れてるんじゃないかって言われてるんですよ。
簡単に言うと、遠心力で外側に行こうとする力の方が重力よりも強いんじゃないの?みたいな。
でも、なんで小惑星として成り立ってるの?みたいな。
そういったところを、じゃあどうやって存在してるのかっていうところを近くに行って観測しに行くと。
で、ターゲットマーカーと呼ばれる、物を落とした時にどういう振る舞いをするのかとか、
そういったところを確かめようとしているんですね。
そんな感じで、星って結局、自分自身の重さみたいな、重力でぐーってなっていってるところに対して、
自分がぐるぐる回っていたりとか、あとは内側から外に向かってかかる力、みたいなののバランスでうまく成り立ってたりするんですよ。
そのバランスが崩れそうな星、で、しかも小惑星っていうところでハヤブサ2の力が発揮されるっていうところになってます。
こんな感じで、実は今ものすごい成果を残してくれてるハヤブサ2なわけなんですけど、
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こんな感じで、もう余力があるから次のミッションに向かってるんですね。
で、しかもこれが8年とか7年、8年の計画になってるというところで、
これからどんどん新しい面白い成果出してくれるんじゃないかなというふうに期待されてるので、
もしまた続報とかが出てきた場合はお知らせしていければなというふうに思っております。
ということで、今回はハヤブサ2がどういう拡張ミッションについているのか、そんなお話をさせていただきました。
ということでですね、本題以上になるんですけど、今回のこの本題を取り上げさせていただいた理由がですね、
実は先日、夏休みの宿題どうしようみたいな話をしてくれた11歳のリスナーの子がいるんですけど、
その子からもまた新しい質問が飛んできていて、
ハヤブサ2は今何してるんですか?とかミッションとかその目的とか知りたいですみたいなことを
質問もらったので、ちょっとそれに回答するような形でやってみました。
こんな感じでですね、いつもたくさんコメントとかいただくので、
その中からどんどん皆さんに対して答えていける部分は答えていきたいなというふうに思ってるので、
ぜひですね、Twitterだったり、あとはSpotifyのQ&Aコーナーからいろいろお寄せいただけたら非常に嬉しいなというふうに思ってます。
皆さんと一緒に日本一のチャンネルを作っていこうと本気で思ってるので、
いただけるコメントにはなるべく返していったり、全部ちゃんと読んでるので、そちらぜひよろしくお願いいたします。
でですね、このチャンネル聞いてくださってる方にはぜひSpotify上でレビューをつけていただけたら嬉しいです。
今、おかげさまで230ぐらいのレビューいただけてるので、ここからどんどん盛り上げていければなというふうに思ってます。
引き続きよろしくお願いいたします。
ということで、今回の放送は以上にさせていただきます。
今回の話も面白いなと思ったらお手元のSpotifyアプリでフォロー、そしてフォローボタンの横にあるレビューよろしくお願いいたします。
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それではまた明日お会いしましょう。さようなら。