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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。今回は、宇宙からの災害、太陽フレアのヤバさについて紹介していきたいと思います。
宇宙話では何度も太陽フレアについて取り上げていますが、今回は今までで一番詳しく話していって、その上で今まで聞いていた宇宙話のリスナーにとっても、そして初めて太陽フレアの話を聞く人にとっても
聞いたことなかったようなところの着眼点だったりとか、日本人にとっては非常に重要な、地震っていうところにつなげた
宇宙からの災害っていう視点でもお話ししていきたいなぁと思っておりますので、ぜひ最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
3、2、1
イグネーション
スペース、スマブラックホール
ジャパン
佐々木亮の宇宙話
2023年3月31日始まりました佐々木亮の宇宙話。
このチャンネルでは1日10分宇宙時間をテーマに天文学で白紙号を取得した専門家の亮が毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
ということで本日でエピソードが902話目を迎えているというところになっておりますね。
900回まで毎日毎日やってきましたけど、基本的には1日10分1話完結っていうところでお届けさせていただいておりますので、
気になるタイトルから聞いていただいて面白いなと思ったら是非フォローしていただいて他のエピソードも聞いてくれたら嬉しいなと思ってます。
クオリティについては毎日毎日話して無編集でいつもお届けしているところですのでご愛嬌とさせていただけたら嬉しいなと思っております。
ということで早速本題に行きたいと思います。今日の本題はタイトル見ていただければわかるんですけど太陽フレアこれをちょっと専門家目線でお話ししていくっていうところでやっていきたいと思っております。
太陽フレア、このポッドキャストではもう宇宙話と言いつつ太陽フレア話でもいいんじゃないかなっていうぐらいこれまで散々深掘りしてきてるんですよね。
フレア関連の論文が出てきたらなるべくピックアップするようにしてるし、太陽フレアの危険性みたいなのもなるべくこのポッドキャストで伝えようっていうようなそういうコンセプトでやってるんですけど、
そもそもこれまでいろいろ深掘りしてきた観点とはちょっと違う角度でお話しさせていただこうと思っているので、
900回迎えて常連さんもたくさんいますが、その人たちも退屈させないようなそんなエピソードにしていこうかなと思っております。
そもそもなんで太陽フレアをこんだけ深掘りしていけるのか、また深掘りしていきたいのかっていうところで言うと、
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単純に僕の専門分野がこの太陽フレアっていうところに非常に近かったっていうところが大きな背景としてあるんですね。
ずっと博士論文書くまでで研究してきた内容もそうだし、その国際宇宙ステーション使って研究してたっていうのもまさにそれだし、
あとはNASAに行って研究していたのもそれだしっていうところで、本当にフレアばっかりをやって過ごしてきた研究生活だったわけなんですよね。
それでそこで知ったのが、太陽フレアが一体どれだけ大きい爆発まで起きるのかっていうところがまだわかってないってことなんですよ。
そもそも太陽フレアって何っていう人のために話しておくと、太陽フレアっていうのは太陽の表面で起こる爆発現象ですね、ざっくり言うと。
で、太陽の表面で爆発が起こるだけならいいんですけど、この爆発によって放射線、体に悪い光ってありますよね、X線とか、
レント限定、たくさん撮っちゃいけないみたいな感じで、ああいうエネルギーの強い放射線っていうのは基本的にはあんまり届いてほしくない、そして大量に浴びたくないっていうところがあるんですけど、
そういったものが大量に飛んできてしまうだったりとか、あとは人工衛星とかを破壊しうる、または地球の、例えばアメリカの州一つみたいな、
そういうレベルで停電とかを起こしてしまうような電気を帯びた物質をこっちに飛ばしてくるみたいな、そういった事象を起こしてくるのが太陽フレアなんですよ。
これ聞いただけでも結構めちゃめちゃ危なそうだなぁみたいなところがあると思うんですけど、
あとは前回901話で話したみたいに、今後日本の国力を上げていく、技術力をどんどんアップさせていくっていう意味合いで、結局800億円投資していく先も人工衛星の技術だったりするじゃないですか。
こういった人工衛星を一網打尽にしてしまうぐらいの勢いを持ってるのも太陽フレアの怖いところなんですよね。
太陽フレアに関しては正直利点なんていうものはほとんどなくて、基本的にはもう嫌な存在っていう感じですね。
実際にこれのせいで一部ちょっと良くない影響が出た宇宙ビジネスっていうのも存在していて、既に。
例えば1年前かな、ちょうど2022年の2月とかにスペースX、イーロン・マスクが率いているスペースXが打ち上げている人工衛星、世界中にインターネットを届けようっていうようなスターリンクって呼ばれる人工衛星があるんですけど、
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これが38期太陽フレアの影響によって事故、墜落してしまったと。まあだからなくなってしまったってことですね。っていうところを起こしてしまったっていうような実害も出てます。
あとは、過去最大級の太陽フレアっていうのが、もうかれこれ30年とか40年とか前ぐらいに発生した時には、カナダのケベック州っていう州1つを大停電に落とし入れたと。
で、これによっての被害総額って、もう本当に数百億円、数条件数百億円って言われていて、これはアメリカとかにも影響が与えたぐらいだったので、そのぐらいになっていたと。
ただまあ、過去最大級のが起きても、これ30年40年前でそれぐらいだから、でしかも人工衛星その頃ってほとんど飛んでないじゃないですか。
それに対して人工衛星、今めちゃめちゃ飛んでます。で、もう電気なければ生活できません。このポッドキャストも配信できませんっていうような状態なわけですよ。
そんな中で太陽フレアがもう過去最大規模のでかいのがドカーンって起きてきたら、これはもう私たちの生活一変してしまうというか、もうね何ならゼロになっちゃうぐらいの感じですよね。
っていうところで非常に危険であるというようなところが、宇宙から起きる災害だったりするんですよ。
で、この太陽フレアこれだけ怖いよっていう話があって、まあそれのメカニズムとかもどんどん解明されていってるわけなんですけど、
そのどこまで大きい爆発が起き得るかっていうところがまだ分かっていないっていうのが今回のトークの一番ポイントになる部分かなと思ってます。
で、これどの切り口でいこうかなと思ったんですけど、太陽フレアの発生頻度っていう話をちょっとしていきたいと思います。
太陽フレアの発生頻度。これなんかもうズーム見ながらやったほうが分かりやすいなっていうのはあるんですけど、
簡単に言うと10倍大きな爆発は発生頻度が10分の1になるみたいな、そういうイメージですね。
なので、過去最大規模みたいなところっていうのは、いわゆる10年に1度とか100年に1度の規模のもの。
それに対して、じゃあもう何回も地震って起こるじゃない、地震じゃない、太陽フレアっていうのはちっちゃいのも起こるんですけど、
この太陽フレアが発生する頻度っていうのは、ちっちゃければたくさん起こる。
つまり、10年とか100年に1度の規模っていうのは、やっぱりそれぐらいの確率でしか起きませんみたいな、結構そういった感じで見られていたりするんですよ。
なので、そこが結構簡単に推測できるから、じゃあいつがそういう巨大な爆発起きやすい時期なのか、みたいなところっていうのはどんどん議論されてきたんですよね。
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ただ、それってじゃあ1000年に1回規模の爆発起きるかもしれないじゃんっていう説が出てくるんですよ、そうなってくると。
ただ、それは太陽もものだから、別に1000年に1回の規模ってそもそもありえないんじゃないの?みたいな話とかも出てくるわけなんですよね。
で、そういったところで、じゃあ爆発の上限があるのかないのか、みたいなところの議論になってくると。
ちなみにこれちょっと余談なんですけど、地震、日本人にとっては地震なんてめちゃめちゃ重要な自然災害の一つじゃないですか。
その地震も実はこんな同じような関係性があって、これが10年に1度の規模の地震、100年に1度の規模の地震みたいな感じで、
だいたい傾き、そういうグラフみたいなのを作ると、1メモリ、右大きいのに言ったら1メモリ下がる発生頻度が、みたいなところで、そういう性質があるんですよね。
で、実はこれを計算、数学的にこうやってバーって見ていくと、実はこの傾きを、ある傾きを持った発生頻度の減少、大きくなればそれだけ発生頻度が低くなるみたいな、
そういった現象って、地震と太陽フレアって、同じメカニズムだっていうところが、なんとなく見えてきてるんですよ。
裏に隠れてる自然現象としての、なんて言うんでしょうね、摂理みたいな、そういったところが実は一緒なんじゃないかっていうところを言われてる。
なので、なんか、太陽フレアってちょっと、なんかすげー大変そうだけど、気持ち的に若干距離感あるじゃないですか。
だから、今の話を全部地震に置き換えてくれても、頭の中で考えてることは結構一致するっていう風な感じで覚えておいてください。
全然余談じゃなかったなと思って今、余談なんだけどとか言って話したけど、実はこれ多分全然余談ではなくて、むしろ本筋の話になるのかな。
まずはじゃあ、そういった発生頻度の話していくと、じゃあ、太陽では、僕たちって言うて100年も生きられないわけじゃないですか。
だから、生きてるうちに100年に一度規模の爆発を経験できるかできないか、そういうギリギリのところでやってるわけなんですよね。
じゃあ、1000年に一度とか1万年に一度の規模って、もうなんか太陽で見つけられたらすごいけど、ラッキーじゃないですか。
だけど、そもそもそんなの起こったらもう僕たちダメなんだし、なんかどうしようもないじゃんって思うところなんですが、
それを逆手にとって、じゃあ、1000年に一度の規模、1万年に一度の規模の爆発って、太陽みたいな星を100個とか200個とか見たら、なんか見つかるんじゃないの?みたいな。
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っていうような研究を実は京都大学が進めていたんですよ。
で、その結果、なんと太陽と似たような星で、太陽の過去最大規模のフレアの10倍とか100倍とかっていうようなスーパーフレアって呼ばれるものが発見されたと。
これ何が言いたいかっていうと、なんかこう、太陽で起こる爆発って限界あるんじゃないの?って思ってた人たちにとっては秘宝で、
他の太陽みたいな星見てたら、もっとでかい爆発起きてるから、太陽でもあり得るんじゃない?みたいな。
これ実はNatureっていう超すごい論文に載った研究なんですけど、
そういうのが起こって、じゃあ結局太陽フレアの上限って何なんだろう?みたいな。
そういったところが、今まさに研究マッタ棚かっていう感じなんですよね。
実はここら辺、僕も隠し論文で触れていたりするんですけど、そういった研究があったりすると。
で、これ最後、地震とつなげて考えたら分かりやすいよっていう話したんですけど、
ちょっとだけ今までのポッドキャストで進化させて、ちょっとだけ難しい話、難しい言葉も使ってみようかなと思うんですよ。
この地震の発生頻度っていうところと、太陽の発生頻度っていうところの間に出てくる法則性が一緒っていう話したじゃないですか。
これのことを自己組織化臨界現象と言います。
はい、これで置いていかれた人が多分9割ぐらいになってくるんじゃないかなと。
僕も研究を始めて、序盤の頃にこれを言われたときに、はい、もう無理、みたいな。
しかもこれ、地面で見てみてください。
もうね、漢字が9個とか並ぶ。ん?9個は嘘か。
いや、自己組織化臨界現象、9文字ですね。
漢字9文字並ぶことなんてまあないじゃないですか。
だからもう、はって感じなんだけど、一個一個を解き明かしていくと、
自分たちで何かしらの組織を持っている。
つまり、自分たちの系の中、自分の体の中で何かしらが起こっていて、
外から何か力を加えられたとかではなくて、自己組織化、そういったものがあって、
それに対して臨界現象。
臨界現象っていうのは、何か防波堤を越えるような、
あるレベルを越えたら一気にドカッと何か一つの現象が発生するみたいな。
地震でいうところのプレート、地下にあるプレートがグググググッと溜められて、
地震のときってそれが限界値を迎えて、バンと弾けるじゃないですか。
で、これ太陽フレアも実は一緒で、
太陽フレアも中でエネルギーを溜め込んで溜め込んで、
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あるタイミングで、ああもう我慢できないってなって、
ドーンと飛ばす。これが太陽フレアなんですよね。
そういった意味で、太陽フレアっていうのは地震と似ているとか、
同じ原理みたいなのが裏にあるよっていう、そういう話をしたんですよね。
そういった現象だっていうところを意識した上で、
発生頻度、これからどんどん見ていったときに、
今後、太陽の研究で1個多分解き明かされるべき内容っていうところで言うと、
どこまで大きな爆発が起こり得るのかっていうところです。
ここについてはまだ結論、研究の結論出てません。
ただ、これからどんどんこういう限界を迎えるのかどうかみたいな研究って、
いわゆる統計的に何かをまとめるっていうような目線で研究が進んでいくんですよ。
なので、統計的な研究、つまり1000個とか100個、1000個とか1万個とかっていうような
観測結果を複合して何か新しいことを言うっていう、そういう系の研究については、
時が経てば経つほど、そのサンプル、つまりこういうことを解明したいっていうところの
意思決定とか判断をするための材料が手元にどんどん溜まっていくんですよ。
1年間に10個情報量を溜めれるってなったら、10年経ったら100個溜まってるわけじゃないですか。
なんとなく10個の手元のヒントよりも100個の手元のヒントあった方が、何か新しいこと言えそうじゃないですか。
そういった状態になってくるので、これから太陽フレアがどこまで大きな爆発を起こすのか、
みたいなところっていうのは解き明かされていく結構面白いフェーズに入ってくるんじゃないかなと、
個人的には思っていたりするので、ポッドキャストでそこら辺は僕の目線でどんどん皆さんにお伝えしていって、
宇宙から来る災害みたいなところは一緒に考えていけたら嬉しいなと思ってます。
実はこういう分野のことを宇宙天気って言ったりして、最近はNHKでちょっとした番組があったりとか、
なんかね、結構ワクワクする流れ、近づいてきてるんですよ。
なのでこのあたりぜひね、みんなで一緒に深めていけたら嬉しいなと思ってるので、
ここら辺興味ある人はぜひTwitterとかでコメントくれたら嬉しいです。
ということで、今日はちょっと長めに話しましたし、ちょっとだけ難しい話も入れていったので、
2回とか聞いてみたり、あとは分かんないところはもうTwitterでガンガン質問しちゃうみたいな、
ハッシュタグの宇宙話つけてつぶやいていただけたらですね、僕はすぐ回答しに行きますので、
ぜひつぶやいていただけたら嬉しいなと思っております。
でですね、今回の話も面白いなと思ったら、チャンネルの登録、そしてフォローボタンの下にある星マークですね、
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もうね、Podcastはレビュー命みたいな感じなので、レビューをしていただくことによって、
あ、明日頑張ろうってなるので、ぜひお願いします。
ということで、今回は以上にしていきたいと思います。
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ハッシュタグ宇宙話、宇宙が漢字で話がひらがなになってますので、そちらでつぶやいていただけたら嬉しいです。
すぐ見つけに行きます。
それではまた明日お会いしましょう。さよなら。