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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。
今回は、宇宙最大級の爆発現象、ガンマ線バースト。
この最大級の爆発が、実はもっともっと大きかったんじゃないかというような、
非常に業界を塗り替える可能性がある、非常に面白い研究を紹介していきたいと思います。
出てくる規模感だったりっていうのが、本当に宇宙っぽいものばっかりなので、結構ワクワクしていただけるかなっていうところと、
僕が宇宙ステーションにある機械の運用とかをやっていた時に、この爆発に非常に悩まされたという、
ちょっとした苦労話もセットでお話ししていきたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
佐々木亮の宇宙話。
2022年12月21日始まりました、佐々木亮の宇宙話。
このチャンネルでは、1日10分宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
ということで本日で、エピソードが805話目を迎えているというところで、
今回紹介するのは、昨日に引き続きガンマ線のお話です。
昨日の話は全然聞いてなくていいんですけど、宇宙最大の爆発現象であるガンマ線バースト。
これ今まで最大最大って言ってたんですけど、実はもっと大きいんじゃないか、そんな研究結果が出ていたというところで、
宇宙の最大エネルギーの爆発がさらに大きくなった、そういうなんかシンプルかつ一番宇宙っぽいお話をしていければというふうに思っております。
で、今回題材として紹介するのは、これガンマ線バーストと呼ばれる現象です。
今までのポッドキャストの中の取り扱い頻度で言うと比較的低いかなというところを持っていて、
で、なんでかっていうと確かにめちゃめちゃセンセーショナルなものなんですよ。
っていうのも宇宙で一番大きな爆発、もうなんか太陽とかが普段こう出してるエネルギー、太陽のほぼ一生分みたいなところを賄うようなエネルギーを、
一回の爆発でドカンと出してしまうみたいな、本当にそれぐらいの規模の爆発が起きるのがこのガンマ線バーストと呼ばれる現象なんですね。
ただ、このガンマ線バーストと呼ばれる現象が宇宙に、例えば詳しくない人に説明しようとした時に、
まあ掴みどころがないと。
し、僕も別にそんなに専門分野じゃないっていうところがあったんで、実はピックアップするのを避けてたんですけど、
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今回は結構サクッとまとめられそうな気がしたので、お話しさせていただこうかなというところになっております。
で、昨日に引き続きガンマ線バースト、ガンマ線の話ですよっていうところがあって、
ガンマ線ってどんな光なのっていうところは、ピンとこなかったら、ぜひ昨日の配信聞いていただきたいんですけど、
簡単に言えば、放射線の中でも紫外線、体に悪いイメージある、あれってエネルギーが高いからであって、
で、それよりもさらにエネルギー高くて危険なのがX線、で、さらに危険なのがガンマ線って感じですね。
このガンマ線の帯域でものすごく光るものをガンマ線バーストっていう風に呼んで、
本当に一瞬で明るくなるんですよ。で、ただこれがもう本当に何億光年、何十億光年っていう風に離れたところで、
起きた爆発にもかかわらず、ものすごく明るく輝くというところで非常に注目を集めているんですね。
で、これの正体みたいなところで言うと、ガンマ線を、ガンマ線バーストを起こす天体っていうところで言うと、
たまにポッドキャストでも出てくる中性子星と呼ばれる、まあこれもマイナーな天体なんですね。
中性子星、太陽ぐらいの重さを持ってるけど、その大きさが直径半径10キロぐらい、直径20キロぐらいでっていうところで、
東京でいうところの山手線とか、そういったところにスポット収まってしまうような、そのぐらいの大きさの星があるんですね。
こういうのが宇宙空間にはたくさんあって、それ同士が合体したときとかに非常に強い衝撃を与える、
みたいなところの衝撃波の一つとして観測されることが多いかなっていうところが、実はあったりするんですよ。
そんな感じで、ガンマ線バースト、宇宙最大規模の爆発ですと散々言ってきたにもかかわらず、
今回の研究では、その爆発のエネルギーっていうのが、なんと今まで考えられてたものの4倍以上大きいんじゃないかというようなところが出てきたっていうお話なんですよね。
もうこれが結論といえば結論になっていて、どういうふうに、何に注目して、今まで考えられていた爆発よりも大きいっていう判断に至ったのかっていうところなんですけど、
これまあ簡単に言えば、爆発が起きたっていうことと、その天体が光を発しているっていうことは、実際はイコールじゃないんですよね。
大丈夫です。これ今すごいわかりづらいこと言ってる気がしてるんで、ここをもうちょっと詳しく話していくんですけど、
例えば、100っていう力でものが爆発しましたってなったときに、その100の力で爆発したものが光として観測、つまり見た目として観測されたりとか、
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爆発の輝きとして観測されるみたいなところになってくると、爆発のエネルギーを一定光のエネルギーに変換して私たちの目に届いてるっていうような形なんですよね。
これまで、このガンマ線バーストって呼ばれる天体が、爆発の衝撃を光にどうやって変換してるのかみたいなところの計算をすごいざっくり見積もっていて、
これもほとんどが光として、放射線として変換されてるんじゃないかみたいなところで注目されていた天体だったんですよ、実は。
で、ここら辺はちゃんとよくポッドキャストでも話してるみたいに、天文学自体っていうところに計算で宇宙を解き明かす人たちと観測で宇宙を解き明かす人たちがいて、
計算から解き明かそうとしてる人たちからもいろいろ指示されているような形で、今まで放射線に変換されるっていうところがある種100%でいいだろうっていうところを思われていたわけなんですよね。
ただ、今回精密に観測してあげて、しかもガンマ線バーストって呼ばれる天体をガンマ線で観測するんじゃなくて、
もう対極にあるような電磁波、これ電波っていうところだったり、あとは可視光って呼ばれる私たちの目で見える光だったりっていう離れた情報を使って、
このガンマ線バーストをガンマ線以外で解き明かすっていうような方式を取ったことによって、
これ、なんと、実は爆発のエネルギーが光に変換されてるのって、わずか30%。
なんならそれよりも小さいよね、みたいなところが出てきたんですね、観測結果として。
つまり、今まで100%で変換されてると思ったけど、実は光になってんのは爆発エネルギーのわずか30%程度だというところが分かったということは、
これ、本来の天体の持っていた爆発エネルギーっていうのは30%そのまま30%以下なんで、一番大きくても3倍とか3.3倍とかっていうようなところになって、
実はもっともっと、本来の爆発のエネルギーっていうのは強かったんじゃないかというところで、今回の研究ではですね、
なんと4倍以上明るかったんじゃないかっていうふうに言われていて、これね、4倍どう捉えるかなんですけど、
これ、面白い点が2つあって、まず、今回4倍以上大きい爆発であるはずだという研究が出ててきたんですけど、
これが10倍以上大きかった場合ですね、10倍以上大きかった場合、これまで考えられてきたガンマ線バーストを説明する計算式とか、
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そういったの諸々が崩れ去ってしまうっていうところがですね、結構あるんですよ。
で、今回検出できた数値的な研究結果で言うと、4倍以上、本来爆発エネルギーは4倍以上大きいですっていう研究結果が出てる。
4倍以上ってことは、これ10倍になる可能性もあるわけなんですよね。
なので、そういったところを見ると、もしかしたら今まで考えられてきたガンマ線バーストに対する理解っていうのが、
ひっくり返る可能性があるというところが注目のポイントの一つかなっていうところと、
あとは天文学ってこれ結構すごい大きい数字出てくるなっていうところある一方で、
めっちゃ大雑把にしか計算しない時があるんですよ。
これは分野にもよるし、あとは観測の精度とかにもよるんですけど、
普段僕が見ていたデータとかだと結構、数字に対して大雑把に捉える傾向が強かったりしたので、
10倍以上大きくなかったら優位に差があるとは言えませんみたいな。
つまり、今回本当は4倍以上大きかったかもしれないって、
僕が研究してた分野で言うと、いや4倍なんて別に誤差の範囲でしょみたいな。
ことになるかなっていうのがあるので、
実は分野が変わることによってそういう観測の精度ってグングンと上がってくるんだろうなっていうところを実感できたっていう、
個人的な面白さもあったなっていうのが今回の研究を紹介した、実はきっかけの一つだったりしました。
ということでちょっとごちゃっと話になっちゃいましたけど、
簡単に言えば最新の研究、そしてしかも観測のデータによって、
今まで宇宙最大級の爆発だというふうに言われていたγ線バースト、
本来はもっと大きい、何なら4倍以上大きいような爆発だったんじゃないかっていうところの新たな視点が加わったというね、
そんなお話を今回はさせていただきましたというところですごい天文職強くて、
今回は多分評判悪そうだなって喋りながら思ってるんですけど、
みんなに宇宙を教えたいっていうのと、僕が興味ある研究を話したいっていうところの天秤が実はあるんで、
今回はちょっと自分の話したい内容を優先しちゃいましたね。すいません。
ということで、近況報告もいろいろ話したいことあって、
今日はもう宇宙兄弟との収録やってきたよっていう話をガンガンしたかったんですけど、
僕の説明がマジで冗長すぎたかなというところで、時間がかなり来ちゃったんですよ。
で、なのでその話はちょっと明日しようかなと思ってて、
今回これちょっと宇宙兄弟での収録の話にも若干関わるんですけど、
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実は僕今回紹介したγ線バースト、苦い思い出があって、
苦い思い出って何だろうっていうと、僕ずっと研究をやっていた5年間ぐらいですかね。
6年間ぐらいか、の間で国際宇宙ステーションについているX線を使う観測器の運用とかデータ解析をずっとやってたわけですよ。
で、運用っていう面で言うと、12時間そのデータを、
その間はずっと自分が責任者としてデータを処理するみたいな当番が、
1ヶ月半に1回ぐらいのペースで、3日連続とかで回ってくるんですよね。
そういう当番がある中で、このγ線バーストっていうのは本当に光ってる時間が短くて、
その短いけど、そこの短い間に含まれる情報が重要すぎて、
その天体を見つけた時に、もう世界中に速報みたいなのをバーって英語で書いて、データ分析して出さなきゃいけないんですよ。
ここでこんな爆発起きたよ、みたいな。もうすぐ見る価値あり、みたいな。
そんな速報の論文を夜中に起こされて書くみたいなのだったりとか、
それが来たかもしれないっていうような警報みたいなのがあって、
その警報を聞くたびに、もう寝ていた体をガッと起こさなきゃいけなかったり、
昼間でもどっちにしろザワッとするんですけど、そんな苦い思い出がある天体だったので、
ちょっとそこに進展があったっていうのは面白かったかなと個人的には今回思ってるわけなんですよ。
この国際宇宙ステーションの仕事をやっていたからこそ、
宇宙兄弟との今日の収録は結構そういう共通点の話とかができたりしてめちゃめちゃ面白かったので、
ぜひ今回楽しみにしていただきたいなっていうところと、
明日ちょっと多めにそのアフタートーク話していこうかなと思っているので、
ぜひ楽しみにしておいてください。
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