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2021-01-10 11:29

93. ブラックホールでふく風のハナシ

今日は私が運用に参加している観測機が見つけたブラックホールの話。

ブラックホール自体は見えないけど、その周りの環境が

こいつの存在を浮き彫りにさせるんです。

そして、その周りにふく風って何!?


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元論文

https://arxiv.org/abs/2007.07257

note記事

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00:04
始まりました、佐々木亮の宇宙ばなし。普段、国の研究機関で天文学の研究をしている私が、毎日最新の宇宙ニュースをお届けいたします、こちらのポッドキャスト。
本日はですね、ブラックホールのお話をしていきたいと思います。
ブラックホールの周りに風が吹いているっていうお話ですね。
これちょっとあまり馴染みのないお話かなと思うんですけど、そもそも宇宙で風って何?みたいなところから、実際にこれを取り上げた理由っていうところは、私が参加している国家プロジェクトの一つの観測機が見つけた天体だったので、ちょっと面白いなと思って、今回紹介させていただこうと思いました。
なのでぜひ最後までお付き合いください。よろしくお願いいたします。
ということで、最近の活動報告というか、本日の活動報告ですね。
今日はこの3連休開けたらですね、先週提出させていただいた博士論文の一時審査会っていうものが開催されます。
これは結構大学の専攻の中で行われるものなので、そこまで厳格なものというものではなくて、ちゃんと論文として手をなしてますよと。
これをちゃんと本審査に回して大丈夫ですっていうような確認になるんですけど、今回はちょっと例年と状況もいろいろ違うというところでオンライン開催。
しかも自分で今回は発表も含めるっていう形になるらしいので、本来だと論文を読んでもらって、次の審査に回るって感じになるんですが、今回は自分で論文の内容を説明する発表も付けてくださいといったところが注文を受けているので、
その発表資料っていうのをずっと作っておりました。
細かい数字みたいな確認作業が今日のメインになってて、一個すごいちょっと焦ってしまったことで言うと、
主に議論で使っていた数字が、数字を比較するときに使ってた片方の数字が一桁ずれてるのかっていうちょっとゾクッとした事件がありまして、
実際はそんなことは全然なくて、見てた数字で特に問題なかったので一安心だったんですが、これかなり重要な議論だったので本当に焦りましたね。
天文学の世界では実は2倍とか3倍とかそれぐらいの差、半分とかもしっかりですね、2分の1、3分の1とかの差って実はほとんど重要視されないんですね。
03:15
なんて言ったって天文学的数字っていう言葉があるぐらいですから、本当に普段扱ってる数字ってゼロが30個とか40個とかついてるようなレベルなんですよ。
何兆とかそのレベルのもうさらに上の上みたいな感じですね。
なので2、3倍ぐらいだとあんまりみんなピンとこなくて一桁変わる、例えば10と100だったら全然違うねっていうような感じの世界観で生きてるんですよ。
なので数倍ぐらい変わってても特になんとも思わないんですけど、今回ちょっと桁で変わってそうでびっくりしたっていうところがありました。
なので聞いてる皆さん、天文学者とか天文をやってる人と付き合うのがいいんじゃないですかね。
お財布の紐も緩い可能性があります。
まあいいよ、1万円ぐらいだったらあるかもしれないんで、ぜひ狙い目かもしれません。
といった感じで今日は1日そんな数値チェックみたいなのをやっておりました。
それではですね、あと2週間ぐらい頑張っていきたいと思います。
といったところで早速本題入っていきましょう。
今日の本題はブラックホールの周りに吹く風って何っていうお話をしていきたいと思います。
ブラックホールって名前の通り黒い穴みたいなもんで、実体が見えないだけに細かい研究が多いのがブラックホールの領域なんですね。
最初にお伝えした通り、今日紹介するブラックホールっていうのは私が運用にも参加している国際宇宙ステーションに搭載される観測機が見つけたブラックホールのお話です。
今回の天体の名前はMAXI-J1820-070というちょっとまた詳しくよくわからない天体名になるんですが、
このMAXI-Jという名前がついているからには、MAXIっていう観測機で見つけたある一のブラックホールのブラックホール天体ですよっていう意味です。
このMAXI、何度か説明させていただいているようなものなんですが、国際宇宙ステーションに搭載されていて、国際宇宙ステーションって90分で地球の周りを一周するんですね。
なのでその90分で一周するときに180度の視野を持っているカメラをずっと撮り続けて、一枚の宇宙全体の写真を撮るという風変わりな天文観測機なんですね。
で、これの運用とかっていうのをもうかれこれ5年6年とかやらせていただいてて、それを中心に白紙論文っていうのも書いているわけなんですが、そんな観測機が見つけたブラックホールです。
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で、じゃあなんでブラックホール見えるのかっていう話になると、ブラックホール自体っていうのは皆さんご存知の通り光りはしないんですよね。
ブラックホールは光りません。ただブラックホールが発生した近くに星があった場合、ブラックホールの近くに星があった場合っていうのは、そのめちゃめちゃ強い重力、ブラックホールってめっちゃ強い重力を持っているので、その重力に引っ張られて吸い込まれていく星っていうのが存在するんですね。
で、その星が吸い込まれるときに光を放つといったところでブラックホールの存在を確認するっていうことができるわけなんですね。
で、今回はそんなブラックホールを発見するきっかけになったタイミングがですね、ブラックホールの周りがすごく輝いたおかげで、普段見えなかったのにいきなり見えるようになったっていう感じなんですよ。
で、これはどういうことかっていうと、例えばブラックホールに落ち込んでいく、吸い込まれていく星の量が増えていったりだとか、あとは回転の率というか、そんな感じで吸い込まれていく過程で作られる円盤みたいな構造。
星を吸い込むときにブラックホール自体ももともとは星なので、ぐるぐる回ってるんですね。ブラックホール自体もぐるぐる回っていて、回りながら周りの星を、近くにある星を吸い込んでいくので円盤みたいなのを作ると。
この円盤っていうところが輝くのがブラックホールの発見工法なんですよね。で、ブラックホールの周りにさらにそこの降着円盤っていうんですけど、その円盤のこと、その円盤の周りに風が吹いているっていう話なんですね。
この風どうやって発生するのかっていうと、星が吸い込まれていく速度や量であったりだとか、そのときにブラックホールの周りにできている地場の構造なんていうところも結構関連していて、
実はまだいろんな要素が組み合わさってるから、これっていうのは一つ言えないんですけど、そんな感じで周りの星とかブラックホール自体が作り出す環境が、そんな風を作り出しているんですね。
で、今回はその円盤がすごく光った状態で、なおかつその風まで発見されたっていうようなまた珍しい現象だったんですね。
この風をしっかりと捉えてあげるために使われたのは、今回の私が参加しているマキシっていう観測器だけではなくて、VLTと呼ばれるVery Large Telescope、めちゃめちゃそのまんまの名称なんですけど、
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これ調べてみていただけると、本当に規模がもう格段に違う望遠鏡を4つ組み合わせると。これなんか2日前ぐらいに話させていただいた520光年、昨日かな。
昨日紹介した木星を小さい望遠鏡4つで遠くの星を見るっていう話したと思うんですけど、今回はその4つ組み合わせたのに匹敵するような大きい望遠鏡を4つ組み合わせるんですね。
もう半端なくとりあえずすごい性能を持っています。
なのでそんなので見てあげたときに、ブラックホールの周りに風が吹いていることも確認されたっていうようなお話ですね。
なので今日の話まとめていくと、私が運用に参加している観測器がブラックホールを発見しましたと。
さらに他の性能のいい望遠鏡を使ってあげると、そのブラックホールの周りには強い風が吹いていたと。
で、その風っていうのは周りにある星を飲み込んでいくときの過程でできた風ですよっていう話でした。
こんな感じでですね、目に見えないブラックホールも周りの周囲の環境によって浮き彫りにさせられるみたいな感じで発見されることが多いので、
ぜひ皆さんもブラックホールってこういう感じなんだなっていうイメージをググったりしながらつけていっていただけると面白いかなと思います。
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それではまたお会いしましょう。さようなら。
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