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2025-08-31 17:31

31 ブリューゲル(父)「バベルの塔」

ブリューゲルの「バベルの塔」:人間と神、野心と教訓が織りなす460年後の現代への問い

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今回の探究へようこそ。今日はですね、一枚の非常に有名な絵画、＀＀＀ブリューゲル)父の方ですね、彼が1563年頃に描いたとされるバベルの塔、この世界に深く分け入れていきたいと思います。
はい。
旧約聖書の創世記に出てくるあの物語を題材にした作品ですね。一度見たら忘れられないインパクトがあります。
本当にそうですね。
手元にはですね、この絵の驚くべき構成ですとか、あと細かいところの色彩、それから90にも読み取れる象徴性、そしてこれが描かれた時代の空気感、そういったものを解説した資料を用意しています。
はい。
私たちのミッションは、この非常に複雑で情報量も多い一枚の遺体から、その最も重要で、かつ皆さんの知的好奇心をくすぐるようなエッセンスを抽出してお届けすることです。
ふむふむ。
いやー、まずこの絵が持つ何というか途方もないスケール感と、そこに込められた人間の野心、そして物語が匂わせる結末、ちょっとワクワクしますね。
はい。
では、一緒にこのなんともミステリアスな塔を探検していきましょうか。
はい、ぜひ。
まず、何と言っても画面を開くと目に飛び込んでくるのは、中央にドーンとそびえ立つあの巨大な塔ですよね。
まさに中心ですね。
まだ完成してない、未完成なのに、天に届くんじゃないかっていうような異様、これは見るものを圧倒します。
資料によれば、大きさは114cm×155cm。だから思ったよりはあれって感じなんですけど。
そうなんですよ、意外と。
でも、板に油彩で描かれたその緻密さには本当に驚かされますよね。現在はビーンの美術士機関にあるんですね。
ええ、そうです。で、まさにこの巨大な塔が構図の中心であり、物語の全てを背負っていると言っても過言ではないですね。
ふーん。
螺旋を描きながら上へ上へと伸びていく円形の構造で、よく見ると建設の途中だっていうことがあちこちに描かれた木の足場とか、あとまさに今一石材を吊り上げているクレーン。
ああ、ありますね、クレーン。
そういうところからすごく生の意識が伝わってきます。
本当だ。
で、特に興味深いのは下の方の層に見られる連続するアーチの形です。
これはもう明らかに古代ローマのコロッセオ。
ああ、コロッセオですか。なるほど。
これを意識していると考えられていますね。
なるほど。じゃあ単に大きい建物というだけじゃなくて、そこになんか古代ローマ帝国の栄光とか、ある種の異教的なパワーみたいなもの、そういうのを重ねているのかもしれないですね。
その可能性は非常に高いと思います。
で、そのなんというかとてつもない巨大さを際立たせているのが、塔の表面とか周りとか内部にもうびっしりと描き込まれた本当に小さな点のような人々の存在なんです。
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本当に小さいですよね。
ええ、この人間と建築物のスケールのこの極端な対比、これこそがブリューゲルが得意とした表現方法で、この絵の革新の一つと言っていいでしょうね。
人魚弦の痛みの小ささというか、わいせつさとその野心の巨大さの対比がもう視覚的に一発で伝わってきます。
いやー本当細かいですよね。資料にもありますけど、左下の前景に他とは明らかに雰囲気が違う立派な服を着た一団がいますよね。
ええ、いますね。
これがバベルの塔の建設を命じたとされるニムロデ王とその従者たち。
そうです。
王冠をかぶって、なんかきらびやかな衣装をまとって、彼らが手前にいることで遠近法というか、塔がさらに巨大に見える、そんな効果もあるように感じます。
ええ、まさにその通りです。
ここで注目したいのは、王とその一行が見せる態度なんですね。
態度ですか?
ええ、王は非常に威厳たっぷりに、塔なのか、あるいは塔の建設に関わっている人たちなのか、そちらを示唆しているように見えます。
誇らしげで、ある種の傲慢さすら感じさせる表情です。
うーん、確かに。
それに対して、周りで一生懸命石を運んだり、壁を積んだりしている無数の労働者たちの姿。
この対比が非常に強烈です。
権力者と民衆、支持する側とされる側、その構図が実に巧みに描かれていますね。
王様の足元でなんか、跪いている石膏みたいな人たちもいますね。
ええ、いますね。
王の権威がいかに絶対的だったか、みたいなのが伝わってきます。
一方で、塔の上の方では、もう黙々と作業を続ける人々の姿が本当にリアルで、
これ単なる物語の絵じゃなくて、当時の労働現場の記録写真みたいにも見えちゃいますね。
まさにそうなんです。
ブリューゲルは、ある種、空想的な主人を描きながらも、ディテールにおいては、もう驚くほどのリアリズムを追求しています。
で、ちょっと背景に目を移してみましょうか。
はい。
遠くには港とか町、広大な平野と川、山々が広がっています。
でも、空を見てください。全体的に雲が多くて、少し暗い感じがしませんか?
ああ、確かに。ちょっとどん寄りしていますね。
ええ、特に塔の上の方にかかっている暗い雲、これはまるで嵐の前群れのようです。
これが、この壮大な計画のその行く末、つまり聖書に書かれている結末を、まあ暗示しているんじゃないかとも言われています。
なんか不穏な空気が画面全体を覆っている感じがしますね。
なるほど。色彩についてはどうでしょう?
塔自体は石造りだから、茶色とか灰色がメインに見えるんですけど、でもなんかそれだけじゃない複雑さを感じます。
ええ、色彩の使い方も非常に計算されていますね。
塔の石材は、よく見ると、あの均一な色じゃなくて、様々な色合いの茶色、灰色、あと黄土色なんかが使われていて、素材の質感とか建設の段階を表現しているんですね。
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ふむふむ。
未完成の部分には、レンガの赤茶色とか、あと足場の木材の明るい茶色なんかも見えます。
そして、地上部分、特に前景のニムロデオ王一行とか、労働者たちの服には、鮮やかな赤、青、黄色といった原色が効果的に使われているんです。
あ、本当だ。アクセントになってますね。
ええ。これが画面に活気と、ある種の混沌としたエネルギーを与えています。
王のマントの深い赤とか金色は、もちろん権力とか文の象徴ですね。
なるほど。落ち着いた全体のトーンの中に、人物を表す色がパッと効いているんですね。
遠くの景色は青みがかった緑。空は灰色がかかった青。これで空間の奥行きも見事に表現されている。
そうなんです。そしてやはり、人物描写の細かさですね。
さっきもちょっと触れましたけど、王の威厳のあるポーズ、それから労働者一人一人の違う動き、
例えば重い石を運ぶ人の苦しそうな表情とか、支持を出している親方の真剣な眼差し、
さらには塔の周りで建設を見守っているだけの人々とか、遠くの道を歩いている商人みたいな姿まで、
もう何百人という人々がそれぞれの人生を生きているかのように描かれていて、
まるで16世紀のフランドル境の畜像を見ているかのようです。
この細密描写への何というか、執念、これこそがブリューゲルが農民のブリューゲルなんて呼ばれる理由の一つかもしれませんね。
いやいや、見れば見るほど本当に発見がありますね。さて、ちょっと話を変えて、この絵の根幹にあるバベルの塔の物語ですけど、
これは旧約聖書の創世記第11章に出てくるエピソードですよね。
ええ、そうです。
えーと、簡単に言うと、大洪水の後、人々は一つの言葉を話していて、東に移り住んで、
さあ、天まで届く塔のある町を建てて有名になろうじゃないか、と考えたと。
でも神様は人間のそういう傲慢さを良くないと思って、彼らの言葉をバラバラにして、お互いにコミュニケーションを取れないようにしちゃった。
そうですね。
それで人々は世界中に散らされて、塔の建設は中断された、という大体そんな感じのストーリーですよね。
ええ、その通りです。世界中にいろんな言語が存在する理由を説明する、まあ、起源神話とも言われていますね。
で、ここで重要になってくるのが、ブリューゲルはこの物語を通して、一体何を私たちに伝えようとしたのか、という点なんです。
単に聖書の場面を描いただけじゃない、もっと深い意図があったはずだ、と。
その意図ですか?うーん、いくつか考えられそうですね。
まず一番わかりやすいのは、人間の傲慢さ。ギリシャ語でいうヒュブリスってやつですね。それとその限界に対する、まあ、軽傷でしょうね。
軽傷。
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ええ。天にまで達すようとする巨大な塔の建設っていうのは、人間の限りない野心の象徴です。
でもブリューゲルはその壮大さと同時に、それがこう、内側に持っているむろさとか、混乱とか、そして最終的な失敗も描き込んでいるように見えるんです。
ああ、未完成のままですもんね。
そうなんです。未完成のまま放置される塔の姿そのものが、そのググイを物語って言います。
ググイというと、あ、すいません、どういう意味でしたっけ?
あ、失礼しました。ググイというのは、まあ、簡単に言うと、物語とか映画に描かれた具体的な物事を通して、別の、もっと抽象的で教訓的な意味を伝える、そういう表現方法のことです。
なるほど。
この絵で言えば、塔の建設という出来事が、人間の生き過ぎた野心は破滅を招くんだよ、という教訓を示している、と考えられるわけですね。
なるほど、なるほど。直接的にこうしなさい、じゃなくて物語を通して感じさせる。
そういうことです。で、次に考えられるのが、宗教的なメッセージですね。
特に、神の絶対的な力と、それに対する人間の無力さ、あるいは信仰の重要性、そういうものを強調しているという解釈です。
ふむふむ。
神への挑戦が、いかに愚かで無謀なことか、というのを、まあ、視覚的に示しているわけです。
そして、もう一つ。これはなんか、ブリューゲル自身の芸術家としてのプライドみたいなものも。
ええ、まさしく。聡密描写への挑戦と達成そのものですよね。
これほどまでに複雑な構造物と、無数の人物、広大な風景を、一枚の板の上に、もう驚くべき精度で描き出すこと。
はい。
これはブリューゲル自身の、もう卓越した技術と、悪なき観察眼、そして構成力がなければ不可能です。
資料にもありますけど、彼は、あの、基礎点灯な地獄の絵とかで知られる、ヒエロニムスボスの影響を受けてるって言われますけど、こういう細部へのこだわりにもその影響が見られるかもしれません。
ああ、ボスの影響。
ええ。つまりに、息子のピーター・ブリューゲル子も有名な画家なので、区別するためによく、父って付けられることが多いですね。
ああ、そうでしたね。親子で画家なんですね。
で、この絵が描かれた16世紀半ばっていう時代も、結構重要ですよね。
ええ、それは無視できません。ちょうどヨーロッパがものすごく動いていた時代、宗教改革の嵐が吹き荒れて、一方でルネサンスの人間中心主義が花開いて、大航海時代で世界が広がって、科学技術も発展し始めて、なんかそんな激動の時代。
まさにその通りなんです。ブリューゲルが活躍したネーデルラント、特にアントアープっていう街は、当時のヨーロッパで有数の国際商業都市として、ものすごく繁栄していました。
はい。
その繁栄ぶりは、ある意味で当時のバベルの島的な状況だったかもしれないんですよ。
へえ。
さまざまな言語とか文化が交錯して、経済的な野心が渦巻いていた。ブリューゲルは、この聖書の物語を借りて、当時の社会に対する批判とか、あるいは人間そのものへの普遍的な問いを投げかけていたんじゃないでしょうか。
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なるほどな。
神への挑戦という宗教的な主題を選びながらも、驚くほど世俗的で生々しい人間の生き玉を詳細に描き込んでいる点に、その時代のなんか複雑な空気が凝縮されているように思えますね。
宗教的なテーマなんだけど、すごく人間くさい。それがブリューゲル作品の魅力なのかもしれませんね。
ええ、そう思います。
では、この約460年前に描かれた映画、21世紀を生きる私たちにとって、じゃあどんな意味を持つのか。なぜ今改めてこのバベルの塔に光を当てる価値があるんでしょうか。
それはですね、この映画が扱っているテーマが本当に驚くほど現代的で普遍的だからだと思うんです。
普遍的。
まず、人間の野心とその危うさ。現代社会においても私たちは、例えば科学技術の発展とか経済成長とか、あるいは巨大なプロジェクトとか、様々な形である意味天まで届く塔を築こうとしているのかもしれません。
ああ、なるほど。
AIの開発競争とか、宇宙開発、グローバル企業のあの悪なき拡大とかね、これらは見方によっては現代版のバベルの塔って言えなくもない。
確かにそうかもしれませんね。ブリューゲルが描いたその成功への熱狂とその裏にあるリスクっていう構図は、現代の私たちにも多くのことを示唆してくれている気がします。
確かに。技術が進めば進むほど、そのコントロールとか倫理的な問題も大きくなりますし、経済的な成功が格差とか環境破壊を生むっていう側面もありますもんね。
そしてもう一つ非常に重要なテーマがコミュニケーションの崩壊。
コミュニケーションの崩壊?
はい。聖書の物語では神が言葉を混乱させることで人々は互いに理解できなくなりました。で、現代社会に目を向けてみるとどうでしょう。
インターネットとかSNSで世界は繋がったはずなのに、むしろ人々は分断されて、違う意見を持つ者同士が対立して建設的な対話がなんか難しくなっているように感じませんか?
うーん、それはすごく感じますね。
言語の壁だけじゃなくて思想とか価値観の壁が新たなバベル状況を生み出しているのかもしれないなと。
深いですね。言葉は通じるはずなのに心が通じない、理解し合えない。それってある意味聖書の時代よりも厄介な問題かもしれません。
そうかもしれませんね。さらにもちろん芸術作品としての価値も忘れてはいけません。
ブリューゲルがこれほど壮大な物語と深い具意を、信じられないほどの精密描写を通して具体的にそして力強く描き出したその手腕、
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細部への編集的ともいえるこだわりと、作品全体を貫く普遍的なメッセージのその見事な融合、
これこそがこの作品をルネサンス後期のフランドル絵画を代表する傑作たらしめている理由でしょう。
なるほど。
人間の営みを時にユーモラスに、時に皮肉を込めて、でも常にどこか温かい眼差しで見つめるブリューゲル独自の視点がこの作品にも凝縮されています。
そしてその力が失われていない証拠に、この絵は今もウィーンの美術指揮官で世界中から来るたくさんの人々を魅了し続けているわけですね。
まさに。
何世紀も前の絵が現代の私たちにこれほど艶く語りかけてくるっていうのは本当に驚くべきことだと思います。
その事実自体がこの作品の持つ普遍的な力と芸術的な価値を雄弁に物語っていますよね。
見るたびに新しい発見があって、その時代の空気を感じさせて、そして現代に通じる問いを投げかけてくる。まさに時代を超えるマスターアーティストと言えるでしょう。
今回はピーター・ブリューゲル父のバベルの塔という一枚の絵画が持つ本当に豊かな世界を探求してきました。
圧倒的なディテール、人間の野心と限界を描いた聖書の物語、それが生まれた時代の熱気、そして現代にも響く普遍的なテーマ。
本当にたくさんのものが詰まった深い一枚でした。
本当に。
さてここで最後にあなたに一つ問いを投げかけて終わりたいと思うんですが、もし現代にバベルの塔を建てるとしたら、それは一体何でしょうか。
あるいは私たちは気づかないうちにすでにいくつものバベルの塔を建ててしまっているんじゃないでしょうか。
うわーなる。
それは巨大なテクノロジーかもしれませんし、あるいはある種のイデオロギーかもしれません。
もっと身近なところで言えば、私たち自身の心の中にある過剰な自負心とか他者への不寛容さ、そういうものかもしれません。
うーん。
ブリューゲルが描いたあの壮大な試みとそこに潜む危うさ、それはもしかしたら現代を生きる私たち自身の姿を映し出す鏡なのかもしれませんね。
考えさせられますね。
ブリューゲルの問いかけは本当に460年という時を越えて今も私たちの胸にずしんと響くような気がします。
ねー。
この探求が皆さんがご自身の思考を深める何か小さなきっかけになれば嬉しいです。
今回はご一緒いただきありがとうございました。
ありがとうございました。
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