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『SPY×FAMILY』を生んだ「少年ジャンプ+」はなぜ、「初回全話無料」に踏み切れたのか(徳力基彦) - エキスパート - Yahoo!ニュース
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はい、こんにちは、徳力です。今日はですね、少年ジャンププラスの副編集長のもみやまさんにインタビューをさせていただいたときの記事が公開されましたので、ちょっと感じたことをご紹介しておきたいと思います。
前編のタイトルが、スパイファミリーを生んだ少年ジャンププラスはなぜ初回全話無料に踏み切れたかっていうタイトルなんですけど。
少年ジャンププラスは皆さんご存知ですかね? 僕、実は数年前までよくわかってなかったんで恥ずかしい話なんですけど。
週刊少年ジャンプの電子版ブランドですね。
面白いのは、ジャンププラス専用の漫画がたくさん生まれていて、今や実はそっちの方が人によっては勢いがあると感じているっていう。
スパイファミリーだったり、怪物たち号だったり、ダンダダンだったりですね。
ジャンプといえば紙の雑誌っていうのが私みたいな昭和世代のイメージだと思うんですけど、実はもう終焉者さんは電子版シフトに見事に成功されていて。
漫画業界全体が成功してるんですけど、その中でもジャンプはちょっと独自路線だと思うんですかね。
個人的に一番感動したのが、感動したって言うと変なんですけど、僕実は漫画の電子版にちょっとモヤモヤしてたんですね。
このインタビューでも、ちょっともみやまさんを前にして、自分の恥ずかしい歴史をカミングアウトさせていただきましたけど。
僕本当は中学の時とかは、それこそ誰かがジャンプを買ってきてくれるんで、それを回し読みさせてもらうっての時代でしたし。
正直ね、多分大工大学とかずっと立ち読み人間なんですよね。
コミック自体は好きなものは、それこそ北斗の剣とかラブダンクとかは全家を持ってるんですけど、
やっぱ習慣の段階であれを買う習慣がなくて、捨てるのも大変じゃないですかってちょっと失礼な話なんですけど。
本当ね、本屋とかコンビニでずっと立ち読みしてた人間なんですよね。
やっぱりそれが電子化された結果、当然立ち読みできなくなっちゃって、ちょっと距離が離れてた時期があるんですよね。
コンビニでずっと立ち読みしてたんですけど、コンビニもいよいよコロナ禍のタイミングからシールが貼られちゃって立ち読みができなくなっちゃって。
買えよって話なんですけど、なんかね、買うとあの買ったやつどうしようみたいな感じになっちゃうんで。
っていうちょっと恥ずかしい、フォアの漫画ファンからしたら本当にすいません。
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フリーライダーに近い、ファンというにはちょっと弱いタイプなんですけれども、
やっぱり子供の頃に自分が買わずに読んでファンになったことを考えると、
漫画の電子書籍ってあれ、お金持ってる人しか読めなくなっちゃってる気がすごいしてたんですよね。
それこそ進撃の巨人とか電子版で全巻買いましたけど、なかなかなお値段ですよね、やっぱり一気に買うと。
これどうなんだろうなって、僕の知り合いの方とか本当に漫画大好きなんで、
毎月、果たしたら数千どころか数万円、漫画アプリに払ってるみたいな方もいますけど、
漫画がお金持ち向け娯楽になっちゃってて、その減っちゃうんじゃないのって勝手に一人で懸念してた時に、
当然ポイントタイプの漫画アプリとかあるんですけど、少年ジャンププラスは初回無料なんですよね。
やっぱり漫画は当然、コンテンツは有料であるからしてお金払って読んでもらうのは当然だっていうのは当然の考え方だと思ってますし、
電子書籍によって漫画業界が上手くいったので、日本の音楽とか映像に比べてはるかにデジタルシフトとか漫画は先行して上手くいってると思うんですよね。
市場も今多分電子漫画の方が大きいですし。
でも初回無料の決断って多分相当難しいんじゃないかなっていうのは僕の勝手なイメージだったんですよね。
特にやっぱりその、そもそも電子版をやること自体も表出版社でやるって結構ね、
今成功してるからやって当たり前と見えるんですけど、多分社内で相当反対があったんじゃないかなみたいなのをちょっと三山さんに色々と質問させていただきました。
前半は少年ジャンププラスがなぜ始められたのか、特に初回無料がなぜできたのかっていうのを色々お聞きしたんですけども、
結論から言うとインタビュー記事読んでいただくと伝わると思うんですけど、
やっぱりジャンプは本当にそのお客さんの声を聞きながらやっぱり変化する企業文化がある会社なんだなっていうのをすごい感じました。
そのジャンププラスを始めるのも実験から始められてるんですよね。
どうせも三山さんみたいにそういうのをやった方がいいと思ってる人がいるっていうのも大事なんですけど、
でもそれが何でやれたかっていうと最初が実験なんですよね。
最初が2つポイントがあったとおっしゃっていて、2012年にリリースした電子書籍販売アプリジャンプブックストアが予想は遥かに上回る売上を最初から出した。
電子書籍ニーズがあるっていうのが分かったんですね。
もう1個大きなのが週刊少年ジャンプのデジタル化。
これってやっぱりいろんな反対があるはずなんですよ。
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既存のアナログでやってるものをデジタル化すると販売店から反対があるんじゃないかとか、メインのやつの売上が下がったらどうなるんだみたいな議論が当然あるんですよね。
でも面白いなと思ったのは、これは2013年に週刊少年ジャンプ45周年記念を発売するときに紙とデジタル雑誌の同時配信をやるっていうのを実験としてされたそうです。
これがもみやむさんがデジタル部署に移動したときにジャンプの編集長とランチかご飯を食べる機会があったんで、そのときに実験としてやりたいって提案して是非やろうって言ってくれた。
これさらっと話されてるんですけど、すごいことだと思うんですよね。
通常こういうの実験したいって言ったら絶対ね、社内からたくさんブロックする人が飛んでくるんですよ。
そういうのやったらこういうリスクがあるんじゃないか、ああいうリスクがあるんじゃないかみたいな。
2013年ですからね、もう10年以上前ですから、漫画村騒動とかの前なんで、そういう意味ではやりやすかったのかもしれないですけども、
紙の媒体の編集長がそういう実験すぐやろうって言える、この文化はすごいなと思います。
通常やっぱりイノベーションのジレンマで、やっぱりオンマルですからね、紙のジャンプ、めちゃめちゃ売れてるやつを電子版でやったときのリスクとかコピーされたらどうなんだみたいな議論は当然あるはずですけど、
やっぱりこの1回の記念だからいいよねっていうのもありつつ、実験でやらせてもらえる。
やっぱりもみやまさんによると、ジャンプはそういう新しいことをやろうって文化であるみたいですね。
読者や作家のためにできることをやろうっていう文化があって、新しいことやチャレンジに前向きな雰囲気がありますっていうのはおっしゃってましたね。
その象徴がやっぱり、もともと実は読者アンケートによってそれを反映する仕組みみたいなのがジャンプって昔からあるんですよね。
多分、書くの部分はおそらく50年以上前から変わらずに編集部内で生き続けているのだろうと考えていますみたいなお話があるんですけれども、
これがね、やっぱりすごい面白い話だなと思いました。
僕もジャンプ時代も小学生の頃かな、なんか都市伝説的に読者はがきを送れば打ち切りになりそうな漫画が打ち切りにならずに済むっていうの。
あれ小学生の時だったよな、中学校、中学校かな。
今考えるとなんでその話がそうやって伝わってるのか。あれですかね、編集後期とかで喋ってたんですかね。
ジャンプは人気な作品ほど前の方に乗っていて、後ろにだんだん下がってくると打ち切りのリスクがある。
打ち切りから救うためにはファンがはがきを送るしかないみたいな話があって、
あの頃ほんとね、バスタードとかカメレオンジェールとかスラムダンクスの前身の漫画とか一生懸命送ってた記憶がありますね。
送るとテレフォンカード、僕2回ぐらい当たったことあるんですけど、みたいな経験もあるんですけど。
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あれもでも僕よく考えると、自分の買ったジャンプじゃなくて友達のジャンプのはがきもらって送ってくるので、ほんと失礼な話ですけど。
でもやっぱりそういう読者の声を聞いて汎用するっていうカルチャーがあるからこそ、こういう電子版の対応も早く、デッキ電子の捉えも早くできたっていうのは一つ大きいなとすごい思いました。
もう一つ大きいなと思ったのが、ライバルは週刊少年ジャンプとおっしゃってるんですよね。
なぜ初回全話無料ができたかっていうところなんですけど、ある意味その電子書籍、漫画の電子書籍自体はその漫画村が出てきて、
2018年に編集されましたけど、その17、18年くらいの一番問題になったのが、違法漫画サイトが出てきて、その漫画が無料でコピーされてただで読まれちゃうっていうのが出てきたときに、
僕が勝手に心配したのがやっぱりあれに対する反動で、かなり出版業界がその著作権をいかに守るかっていうふうにギュッと言ってしまったんで、
これでますます子供が漫画読みにくくなるんじゃないかなみたいなのを思ったときに、逆に少年ジャンプは少年ジャンププラスで初回全話無料されたんです。
これね、今振り返れば正しい選択なの間違いないんですけど、あの雰囲気の中であれをやれたのはすごいことだと思うんですよね。
ジャンププラス2019年4月から初回全話無料されてますから、やっぱりその当然、もみやさんとしてはニーズも感じていたっていう話だと思うんですけど、
やっぱり社内でもちょっと懸念の声が出たような話はおっしゃってましたね。
ただでも、やっぱりそういうのでうまくいくっていう手応えがそもそもあったし、やっぱりその漫画の場合にはやっぱり連載の途中からなかなか入っていきづらいんで、
紙のジャンプを買ってるとやっぱりその途中からでも読み始めて、そのままファンになって、逆に最初の頃は単行本買って追いつくみたいなことが起こるんですけど、
ウェブだと本当は好きなやつしか読まないから、興味ないやつ読まなくなっちゃうんですね。
それをいかに最初からまた追いついてもらうかっていうので初回無料っていうことを考えて、
いろんな実験結果もあるので、これは大丈夫じゃないかっていうのを社内にもちゃんと提案し、
ずっと無料はさすがに単行本の売り上げに結局しか出ないから、初回だけならいいのではっていう、ある意味落としたところを見つけてやったんですね。
三山さんの発言を借りると、僕らそう感じにこの提案をしてたら多分もう少し成長した方がいいって声が出たと思うけれども、
2019年当時は電子書籍の売り上げも伸びてたし、デジタルが伸びても紙の単行本の売り上げに響くことはないっていう認識が編集内であったんで、
いろんな実験を繰り返して社内の信頼を積み上げて、三山さんの実験だったらみんなやってみようっていう雰囲気が多分できてたんじゃないかなっていう気がしますね。
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おかげで、今少年ジャンププラスの連載は初回無料で読めますから、ある意味立ち読み感覚で読めるし、みんなが話題にしやすいっていうのが、
今のジャンププラスからヒットソングがガンガン出ている背景にあると思うので、改めて企業文化と実験大事だなと思った次第です。
よければぜひ経営の方も読んでいただければ幸いです。
こちらのチャンネルでは日本のエンタメを密かに応援したいなと思っておりますので、他にもこんな面白い話してますよって方がおられましたら、ぜひコメントやDMで教えていただけると幸いです。
では、おはようございます。
12:45

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