2024-12-08 19:16

#46 平安貴族と糖尿病

◯ハイライト

大河ドラマは平安時代ですが…

藤原道長は日本史上1番古い糖尿病患者

糖尿病の記録は紀元前からあった

糖尿病は贅沢な生活のせいとは限らない

記録を残す大切さと、残したくないデジタルデータ ◯注意

インスリンの分泌は膵臓(すいぞう)です。脾臓(ひぞう)って収録中に言ってました。すみません。

◯補足

尿検査で尿糖の話をしていたのは25回

糖尿病の目安の1つHbA1cの話は39回(オープニングトーク)

歴史の記録から地震の規模を推測する話は38回

◯参考文献

藤原道長「御堂関白記を読む」,倉本一宏,講談社

日本における糖尿病の歴史,Diabetes journal編集委員会,山之内製薬

道長と宮廷社会,大津透,講談社

菊正宗ホームページ「日本酒図書館」https://www.kikumasamune.co.jp/toshokan/06/06_06.html

平安貴族の栄華と影:なぜ藤原道長は糖尿病だったかについて徹底解説https://onoyuri-clinic.jp/archives/3518

臨床糖尿病支援ネットワーク(糖尿病と低所得)https://www.cad-net.jp/mano/uploads/176/843b18c70099b2455e9c1b1c553d0e75.pdf  日本における病名「糖尿病」の由来について,羽賀達也他(2006),日本糖尿病学会誌「糖尿病」49巻8号p.633-635

https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/49/8/49_8_633/_pdf/-char/ja 【HP】https://carnelian-jellyfish-c1b.notion.site/e23df6041eaa4bc1bca0e8c497374bf4

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#とくおと


00:02
理系とーくラボラジオ部、とくおのおと。
みなさん、こんにちは。理系とーくラボラジオ部、とくおのおと、通称とくおとをお届けします。
パーソナリティは、季節の変わり目で自律神経が終わったまさきと、
本日のスポーツ大会で筋肉痛になったひのえひねと、
通勤で乗っている朝晩のバイクがさわや寒くてしょうがないかりうむです。よろしくお願いします。
このラジオは、オンラインコミュニティ理系とーくラボに所属する研究員たちが、
ワクワクするような科学トピックや、科学を楽しんでいる人のお話をお届けする番組です。
自律神経が終わったというのは…
スポーツ大会で筋肉痛になった…
どうしたんですか?
あのー…
自律神経…
なんか話が混戦しましたね。自律神経から行きましょう。
もう一回行こうか。
自律神経は、寝れない、起きれない、動けないっていう…
割と大変なことになってるんですけど、
まぁ、ギリギリ生きてます。
生きて。
はい、行きます。
ギリギリ、ギリギリで生きてくれます。
はい。
で、スポーツ大会が最近あったんですか?陽乃絵さんは。
あのー、今日、収録日の今日、まさにありまして、
一年ぶりに100メートル全力疾走して足が痛いです。
足もつれちゃったりする…
それは筋肉痛ではないのでは?
いやー、100メートル…
はい。なんか、筋肉がまだ回復してる段階ではないと思うので、
筋肉痛ではなくて普通に痛めてる説が濃厚ですね。
あー、それはあるかもしれない。
なので、冷やしてください、基本的には。
炎症が起きてる話なので。
まさきさんは陸上詳しいからね。
いや、陸上詳しくはないんですけど、
基本的には冷やしてもらったらいいと思います。
はい。
筋肉痛ね。
ということで、ひえさん、バイクに乗りましょうか?朝冷えるらしいんで。
あー、自転車乗ってるんで、トントン。
あー、じゃあ大丈夫か。
でも、自転車に乗ると筋肉を使っちゃうんで。
何の話だ。
はい。ということで、今回の「とくおのおと」もぜひ最後までお楽しみください。
はい。
めちゃくちゃに汗やった。
温泉だらけだ。
えーと、今回は私、かりうむが話題を提供します。
お題は、平安貴族と糖尿病です。
糖尿病の話、実はこれまでこのラジオ部でちょこっとずつ取り上げてたりしてます。
例えば、尿検査の話、25回の時にやってて。
やってましたね。
それから、ヘモグロビンA1C(HbA1c)っていう糖尿病の目安の一つ。
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これが人間ドックの基準とは何なのかという話を、39回でやっております。
何ヶ月か頑張らないと回復しないやつでしたっけ?
そうそう。2ヶ月くらいは節制しないと、
良い値出ませんよという。
なるほど。
でですね、今回糖尿病そのものについて取り上げていきたいというところなんですけど、
なぜ今回糖尿病なのかという話ですが、
今、大河ドラマ、「光る君へ」っていう平安時代が舞台になっているやつをやってるんですけども、
あそこに出てくる藤原道長という、
日本史、中学校で習っているレベルで多分、
だいたいみんな知っている人物だと思うんですけども、
日本史上の人物で、おそらく糖尿病であったと推測される一番古い人が、この藤原道長だと言われております。
はい。
平安時代の摂関政治の人ですね。
摂関政治そのものの話を言うと、朝廷で一番、一番の地位につく、
天皇はね、ずっと続いてますけど、それ以外でという意味では一番の地位について、
自分の娘を天皇に嫁がせて、生まれた幼い男の子の孫を天皇に即位させて、
そうすると天皇の外祖父という形になるので、摂政になることが可能になってくるという、
可能というかね、摂政って何かというと、
未成年の天皇のサポートをする役というのが摂政ですね。
もしくは女性が天皇の場合という時に出てくる
サポート役が摂政という役なんですけども、
そこにつくと、天皇のサポートなんで
ほとんど思いのままに
政治を動かすことができるという、
そういう位置ですね。
実は道長自身は摂政に就いていたのは、ほんの1年しかやっていないんです。
その後すぐ息子に譲っちゃうんで、関白にはなっていません。
天皇の補佐役であるのが貴族のナンバーワンの彼ですが、
それをやってしまうと、朝廷の一番重要な会議である「陣定」(じんのさだめ)という会議があるんですけど、
これに摂政や関白が出る権限がないっていう。
だからそれにならないほうが実質、実権を取ることができるという、
なかなか頭のいいことをやってたんじゃないかなって気はします。
今、「光る君へ」って、2024年の大河ドラマで、
これ収録が10月の頭なんですけども、
その中でずっと左大臣と呼ばれてるんですよね。
なってないということです。
そういう道長なんですけども、実は病気がちだったという記録もしっかり残ってまして、
水をよく飲んでいたとか、目が見えないというふうなことを言われたという記録とか、
06:03
あとはひどい腫れ物があったりとか、
敗血病になったんじゃないかと言われている、そういう記録も残ってます。
この敗血病があるとか、水をよく飲むとか、今まで言った4つぐらいの現象、
全て糖尿病が由来ではないかというふうに考えられています。
確かによく聞く。
水をよく飲むのは血糖値が高すぎると血流がどんどん悪くなってしまうし、
血管とか細胞とか傷つけることになっちゃうんで、
水を飲んで血糖値を下げ、おしっこに出せばその分血糖値が下げられるので、
濃度を下げていこうというふうな現象として、よく水を飲むというのが言われてますね。
最近で言うと、そのパターンで飲むのが清涼飲料水で地獄になるというのが…
全然ダメですね。甘いものを飲んでいるから。
そうなんです。どんどん悪化していくというスパイラルがあったりしますね。
気をつけましょう。
甘いものがよく手に入りやすい時代ですので、平安の頃と違って。
そういう症状があって、最後敗血病らしいので亡くなったのではないかと言われています。
道長さんの糖尿病の話なんかこんな感じなんですけど、
実は糖尿病だと思われる症状が記録されている古い記録というのは、
紀元前1500年、この頃にはそれらしい症状が記録されていると言われています。
今で言うエジプトの場所。
糖尿病の英語名がダイアベティスって言うんですけれども、
これに近い言葉が最初につけられたのが、西暦50年頃のトルコの医師がつけたと言われています。
あと古代中国の医学書に「消渇」っていう名前で糖尿病に近い症状が記録されていて、
これが西暦の190年、道長さんがいたのが西暦で言うと1000年ぐらいですね。
このダイアベティスって今も言われている言葉とか、
中国の医学書に載っている消渇、これ消渇っていうのは消えるに枯渇するっていうのを「渇」っていうのを書いて読むんですけれども、
これどっちも流れ出るっていう意味だそうです。
どんだけ食べても飲んでもどんどん出てしまうっていう、そういう意味で使われていて、
最初は排尿障害の一つなんじゃないかっていうふうに思われていたようですね。
実際のところはそっちじゃないんですけど、腎臓の病気じゃないかって言われております。
その後糖尿病の言葉自体で言うとですね、この尿の中に糖が入っているっていう言葉自体が贅沢の病気じゃないのかっていう。
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いろいろ摂取しすぎていう贅沢で出てるんじゃないのかなんていうふうな言われ方するもんで、
贅沢病みたいなこと言われているんですけど、実際はそんな話じゃなくて全然。
若い人でも発症する一型糖尿病というのがありまして、そういう生活習慣で出ているとは限らない。
体質的に血糖値が高くなりがちな人たちも一定の割合でいるので、
血糖値が高くて糖尿病だからといって贅沢な、あんまり健康的ではない食事をとっているとは限らないということですね。
もう一つ大事なのが、尿の中に糖が入っていない、たくさん出ていないという糖尿病もあるそうなんですよ。
そうすると名前と実際のところどうなのって話になってくるんで。
糖尿病という言葉は、
その場合は普通に血糖値が高いという意味ですか?
そっちのほうになるのかな、ちょっと詳しいところまでは見てないんですけれども。
あとですね、贅沢かどうかというところで言うと、実は貧困層の方の方が若干有病率が高いと言われておりまして、
お金の少ない人というのは、野菜とか肉よりもとにかく炭水化物を摂って空腹を満たしたいという方が優先されちゃう。
栄養バランスの中よりも、とにかく今お腹を満たしたい、血糖値を上げたいみたいな感じの行動をするので、
それでちょっと糖質取りすぎになっちゃうとか、
あとはやっぱり病院にあまり行かない、仕事忙しいとかもあるかもしれないし、お金そもそもそんなに余裕がないし、
ということで貧困層の方が若干高い、1.5倍とか7倍とか、
これ優位の差というのかどうかちょっとわかんないんだけれども、
っていう話もあったりするので、贅沢とは直接関係ありません。
平安時代の貴族についてはね、結構ちゃんといっぱい食べてたし、運動はしないし、
あと特に道長さんの場合は権力争いが結構ひどかったっていうのがあって、
ストレスが相当あったんじゃないかと言われているので、
そこになってくると事情がいろいろ、現在知られている糖尿病の事情とだいぶ違うところがあるんですけれども、
そういうこともあったりするので、糖尿病って言葉はちょっとやめようかって話は実際専門家の中から出てきてます。
糖尿病じゃなくて英語名のダイアペティスっていうのを今後は使うようにしたらどうだろうかという。
ダイアペティスって聞いても何?みたいな感じはしますけどね。
本質的に何も問題を解決していない問題解決するっていう方針ですね。
私は好きじゃないです。
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そう、名前変えたらどうなのっていう話ではあるんだけれども、ただ感覚、「痴呆症」が「認知症」って言葉に今なってるじゃないですか。
それと同じような手法かなって感じはします。
つまり変わらない。
変わらない。
あと貧困層というか、貧困層がその炭水化物の割合が高いから糖尿病になりがちっていうのは多分そうなんですけど、病院にあまり行かないってなると糖尿病になっているということが発覚する率が低いから、そっちは有症率がやや高いっていうのと繋がりがよくわかんないですけど。
というよりは行った時にはもうかなり重度が高いってことになるのかなと思うんだけど。
糖尿病は初期症状がほとんどわかりづらくて、明確にこれはもう病院に行かないとやばいだったり、搬送されてるレベルになると手遅れみたいなイメージがあるんで確か。
はいはい。
多分それでしょうね。後回しにしたツケが。
うん。あらというふうには思います。
なのであれですね、だから栄養バランス的に炭水化物が多いから糖尿病になりやすいっていう話と、重症化するまではほっといてエラいことになるっていうところってことですかね。
そういうとこなんですかね。
なるほどなるほど。
あとはアジア人って実は脾臓でのインスリンの分泌が少なめらしくて、食生活が西洋化したり運動不足、現代人はね昔の人流は運動不足になりやすいんでいろんな便利な飲み物とかもあったりするし、
そういう意味ではアジア人は実は世界的に見ると糖尿病の増加率が高いというふうな話もあるようです。
なるほど。食生活の西洋化って言ってるのは、いわゆるパンとか生成されたお砂糖みたいな話ですかね。
それもあると思います。
多分もともとの日本食というか、古き良き日本の食生活というと白米の比率がすげえ高かったはずなんですけど、
どちらかというと西洋化した方がタンパク質比率が上がるイメージがあるんですけど。
とにかくご飯もりもり食うってね、おかずはそんなにいっぱい食べない昔の人なんかは育っていますね。
単純に全体的に高カロリーになったっていう意味だと多分正しいかもしれない。
なるほど。
運動不足は確かにそうですね。
原稿に書いてなかったんだけど、もともとの原稿の方にはね、
15:00
藤原道長って実は糖尿病だっていうふうに今は考えられてるんだけども、
おじさんと兄と甥っ子がやっぱり同じような状態で亡くなってるそうですよ。
だからもしかすると遺伝的な体質がなんかあったかもしれないっていう。
一型の可能性が割と高いかなって話ですね。
なんか水をたくさん飲んでたっていうのと早死にしたっていう記録がその親戚3人ぐらいあるんで。
そういう意味でもある意味仕方なかった、そういうふうな方向になって病気にいがちになっちゃったのは仕方ないのかなっていう気がしないこともありますね。
でも結局ところ道長さんはその当時のほぼトップの人なんで、記録がいっぱい残ってるから。
だからそういうふうなのが多分糖尿病だったんじゃないかっていうのが今見られてる。
多分他の貴族もいたかもしれないけど道長さんほどは多分記録は残ってないっていうことみたいですよ。
だからもしかしたら当時の日本はもっと糖尿病と思われる症状で亡くなる方が山ほどいたのかもしれないけれども。
記録がありますね。
それをうかがい知ることもできず、そういう選択があった結果、今の日本ぐらいの一型の糖尿病の割合に落ち着いたっていう可能性もさえある。
どうでしょうね。
そういう説を唱えてる。
いや、昔のことは分からないですね。
ある記録の中からこれはもしかするとこういう意味なんじゃないかっていうふうな見方をしていくしかないわけで。
前に地震の話をやったときも、今だったら地震なんかも観測点いっぱいあるからすぐ震度が分かってマグニチュードとかも計算できるけど、
当時どこでどのぐらいの建物がどんなふうに壊れたって記録をもとに、多分ここら辺では震度いくつだろうっていうふうな見方をするしかないっていう。
そうですね。
みたいな感じなんかなとか思ってまして。
記録を残しておくって大事ですね。
大事ですね。
最近では逆に記録に残らない権利みたいなのがあったりしますけど。
死んだ後に残ったいろんなパソコンのデータやスマホのデータを速やかに消消去していただきたいっていう。
あとはインターネット上にあまり好ましくないものが残って、インターネットタトゥーとかデジタルタトゥーとかっていう言い方をしたりしますけど。
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一度公開しちゃったものは誰かもしかしたら保存してるかもしれないから。
そうなるともう手に負えません。
全部残るのもどうなんだって話もあったりします。
難しいもんですね。
この番組では皆様からのお便りを募集しています。
Xの番組アカウントの概要欄にあるGoogleフォームにお寄せください。
番組アカウントはすべて小文字で、
アットマークTOKUO、アンダーバーMO、アンダーバーOTOです。
「@とくおのおと」で覚えてください。
コーナー企画へのお便りや、番組で取り扱ってほしいテーマ、ふつおたも大募集しています。
皆様フルってご参加ください。
ということで今回の「とくおのおと」はここまでです。
お聞きくださりありがとうございました。
お相手は、理系とーくラボラジオ部のまさきと、
かりうむと、
陽乃絵ひえでした。
ま。
また。
次回もお楽しみに。
さようなら。
19:16

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