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フルスタックスタートアップの時代──ツルハシを売るか、金山を掘るか ──
2026-02-24 33:48

フルスタックスタートアップの時代──ツルハシを売るか、金山を掘るか ──

「SaaS is Dead」と言われる今、スタートアップの価値の置き方そのものが変わろうとしている。ツールを売るのではなく、自分たちで事業を動かし、最終顧客に成果で届ける——それが「フルスタックスタートアップ」という発想です。

今回は、a16zのクリス・ディクソンが10年前に提唱したこの概念を軸に、SaaS is Dead論争の本質は何か、なぜ日本のSaaSは「時間のコスト」に負けやすいのか、AIエージェントがフルスタック化の重量をどう変えるか、そしてこの時代に求められるのは結局「アニマルスピリッツ」なんじゃないか、という話をしています。


▼ 今回のトピック


SaaS is Dead論争の本質:死んだのはSaaSか、評価のされ方か

意味のあるSaaSと意味のないSaaSの選別が始まった

日本のSaaS最大の敵は競合ではなく「顧客の導入スピード」

ツール売り(イネーブラー)の構造的限界

エネーブラーからディスラプターへ:自分たちで事業をやる発想

フルスタックスタートアップとは何か:Uber、Airbnb、Tesla、SpaceXの例

垂直統合との違い:所有ではなく、最終顧客への責任

日本におけるフルスタックの可能性:令和トラベル、ラクスル

AIエージェントがフルスタックの「重さ」を変える

ツルハシを売るか、金山を掘りに行くか:アニマルスピリッツの話


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感想

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00:10
こんにちは、Asakuraです。今日はですね、フルスタックスタートアップという概念についてお話をしたいと思います。
今、2026年2月ですけれども、結構時代の転換点、スタートアップの時代の転換点にあるんじゃないかなと思っています。
まあ、こんなこと言うと、いつでも時代の転換点って言っているから、時代の転換点じゃないときっていうのはきっとないんでしょうけれども。
大きな流れで言うと、2010年代後半からずっと続いてきた、SaaSが牽引してきたスタートアップの流れというのが、今大きく変わろうとしているのかなという気がしますね。
その前を振り返ると、もうこれ今となっては本当昔話になっちゃいますけど、2010年代前半、2012とかそれぐらい前後ですかね、11、12前後って、スタートアップって言うと、これいわゆるiPhoneのアプリのことを指してたんですよね。
C向けサービス、もっと言うとスマホゲームの時代でした。これが2010年代前半です。
そこから、スマホの次は何なんだっていう話が、これも2010年代半ばからしばらく続いていたんだけれども、ここですごく勢いを持つようになったのが、SaaSのスタートアップですね。
USの流れっていうのを、ちゃんと日本もついているのかなという気がするわけですけれども、いろんなところで、その成長の方程式というものがちゃんと算出しやすい、SaaSのスタートアップっていうのが非常に評価されやすかった。
それが2010年代後半から2022年ぐらいまで、2022年って日本の国内スタートアップに対するベンチャー投資学という意味で言うと、一番ピークの年だったということで、これを牽引していたのは間違いなくSaaSのスタートアップであったろうと思います。
その余波というのがしばらく2023、24も続いていたんだけれども、徐々に雰囲気が変わりだしたことで言うと、2022年にアメリカの利上げがあって、その煽りを受けてアメリカのスタートアップのバリエーションがどんと下がった。
ある種これの煽りを受けて、日本のスタートアップにも影響が及ぼされてきた。これが2022年後半以降からの話で、それこそ2020、2021ってPSR20倍っていうような価格とかが、割と平気でまかり通っていたりしましたから。
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これまかり通るっていう言い方をすると、ちょっと言い方が意地悪かもしれませんけど、結局のところその時の時代感としてはそれが正当化されていたということですね。
これなかなか今このタイミングだと考えづらいわけですけれども、あくまでその当時は通用していったものが通用しなくなってきた。
そんな中で、じゃあSARSの次は何なんだっていう話がここ数年模索されていたわけですけれども、さらにこれ決定的だったのが、やっぱりAIの大統でして、
2026年2月で言うと、今ね、どこもかしこもSARS is deadという論争が溢れているわけですね。要はSARSが死んだという言説というものがはびこっている。
それに対してそうだという主張もあるし、これ間違いなくトリガーを引いているのはAIです。特に象徴的なのがクロードですね、アンソロフィックショックなんても言われますけれども、
アメリカだと、これやっぱりクロードの影響なのかな、これを受けて既存のSARSっていうのはAIが全て代替してしまうんじゃないかという、これもこれでとても極端な意見だと思いますけれども、
そういった言説が出てきている中で、中場、市場もややこれは私から見ると過剰反応なんじゃないかなというふうに見てとっていますけれども、SARSを中心に多くのソフトウェア関連株が急落している。
この煽りを日本も受けているということですね。SARS IS DEADという論争については、先ほども申したようにAIが全部代替しちゃうよという話もあれば、いやそんなのナンセンスだと、そんなわけないでしょと、SARSは基盤だというふうなことを言う方もいて、
詳しくはもうそういった人たちの議論にお譲りしたいと思いますし、あんまり私も下手なこと言っちゃいけないなというふうに思ってますけれども、少しだけ話すと、本質はSARSが死んだどうかっていう、SARSって丸くまとめるというよりは、意味のあるSARSと意味のないSARSが選別される局面に入ったということだろうなというふうに思うわけですね。
今から話す話っていうのは、もう本当にいろんな人が言ってることですけれども、それがちゃんと意味のある記録だとかデータを保管しているものなのか、そのサービスを通じて何か顧客にとって価値のあるデータが保管されているのか、システムオブレコードと呼ばれるそうですね、こういったものなのか、あるいは単にUIが良く、人間にとって使い勝手がいいものなのか、ワークフローがとても良いものなのかどうなのか。
あるいはアウトカム、成果が約束されたものなのか、こういった分類の仕方があるんでしょうけれども、このいわゆるUIが気持ちいいだけだとか入力が楽になりますだとか、そういうインターフェースに何かフォーカスしたものはやはり価値がなくなっていくし、そもそもインターフェース叩くのはAIになるでしょうだとか、あるいは人一人が使うたびにいくらっていうシート型の課金モデルっていうのは崩れていくものですよね。
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っていうのが、これは別に私が言ってるわけではなくて、いろんな人たちが言ってることです。それ聞いて私もそうなんだろうなというふうに思うわけですね。
ただ、全般を見て言えることとしては、僕、SaaSが死んだ死んでないっていう議論って、あんまりこれは意味ないのかなと思っていて、2つの話がごっちゃになっていると、
サービスとしての意義価値っていうものが、もうもはやなくなってしまったんだっていう議論と、評価のされ方、これは主に資本市場からですね、評価のされ方がどうして死んでしまったんだっていう、そういった2つの論点が混ざっている気がしていてですね。
前者においては全く、あんまり意味のない議論、死なない、むしろこれからますます元気になるAIを活用して、相乗効果でより伸びるSaaSもあるだろうし、単に死ぬSaaSもあるでしょうねっていう、そういう話なのかなと思う。
で、方や後者の方ですね、サービスが、そういったSaaSが、資本市場でどう評価されるかという点で言うと、これ、おそらくこう言っていいかなと思うのは、確実なことは言えないけれども、とはいえ過去ほどの評価のされ方はしないだろうなということ。これは、そりゃそうだろうねと思う部分ではあります。
いわば、ツールのみを売るというビジネスモデルに対する目線が厳しくなったんじゃないかなというふうに思っていてですね、これはなんかファイナンス的なものの言い方をすると、不透明性が高まり、要はAIに代替されるような可能性、危険性が高いということ、その不透明性が高まったことによってリスクプレミアムが乗っかったという説明の仕方もすることができるだろうし、
また、永続的にキャッシュフローを生み出すことができるかどうかというのが、同様の話だけれども極めて不透明であるがゆえに、ターミナルバニューが織り込まれなくなった。ここまで考えてみんな投資してるのかどうかわかんないですけど、理屈つけるとしたらそういう言い方はできるんでしょうね。そんな気がします。
そもそもね、とはいえ、SaaSのLTVの計算の仕方ってめちゃくちゃじゃないですか。だってまだそもそも2,3年とかしか実績ないのに10年間顧客使い続けますっていう、それは今までのチャンレートから計算しましたって、それ、その10年もあったら潰れるお客さんだっているだろうし、なんでその過去2,3年の実績だけを根拠に過去その先10年語れるんだっていう、そういう話なわけですけれども。
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ただ何にもない根拠がない中で都市空間で議論するわけにもいけませんし、そうした中における理論武装としては決して悪くない、まあリーズニングというか論理武装だったのかなというふうには思います。
まあ何せよとはいえ、結構過程としては無理があるんじゃないかなと。別にそれ言ってる人は何か悪意があるとか、ごまかそうとか騙そうとしてるとかそういうことではなくて、単になかなか難しいよね、それをそっくり額面通りに受け止めることはできないよねという、そういう話なんじゃないかなと思います。
まあ何はともあれ、Source is Deadの話をしても仕方ないなという話をしていますけれども、じゃあ本質的には何なのかというと、僕は何かこのビジネスモデルの在り方だとか、価値の置き方っていうのが移っていく、こっちの方がより本質なんじゃないかなと。
ちょっとコンセプチャーな話してもらいますけど、どうやって価値を発揮するか、どの利益プール、もっと言うと誰のお財布を取りに行くか、ここの価値筋というものが今移りつつあるんじゃないか、ここを抑えるってことの方がよっぽど大事なんじゃないかなというふうに思ってるんですね。
で、ちょっとここからそういう話をします。長い前置きでした。で、日本の、これ主にSourceというふうに考えていいですけれども、問題点って結局これ顧客の意思決定の遅さなんじゃないかな、あるいはその予算構造なんじゃないかなというふうに思うわけですね。
単的に言うと、その倫理に時間がかかって年度予算で、セキュリティ審査があって部門横断でと、導入までがとにかく長い。軽くプロダクトレッドリードという、レッドグロースというものが、なかなか起こりづらいマーケットなんだな、それはもう企業文化という、文化の話にしてしまうの嫌だけど、ある種それだけちゃんと統制が効いているという言い方もできるだろうし、本質的な運用をされている。
そういう市場なんじゃないかなと思うわけです。つまり何を言っているかというと、日本のSourceって競争相手、本質的な競争相手って他社のSourceじゃなくて、決定スピード、顧客の導入スピードなんじゃないかなと。
スタートアップって結局時間が命じゃないですか。時間ってもうめちゃくちゃコストなわけですよね。ズルズルだらだら時間かけて最終的に大きくなればいいとかいう話じゃなくて、とにかく瞬発的に伸びていかないといけないという、そういう芸当を求められている中において、この顧客の導入スピードが遅いってもう致命的な欠点なわけですよね。
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なおかつ導入が伸びていくと売上成長というのが顧客の政治に左右されてしまうという、まあまあいろんな論点ありますけど。とにかく何か同様のプロダクトを出している競合というよりも、これね、どのクライアントも遅いから、そうであるがいい見にくくなっているだけで事の本質っていうのが、
単純に導入スピードの遅さっていうのが最大の敵であって、そもそもなかなか成立しないモデルなんじゃないかという、そういうことなんじゃないかなという気がしているわけです。
だって、じゃあ来年度の予算でまた検討しますって言われても仕方ないじゃないですか、スタートアップからしてみると。
で、この点、まあSaaSって言うなればツール売りなんですよね。どうしても。だってそれはそうじゃないですか。既存の企業、大企業なのか中小企業なのかわからないけれども、最終顧客に対して何かサービスを提供している人たちに対してその事業がよりうまくできるようにツールを売る。
イネーブラーですね。そういった立ち位置であるということです。だってSaaSの本質で既存企業のオペレーションを良くするための道具なわけですから。
一方でその既存企業がこれ意思決定しないと価値が出ないわけですよね。提供価値の最後の一手っていうのがもう完全に顧客に握られてしまっていると。
もし仮にね、これ本当かどうかわかんないけれども、そのSaaSのプロタクトが入ることによって顧客の価値がめちゃめちゃ上がるんだったら、もうさっさと導入すればいいじゃないですか。
で、それはその顧客のためにもなるし、引いては世の中のためにもなるし、やればいいんだけど、そこがネックになってしまって物事進まないんだったら、なんというか自分たちでコントロールしようがないわけですよね。
もちろんその導入スピードを早めようというような営業の努力っていうのは多いんあろうかと思いますけれども、とはいえ制裁余奪っていうのを握られてしまっている状態であると。
何が痛いかっていうと、便利なんだけども、産業の利益プールの中心というのをなかなか取りに行きにくいモデルで、縁の下の力持ちになってしまいがちだし、縁の下にいるんだけど、そもそもその力も発揮させてすらもらえないかもしれないなという。
気がするわけです。もちろんね、こういった構造の中でいろんなマーケティング営業の工夫をするだとかしてですね、導入スピードを上げながら、あるいは導入しやすいクライアントから実績を積み重ねながら、巨大な成功を収めるSaaSのスタートアップっていうのは、出てくると思いますし、実際今もいますけれども、結構時間かかるんじゃないかな、大変なんじゃないかなという気がするんですよね。
何やらにしても大変は大変ですけどね。ないしは価値筋の上限というものが見えてしまうんじゃないかなと。
で、私が思うのは、もしその提供しているソリューション、サービスそのものに本当に意味があるんだったら、何もわざわざ既存の企業に対してツールとして売るんじゃなくて、自分たちがその人たちの事業を自ら運営して、最終顧客に成果で届ければいいんじゃないかと思うわけです。
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言うなれば、これディスラプターになっていくということですね。今いる既存企業を顧客として捉えるんじゃなく、強硬として捉えると。自分たちがそのビジネスをまるっと引き受けてしまうんだ。自分たちのソリューションを通して。この発想です。
これ、イネーブラーからディスラプターへっていうような話っていうのは、実は過去にもポッドキャストボイシーでしたことがあって、発想としてはこの延長なんですけれども、この成果で最終顧客に成果を届けるっていう発想の参考になるのが冒頭に申し上げたフルスタックスタートアップというものなんじゃないかなと思っています。
で、フルスタックスタートアップ、またなんかよくわからない概念を持ち出してきたなというふうに思われるかもしれませんが、これは別に私が言い出したものでもなく、なおかつそんなに新しい概念でもなくて、もう10年ちょっと前から言われている話ではあります。
まず何かというと、このフルスタックスタートアップですね。フルスタックスタートアップとは技術を既存企業に売る部品屋ではなくて、ソフトとか現場のオペレーションまで束ねた完成品ですよね。
エンドツーエンドのサービスとして何か提供して、サービスを提供して、既然プレイヤーを迂回して産業を置き換えにいく。最終顧客に何か価値を届けるものだということです。
ちょっと持って回った言い方になっちゃってますけど、単にこのアプリ売るんじゃなくて、何かそのアプリを通じて実現しようとしていたことをしようとしていた体験そのものを売るとか、あるいは管理画面を売るんじゃなくて、例えばこれ物流系であれば物流そのものを動かすだとか、そういうことを言っています。
で、これいろいろね、その既存の、まあこれまあSaaSって言うとSaaSのことばっかり取り上げると、SaaSの人たちにムッとされてしまいそうですけれども、まあ別にSaaSに限らず、まあいわゆる既存のソフトウェアっていうビジネス。まあ広くソフトウェアって言ってもいいのかな。
まあ一般的に今スタートアップと聞いて想起するようなスタートアップとのスタイルの違いっていうところで言うと、いくつかあるんですけど、一つが売り方の違い。つまり既存の何か、既存の企業、既存の企業に売るんじゃなくて、売るとかライセンスするんじゃなくて、
もう自社でサービスとして最終顧客に何か事業を届ける、サービスを届けるということですね。既存企業をバイパスしてしまうということ。あと、顧客に対して成果を保証する、握る範囲の違いですね。
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単に何かUIを提供するとかそういうことじゃなくて、供給、人だとか物とか設備とか、品質、配送、決済、サポート、規制対応、こういったものまですべて設計して一体運用していくということ。大変重いですね。
あと、コア技術の位置付けで、これもともと外部に売るためのプロダクトではなくて、もう内部のプラットフォームにする。つまり自分たちが自分の顧客になっていくということですね。繰り返しになりますけども、サースっていうのがツールを売るビジネスであるならば、フルスタックっていうのはツールで事業をやるビジネスであるということです。
こういうとですね、この垂直統合と一緒の話をしているのかなと思われるかもしれません。垂直統合の会社もある種、フルスタック的な要素であるというふうに言えるかもしれませんけれども、違いとしては垂直統合ってすべてのプロセス、ビジネスプロセスっていうものを基本的には所有するという考え方だと理解をしていますけれども、
フルスタックっていうのは必ずしも所有をする必要はないわけですね。単純に最終顧客に対してすべての価値を責任を持って提供する。その裏側っていうものは必ずしも所有をしている必要はないということです。
これ私が言い出した話ではないというふうに申し上げましたけど、もともとは10年以上前にアンドリー・セン・ホロビッツのクリス・ディクソンさん、有名人ですけど、この人がもともと言い出した概念ではあります。
要は良いソフトを作りましたでは勝ちきれない。産業の利益プールを取りに行くんだということですね。こういったことをかれこれ10年前にクリス・ディクソンが言い出したということです。
なんでこんなことを言い出したかというとですね、これアメリカの場合は全然早いんですけど、2010年代からいわゆるスタートアップの価値筋が変わってきたんじゃないかということを彼らは言っていたと。
これ一番端的な例がウーバーですね。クリス・ディクソンが言う話で言うと、もし2000年にトラビス・スコットでしたっけ、ウーバーの創業者がいたらおそらくタクシー会社向けの会社管理ソフトを作っていたとやろうと。
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タクシー会社にCRMを売って効率化を提案する。こういう従来型のツール企業をやっていた。ただ2010年代の発想とは違って、もう自分たちでやるんだと。会社も決済もドライバー管理も評価システムもサポートも全部自分たちでやっていくんだという。そういったふうに変わっていったということですね。
同様に引き合いに出されるのがAirbnbで、これは2000年の発想だったら民宿向け予約管理ソフトを作っていたんじゃないか。だけど2010年代の発想というのは宿泊サービス全体を自分たちで作る。もちろんその宿そのものを提供しているのは外部の人たちで、これがいわゆる垂直統合との違いではあるんだけれども、少なくとも最終顧客に責任を負っているのはAirbnbで、そこに対して価値をしっかり責任を持って価値を届けているわけじゃないですか。
ここが大きな違いだということですね。そもそもこの2010年代、なんでこういったフルスタックのスタートアップが伸びてきたのか。この点はそれこそAndreessen Officeのマーク・アンドリーセンが説明しているんですけれども、大きく2つのポイントを挙げています。
1つが既存企業の限界があるということ。結局非テクノロジー企業に高度なソフトウェアを売っても、そういった会社はそういったツールを使いこなすことができないというふうにマーク・アンドリーセンは言っている。
タクシー会社はそうですけど、テク企業じゃないわけですよね。組織構造もインセンティブも人材も文化も全然違う。技術者が理想とするようなUXを本当に実装しようと思ったら、既存企業にツールを売るのではなくて、自分たちがその産業そのものを担っていくんだという必要があった。
これが最大の転換点でして、今の日本にはめちゃくちゃ僕はハマるんじゃないかなと思います。もう1つ言われていたのは、これがスマートフォンの普及の話でして、iPhoneの登場によって世の中から変わったよねと。
いろんな流通網だとかマスの広告とか書けなくても、アプリを通じて直接消費者にいろんなサービスが届けられるようになった革命だったねという。これは誰もが認識していることだと思いますけど、この2つの要素っていうのが非常に大きかったんじゃないかなという話をマーク・アンドリーセンはしているということです。
これ、フルスタックのスタートアップって具体的に何なのっていう話なんですけど、さっき挙げたUberとかリフト、あとこれも挙げたAirbnbみたいな例もありますし、他にもオペレーションをちゃんと握る、運用をちゃんとフルスタックでやるっていう意味でいうと、フレックスポートとかジップラインみたいな企業名がよく挙げられます。
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さらにこれがより垂直統合型に行くと、もう供給までね、垂直統合っていうのは供給側も完全にフルスタックするっていうことですから、これはもうテスラ、スペースX、アンドリューの世界ですね。これがよく挙げられるフルスタックのスタートアップの企業群です。
僕日本で言うとね、これ自分の遠征先でもありますけど、令和トラベルなんかはフルスタックスタートアップと言っていいんじゃないかなと。
彼らって別にビジネスっていうそのものは発明してないんですよね。だってあのパッケージ型の旅行を売りますっていう、そういうところで始まってるわけでして、それって別に今までもJTBとかHISがやってたわけじゃないですか。
だけどそれをなんかよりスマートに、今のそれこそスマートな本とかがある中において、より多くの人にフレンドリーな体験として生み出すんだという話をしていてですね。
これなんかは僕はかなりフルスタック、日本型のフルスタックスタートアップって言っていいんじゃないかなと思っています。それだけにものすごく大きな挑戦にはなるんですけどね。
何にせよそのフルスタックかどうかっていう点チェックするとしては、そもそも誰が顧客なのか。繰り返しになりますけど最終顧客が自社を相手に買っているものなのかということ。
2点目、何を約束しているのかということ。ソフトではなくてあくまで成果だとか体験を約束しているということ。
3点目、裏返しですけど責任を負うかということですね。成果が出なかったら返金補償だとか、そういったことまで自社のルールで引き受けていかなければいけない。
4点目としては、供給のボトルネックを握っているかというところがポイントになると思います。品質だとか稼働だとか在庫規制、こういった急所をちゃんと制御しているかどうかということですね。
必ずしも所有していなくてもいいんだけれども、制御していること。最後の利益の取り方。これはビジネスモデルとして圧倒的に大きいんだけど、サースのフィーではなくて提供価値に基づく、そういった収益をいただくモデルであるということですね。
そういうことで言うと、ラクスルなんかも多分にフルスタック的な、彼らの場合は最近もシェアリングエコノミーって言わなくなったかもしれませんけど、裏側の印刷のオペレーションなんかは外部なわけですけど、ただその供給のボトルネックをちゃんと制御しながら顧客に印刷物を届けるという点においては、ある種フルスタック型なんじゃないかなと思います。
長々とフルスタックスタートアップの説明をしてきましたけど、僕はこれやっぱり日本で今すごい刺さるんじゃないかと思うんですよ。まず、なぜ日本なのかっていうことで言うと、なぜ今日本なのかっていうことで言うと、これはもう皆さんご存知の通り、日本の構造的な状況ですね。
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労働力不足してるし、既成産業は停滞してるし、既存企業のDXっていうのはこれ遅れている。それでいて、もう人員整理っていうのはなかなか難しい。こういったものである、ある種、既存企業がハンデを背負ってる。
ハンデを背負ってる範囲に、なかなかDX化は進めてくれないっていう中においては、どうなんだろうな、DX化は進んだのかもしれないけど、何かソフトウェアを導入するという行為は進んだのかもしれないけど、それを活用しきれてないっていう点においては、十分攻撃し得るんじゃないかということ。
2点目はですね、やっぱり今っていう点で言うと、これはまだまだ期待過剰な部分もあるのかもしれないけれども、やっぱりAI、AIアジェントですね。これがフルスタックのプロセスそのものを軽くすることができるんじゃないか。従来フルスタックやろうとすると、これそれこそSpaceXとかだとなかなか難しいのかもしれないけど、だけどそうじゃないものにしてもね。
どうしてもなんかCSだとかオペレーションだとか人手が重くなっちゃうとか、それによって固定費が膨らむ。こういったことがありました。一方で今であれば、AIアジェントを活用することで問い合わせ対応だとか書類の処理だとか、そういったものっていうのは一番得意とするところで、なんとなれば人間よりも得意なわけですよね。
問い合わせ対応、書類処理、契約、請求、調整。こういったものを全部ゼロベースでAIアジェントがやってしまえばいいじゃないか。わざわざ人間やる必要ないよねってことになると、そもそも運用効率も上がるし、もっと言うと精度すら上がっていくだろうということですね。フルスタックが成立するための重量っていうのが非常に軽くなってきた。だから成立する範囲っていうのが広がっているんじゃないかということです。
これって一部のSaaSも取り組んでいることなのかなというふうには思っていて、である限りSaaS isDeadって言葉ってあんまり意味なさないんじゃないかなと言っている背景ですけど、SaaSの発展系として、より成果提供に近づいていくということですね。ここまでいけるようなSaaSの会社であれば、デッドどころがどんどんどんどん元気になっていくんじゃないでしょうか。
まあちょっとここは僕もあまり下手なこと言えませんけど。ということですね。まあ起こりがちな失敗例としてはね、それこそペロトンみたいに固定費が重くなっちゃうとか、まあそういうことはあるんでしょうし、なんか規制対応を甘く見ちゃいましたとか、地域差現場差のオペレーションを甘く見ちゃいましたとか、まあそういった起こりがちな失敗パターンっていうのはあると思いますけれども。
だけどチャレンジするに十分意味のある、めちゃくちゃ難しいですけど、対象なんじゃないかなと思います。まあいろいろ話しましたけど、結局要点っていうと、SaaS is Dead、SaaS is Deadって言ってるけど、まあ僕はなんだろうな、選別が始まったっていう言葉のほうが正しいんじゃないかっていうのが一つ。
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で、結局のところツール売りっていうのが時間のコストに負けやすいっていうことですね。競合に負けるっていうよりも僕は結局時間に負けるんだと思います。多くのSaaSは。だからこそ、成果で届けるフルスタックまで踏み切ることで、より自分、まあさらに大きなリスクを負うことになるんだけど、自分たちで自分たちをコントロールできるような立場になっていかないといけないんじゃないか。
その点においてAIっていうのは実はすごい追い風なんじゃないかなというのが、僕の今の時代認識です。でね、ここまで話をして、まあわかると思うんですけど、大変なんですよ、きっと。
SaaSのスタートアップやるのもめっちゃくちゃ大変だっていうのはわかるんですけど、さらに大変なんですよね、これ。で、そんなしんどいことやりますかっていう話。私なかなかその、やっぱりね、シリアルの人じゃないと取り組みにくいことではあるのかもしれませんね。
調達できる金額だとかどうだとかっていう話からしても、さっきの令和トラベルにしてもそうですけどね、まあ最初回からすごい金額取ってますから。まあだけど、そんなこと言ってても仕方ないので、結局これできるかどうかってもう本当に野心の問題だとか、創業者の野心の問題であり、ビジョンの大きさの問題なんじゃないかなというふうに思います。
刻むようなやり方するんじゃなくて、もう最終顧客に真正面からぶつかりにいくような、そういった大きなビジョンを描けるかどうかですね。で、ここが最終的にガデン因数になるんですけど、だからこそ大事なのはアニマルスピリッツなんだという話でして。
まあ順番としては僕これが大事だと思ってるから自分たちの社名アニマルスピリッツって名乗ってるんですけど、みんな名乗ってないからラッキーぐらいに思ってます。なんですけど、いやマジで大事なのはアニマルスピリッツだと思います。
まあ要はね、皆さんがもし経営者なのであれば、売っているのがツルハシなのか、それとも金山を掘りに行くのかという、そういう話ですよね。
まあリーバイスの話によく言われるように、結局の得意ところ、ゴールドラッシュの時はツルハシ売ってた人は儲かりましたよって話ではあるんだけど、今ね、ツルハシの導入に時間がかかりすぎちゃうんですよね。
だったらもうリスク取って金山掘りに行きませんかっていう、まあそっちの方がスタートアップっぽいかもしれませんね。本来の姿なんじゃないかなという気もするし。
あとその点において、僕日本っていうのは割と悪くないマーケットだと思います。
それはそういった競争環境って話もしかいだし、資金の供給環境っていうのも小さい小さいって言われるけれども、
まあこれ鶏と卵なのでね、やっぱりアニマルスピーツが小さいところには小さいお金しか集まらないし、大きい野心があるところには非伝統的なお金も含めてお金集まるはずですよ。
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だってそれだけ大きくなるっていう絵を見せてくれるんだったら。
だから僕は根性論みたいになっちゃいますけど、野心の大きさの問題なんじゃないかなと思ってます。
そんなこんなで、もちろん今後もSaaSのスタートアップっていうのは、こういった選別で残る側のSaaSっていうのは僕は非常に興味がありますし、
また同時に本当にフルスタックでやっていくんだっていう、じゃあそれを実際どうやってやるのっていうところまで含めて念入りに考えなきゃいけないわけですけども、
そういった野心を持つ方とご一緒したいなという思いを強く持っているというところでしょうか。
はい、ということで今日はこんなところです。おしまい。
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