00:02
This is 令和スタートアップ。この番組では、猫大好き森厚子と、馬大好きYusuke Asakuraが、スタートアップにまつわる話題について、ゆるふわっとお話をしているのですが、今回は森さんがおらず、一人がスタートアップにまつわるトピックについて、ゆるふわっとお話ししております。
Asakuraです。これひょっとしたらね、以前も話したことあるテーマかもしれませんが、よく聞かれる内容なので、改めてお話をしようと思います。何かというとですね、もう経営はやらないのっていう、よく聞かれるご質問ですね。それについてお話をしたいと思います。
僕は昔、マスタートアップ、一緒に仲間たちとやっていましたし、また上場企業の経営をしていたこともあるし、今はベンチャーキャピタルなので、投資家という立場なわけですけれど。
まあね、投資やめてまた経営をやろうと思うことはないんですか?とか、やりたくならないんですか?みたいな、そういったことをお尋ねされることがよくあるんですね。
質問の意図は非常によくわかるというか、聞きたくなる気持ちっていうのは、わかんないでもないんですけれども。
だけど、何だろうな。僕の中でいつも思っていることで言うと、経営と投資っていうのを01で全く別物として自分の中で認識していないんですね。
01じゃないのであれば何なのかというと、あくまでグラデーションの差だなというふうに思っているわけです。
これね、細かな話をしたすと、これもまた以前もお話したことあるかもしれませんが、経営者、経営の仕事、役割っていうのも結構ね、そのグラデーションで少しずつ変化していくものだというふうに捉えているんですね。
例えばなんですけれども、本当に01で会社を立ち上げて、何かみんなに喜んでもらえるような、そんなプロダクトを作ろうとしている。
このフェーズの経営者のことを一般的に起業家と呼びますし、僕はこういった人たちのことを起業家と呼んでいます。
03:05
ここから01ができたとして、そこからさらにですね、プロダクトを広げスケールさせ、なおかつそのプロダクトをちゃんと商用化しマネタイズし、この事業をより大きく成長させていくこと。
こういったフェーズの経営者のことを僕は事業家というふうに呼んでいます。
これはあくまで私個人のオリジナルな語法だというふうに思っていただいて、定義だと思っていただいて結構なんですけれども、
よくいう、俗に言う起業家、01なのであるならば、01の事業を立ち上げる人が起業家と呼ぶのであるならば、1の事業を10まで大きくしていくこと。
この人たちのことを私は事業家と呼んでいるということです。
01、10とくるとですね、次は10、100のフェーズがあるわけですよ。
10、100というのは何かというと、これは何か事業が10まで育っているんだけど、それをさらに100まで伸ばしますみたいな、こういう延長線上の話というか、規模の話をしているわけではありません。
そうではなくて、01のプロダクトを一重の事業にして、10の規模の事業というものを×10やっていく。
10の事業を×10やって、結果会社全体として10から100のステージに向かう。
こういう定義なんですね。
このフェーズの経営者のことを、私は競技の経営者という呼び方をしています。
なので、01と10、10、100、同じ経営者という括りの中でも、結構やっていることは違うということですね。
いろんな人が経営者を語るときって、果たしてどのフェーズの経営者の話をしているのかといったことを、すごく注意しなければいけない。
あとこれはあるあるですけれども、一般的に経営者というと、創業経営者のことを想起しやすくて、古くは本田総一郎だとか、いぶかもさるみたいな、そういう世界ですね。
創業経営者の創業伝説みたいなものを想起してしまいやすい。
あるがゆえに、01の起業家のフェーズですね。
やってた経営者の立ち位振る舞いといったものを、僕たちは想像してしまいやすいわけです。
06:07
これはですね、結構注意しなきゃいけなくって、何となれば、経営者っていうものは、ニアリーイコール創業経営者であり、創業経営者っていうのはニアリーイコール起業家だから、
起業家、01のような立ち位振る舞いをしていない人は、経営者の姿勢として不相応しくないみたいな、勝手な自己判断、素人判断をして人を評価してしまうということ。
これはね、何ていうのか、細分化が大抵ないというか、あんまり理解が浅い外での反応なんじゃないかなというふうに、私は思うわけですけれども、
ことほど左様にですね、一言で経営者といっても、やっていることは結構違うんだよっていったことを理解しておく必要があると思います。
この経営者と対となるような概念としての投資家というものが、一般的に観念されているわけですが、
僕は、今申し上げた経営者の三類型ですね。
この中において、01から10、10から100と、広い意味での経営者の役割が変わっていくに従って、
よりその仕事の内容、役割というものが、投資家のそれに近くなっていくというふうに感じています。
つまりどういうことかというと、10、100で複数の事業をたまえている経営者の立場に立つとですね、
じゃあどの事業により注力をするのか、あるいはどの事業からは戦略的に撤退をしていくのか、
そういったことを考えていかなければいけない。
そうなった際にですね、発想がどんどんどんどん投資家っぽくなっていくわけですよ。
もちろんお金をどこにどれだけ配分するのかといったこともありますが、お金に限らずその人をどこにどう配分していくかなんですかね。
何かにつけてリソースの配分というものが非常に重要になってくるということです。
で、実際私もミクシーの代表を務めていた頃っていうのは、非常になんかこれはある種半ば自覚的に、
投資家っぽい発想で会社経営に臨んでいたと思います。
よくね、ポートフォリオマネジメントなんて、プロダクトポートフォリオマネジメント、PPMだっけ?
なんかあのバブルのチャート見たことある人いると思いますけれども、
09:02
そんな感じでどの事業はよりリソースをかけていくべきで、
こっちの事業っていうのは少し戦略的にシュリンクさせていく必要があるといったような。
そういったことを考え、計画を講じる必要があるわけですね。
この仕事って結構ね、似てるんですよ、投資家に。
VCっていうのも、別にVCに限らず、上場株の投資家もそうなんじゃないかなというふうに思うわけですが、
何をどう支配していくか、配分していくか。
投資家の場合はシンプルにお金なわけですけれども、ただ同時にVCの場合であれば、
あるいはこれ、Pファンドとかアクティビストなんかもそうかもしれませんね。
一定自分たちのチームの知恵っていうものもまた支配していく。
自分たち自身を支配していくということにおいてですね、
これやってることね、結構さっきの経営者の三類型でいうところの競技の経営者、
狭い意味での経営者に割と近いんですね。
冒頭の質問に立ち戻って、もう経営者はやらないのかという話に戻ると、
私の中で実はそんなに別々のもの、愛対するものっていう概念で捉えていない。
おそらくそういうご質問をいただく方の多くっていうのは、
きっとそういった経営者と投資家っていうのはもう、
相反する全くの別物なんだという、そういう先入観があるがゆえに、
そのようにお尋ねになるんだと思うんですけれども、
ここまで聞いていただいたら分かる通り、
少なくとも私はそんなに01っていうほど違うものではなくて、
あくまでグラデーションの問題だというふうに捉えているんですね。
グラデーションの問題として捉えている中において、
例えば01のフェーズ、企業家と投資家は、これはね結構違いますよ、さすがに。
本当にもうね、そもそもリソースの支え云々っていうか、
リソースが自分しかいませんみたいな、
自分の時間しかありません、自分のマインドしかありません、
マインドシェアしかありませんという中において、
リソースなんか考えても話しかたありませんから、
そんな中においてはですね、結局のところ、
何か無から有を生み出す世界っていうのは、
これは確かに投資家とはだいぶ随分と異なる世界だと思います。
一方で、もう既に一定程度プロダクトラインがある、
事業のラインがあるといった中において、
12:01
どう自分たちのリソースを支配していくかっていう世界は、
これは私からしてみると、
極めて投資家的なものの考え方で対する世界だよな、
というふうに思っているわけです。
この点ですね。
仮に私が何かものすごい企業アイディアがあって、
これで起業したいんだっていうふうに思っているのであるならば、
これはね、先ほど申し上げた通り、
投資家の世界とは随分と違う世界ですから、
それは何か企業家の世界に戻るぞっていうのがあるのかもしれないんですけども、
悲しいから私は別にそんなに企業アイディアっていったものがあるわけでもありませんし、
企業アイディアがないっていうよりも、より正確に言うと、
何かに変質的に愛着を持って執着を持って、
この事業をやりたいと思えるものっていうのがそんなにないんですよね。
多分あの起業貧乏な側面があるんだと思うんですけれども、
そんなに事業としてやりたいと思うものがない。
で、起業してね、事業始めるってなったらやっぱりものすごい時間かけるわけですよ。
その事業に。
ですのでそれやっぱり気合を入れて、
時間かけてじっくり取り込めると自分が思えるもの。
それだけ一定程度自分がコミット感を持てるものじゃないと難しいと思うんですよね。
この点は私はあんまりそういったコミット感を感じるものっていうのがないということです。
それよりは、より自分自身のリソースっていうもの、
自分自身っていうものを、
いろんな世の中にあるスタートアップに対してどうやってリソースを支配していくかな、
NPさんからお預かりしたリスクマネーっていうのをどう分配していくのが、
最終的によりインパクト大きくなるかなっていったことを考える方が好きだし、向いているし。
で、それっていうのは結局、
100の世界と大して変わんないということですね。
こういう話をするとですね、いやーけど、
投資家だと事業に対する手触り感ないんじゃないとか、
あとは自分が思うように事業できないじゃんっていう、
それに対する手触り感のなさとか寂しさないのっていったことを聞かれることもあります。
これはこれで確かにおっしゃる通りで、
自分で直接何か会社の経営に携わっていた方が、
何か手触り感は持てるだろうなっていうのは、それはその通りだと思います。
一方ね、これそれこそ経営してみてはわかるわけですけれども、
別にね、社長が何かしたいとかこうしようって言ったところで、
チームが本当にその通り動くかって言うと、動くわけないんですよ。
15:00
そんなのね、そりゃそうですよ。
皆さん免受副配ですから、
こういった事業やっていくよとか、これやるぞって言ったところで、
本当にじゃあはいそうですねって言って現場動くかって言うと、そんなわけがない。
だいたい自分の身に置き換えてみてもそうじゃないですか。
上司がこんなこと言ってるよ、社長またこんなこと言ってるよと、
だけどどうせまた気分変わるでしょうぐらいの感じで、
自分たち内に仕事の中に優先順位ってあるわけですから、
突発的にトップダウンで上からどうしようって言われたところで、
いきなりじゃあはいそうですかってやるかって言うと、なかなかなんないですよね。
それはもう本当にそう動くようにしつけられた、
ある種訓練された、そういう会社チームじゃないと、
なかなかそんな風に組織は動かないと思います。
だから何だろうな、経営者の方がもっと手触り感あるだろうって言うと、
まあね、全く間違ってるとは思わないけれども、
それは何だろう、経営者やったことない人の方、
なんというか妄想なんじゃないの?という風に思ったりするわけですね。
ことほどさような理由で、
まあ確かに遠くはあるし、
自分がやったことの会社に対して提言したことが実現する確率というのは、
より低くはなる。それはイエスなんだけど、
それっていうのはなんか所詮程度差なのかなと。
別に自分が会社の中に至って結局できないことの方が多いよなっていう風に
感じたりするわけで、そう思うとやっぱり、
ぐるぐる回って結局のところ、経営者と投資家っていうのは
グラデーションの差でしかないなという風に、
私は捉えています。
この点ですね、オレン・バフェットという人が
なかなかいいこと言っていて、
何言ってるかっていうと、自分はビジネスパーソンであるがゆえに
良い投資家でいられるし、投資家であるがゆえに
良い経営者でいられる。
まあ彼はバークチャー・ハザーウェイっていう指標。
まあ経営者と呼ぶのか投資家と呼ぶのかもはやよく分かんないんですけど、
まあ一応経営的な側面も担っている。
まあそういうことを思うとですね、
何だろう、経営者と投資家っていうのは
確かに随分と違うところももちろんあるんだけれども、
とはいえ全く真逆の別々の商売ということではなくて、
あくまでグラデーションの違いでしかないという風に
私は捉えているということです。
この点、今自分自身は投資家という立場で
スタートアップの方々に向き合っていますけれども、
先ほどバフェットが言った通りですね、
事業家の目線で投資をしなければいけないなと。
なんでよく自分たちのことを事業家目線の投資家という風に
言うこともありますし、逆に経営者の方であるならば
投資家目線の事業家、投資家目線の経営者であって
叱るべきなんじゃないかなと。
実際その方が会社経営ってすごくうまくいくと思います。
18:10
僕はなんて本だったかな、アウトライヤーっていう本があって、
これ放題が破天荒な経営者たちだったかな、
という本があるんですけれども、
いろんなアメリカの過去の会社、
トータルシェアホルダーズリターンが一番大きかった会社は
どういったことをやってきた会社なのかというのを見ていて、
すごい地味な会社ばっかりが紹介されているんですけれども、
実際そうやって素晴らしいパフォーマンスを出してきた会社のことが
描かれているんですね。
こういった会社群の傾向を見ていると、
やっぱり経営者っていうのが極めて投資家的なものの噛み方、
投資家発想しているなあっていったことが
大きな一要因としてあったんじゃないかなというふうに思っていて。
私自身はミクシーの経営をしていたときは、
非常に投資家的なものの考え方をしていたつもりではありますけれども、
これはいろんな経営者の方にもぜひお勧めしたいですね。
投資家の目で見て客観的に自分たちの会社、
意思決定ってどうなのっていうふうな、
そんな発想を持つとよりいいんじゃないかなというふうに思うし、
そういった発想を持ちづらいときの、
それこそ壁打ち相手として
投資家っていうものは存在し得る。
特にスタートアップに対して我々は、
そんな目線、視点を提供できればいいなと思っています。
はい、そんなところでしょうか。
今日はここまでです。おしまい。