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2021-12-10 14:24

大切な人を失った時に読む短歌|短歌のセカイの歩き方129

◆今週の短歌◆

【斎藤茂吉】酸き湯に身はかなしくも浸りいて空にかがやく光を見たり


◆短歌のオトモ◆

お一人さま逃亡温泉 身も心も浄化する旅!


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嬉しい時、腹が立った時、悲しい時、楽しい時、短歌はどんな気持ちにも寄り添ってくれます。
こんばんは、短歌の世界の歩き方です。
このポッドキャストは、毎週一つの短歌を取り上げて、短歌の世界の楽しみ方をお話ししています。
毎週金曜、夜8時に配信しています。
今回は、大切な人を失った時に読む短歌をご紹介します。
短歌が、もっと好きになる15分です。
スユキユニ、ミワカナシクモヒタリイテ、ソラニカガヤクヒカリヲミタリ。
短歌の世界の歩き方
今回は、大切な人を失った時に読む短歌というテーマでお届けします。
ご紹介する短歌は、斉藤無吉さんの短歌で、
スユキユニ、ミワカナシクモヒタリイテ、ソラニカガヤクヒカリヲミタリという短歌です。
短歌の情景は、ちょっと昔の言葉なのでわかりづらいんですけど、
簡単に言うと、露天風呂に入って、空に輝く光を見ているという情景の短歌です。
スユキユというのが、酸性の温泉のことだそうです。
酸っぱい湯って書いて酸性のお湯という意味で、
これは斉藤無吉の故郷の山形県にある座王温泉のことを指しています。
このスユキユニ、ミワカナシクモヒタリイテ、ソラニカガヤクヒカリヲミタリという短歌は、
斉藤無吉の代表作の死にたま母という中の一種になります。
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この作品がですね、東京で働いている斉藤無吉の元に、
お母さんが亡くなりそうだというお知らせが届くんですね。
それで山形の実家に帰って、
そこで母が亡くなるのを見とって、
その後に親戚がやっていた旅館かな、
座王温泉で少し体を休めてっていうそこまでの過程が書かれています。
それが死にたま母という作品、短歌の連作になるんですけど、
今回ご紹介する短歌は、その中で母を弔った後に、
座王温泉で少し体を休めているという場面を読んだ短歌になります。
すゆきゆに、みはかなしくもひたりいて、
そらにかがやくひかりをみたり。
座王温泉確かに調べてみると山西の温泉なんですよね。
山西の温泉っていうのはちょっと珍しくて、
有名なところで言うとこの座王温泉、
それから一番関東に住んでいる人で身近なのは草津。
草津温泉かなと思います。
草津はpHが2点いくつとかかなり強くてですね、
強酸性のお湯として有名です。
座王温泉も酸性のお湯でpHがだいたい平均で1.6くらいあるそうです。
酸性のお湯って酸なので草津だったりすると
金属を溶かしてしまうほど強力なんですね。
草津温泉とかだと厳選に1週間ほど1円玉をつけておくと
かなりちっちゃく、ほぼ原型がないぐらい溶けてしまう。
言われるぐらい酸性の強い温泉です。
酸性だと殺菌力が強いので、傷の湯という言い方もするそうですね。
皮膚病とかの時に殺菌してお肌をきれいにするっていう効果があるそうです。
傷の湯っていうぐらいなので、お母さんを亡くした悲しみ、
その心の傷を癒していたのかもしれないですよね。
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須行湯に身は悲しくも浸りいて空に輝く光を見たり
空に輝く光を見たりというのが露天風呂の光景を思い起こさせるんですけれども、
露天風呂に入って空を見上げる時の切なさみたいなものを感じますよね。
空に輝く光を見たり、月の光だったり星の光だったり、
そういうのが漠然ときれいだなって思う時もあるんですけど、
大切な人を失った時に露天風呂で裸で入って空を見上げると、
切ない、きれいだっていうよりも、
まる裸で宇宙に放り出されたような心細さを感じることがあります。
その様子が空に輝く光を見たり、というところですごく伝わってくる段階です。
それからまずの光、月や星の中にお母さんの面影を探しているっていう風にも読めますよね。
星を見て、あれがもしかしたらお母さんが星になってね、
あの星になって私を見てくれてるのかなっていうような想像をしたり、
こうやって温泉に浸かりながら感傷に浸っているっていう様子がすごくじんわりと伝わってくる段階です。
温泉って温かくてリラックスできるんですけど、
まる裸で心もとなさを感じる場所でもあるかなと思います。
だからこそ公衆浴場とか温泉ってみんなで入るようになっているのかなってちょっと思ったりもしました。
なんか今個室風呂とか部屋付きの露天風呂みたいのが流行っていて、
集団で入る公衆浴場みたいなのとは違って、
お一人様または身近な人だけで入るっていうのがかなり主流になってますけど、
なんか公衆浴場だとみんなで入る心地よさ、
お集団でいることの安心感みたいなものがあって私は好きです。
なんかその心もとなさが和らぐような気がするんですよね。
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短歌の世界の歩き方
今週の短歌のお供は本のご紹介です。
お一人様 逃亡温泉 身も心も浄化する旅
加藤彩子さんという方の本です。
この本はタイトルにある通り、
一人で温泉に出かけるっていうエッセイ集になってるんですけど、
エッセイだと温泉の紹介ですね。
が一緒になった本になってます。
全部で33の温泉を紹介してくれてます。
どの温泉も普段旅行雑誌とかで見ないような、
すごくディープでマニアックな温泉になってます。
加藤さんという方が本当に温泉が好きな方でですね、
インスタグラムとかで温泉の紹介をされてるんですけれども、
そういったのを一冊にまとめた本になってるんですね。
温泉地にたくさんありますよね。有名なところに。
湯封院だったり道後温泉とか、まあ草津、熱海とかね、ありますけど、
そういった温泉地の中でも、
いやこんな温泉旅館があるなんて知らないっていう、
こんな公衆浴場があるなんて、
もう全然知らなかったっていうところがたくさん書かれてるんですよ。
普段本当に旅行雑誌とか、
ネットの情報だと出会えないディープな温泉について紹介してくれてます。
それから、
お一人様逃亡温泉っていうタイトルの通り、
ちょっと都会の暮らしに疲れた時に温泉に逃亡しようよっていうようなコンセプトで書かれてるんですね。
それがすごく共感できて、
私も疲れたらこんな温泉に行きたいなーって思わせてくれるんですよね。
エッセイの部分も本当に共感することが多くてですね、
まあこんな風に仕事で疲れた後は、
化粧をしたり身を飾ったり、
そういうところを見るとですね、
いやー本当に私も疲れちゃったから温泉に行きたいなーっていう気分にさせてくれます。
で、
お一人様は、
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お一人様は、
お一人様は、
お一人様は、
お一人様は、
お一人様は、
で、結構知らなかった温泉の世界が本当に書かれていて、
例えば私、この本でぜひ私も味わってみたいなと思ったのが、
温泉粥です。
温泉で炊いたお粥のことなんですけど、
こういうのがあるって知らなかったんですね。
だからなんか普段マックとかね、お肉食べたりとか、
私はジャンクなご飯がすごく好きなんですけど、
ポテトチップスとかね、
なんかまあちょっと胃も疲れるし、体も不調になりやすいので、
そういった時にこういったディープな温泉に一人で逃亡して、
温泉街を食べるっていうのはすごくいいんじゃないかなと思いました。
ぜひ来年は私もお一人様逃亡温泉をしてみたいなと思っています。
というわけで、今週の単価のお供は、
加藤彩子さんのお一人様逃亡温泉、身も心も浄化する旅をご紹介しました。
はい、いかがでしたでしょうか。
今回は斉藤もきちさんの、
すゆき湯に身は悲しくも浸りいて、
空に輝く光を見たり、
という単価をご紹介しました。
単価の世界の歩き方は、
毎週金曜夜8時に配信しています。
また来週金曜夜にお会いしましょう。
それではおやすみなさい。
14:24

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