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こんばんは、北詰若菜です。
このポッドキャストは、好きな歌人の方の短歌や、自分で作った短歌について、勝手にあれこれ想像しながらおしゃべりしています。
裏テーマは、金曜夜のそいねラジオです。リラックスして聴いてください。
今回は、人の関係の素っ気なさや、残酷さを感じる短歌をご紹介します。
月を見つけて、月いいよねと君が言う。
僕はこっちだから、じゃあまたね。
月を見つけて、月いいよねと君が言う。
僕はこっちだから、じゃあまたね。
今回は、永井優さんの短歌をご紹介します。
永井優さんの、日本の中で楽しく暮らすという歌集に載っている短歌です。
経歴を見て、同い年なんですよね、私と。
なので、すごく親近感がわきました。
永井さんの歌集の批評しているサイトに、
永井さんの短歌の特徴として、
用言、動詞が多かったりとか、
一首の中で時間の経過が流れていたりとか、
そういう特徴があるというふうに書いているサイトがあって、
これもアリなんだって思ったのが、
すごく永井さんの歌を知れてよかったなと思いました。
というのは、短歌って結構瞬間を切り取る詩の形っていう風に言われていて、
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一瞬の切り取るっていうのが大事っていう風によく聞いていたので、
だらだら時間の流れがあるっていう表現にはあんまり向かないんですよね。
私も結構その一首の中に時間の流れを読み込む癖があって、
そういうのは今まで2回歌会に参加した時にどちらでも指摘されたことだったんですね。
時間の流れがあるといけないわけじゃないと思うんですけど、
時間の流れが短い言葉の中にあると結構印象が薄くなるのかな。
なんでいけないでしょうね。
でも意味はちょっと分かりづらくなったり、
一瞬を切り取った鮮烈さみたいのはきっと薄まっちゃうんじゃないかなという風に思っています。
皆さんがどういう理由でそういう風に言うかはちょっと分からないですけど、
ただ長居さんの歌っていうのは、
要言が多いっていうのは動詞が多かったりすると結構ドタドタしたり、
あと時間の流れがあったりするとよく視線がブレる。
あっち行ってこっち行ってみたいな感じになっちゃうので、
短い言葉の中で慌ただしくなっちゃうんですね。
読み手の方も想像があっち想像してこっち想像しててすごく慌ただしくなっちゃうっていうあんまり良くない面があるんですけど、
長居さんの歌はまだそんなに色々読み込めていないんですけど、
いくつか見て、そういうドタドタさはなくって不思議とすっきりしていて、
だから一概に要言が多すぎると良くないとか、時間の流れを読み込むと良くないとか、
そういうわけではないんだなという風に思えたのがすごく発見でした。
今回の歌の月を見つけて月いいよねと君が言う、僕はこっちだからじゃあまたねっていうのは、
結構言葉の5・7・5・7・7の区切りが難しいので、あんまり5・7調の読み方をしないで、
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なんとなく一遍の詩を読むような定型詩じゃなくて自由詩を読むような形で読ませていただきました。
月はいいですよね、月は好きなんですけど、
これ結構ひどい男感がすごく出てるなと思ったんですけど、
どうなんですかね、読み手によって感想は違うと思うんですけど、
私はこの男の人とは付き合わない方がいいっていうか付き合えないっていう印象を持ちました。
多分私の解釈ですけど、女性と男性が一緒に並んで夜歩いてて、
ご飯食べてたとか、夜になる前から一緒にいたんでしょうね。
帰り際にきっと女の子の方はこの僕が好きで、夜一緒に二人っきりで並んで歩いて、
ちょっといい雰囲気だなって思って、なんかそのちょっとロマンティックさに酔ってるというか、
もしかしたらこれはいい雰囲気かもしれないっていう何か期待感みたいのがあって、
月を見つけて月いいよねって言ってみたんだけど、じゃないと言わないですよね。
なんか急にただの友達で、そういうロマンティックさを共有できるっていう前提がある友達とだったらありだと思うんですけど、
ただの友達同士で月いいよねとか言ったら、どうしたんだよお前みたいな感じになっちゃうかもしれないですけど、
きっとなんかそういうロマンティックになる期待みたいな、なんかそういう雰囲気になりたいっていう、
しかもなんかもしかしたら上手くいくかもしれないみたいな期待感が月いいよねっていう、なんかちょっと普段出てこないような言葉に感じられました。
で、それに対してそうやって君が言う、そしたら急に僕はこっちだからじゃあまたねって、
これはもう僕は君のことが全然好きじゃなくて、むしろロマンティックな空気を出したのがめんどくさいって思ってるという風に私は解釈しました。
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どうでしょう。そんなことないよっていう人もいますかね。
どう思いますか。私あのなんだろうな、これはね脈がないと思うんですよ全然。
たまにね、すごくポジティブにというか、その脈がないっていうのを認めたくなくて、こっちだからじゃあって言われてもなんだろう、
本当に用事あったのかなとかなんだろう。
じゃあって今回は別れちゃったけど、でも一緒に夜月明かりの下帰れたっていうことはなんかもしかしたら、
あの時はなんかいい雰囲気だったから脈あるんじゃないかなとか、なんかそういう風に認めたくない。
いいところをいっぱい頑張って探すみたいな、なんかそういうこともあるし、それがきっと恋してる状態なんだと思うんですけど、
だってね、誰だってあの脈ないって認めたくないし、ちょっとでもなんかあれは気を変えちゃったけどでもあの時の雰囲気良かったぞみたいな、
なんかその一縷の望みに欠けたいっていう思いありますよね。
だけど私はこのパターンは何をしてもダメだと思うんですよ。
これ冷たいですかね、どうなんだろう。
いやそんなことないよって男の人から言う人もいますかね。
帰ったからって別に好きじゃないわけじゃなくて、好きなんだけど本当に用事あったから帰っただけだしっていう人もいますかね。
なんか私結構男の人ってすごく可愛くて、自分が好きになった人にはすごく時間を割く、頑張る、すごく努力するっていう印象があるんですね。
だからちょっとでも二人で歩いてて、好きよねとか女の子がロマンティックなこと言ったら、
あ、もしかしてこの子は僕のことが好きなのかなって思って、なんかこう頑張る勇気になるっていうか、もしかしたらいけるかもしれない。
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よしここでちょっと勇気を出して誘ってみようかなみたいな、なんかそういう頑張るきっかけになりたい。
でもなんか逆に全然気にしてない人がアプローチされるとめんどくさいみたいな、なんかごちゃごちゃしちゃったら嫌だからじゃって帰っちゃうみたいな、
なんかそういう冷たさがあるのかなと思ってて、あ、ごめんなさいね、こんなの全然違うっていう思うパターンもあると思うんですけど、
私はなんとなくなんかそういう風なのかなと思っていて、でもなんかそういう冷たさ、残酷さみたいのもあるよなと、それが良い悪いっていうのは特になくて、
そうやってわかりやすく言った方が誤解がなくていいしとか、そういう良さもあると思うし、あとなんかその行為に対してめんどくさいっていう気持ちって、
うーんと、こうなんだろう、道徳的に考えるとちょっと冷たいんじゃない?みたいに思うような感情ですけど、でもありますよね。
なんかの愛がめんどくさいっていうことってあるんじゃないですかね。
すべてなんか愛が正義とか、愛は尊いものとか、いつも愛が正しくて善良なものっていうわけじゃなくて、好きでもない人になんかこういう好きよねとかいう不思議なアプローチをされた時のめんどくささって、
ちょっと酷いような気もするんですけど、なんかこう心理としては全然ありえますよね。
なんかそういう、えーひどいよとかって言われちゃうようなことも素直な気持ちとしてシンプルな言葉でポッと出すっていう、これすごく単価の力なんじゃないかなって思いました。
そういうところがきっと永井さんの単価の素敵なところなのかなというふうに思いました。
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これ本当たまたまネットでですね、次何ご紹介しようかなと思って色々探してた時にこの歌に出会って、歌手を果たしてるっていうことを知って、
アマゾンで売ってるんですよ。で、なんかそこにこうサンプルっていうか内容紹介みたいないくつか歌が並んでるんですけど、なんかそれもですね、結構よくてですね。
なんだろうな。なんかひどいこともそうじゃないことも素直な気持ちをポッと出すみたいな。なんかそれが道徳的にどうとか、正義とか愛はなんだとか。
なんかそういうことを全部取っ払った、本当にただ感じたままの気持ちっていうのは、これ結構作る側としては怖い瞬間もあるような気がするんですよね。
できれば何かそういう作品を作る時ってそういう道徳感みたいなものを全部取っ払って、向き出しで出したいと思うんですけど、たまにこれっていいのか、いいよな、みたいな。
ちょっとこうオズオズって出すみたいな感じの時もあるんですけど、なんかそういうなんかオズオズした感じもなく、はいポンみたいな、はいできましたポンみたいな、全然そうじゃなかったら本当失礼ですけどね。
なんかそういうなんかこうポンっていうなんか感じが強さなんですかね、そういうのを気にしない強さみたいなのがなんか感じられて、なんかこの歌集は買おうかなと思ってます。
なんか他の歌も読んでみたくて、アマゾンでですね、1404円で売ってましたよ。4円って何でしょうね、44ってなんか不吉、でもちょっと気になりますね。
もしあの歌集買って読んでみて、ギターの他にもいい歌がたくさんあると思うので、また見つけたらご紹介したいと思います。
はい、いかがでしたでしょうか。今回は永井優さんの月を見つけて、月いいよねと君が言う、僕はこっちだから、じゃあまたねをご紹介しました。
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単歌でおしゃべりは毎週金曜夜8時に配信しています。また来週金曜夜にお会いしましょう。それではおやすみなさい。