第53回 廊下と建築 〜廊下はむしろ建築の主役なのではないか〜
2026-10-02 24:14

第53回 廊下と建築 〜廊下はむしろ建築の主役なのではないか〜

廊下の話から豊かな社会の話へ、さらには「比較芸術学」という学問の話まで!

逆に学校の廊下の話や、美術館の廊下などなど、いろんな「廊下」について話します!

みなさんは、廊下と聞くと何を思い浮かべますか?


●部分と全体?

・廊下は脇役に見られがち

・通過地点みたいな扱われ方

・廊下を極力減らそうという流れ

●実は廊下の体験って大切

・美術館などは廊下の存在がわかりやすい

・鑑賞空間もすべて移動空間でもある

・展示室内と廊下空間が分かれてる

●廊下と通路のちがい

・日本における廊下は余白空間?

・学校生活で廊下は1番大事かも

・みんな休み時間に廊下でたむろしてた

・廊下を主役にした学校設計もあるよね

●"何でもない空間"の大事さ

・何にでもなれるスペース

・音の緩衝スペースとしての「廊下」

・プライバシーのための「廊下」

●集合住宅設計におけるレンタブル比

・廊下の比率が全体の雰囲気をつくる

・物の価格の決め方の問題?

・空間の価値=面積の大小ではない!

●目に見える指標だけで価値を測る社会

・いくつもの指標の組み合わせになったほうが豊かな社会になってくかも?

・廊下の話から飛んできたな

●ネット美学としての"リミナルスペース"

・『リミナルスペース』面白い

・8番出口やバックルームズなど映画にも影響

・空気感とも繋がる気配

●気配があることも廊下の面白さ?

・部屋は人がいないと気配もない

・廊下には人がいなくても気配がある

・空間に対する期待感?

・部屋は人がいる/いないのゼロヒャク

●やっぱりホラー文脈?

・ホラー?テラー?違うのか?

・「ホラーと建築」もまたやりたい

・マキの修士設計のテーマは「ホラー」

・建築にも怖さがあってもいい

●「比較芸術学」という哲学分野

・建築には必ず「移動」と「目的」がある

・つまり廊下も主役なのでは?

・医療ドラマはみんな移動しながら話す

●廊下も目的になりえる?

・移動性と目的性のコントロールも設計の範疇

・曖昧な空間もありえるよね

●「ホラーと建築」も乞うご期待!


感想

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サマリー

廊下は部屋へ移動するだけの脇役ではなく、移動そのものの体験や、人が集まる出来事を生む建築の主役になり得ると話します。美術館では鑑賞空間と移動空間の境界が曖昧で、学校では休み時間に人が集まる場所として機能していました。住宅では、廊下が音を遮りプライバシーを守る一方、面積で価値を測る考え方から削減されがちだと指摘します。さらにリミナルスペースの不気味な気配や、建築における「移動」と「目的」の関係を通して、廊下が目的地にもなり得ること、曖昧な境界を設計できることを考えます。最後に、廊下を題材にした「ホラーと建築」の回への期待を語ります。

廊下は建築の脇役なのか
トーク・オン・キャノピー 〜羽休めの建築雑談
このチャンネルは、大学の同期でそれぞれ建築関係の仕事に携わるマキ、シュン、トッキーの3人が、毎回一つの日常のテーマと建築の接点を探りながら雑談するトークバラエティです。
はい。じゃあ、今日も元気にやっていきましょう。
今日のテーマを、マキさんからお願いします。
はい。今回は廊下と建築です。
廊下。部分と全体みたいな感じだね。建築の中の一部分を取り上げてきたね。
そうだね。
廊下って、脇役に見られがちなんだけど、部屋が目的となっていて、廊下はそこに至るまでの通過するための場所みたいな形になっていて。
たぶん住宅とかだと、もう廊下はないほうがいい。
極力減らそうみたいな?
そうそう。平米数が下げられてる。なんで移動のために廊下が必要なんだろう。
その戦いあるね。
結構廊下って、移動だけだけど、実際の建築とか見てると、その移動の体験とか、スイクエンスとかが次の目的となる部屋にたどり着いた瞬間に発揮されるみたいなことが結構あると思っていて。
そんな脇役を今回扱いたいなと思って、廊下と建築にしました。
なるほどね。
美術館だとね、廊下とかがすごいわかりやすいというか、ある建築家に移動するためではあるんだけど、そこはちょっと地帯が煽ったりとか、一回リセットする場になってくるから、結構効果的だと思って。
美術館と学校で主役になる廊下
美術館とかだと、廊下との区別が曖昧になっていくよね。
展示物を見る空間も通路というか、歩きながら見ていくみたいな。
移動空間、美術品の鑑賞空間って割と移動空間がほとんど占めているというか。
でも立ち止まって見てもいいし、座ってみてもいいし、見るための空間と移動するための空間が分かれていない空間が展示室内であって、それらを繋ぐ廊下みたいなところで考えると、どっちも移動空間の一部だから、境界が曖昧だなと思ったりはする。
廊下と通路に違いがあるってことだな。
廊下と通路ってちょっと違うよね。
詳しい歴史とかちょっと分かってないけど、廊下って日本の住宅における部屋と部屋を繋ぐための場所として、
結構古い家屋とかにも残ってたりとかする一般的な通路。
縁側とか。
そうそうそうそう。
でも今現代だと本当に廊下って形に追いやられる。
廊下ね。
廊下って言うと、俺すごい子供の頃の学校の廊下を何となく思い出すんだけどさ。
なるほど。
俺結構学校において廊下って下手したら主役レベルなんじゃないかって思ってて。
休憩時間みんなめちゃくちゃ廊下行ってたんだよな。廊下でめちゃくちゃ喋ってたんだよな。
たまらってるよね。
教室の中にいない。
それはなんかあれだと思うの。
そのクラスで別れてて、別のクラスの友達ともいられるというか、
居やすい場所としてみんなとりあえず外に出るみたいなのはあったと思うんだけど。
学校空間って廊下じゃね?って。
俺廊下に通ってた気がする、学生の頃。
廊下のために学校行ってたと思う。
別に変な廊下ではなくて。
全然もうただの廊下。
いわゆる日本の小学校を想像した時に、
手洗う場所とかあったりとか、
なんかかかってるみたいな。
体操服かなんかかかってるみたいな廊下みたいな。
なんか掲示板みたいなのが教室側になってて、
チラシ貼ってあるみたいなレベルの本当にただの廊下。
でもあれも廊下だよね。
廊下って言うとあれだよねみたいな。
なるほどね。
学校とかはやっぱりその廊下、
新しい有名な建築家が設計した学校とかだと、
やっぱりその廊下がすごく主役として取り上げられてるようなデザインって多いんじゃないかなって思うかもしれないな。
なんかやっぱりみんなが集まる場所としてどういうふうに、
それこそ廊下すごい広い小学校とか最近結構あるじゃん。
出てきたりとかしてない?
あるね。
最近の小学校そんな感じあるよね。
あるよね。
オープンなスペース。
何でもないスペースの良さもあるよね。
住宅の廊下と空間価値
さっき川尾牧が住宅の設計とかだとどうしても用途詰め込みたいときに極力廊下を減らしてみたいな流れももちろんあるけれども、
何にもなれるスペースみたいなのって結構大事だよね。
そうだね。
あとやっぱり今ふと思ったのは日本の建物って木造でできてるから結構音とかが木造だし障子だし音が結構漏れ出ちゃうっていうか。
その時に廊下があることによってプライバシーをある程度一層かませることでプライバシーを保てていたのかなみたいなことはちょっと思うかな。
多分西洋の建物とかだと石造りだったりするから壁が分厚いから廊下あるところもあると思うけどリビングに直接部屋がつながっててみたいな。
でもそれでも十分プライバシーは保てるみたいな。
プライバシーは確かに大事だよね。廊下が干渉体になって音とかを遮るみたいなことだよね。
それめっちゃあると思う。
住宅の設計とかそれこそ廊下ゼロにしてくださいみたいな勢いで多分みんな話すんだろうけど、それはそれで使いづらいみたいなことがどのくらい伝えられるかみたいなね。
そうだね。やっぱり日本は土地がちっちゃいからね。大きいお家建てられないからそういう考え方になるのかもしれないけどね。
マンションとか販売するときになったらある程度部屋の平米数とか、部屋が何床あって洋室が何床あってっていうときにその分同価に取られたりすると見栄え上の数字が少なくなるじゃん。
全体の話で言うとね。集合住宅全体で言うとね。レンタブル費とかの話ってことだよね。
そうそうそう。
結構サブに回されがちだけど、マンションとかって言うともう片廊下にするのかコアにするのかってことだね。
結構全体の景観がそれによって左右されるかな。
本来ならもっとメジャーになっているべきものなんだけど、やっぱりちょっと嫌われている屈もあるなとは思ってるかな。
たぶん土地の価格問題、価格問題というか、なるべく得をしたいっていうその気持ちでそうなっちゃってるっていう感じなんじゃないかな。
得をしたいというか、物の価格の決め方がそうなってるっていう話なのかなって気がする。
面積で金額決めなくてもいいわけじゃん。
空間の価値って別に面積が大きければ価値高いかって言われるとそうではないよねみたいなことが議論できるような社会になればもう少し改善するのかなっていうか。
もう少し廊下にスポットライトが当たってくる可能性もある。
スポットライトかというか、その廊下があることでいい空間になってるよね。そこにお金払った方がいいよねっていう風な議論になっていれば、こうはならないと思うんだけど。
今とにかく単純な指標で金額をみんな決めたいんだよね。基本的には世の中って。
誰の目にも分かる指標で金額を決めたいから、部屋の面積がいくつ取れてるかによって金額感が変わる。
その部屋の内部の仕上げにどんぐらいお金かかってるかによって借りられる賃料みたいなのが変わるみたいな。
その場所の立ってる土地の価格によって全部決まるみたいなのが目に見える指標としてあるからみんなそれを取りたがるんだけど、
実際生活するってなった時に広さだけが大事なの?みたいな。
その町自体の価値も土地の地下だけがその町の価値なの?みたいな。
みたいな話まで議論できるようになってくると豊かな社会になりそうだよね。
廊下の話から豊かな社会の話がつながるっていう。
最終的にそれが廊下ってものの価値を今隅に追いやられている状況から変えるには、
そういう議論ができる、ちょっと高度な話をしながら価値を決めるみたいな社会にならないと、
失われているものってあるよねって感じがする。
確かに高度なのかわかんないけど、文化の違いみたいなところもあるかもしれないし。
リミナルスペースと廊下の気配
ちょっと話が変わるんだけど、
インターネット美学ってインターネットの中で美学とされているものの中で、
最近流行りだったリミナルスペースってあるんだけど、
あれ、もともとロビーとか廊下を指すリミナルっていう通過点っていう言葉を指してリミナルスペースなんだけど、
それは見たことあるようなホテルのロビーとかなんだけど、誰も人がいないみたいな。
ある集合住宅の中の廊下。
ストレートで見渡せるんだけど、そこには人も一人もいない。
物理的に怖い現象があるわけじゃないんだけど、どっか不気味な状態になってるっていう感じで。
俺リミナルスペースの本持ってるよ。
持ってる?これも同じやつ?
同じやつよ。これおもろいよね。
おもろい。
リミナルスペースね。確かに流行りもあったね。
8番出口とかね。あれリミナル意識して作られてる感じが。
バックスペースって映画にもなったけど。
それは廊下だよね。廊下に近い。廊下だけがあると気持ち悪いみたいな感じだよね。リミナルスペース。
少し前の舞台で空気感とか出たけど、廊下の中にも空気感がある気がして。
独自の人の気配が本当はあるはずなんだけど、ホテルとか。
他に滞在してる人がいて、すれ違うはずなんだけど、誰もいなくなって。
気配だけがある状態が廊下としては面白いんじゃないかなと思っていて。
廊下だけがあるんだね。
部屋は全然まとめきれてない。
部屋は人がいなかったら気配とか感じられないんだけど、廊下って移動のための空間だから。
どこかから人が出てくるんじゃないかとか、すれ違ったりするんじゃないかみたいな。
そこの期待位置みたいな。
そうそう。全ての空間になるから。
なるほどね。
部屋の中だと自分が一人いないだけのパラメータだけど、廊下は何かが出てくる。
確かに個人の部屋だと、誰かの部屋に入るときってノックしたりとか入っていいとかさ、声かけがあったりとかピンポンされたりとかするけど、
廊下に関してはいきなりドアが開いて人が出てくる可能性があるっていうことだよね。
どっちかというとホラーの文脈だよな。
まきさんが好きな方向なんだと思うんだよな。
リミナルスペースとかもホラー文脈というか、ホラーというかテラーというかみたいなところじゃん。
ホラーとテラーって違う?
ホラーとテラーって違くないんですか?
ホラーというかテラーっていうのが。
俺ホラーとテラーってちょっと違うかなと思ってた。
ちょっと違うかなと思う。
まあでもそうね、リミナルスペースとかはちょっと別の回でホラーと建築として売れてるところでは。
いいね。
こんな感じだとも思ったよ。
ホラーそうだね。
まきさんの終始設計のテーマホラーでしたもんね。
そうそう。
期待値があるとか、何が起こるんじゃないかみたいなところの不穏な状態みたいなのが建築にも波及できるんじゃないかと思った。
それが恐怖感ではなく期待感みたいなプラスな方に行くイメージみたいなことなのかな。
でもマイナスも全然あっていいと思ってて。
なるほどね。
ちょっと怖さみたいなものも必要だよねっていう立場ってことね。
なるほど。
移動と目的から考える建築
この回で言いたいのは、もっと廊下をフューチャーしたいっていう話なんだけど。
最近知った論言の中で、ダグウェルとフライが比較芸術学っていうものを出してて。
その中でいろいろ。
一応鉄型の分野なんだけど、この中で建築芸術について語ってるのがあって。
そのまま言うと、全ての建築芸術は目標と進路という2つの経路を媒介する空間形成である。
全ての建物は建築的に結成された進路っていう風に建築のことを言っていて。
今廊下があまりフューチャーされなくなってくるけど、基本的には住むなり、美術を鑑賞するなり、ホテルとかもそうだけど。
ある目的を持って部屋に行ったり空間に行ったりするときに、必ずと言っていいこと。
移動が。
そうそう。建築の中には必ず移動と目的っていうのがあるから。
だから廊下って大事なんだよって。
そうそう。
なるほどね。
本当はその移動みたいなところが。
主役とさ言えるみたいなこと?
そうそう。建築を定義するのに対別できる目標となるものと、そこにいたら移動の2つに対別できる。
その見方で今まで全然考えたことなかったなって思ってたんだけど。
なんか医療ドラマとか、もちろん患者さんのいる部屋とかもよく映ってるんだけど、多分お医者さんって忙しいから歩きながら話すんだよみんな。
で、医療ドラマあるあるで、廊下で話しながらお医者さんとか患者さんが歩いてるっていう。
だから結構その医療ドラマは廊下で話してるっていうことがすごい多いなっていう。
確かにね。
会議室とか当直室もあるけど。
何やりどうだったみたいな言って、何やりでーすって報告しながら歩くみたいな。
そうそう、歩くみたいな。走るみたいな。若干早歩きみたいな。
運ばれてくるシーンもね、ベッドに乗せて廊下があって走りながら、「大丈夫ですか?」って言いながら。
だから、地続き。
廊下を目的地にする設計
さっきのマッキーが取り上げてくれたこのダゴベルとフライさんの言説みたいなのをちょっと聞いてて思ったんだけど、
目標と進路みたいな2つに分けられるみたいなふうに書いてるけど、そこもグラデーションあるんじゃないかなみたいなのをちょっと思うんだよ。
うん。
考えると廊下っていうのは目的地にもなり得るというか、廊下で起こる出来事があるみたいなことが多分トッキーが言いたいことなんだと思うと。
うん。
出来事が起きる場所と移動する場所みたいなことじゃなくて、実際移動しながら何かが起きててとか、移動した先も別に、さっきのね、一番最初の美術館とかの話だと、展示室内に通路があって、そこでも移動しながらみたいな、
そのグラデーションというか、どっちも互いに行き来できる要素があるのかなみたいなのをちょっと感じたから、廊下が建築の主役になり得ることも多分あるとは思うし、そうじゃないパターンもあって、それをコントロールするみたいなのは設計の範疇なのかなみたいな。
なるほどね。
うん。
思ったよ。
でも、確かにそのグラデーショナルに設計、あえてデザインされてるみたいな。
とかね。
そうそう、壁が実は、教室と廊下が、ドアがしっかりあるわけじゃないとか、壁がちょっとそびえ立ってるだけみたいなとか、そうすることによって、廊下と教室の合間の境界線がよくわからないみたいな空間があったりみたいなこととかも、みたいにするし。
うん、曖昧な空間がね、ちょっとこうあるだけで。
うん。
うん。
うん。
どうですかね、どうですか、まきさん、今日話し切れました?
テーマ発案者まきさん。
これはですね、ホラーのところで、廊下が持ってる空気感みたいなのを話したけど、もう一回ホラーと建築の回を作って、そこでもちょっとまた廊下に触れられるといいかなと思いました。
いいね。
ホラーと建築どうせやるしね、まきはね。
いつかやるよ。
どうせやるのは知ってたから。
任務構成ぐらいにしたい。
うん。
じゃあみなさん、ホラーと建築はお楽しみで。
お楽しみで。廊下と建築は、廊下もっと大事にしましょう。
雑。
廊下にもね、スポットライトもっていう。
廊下にも愛を。
愛を。
ください。
パワーワード最後残そうとしてないのに。
廊下にも愛を。
ということで。
本日もありがとうございました。
ありがとうございました。
チャンネルのフォローもよろしくお願いします。
それではみなさん、また来週。
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