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2024-04-22 08:51

コロナが音楽業界にもたらした変化についてのお話

サブスク流行でCDが売れなくなり、ライブがアーティストのメイン収益源になったところに来たコロナ禍。コロナで音楽業界にどんな変化が起こったか、という話です。若干、クラシック音楽業界中心です。

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こんにちは。2日ぶりのポッドキャスト収録になります。 前回は、コロナの蔓延で音楽業界結構厳しかったねという話をしたんですけれども、
その中でですね、私、コロナが始まったのを2021年って喋ってたんですね。 でも、よくよく考えて確認してみたところ、2020年ですよね。
この数年、いろんなことができなかったりとか、リモートワークが中心になってあまり外出することがなかったりとかしたので、どうも記憶が曖昧になってますね。
皆さんはどうですか? 今日は、コロナ前後で音楽業界がどういうふうに変わったのかということについて、ちょっとお話ししてみたいかなと思っています。
まず前提としてお話ししたいんですけれども、コロナ以前、音楽業界どういう感じだったのか?
日本でもApple MusicやSpotifyなどのサブスクリプションサービスが始まって、CDの売上が急激に減っていった。
その結果ですね、いろんなアーティストの方たちがCDの販売を軸にするのではなく、ライブの活動の方を軸としてやっていたのがコロナ前の状況ですね。
特に海外は日本よりも早い時期でCD離れが起きていて、ライブやフェスティバルなどの体験的なコンテンツ提供ということで儲けを上げるというのが音楽業界に起こった変化でした。
ところがコロナでコンサートができなくなってしまったわけです。
そうなった時、どういう変化が音楽業界に起こったかと言いますと、まず対処として観客入れない無観客コンサートというのを開いて、それをスリーミング配信ということをいろんなアーティストがやるようになりました。
これはクラシック業界でも同じで、日本では4月ぐらいの時期に務川慧悟さんと反田恭平さんという有名なピアニスト2人が配信コンサートを行って結構な売上を上げたということで、
クラシック業界でとても話題になりました。
その時の記録をちょっと探していたんですけれども、とあるインタビューの中で反田さんが有料配信チケットを買ったのが2000人ぐらいとか書いていたんですけれど、
その配信を見ていた友人が言うには数万はいたと言ってるんですよね。
ちょっと同じコンサートのことを言ってるのかわからないんですけれども、とにかく大成功を収めたということは間違いないです。
実はこのコンサート企画について、反田さん、務川さんの事務所の方から配信やるかもしれないという話は聞いていたんですね。
というのも、務川さんの楽譜を当社で出版していますが、その時の話し合いが2020年の2月とかそれぐらいだったんですね。
その時に、2人が作ったNexusという会社のマネジメントをされている方とお話をして、
4月に2人とも日本にいるけれども、でもちょっとコンサートできそうにないから配信という形にするかもしれないというふうに言っていました。
ちなみにご存じない方にお二人を紹介しますと、反田恭平さんは、先のショパンコンクールで2位を受賞して、かなり世間でもニュースになった方です。
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情熱大陸にもそれ以前に何回も登場していたので、かなり知られていると思います。
務川さんも今大変な人気なピアニストで、2人は2012年の日本音楽コンクールで同率1位を受賞した時からの知り合いだそうです。
2人による無観客コンサートが大きな反響を呼んで大成功を収めたということで、いろんなクラシックのオーケストラやアーティストが配信を積極的に行うようになりました。
これがどれだけ画期的なことかと言いますと、それまでクラシック音楽を生中継、テレビとかも含めてですけれども、行うということはほぼなかったんですね。
年末のカウントダウンとかで演奏するコンサートは生中継ということがあるんですけれども、それも中継車を出すのに放送局関係の人から聞いたんですけど、結構なお金が出るらしく、
NHKでもそんな何台も持っているものじゃないらしいんですよね。しかもスイッチングなどもその場でやるので結構な負担がかかるわけなんですよね。
クラシック音楽だと静かな部分も多いので、カメラ動き回って音を立てるというわけでもいかないので、生中継というのはあまりやられてこなかったんです。
この生中継という形態がすごく効果的に働いたのがコンクールなんですね。
ショパンコンクールやチャイコフスキーコンクール、日本だとピティナなどとか、いろんなコンクールが全編YouTubeで配信されるようになって、何が起こったかと言いますと、
家にいながらYouTubeを見てコンクールの内容、今の演奏はどうだったとか、そういったことをどんどんつぶやけるようになった。
言ってみるとコンクールがサッカーの試合のように一つのエンターテイメントとなったわけですね。
コンサートの生中継の方はコロナがだいぶ落ち着いたぐらいから件数も減ってきて、
少なくともクラシック分野では生中継を行うということはあまりなくなってきていますが、このコンクールの生中継というのはもう今は完全に確立されているような状況にあります。
またこれはクラシック以外の音楽ジャンルの話なんですが、アーティストの方もなかなかライブができなかったりとか、世界ツアーもまだまだ難しかったりする中で、
観客が客席からスマホでライブを撮影して、それをYouTubeなどで共有する。かつてはそういうのに対して厳しい姿勢をとっていたアーティストも多かったと思うんですけれど、
今はもう結構解禁とまではいかないですけども、黙認されているに近い状態があります。
もう今皆さん手元にスマートフォンがあって、スマートフォンもなかなか優れているので、それで撮るだけで結構綺麗な画像と音で誰でも動画収録できる。
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それがやはり大きな変化の原動力になったんじゃないかなとは思っています。
あともう一つ指摘しておきたいのがチケットの売れ方ですね。かつては例えば有名な海外アーティストがやってくるとなると、チケットの発売が半年とかそれぐらい、
場合によってはもっと前から発売されていたんですが、コロナでコンサートが直前になって中止になったりだとか、
あるいはお客さんの方も急に自分が病気になるかもしれないということで、直前になるまでチケットを買わないということが増えてしまったんですね。
特に海外アーティストのチケット販売などの場合、告知からチケットの発売、実際のライブまで2〜3ヶ月ということも結構当たり前に今行われるようになってしまいました。
これが良いことか悪いことかというのはちょっと人にもよるとは思うんですけれども、
仕事が忙しくて有給のやりくりに大変な方だとか、あるいは地方から東京とか大きな都市の方に出向かなければならない人にとってはチケットを取りづらい状況になっているのかもしれないなと思います。
そういう状況もあって、多分全体として見たとき、ライブに行く人という数がちょっと減っているのではないかなとは思います。
そうするとどうしても知名度のあるミュージシャンにはお客さんがやってくるけれども、まだまだ若手のアーティストなどに集客という意味で苦労することは多いんじゃないかなと思っています。
特にコロナ前に、例えばクラシックでもコンクールなどで大きな賞を取った方、これから売り出しという時にコロナになってしまって、その機会を逃してしまったということが結構ありまして、
我々の会社の友人でもあるマルク・ブシュコフというベルギー人のバイオリニストがいるんですが、彼もそのことをすごく悔やんでいました。
ちなみにマルクは今年また来日をして、ピアニストの藤田真央さん伴奏でベートーヴェンのバイオリンソナタを演奏する予定になっています。
まとめとしましては、クラシック業界、それまでネットで自分の演奏を配信するということにあまり積極的でなかったアーティストも積極的に配信を利用する、
YouTubeなどで演奏を上げておいて、それで評判になって楽譜を売ってくれたりだとか、あるいはライブの集客を増やす、そういった試みを行うアーティストが増えてきたというのが、
コロナ以降に起こったクラシック業界の音楽の変化だと思います。 少し長くなりましたが、本日はこの辺で、それでは。
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