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2024-03-16 05:56

これから作りたい本・当社だから作れる本、という話

手製本がまだ生きている分野ってあるんですよね。身につけた技術で出版できる本ってなんだろう?というお話です。今は3月15日のロスタイムです。

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こんにちは。7回目のポッドキャストです。
まだ1日焼いてしまいました。どうも花粉症の季節は、夜、寝れているようで、鼻詰まりとかでよく寝れていないようで、日中眠くて眠くて仕方なくて、昨日は割と早く寝てしまいました。
先回のお話は、自分の会社でやっている製本についての話でした。
内容といたしましては、お金がないということもあるんですが、楽譜に必要な製本形式を引き受けてくれる印刷会社、製本会社がもう少ないということと、合理的な値段で商品を販売するために、自分で製本方法を身につけましたという話でした。
今日は、製本方法を身につけた技を使って、どういった本を今後出していきたいかなという話ができたらいいかなと思っています。
前回、表紙はUVプリンターで印刷しているという話をしたんですけれども、実は表紙だけ他に印刷をしてもらっているというものもあります。
これは、やはりオンデマンドではあるんですけれども、ちょっと違いまして、インクジェットの巨大な1億円くらいするJetPressというフジフィルムが出している印刷機があるんですが、
これを使うと、通常のオフセット印刷よりもきれいな印刷ができるということで、それで表紙だけ印刷してもらっているものもあります。
このように部分部分だけ印刷をしてもらって、それを自分で製本するということもできるだろうなということを考えたときに、かなり通常の出版社では作れないようなものが作れるということに気づきました。
それで思いついたものの1つにファクシミリ版というのがあります。
これは音楽の中でも音楽研究者とかの人ぐらいしかあまり知らないと思うんですが、どういうものかと言いますと、作曲家が作曲するとき、前に紙にインクとペンで楽譜を書きますよね。
書いたときにいろいろと修正が入ったりとか、後でいろいろ加えたりとかする、そういった情報が研究者とかにとってはかなり重要だったりするんですね。
例えば今手元にあるんですけれども、ストラヴィンスキーの春の祭典というすごく有名な曲があるんですが、この曲の直筆譜をスキャンして印刷したものがあります。
ストラヴィンスキーは自分の作品を指揮しているんですけれども、自分の作品をリハーサルしている中で、やっぱりここは変えたほうがいいんじゃないかと、作曲者本人だからいろいろ変えたりとかそういうことを頻繁にやった人なんですね。
なので直筆譜などから得られる情報というのは結構たくさんあるということで、これが出版されています。
ちなみに出版社がブージー&ホークスという会社で、楽譜自体はパウル・ザッハー財団ですかね、が持っているものです。
こういったファクシミリ版というのはいくつかこれまでも出ていて、歴史的演奏家、作曲家、例えばベートーヴェンであるとかバッハであるとか、そういった作曲家が出版されています。
大作曲家の直筆譜が出版されていたりします。
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これらは多くはドイツの会社から出ているんですね。
これを日本でも出せないか、他の会社が手をつけないような珍しいものとかを限定100部とかで出したら売れるんじゃないかということを今考えています。
手元にある春の祭典のファクシミリ版ですと、これがすごい大きなサイズで、オーケストラのための曲なのでかなり大きくなるんですが、
サイズとしてはA3をさらに大きくしたぐらいのものなので、かなり特殊な判型なんですよね。
こういうものを印刷所とかで印刷して製本してもらうとなるとかなりの値段がかかりますし、対応した製本機械というのもなかなかなかったりします。
なので実質手作業でやったりすることが実は結構日本でも多くあるんですね。
俗に「ぶっこ抜き」などと呼ばれる方法で実際製本されているそういう本は結構あります。
昔は官公庁などがいろんな書類とかを保存しておくために、製本業者がそれらの書類を製本していたという歴史があるそうです。
それらの直筆譜を例えば出版するとしてどういった手継きが必要になるかといいますと、
直筆譜というのは昔は図書館などに行かなければ見れなかったものなんですが、今はどんどんデジタル化が進んでおりまして、
海外の図書館などでは著作権の切れた楽譜などはスキャンをしてデータ化してそれをウェブで公開していたりします。
これらに関して使用の許諾を取るということが必要になります。
実はコロナ前にも大英図書館とやり取りをしていて、そこの所蔵している資料を出版できないかという話を進めていたんですけれども、
やっぱりコロナでいろいろと会社の事情などがゴタゴタしていたので、どうしても後回しになっていたものがありました。
これら直筆譜は基本的には著作権切れたものからやっていこうかなと思っているんですけれども、
スキャンしたり保存していたりする図書館に対して何らかの使用料を払わなければいけないので、これらを勘案して値段を決める必要があります。
加えてただ直筆譜を出すだけではなく、専門家のコメントなどを加えたりする必要があります。
それらに関しても海外の研究者とコネクションを持っている人がいたりするので、
そういう人経由で頼んだりすることを現在検討しています。
具体的な作品名はまだ言えませんが、今一番最初に検討しているのは、
アメリカの国会図書館、Library of Congressに所蔵している楽譜を出版してみようかなというふうに考えています。
それでは本日はこれぐらいで、明日はご招待を受けまして、
小林沙羅さんというソプラノの方が歌うドイツリートを聞きに行く予定です。
曲目としてはマーラーだとか、リヒャルト・シュトラウスだとか、後期ロマン派の楽曲になります。
私としても初めて聴く曲が多いので、実演でですけれども、
初めて聴く曲が多いのでとても楽しみにしています。それでは。
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