思い出と絆の描写
信号待ち、買い物袋ぶら下げた二人の手
僕に内緒のまま選ばれた夕飯のレシピ
夕暮れの日、自転車に追い越されながら
茜に染まる開園沿いのレンガ道
しばらく黙りこくってた僕に不機嫌そうな君
違うよ君に寄り添ってるメロディーを
5センチみたいにぶら下がった電線の上並べてるんだ
100万枚撮りのフィルムでも撮りきれないほどの思い出を
君と二人未来へと焼き付けていけたらいいな
そばにいれるこの瞬間を切り取ればいつだっていくつだって
溢れるように生まれてくるラブソング
悪気もなく見てた古い君のアルバム
最後のページ一つ膨らんだポケット
今更や気持ちもないだろうと胸騒ぎを抑えて
抜き出せばやたらごつめな彼の腕に
おどけてつかまるその瞳がやけに切なく胸にくるんだ
ぶつかり合うたびまた心が破れたりほつれたりするのは
もう一度新しい結び目を作るためさ
そこに涙が染み込んだならもう二度とほどけること
強さを持った絆に変わるだろう
林道の花が雨に揺れる
透明の雨傘も包み込む
秋の調べ優しく
百万枚撮りのフィルムでも撮りきれないほどの
一カケラをありふれた今日のどこかに見つけ出そう
そこに涙が溶け合うことを君の笑い声響く
心にそっと祈りながら今も