00:26
玄関の隅に少し大きな傘が欠けてある
テレ屋の君は普段は手も繋げないのに
雨が降る時はいつも僕を街へ連れ出して
その日ばかりは嬉しそうに僕の傘に履いていたね
去った庭は一人で使うには傘は少し大きすぎる
思い出と共にそうしまって似合おうとは
土砂降りが降り続いてる
君と最後にさよならしたのもこんな日だった
交差点の向こう側でびしょ濡れの君が手を振る
僕の耳に聞こえてきたのは傘に当たる雨音だけ
一人で使う少し大きすぎると共にそう誓う
03:30
悲しみの傘と二人の幸せ