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週刊窓の杜:Windows Updateとネットワーク接続の未来
2026-10-18 18:23

週刊窓の杜:Windows Updateとネットワーク接続の未来

基本データ

Pleiades Companyが12年の沈黙を破り、note上で公式プラットフォームを再開して過去の名作アドベンチャーゲームを復刻していることが報じられています。また、MicrosoftによるWindows Updateの適用に伴い一部のネットワーク接続でトラブルが生じている問題についても触れられています。この接続不良はパッチの不具合ではなく、セキュリティ向上のためにNTLMv1のシングルサインオン制限が自動的に強化されたことが主な原因となっています。ユーザーはイベントログを活用して依存関係を確認し、必要に応じて証明書ベースの認証へ移行することが推奨されています。

参照ページ

ブリーフィング・ドキュメント:IT・ゲーム開発・OSセキュリティにおける主要動向

エグゼクティブ・サマリー

本ドキュメントは、提供された情報源から得られたテクノロジー、ゲーム開発、およびOSセキュリティに関する最新の動向と知見を網羅的に合成・整理したブリーフィング文書である。主な要点は以下の通りである。

  • Microsoftにおけるゲーム技術実験部門「XBOX LABS」の発足:大文字へリブランドされた「XBOX」部門において、AI・Web技術・移植技術の可能性を模索する実験的部門が設立された。年間720億時間以上に及ぶプレイヤーのゲーム利用時間を巨大な検証基盤として捉え、従来のソフトウェア・ハードウェアの固定観念に縛られないオープンな試作と技術共有を目指す。
  • Windows Update(2026年10月)に伴う認証影響と脱「NTLMv1」の推進:セキュリティ更新プログラム「KB5127648」適用後、一部のWi-Fi/VPN接続等で認証失敗が発生している問題はパッチの不具合ではなく、計画されていたNTLMv1由来資格情報によるSSO制限(強制モード移行)によるものである。影響緩和のためのレジストリ設定(監査モード化)や、証明書ベース認証への移行手順が示されている。
  • 名作ゲームサークル「Pleiades Company」の12年ぶり活動再開:2014年に公式サイトを完全閉鎖したMAKIO氏主宰のサークルが復刻版の提供を目的に復活。『アクアノートキャンパス』や『Erinyes』といった評価の高いアドベンチャーゲーム(ADV)や関連コンテンツがWeb上に再公開されている。
  • 周辺技術・セキュリティのアップデート:Windows MLのllama.cpp対応(GGUFモデルの利用性向上)、Google Chrome 155やApache OpenOffice 4.1.17における脆弱性修復など、インフラおよびソフトウェア全般で各種アップデートが進行している。

1. Microsoftの戦略的取り組みと技術実験

1.1 実験部門「XBOX LABS」の発足背景とビジョン

米Microsoftは2026年10月13日(現地時間)、ゲーム部門(リブランドにより全文字大文字の「XBOX」表記へ変更)において新実験部門「XBOX LABS」の設立を発表した。XBOX部門CEOであるAsha Sharma氏が全社員向けに送ったメッセージ(公式ブログ「XBOX Wire」で公開)に基づく主な概要は以下の通りである。

  • 組織構成と目的:ゲームクリエイター、エンジニア、科学者からなる小規模グループで構成される。アイデアのプロトタイプを迅速に公開し、ユーザーのフィードバックから学びながら開発を進めることで、「より多くの人が遊び、創作するようになること」を目指す。
  • 業界の前提に対する疑問と挑戦:
    • ゲームの短期間での逆コンパイル、AppleシリコンやWebブラウザー上(WebAssembly / WebGPU)への移植。
    • 大作ゲームのソースコードの他作品へのリミックス。
    • これらユーザー・技術者側の動きは「ソフトウェアとハードウェアの緊密な結合」や「制作とプレイの境界」といった従来の業界前提に疑問を投げかけており、既存ビジネスモデルに挑戦するものであってもプレイヤーにとって有益であると評価している。
  • AI技術の検証場としての優位性:
    • AIエージェントの成果はプログラミング分野で著しいが、ゲームも同様に「作成・実行・テスト」のサイクルを持つため実験場として適している。
    • XBOXのゲームは年間720億時間以上プレイされており、これは世界中でコード記述に費やされる推定時間の約5倍に匹敵する。
    • 25年に及ぶゲーム制作のノウハウを投入し、得られたツールや成果は業界の開発者と共有していく方針である。なお、ハードウェアや知的財産(IP)、コミュニティに対する責任は従来通り維持される。

1.2 Windows MLにおけるAIモデル対応

Windows環境でのAI処理基盤である「Windows ML」が「llama.cpp」に対応した。これにより、ローカル環境で軽量かつ効率的に動作する「GGUF」フォーマットのAIモデルの利活用が容易になる環境が整いつつある。

2. Windows OSセキュリティ・ネットワーク認証影響の分析

2.1 2026年10月セキュリティパッチ(KB5127648)とWi-Fi/VPN接続問題

2026年10月公開のセキュリティ更新プログラム「KB5127648」適用後、一部のWi-Fi、有線LAN、VPN接続で認証失敗が発生している。Microsoftの発表(10月14日更新)によると、本件は不具合ではなく、以前より計画・告知されていた「NTLMv1」に関連するセキュリティ強化策による影響である。

2.2 脱「NTLMv1」およびKerberos移行の仕組み

「Windows 11」(バージョン 26H2/25H2/24H2)および「Windows Server 2025」では、NTLMの廃止とKerberosへの移行が段階的に行われている。

  • 制限内容:Credential Guardが無効で、レジストリ値 BlockNtlmv1SSO が未設定のデバイスにおいて、シングルサインオン(SSO)時に「NTLMv1」由来の資格情報を生成する動作が、これまでの「監査モード」から「強制モード」へ移行した。
  • 対象範囲:制限されるのは資格情報に依存するSSOのみ。手動で資格情報を入力する認証は制限されない。
  • 背景:NTLMv1プロトコル自体はWindows 11 v24H2およびWindows Server 2025で削除済みだが、ドメイン参加環境下のMS-CHAPv2ベース接続等でNTLMv1暗号が使われ続けていたため、これを遮断する目的がある。

2.3 動作モードとレジストリ値の対比

レジストリ値 BlockNtlmv1SSO の設定による動作の違いおよび確認ログは以下の通りである。

モードレジストリ値 BlockNtlmv1SSO動作説明イベントログ(イベントID)
監査モード0NTLMv1由来資格情報によるSSOを許可し、使用状況を記録する警告「4024」
強制モード1(または未設定時の内部規定値)NTLMv1由来資格情報によるSSOをブロックするエラー「4025」

注:今回の更新によりレジストリ値そのものが書き換わるわけではなく、未設定時の既定内部動作が監査から強制へ変更された点に留意が必要。

2.4 推奨対策および一時的回避手順

  • Microsoft推奨策:MS-CHAPv2への依存を解消し、ネットワーク接続(Wi-Fi / VPN)を証明書ベースの認証へ移行すること。
  • 依存関係のログ確認手順:イベントビューアー等で Microsoft-Windows-NTLM/Operational ログを確認(ID 4024:監査、ID 4025:ブロック)。
  • 一時的回避策(レジストリ設定): 重要な業務依存があり即時移行できない場合、一時的に以下のレジストリを設定することで監査モードに戻し、SSOを許可可能(OS再起動は不要)。
キー:HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Lsa\MSV1_0
値の名前:BlockNtlmv1SSO
種類:REG_DWORD
値:0(監査モード)、1(強制モード)

※保護レベルが下がるため、本措置は一時的なものにとどめ、依存解消後は迅速に強制モード(値:1)へ戻すことが強く推奨されている。

3. レトロゲーム・インディーサークルの復刻とコンテンツ展開

3.1 Pleiades Companyの12年ぶり活動再開

2014年に公式サイトを閉鎖したMAKIO氏主宰のゲーム制作サークル「Pleiades Company」が、2026年10月に12年ぶりの活動再開を発表した。現在、メディアプラットフォーム「note」上に新公式サイトが開設されている。

同サークルは有志の協力を得て、過去に高い評価を受けたアドベンチャーゲーム等の復刻版制作や再公開に取り組んでいる。

3.2 現在再公開・配信されている主な作品・コンテンツ

  1. 「アクアノートキャンパス」:海底遺跡の調査をテーマとした、マルチシナリオ・マルチエンディング形式のアドベンチャーゲーム。
  2. 「Erinyes」:孤島を舞台としたサスペンスアドベンチャーゲーム。
  3. 「時の館~滅び去った記憶」:洋館からの脱出を目指し謎を解く、時間移動系アドベンチャーゲーム。
  4. 「リンクバトラーver1.0」:ロボットの行動プログラミングを行って戦わせる対戦型ゲーム。
  5. 「リンクバトラーver1.20」:「リンクバトラーver1.0」のブラッシュアップ版。

その他の展開コンテンツ:

  • 3D CG漫画『環境戦隊エコレンジャー』のダウンロード配信。
  • AIイラスト技術を用いて過去作品の世界観を再現した画像ギャラリー(『アクアノートキャンパス』等)。
  • 『アクアノートキャンパス』の外伝小説の販売。

4. ソフトウェアセキュリティおよび主要動向

情報源より確認されるその他の主要な技術・ソフトウェア更新情報は以下の通りである。

  • Google Chrome 155 セキュリティ更新:緊急度の高い「Critical」脆弱性1件を含む、計10件の脆弱性を修正した更新版(v155.0.8059.84/.85等)が公開。
  • Apache OpenOffice 4.1.17 公開:約11カ月ぶりのアップデートが行われ、緊急のコード実行脆弱性(CVE-2026-59265)に対処したほか、Pythonマクロ機能の強化を実施。
  • 将棋AI評価関数の軽量化と無償公開:スマホ環境にも対応する超軽量評価関数「つようら王11mini/micro」がMITライセンスで無償公開。既存の「水匠5」の1/7以下のサイズでありながら、高い棋力を実現している。
  • AIツールの拡張機能進化:ChatGPTのChrome拡張機能が従来のサイドバー機能を超え、コンピューター操作を補助するAIへと機能拡張が行われている。

感想

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サマリー

今回は、12年ぶりに再始動したゲーム制作サークル「プレイアーデスカンパニー」が、過去の作品をnote上で再公開し、AI画像や3DCG漫画で世界観を現代化している事例を取り上げる。続いて、Microsoftの実験部門「Xbox Labs」が、WebAssemblyやWebGPUによる移植、ゲームをAIの実験場として活用する構想を進めていることを紹介する。Xboxのゲームプレイ時間は年間720億時間以上で、AIが安全に試行錯誤できる巨大な訓練環境になると説明される。最後に、Windows更新プログラムKB5127648後のWi-FiやVPNの認証問題を扱い、NTLM v1からKerberosや証明書ベース認証への移行に伴う仕様変更であり、監査モードから強制ブロックへ移った経緯や対処が語られる。3つの話題を、デジタル遺産を保存・再利用するか、脆弱性として切り捨てるかという共通の問題として結び付けている。

プレイアーデスカンパニーの復活とAIによる作品再生
スピーカー 1
もし私が世界で最も高度なAIを訓練する秘密基地は、シリコンバレーの無機質な研究所ではなくて、あなたが今まさにゲームのコントローラーを握って座っているそのソファーの上だと言ったら、信じますか?
スピーカー 2
いや、普通は信じがたいですよね、それ。
ですよね。でも今日私たちが深く掘り下げるのは、まさにそんな信じられないような現実なんです。
スピーカー 1
私たちのデジタルの過去がいかにして未来のテクノロジーを作るためにハイジャックや再利用されているのか、今回のディープダイブへようこそ。
スピーカー 2
よろしくお願いします。
スピーカー 1
今回もあなたと一緒にいくつかの資料を読み解いて、そこからすごく面白い洞察を抽出していきたいなと思っています。
スピーカー 2
はい。今日の資料スタックはですね、一見すると全く無関係に見える3つのトピックから構成されているんです。
スピーカー 1
無関係に見える3つですね。
スピーカー 2
1つ目は、12年の沈黙を破ったあるインディーゲームの劇的な復活劇です。
2つ目は、あのマイクロソフトが立ち上げたゲームという概念そのものを解体する実験室について。
スピーカー 1
ゲームの概念の解体ですか、なるほど。
スピーカー 2
はい。そして最後3つ目は、私たちが普段使っているパソコンの根底で今まさに起きている、痛みを伴うWindowsのセキュリティ進化です。
スピーカー 1
インディーゲームのノスタルジーと大企業のAI実験とOSのセキュリティって見事にバラバラな話題ですよね。
そう感じると思います。
スピーカー 1
でも今日あなたにお願いしたいミッションは、これら3つの点と点をつなぐことなんです。
これらを突き詰めていくと、2026年10月現在、私たちが直面しているテクノロジーの進化とデジタルの遺産をどう扱うかという1つの大きな物語が浮かび上がってくるんですよね。
スピーカー 2
その通りです。私たちは今、過去のデータをただ保存する時代を終えて、それをどう未来のシステムに組み込むか、あるいは未来を守るためにどの過去を破壊すべきかというキロに立たされているんです。
スピーカー 1
なるほど。保存か破壊かですね。では早速1つ目のトピックから行きましょう。あなたは2014年って覚えていますか?
スピーカー 2
2014年ですか。デジタルの世界だともう大昔と言ってもいい時代ですよね。
スピーカー 1
そうなんですよ。この年におしまれつつ公開サイトを閉鎖したプレイアーデスカンパニーというゲーム制作サークルがあったんです。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
マキオ氏という方が中心になって、当時すごく評価の高かった名作アドベンチャーゲームを作っていたんですよね。例えばアクアノートキャンパスとか時の館とか。
スピーカー 2
名作ですよね。
スピーカー 1
他にもエリニエスとかリンクバトラーとか。それがなんと12年の時を経て突如として復活を遂げたというニュースなんです。
スピーカー 2
いや、デジタルコンテンツで12年間放置されたものが再び日の目を見るって実は奇跡に近いんですよ。
スピーカー 1
やっぱりそうですよね。
スピーカー 2
当時のOSとか開発環境で作られたゲームって、現代のパソコンではエラーが出て動かないのが普通ですからね。単に昔のファイルをどこかのサーバーにポンと置き直しただけではないはずです。
スピーカー 1
まさにそこなんですよ。彼らが復活の舞台に選んだのは、現代のメディアプラットフォームであるあのノートだったんです。
スピーカー 2
ノートですか。面白いですね。
スピーカー 1
はい。そこで当時の5作品が再び遊べるようになっているんですが、これただのエミュレーターの移植じゃないんです。
スピーカー 2
というと?
スピーカー 1
ここが本当に面白いところで、過去の作品のキャラクターとか世界観を最新の画像生成AIを使って再構築したイラストギャラリーを公開したりとか、あと3DCGを使った漫画作品なんかも展開してるんですよ。
スピーカー 2
なるほど。それは非常に賢明で現代的なアプローチですね。
スピーカー 1
ですよね。さてこれを紐解いていきましょう。これってなんか子供の頃に庭に埋めた泥だらけのタイムカプセルを掘り起こしたら、誰かがその中に最新のLEDライティングを追加してくれていたみたいな感覚じゃない
ですか。
いい例えですね。
ノスタルジーと最先端が同居しているというか。でもなぜわざわざAIを使ってまで古いゲームをノート上で展開したんでしょうか。
スピーカー 2
ここで非常に興味深いのはその背景にあるメカニズムなんです。かつて個人クリエイターが昔のゲームを現代向きにリメイクしようとすると本当に大変だったんですよ。
スピーカー 1
グラフィックを書き直したりとかですか。
スピーカー 2
グラフィックをゼロから書き直してプログラムも現代の言語で書き直すという途方もない作業が必要でした。個人の力では事実上不可能に近いレベルだったんです。
スピーカー 1
確かに一人で全部やり直すのは現実的じゃないですよね。
スピーカー 2
そうなんです。
スピーカー 1
でもAIの登場によって過去の世界観やキャラクター設定という知的財産のコアな部分だけを抽出できるようになったんです。
なるほど。コアな部分だけを。
スピーカー 1
そしてAIという現代の魔法を使ってビジュアルやフォーマットを一瞬で現代風に拡張できるようになった。
つまりAIが個人のクリエイターの遺産を保護して持続可能な形で現代に蘇らせるツールとして機能しているんです。
スピーカー 2
それはすごい。プログラムのコードという殻は古くなって捨てざるを得なくても物語やキャラクターという魂の部分はAIの力で新しい殻に移植できるわけですね。
スピーカー 1
その通りです。インディークリエイターが見事に過去と現代を融合させている本当に素晴らしい例だと思います。
スピーカー 2
テクノロジーが個人の歴史を救済しているんですね。
スピーカー 1
でもまあ美しい話はここまでなんです。
スピーカー 2
ここから空気が変わりますね。
Xbox Labsとゲームを利用したAI実験
スピーカー 1
個人のクリエイターが最新技術で過去を大切に保存している一方で、巨大テクノロジー企業は過去のゲームという概念そのものを根本から解体しようとしているんですよ。
スピーカー 2
なるほど。Xboxラボスの話ですね。
スピーカー 1
はい。次はその話をしていきましょう。マイクロソフトが新たに立ち上げた実験部門、Xboxラボスです。
XboxのCEOであるアシャシャーマ氏が発表したんですよね。
スピーカー 2
クリエイターとかエンジニア、科学者を集めた小規模なグループだと聞いています。
スピーカー 1
そうなんです。彼らがやろうとしていることは従来のゲームソフトを作って売るというビジネスモデルの破壊なんですよ。
破壊ですか?
スピーカー 1
ええ。シャーマ氏が指摘している最近のトレンドがすごく興味深くて、最近めめめ作ゲームのソースコードがあっという間に逆コンパイル、つまり解析されて、本来想定されていない全く別のハードウェアで動くように作り
直されているそうなんです。
スピーカー 2
はいはい。よく聞く話ですね。
スピーカー 1
さらにWebアセンブリーとかWebGPUといった技術を使ってブラウザ上で動くように移植されたり、ソースコードがリミックスされたりしていると。これって具体的に何が起きているんでしょうか?
スピーカー 2
これをさらに大きな視点と結びつけてみると非常にわかりやすいんですが、簡単に言えばゲーム機という物理的な壁が完全に崩壊しつつあるということなんです。
物理的な壁の崩壊ですか?
スピーカー 2
はい。Webアセンブリーという技術を例に挙げましょう。通常、高度なゲームを動かすにはプレイステーションとかXboxみたいな専用のハードウェアが必要ですよね。
スピーカー 1
はい。買わないと遊べないですよね。
それはゲームの言語とパソコンの言語が違うからなんです。でもWebアセンブリーは言ってみれば究極の万能翻訳機のようなものです。
スピーカー 1
万能翻訳機?
はい。これを使えば、重厚な専用ゲーム機のコードをあなたが普段使っているようなウェブブラウザ上で即座に直接動かすことができるようになるんです。
スピーカー 1
つまり数万円するゲーム機を買わなくてもブラウザを開くだけで高度なゲームが動いてしまうと。
スピーカー 2
そういうことになります。
スピーカー 1
ハードウェアとソフトウェアの境界線が解けているんですね。
そういえば今回の資料の中にAmazonのセールでスイッチ2の動作確認済みマイクロSDXCエクスプレスカードが早くも安売りされているというニュースの断片もありましたよね。
スピーカー 2
ありましたね。次世代機の本体がまだ発表も発売もされていないのに。
スピーカー 1
そうなんですよ。影も形もないのにそれを動かすインフラとか企画だけが先に世界に流通している。
これもハードの壁が今あらゆる場所で溶け始めているという事実を補強していますよね。
スピーカー 2
データやコンテンツがデバイスという入れ物に縛られずに自由に流動し始めているサインです。
ゲームデータとAIの巨大な実験環境
スピーカー 2
そしてシャーマジュが本当に狙っているのはその流動化したゲームを使ったもっと大きな実験なんです。
スピーカー 1
ここからが本当に面白いところなんですが資料によればXboxのゲームって世界中で年間720億時間以上もプレイされているそうですね。
スピーカー 2
とんでもない数字ですよね。
スピーカー 1
そしてマイクロソフトはこの膨大な時間をAIの実験場として使おうとしていると。
彼らは私たちがゲームで遊んでいるデータを集めて一体何をしようとしているんでしょうか。
スピーカー 2
これを理解するにはAIがどのように学習するのかを想像してみるといいですよ。
スピーカー 1
AIの学習ですか。
スピーカー 2
AIにとって現実世界で物事をゼロから学ぶのは非常にコストがかかりますし何より危険なんです。
ああ自動運転のAIを実際の行動で何度もクラッシュさせるわけにはいかないですよね。
まさにその通りです。だからこそゲームが完璧な訓練場になるんです。
スピーカー 1
ゲームには明確なルールがあって得点があってそしてゲームオーバーという即座のフィードバックがありますよね。
スピーカー 2
なるほど。AIがゲームの中で100万回失敗しても誰も怪我をしないし物も壊れないわけですね。
スピーカー 1
AIはゲーム内で何百万通りもの行動を試して瞬時に失敗して何が原因でゲームオーバーになったのかという因果関係を学びます。
そして自らの行動を書き換える作る実行するテストするというサイクルです。
スピーカー 2
そうかそのための720億時間なんですね。
スピーカー 1
はい実はこの720億時間という数字は世界中の人間がプログラミングに費やしている時間のなんと5倍に相当するんです。
スピーカー 2
えー5倍ですか。
スピーカー 1
そうなんです。これはもうただの遊びの記録ではなくてある行動を取ればある結果が生まれるという人類の膨大なインタラクションの巨大なAI実験場なんですよ。
いやーちょっと鳥肌が立ちました。私たちが週末にソファーに寝転がってボスを倒したりアイテムを集めたりしているその時間が
巡り巡って未来のAIに世界のルールを教え込むための壮大な実験の燃料になっているんですね。
スピーカー 1
そういうことになりますね。
これもし従来のゲームが決められたメニューを楽しむ高級レストランだとしたら
スピーカー 2
XBOX LABOの未来は客が厨房に入ってシェフと一緒に調理するオープンキッチンのようなものですよね。
巨大企業にとってゲームはもはや完成された作品ではなくてAIを進化させるための巨大なテスト環境へと再定義されているんです。
スピーカー 2
しかしそうやってハードの壁が溶けてAIが勝手にコードを書き換えて
あらゆるシステムがブラウザを通じてオープンにつながっていく未来を想像すると
なんか少し恐ろしくもなりませんか。
確かにセキュリティの観点からは非常に大きな課題があります。
スピーカー 2
ですよね。誰でも厨房に入れるということはそのキッチンのセキュリティは完璧でなければならないじゃないですか。
少しでも裏口が開いていたらあっという間に全てが乗っ取られてしまいます。
スピーカー 1
まさにそこです。オープンでAI主導の未来のシステムを安全に動かすためには
土台となるOSが極めて強固でなければなりません。
Windows更新とNTLM v1廃止の影響
スピーカー 1
ここで3つ目のトピックであるWindowsアップデートの話が論理的につながってくるんです。
スピーカー 2
時には未来を守るために過去の遺産を切り捨てなければならないという話ですね。
2026年10月のWindowsアップデートKB5127648というパッチを適用すると
突然一部のWi-FiやVPNに接続できなくなるという問題が起きています。
スピーカー 1
はい。話題になっていますね。
スピーカー 2
ニュースの見出しだけを読むとまたWindowsがバグを起こしたって起こる人が多いと思うんですが
でも資料を深く読み解くとこれはバグではなくてあらかじめ計画されていた仕様変更なんですよね。
その通りです。これはWindowsの根幹にあるセキュリティ構造の非常に痛みを伴う殺伸なんです。
痛みを伴うですか?
スピーカー 1
はい。具体的にはNTLM v1という古いプロトコルからの脱却です。
この古い認証システムを無効化して、より強力なケルベロスベースの認証や証明書を使った認証へと強制的に移行させる措置なんですよ。
Windows 11の26H2以降やWindowsサーバー2025での動きですね。
スピーカー 2
そのNTLM v1って素人目線でいうとどれくらい危険なものなんですか?
スピーカー 1
そうですね。NTLM v1は30年前のインターネットの基準で見れば十分に頑丈な鉄の鍵でした。
でも、現代のサイバー犯罪者は量子ロックピックとも呼べるような凄まじい計算能力を持つコンピューターやAIを駆使しています。
スピーカー 2
AIの計算能力ですか?
スピーカー 1
ええ。今の彼らにとってNTLM v1という鍵は数ミリ秒で形を推測できるガラスの鍵のようなものなんです。
スピーカー 2
ガラスの鍵、それは怖すぎますね。
スピーカー 1
だからこそマイクロソフトは今回単に鍵をスマートロックに付け替えたわけではないんです。
ハッカーがピッキングを試みることすらできないように古い鍵穴のついたドアそのものをコンクリートの壁で完全に塞いでしまったというわけです。
スピーカー 2
つまりこれって全体としてどういう意味なんでしょうか?
家の鍵を最新式のスマートロックに変えたら古い合鍵であるNTLM v1を持っていた家族がある日突然家に入れなくなって締め出されてしまったみたいなものですよね。
スピーカー 1
ええ。まさにそういう状況です。
スピーカー 2
でももし私が企業のシステム管理者だったらめちゃくちゃ怒りますよ。
泥棒を防ぐためとはいえちょっと強引すぎませんか?
リスクはこっちで承知するから古いドアを使わせてくれって言いたくなります。
スピーカー 1
これは重要な問いを投げかけていますね。利便性とセキュリティのトレードオフです。
もちろんマイクロソフトもその反発は予想していました。だからいきなりドアを塞いだわけではないんです。
監査モードから強制ブロックへ
スピーカー 2
有用機関があったんですか?
スピーカー 1
はい。以前から接続は許可しつつも裏側であなたのシステムは古い危険な鍵を使っていますよと記録する監査モードというものを用意していました。
イベントID4024ですね。
スピーカー 2
警告はしてたんですね。
スピーカー 1
しかし今回のアップデートでついにそれを規定でブロックする強制モードイベントID4025へと切り替えたんです。
ちなみにブロックNTLMV1SSOというレジストリをいじれば一時的な回避はできますがあくまで証明書ベースの認証へ移行すべきなんです。
スピーカー 2
でもどうしてそこまで強引に塞ぐ必要があったんですか?
スピーカー 1
なぜなら現代のネットワークはすべてつながっているからです。
あなたの会社の古いドアが突破されればそこを踏み台にしてつながっている取引先がクラウド上の別のシステムまでいもずるしきに乗っ取られる危険性があります。
スピーカー 2
自分一人の責任じゃ済まないんですね。
スピーカー 1
そういうことです。先ほどAIがゲームで高速に学習する話をしましたよね。
現代のサイバー攻撃も同じなんです。AIはシステムのわずかな弱点を見つけ出して光の速さで攻撃を仕掛けてきます。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
そんな時代に古い脆弱性を一つでも残しておくことはエコシステム全体に対する致命的な脅威なんですよ。
スピーカー 2
そうか。街全体を守るためには古い木製のドアは強制的にでも塞がなければならないと。
もしリスナーのあなたが明日職場で突然VPNのエラー画面に直面したとしたら、それはシステムの故障ではなくて、より安全な未来のネットワークを築くための必要な痛みを伴う進化なのだと理解すべきですね。
スピーカー 1
そうですね。古い遺産を切り捨てなければ新しい時代は生き残れないということですね。
デジタル遺産を保存するか破壊するか
スピーカー 1
さて、今日あなたと一緒に潜ってきたディープダイブいかがだったでしょうか。
一見全く無関係に見えた3つのトピックが実に見事に一つの線で繋がりましたね。
スピーカー 2
きれいに繋がりました。
スピーカー 1
12年の時を経てAIの力で過去の遺産の魂だけを救い出して、現代のプラットフォームに蘇らせたインディーゲームの復活劇。
そして年間720億時間という人類のプレイデータを燃料にして過去のゲームという枠組みを破壊し、未来のAIを育てようとしているマイクロソフトの実験室。
そして最後にそのオープンな未来を守るためにユーザーの利便性を犠牲にしてでも過去の脆弱なセキュリティ基盤である古い鍵を捨て去るWindowsの進化。
スピーカー 2
これらは全て私たちがデジタルな遺産をどう扱いどう未来へ進むかという共通の物語なんですよね。
スピーカー 1
本当にそうですね。
表層的なニュースだけを追っているとゲームが復活したとかOSがエラーを出したっていう出来事の羅列にしか見えないじゃないですか。
スピーカー 2
見えがちですよね。
スピーカー 1
でもその裏にあるなぜそれが起きているのかという構造を知ることでテクノロジー企業が何を守り何を切り捨てようとしているのかが見えてきますよね。
スピーカー 2
その通りです。最後に一つこれまでの議論を踏まえてリスナーのあなたに新たな思考の種を投げかけたいと思います。
スピーカー 1
何でしょうか。
スピーカー 2
私たちは今デジタルの遺産が最大の宝物にもなり最大の弱点にもなる時代に生きています。
スピーカー 1
レトロゲームの復活のように価値を生むこともあれば古いセキュリティープロトコルのようにシステムを脅かすこともあります。
スピーカー 2
確かに両刃の剣ですね。
スピーカー 1
果たして私たちは未来のテクノロジーを安全に構築するために自分たちのデジタルの過去をどこまで保存しどこから破壊すべきなのでしょうか。
スピーカー 2
どこまで保存しどこから破壊すべきか。一番最初にお話しした庭から掘り起こしたタイムカプセルですよね。
もしあなたが今未来の自分のために新しいタイムカプセルを埋めるとしたらそこに何を残し何をあえて入れないでおくでしょうか。
スピーカー 1
非常に考えさせられるテーマですね。
この答えのない問いをぜひあなた自身でも探求し続けてみてください。
それでは今回のディープダイブはここまでです。
最後まで一緒に深く潜っていただき本当にありがとうございました。
次回の探求でまたお会いしましょう。
18:23

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