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こんにちは、管理栄養士のたえです。 病院で働いていた時、入院されたばかりの患者さんに食事の感想を聞くと、
栄養士さん、ここの食事は全く味がついてませんね。 調理師さんが味付けを忘れたはるんやと思いますよ、って言われることが一度や二度じゃなかったんですね。
でも同じ方に1週間後にお伺いすると、今度は、最近ちゃんとお料理に味がついてますよね。 きっと調理師さんが変わらはったやろうね、って言われるんです。
こんだても調理師さんも全く同じで、味付けは何も変わっていないのにです。 今日はこの不思議な理由と、無理なく続けられる塩分との付き合い方についてお話ししたいと思います。
なぜあの患者さんたちは1週間後においしくなったって感じたのでしょうか。 舌の味を感知する場所、未来は体の中でも新陳代謝が早いので、
薄味を続けると、2週間もしないうちに細胞が入れ替わって、少ない塩分でもちゃんとおいしいと感じられるようになっていくんです。
それを知ってから、私は減塩の指導をするとき、今より少しだけ薄めにして、まずは1週間続けてみてくださいとお伝えするようにしています。
これは私の経験上のお話なんですけれども、国レベルで減塩に大成功した例もあります。 イギリスの減塩政策です。
行政が食品業界と協力して、パンとか加工食品の塩分を消費者が全く気づかないレベルで少しずつ敷き下げていったんです。
誰も味が薄くなったとストレスを感じないまま自然に慣れていったんですね。 その結果、国民全体の塩分摂取量が15%も減って、
平均の血圧が下がって、脳卒中とか心臓病の死亡率が大幅に減ったというデータがあります。
気づかないうちに慣れていく、それが一番続きやすい減塩の方法なんですね。 最近、SNSでミネラル豊富な天然塩はもっと食べた方がいいみたいな話を見ることがあります。
そう言われると、そうなの?って気になりますよね。 確かに天然塩には生成塩と比べてマグネシウムなどのミネラルが多く含まれています。
でも天然塩から摂れるマグネシウムは、一食で使う塩の量でいうとほんのわずかなんですね。
同じマグネシウムなら、豆腐を少し食べるだけで、塩とは比べ物にならないくらい多く摂れます。
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どんな高級な天然塩でも、成分の9割以上は塩化ナトリウム、つまり塩分そのものなんですよね。
お塩からミネラル補給をしようとすると、その前に塩分の摂りすぎで体に負担がかかってしまいます。
国民健康栄養調査のデータでも、日本人は今もまだ目標量を大きく超えてお塩を摂っています。
決して足りないわけではないんです。
でも、原塩というのは、とにかく薄くすればいいというわけでもないと思っています。
我が家では、高齢の両親と同居しているんですけれども、
高齢になると塩分を薄くしすぎて、おいしくないわって食欲が落ちてしまうと、
今度は低栄養の方が大きな問題になってしまいます。
両親に元気でいてもらうための原塩なのに、食べる量が減って体力が落ちてしまったら意味がないですよね。
そこで、我が家でも一律に何でも薄味にするというのではなくて、
可能な範囲でおいしく塩分を減らす工夫をしています。
例えば、テーブルのお醤油をだし割り醤油にしています。
お浸しとか冷ややっこにつけるお醤油をだし割り醤油にするだけで、
お出汁の風味でおいしさはそのままに塩分をしっかり減らすことができます。
汁物は塩分の多い料理ですので、1日に何度も食べないようにしたり、
生姜とかからしとかカレー粉・胡椒などの香辛料や、
塩分の少ないマヨネーズやケチャップなどの調味料を使って料理をしたりしています。
蒸し野菜をよく作るんですけれども、
あらかじめ調味料で和えておいて染み込ませるということをせずに、
食べるときに表面にちょっとだけ味をつけると、少ない塩分でもおいしく感じられます。
お漬物も手作りにすると好みの薄さに調節できますし、
市販のものよりも塩分を控えめにできます。
高齢のご家庭がいる方も塩分が気になっている方も、
何か一つでも取り入れてもらえたら嬉しいなと思います。
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ではまた。