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今、コーチという立場でね、いろんな選手に触れ合う機会が多い、子供たちに触れ合う機会が多いんですね。
そうなってくると、ごくたまに目を見張るような成長する子が出てくるんですよね。
今日はそんな話をしていこうというふうに思います。
選手が成長する瞬間っていうのは、必ずコーチに学びというものを提供してくれるんですよ。
ある種、僕はそこに期待している面もあるんです。
自分が与えるだけじゃなくて、それに対して反応してくれて、彼らからも僕に何かをくれるっていうことを、
僕はとてもうれしいことだというふうに考えて、日々指導をしています。
今日話す男の子はね、今大学の2回生なんですけども、彼と出会ったのは去年の11月。
チームに入れてほしいって言われて、じゃあやるかっていうことで入ってもらったんだけど、
練習はね、うちが週6回とかやってる中で、週2回来れたらええな、全く来ない時もあるな、みたいな感じで、
入れてくださいって言ったのに、こんやないかと。
ただ、僕はね、大学生は、結局生活の基盤も自分で作らないといけないし、
アルバイトしながら学業も頑張って、そして部活動もすると。
だったらその時間配分、割り振りは自分で決めなさいというふうに言っているので、
来ないからといってダメだとは言わないんですね。
ただ、僕の中では、例えば試合で結果が出せなかったりとか、来ない上で結果が出せなかったりとか、
あとはチームに悪影響を及ぼす場合のみ、しっかりと指導を行いますけども、
それ以外に関しては本人に任せているところはある。
彼はズバ抜けて出席率が低いんですね。
ただ試合ね、特に僕がこの試合ちょっと頑張りたいから、県外やけど来れる人はしっかり出ようよって言ったら、
必ず反応はしてくれて出てくれる子なんですよ。
だから練習嫌いだけど試合好きなんかなっていうふうに思ってて、
試合も練習してない割には、わりかしちゃんと泳げるんですよ。
だから彼にね、
なんで試合でタイムが落ちてないのかな、練習はそんなに来てないのにっていう話をすると、
練習しない方が意外とタイム出るんですって言ってて、
そこで僕は彼に問いを投げかけ続けることになるんですけども、
君は今練習をしてないからそこそこ疲れてなくてタイムが出るって思ってるかもしれないけど、
君は元々のポテンシャルがあって、これをちゃんと練習できる環境にもし出会うことがあれば、
そこに練習できる環境にシフトすることができたならば、もっと結果は出るよっていうのを、
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僕は早い段階で気づいたので、わりと言ってたんですね。
で、2ヶ月ぐらいそれ言い続けてた頃に、
合宿をチームでやる時期がやってきたんです。毎年4月の初旬にやるんですけども、
これは1日2回練習で1万5千メートルぐらい泳ぐのを4回繰り返すと、
結構しんどい練習なんですね。
週2回の彼はとてもじゃないけど、この練習にはついてこれんだろうと思って、
僕は合宿中も彼にね、しんどかったら休んで、いけるとこしっかり集中してやろうって、
まずはそこからやる、まずはそこからやるっていう話をずっとしてて、
そしたらね、彼はね、やっぱね、僕の予想通りフラフラのヘロヘロになったけど、
決して休んだりとかサボったりすることなく一生懸命やり続けたんですよ。
でも普段練習してないから、3日目の昼ぐらいにはボロボロになってて、
4日目の朝とかもボロボロだったんですね。
ただ、うちのチームはね、合宿の最終日っていうのは疲れてる状態で、
試合形式で記録会をするんですね。
で、その時でも彼は、コーチ僕やりますって言って、
僕はでもね、こんなもう普段練習してない奴がこんな疲れ切ってたら、
結果なんか出んやろうなと思ったら、彼はベストタイムを更新してきたんですね。
僕はね、びっくりした、自分の中で、いやこいつはもう疲れ切ってるから無理やろうと思ったら、
トップバッターでベストタイムを更新して、そして合宿の雰囲気が一気に引き締まって、
全体いい流れで終わらせることができた。
ある種ね、その合宿の時に彼の意外性と、彼の後継に僕はコーチとしてすごく感謝したのを覚えてます。
そこから、合宿でやっぱりそのしんどい練習をして、時から週2回、もしくは来ない週があったりしたのから、
だんだん彼は練習に来始めたんですよ。
練習に来ると、僕と接点が増えるわけですよね。
僕は必ず練習来たら、一人一人とコミュニケーションを取りますし、
注意とかも基本は全体的に必ずする。
その後は個別にもやっていくけど、まんべんなくやりたいなという意図があるので、
声をよくかけてました。
おそらくだけど、彼は高校生まではそんなにコーチに声をかけられることがなかったと思うんですよね。
それは練習サボっていかなかったりとか、練習から逃げてたりしたから、
やっぱりそのコーチ的にもね、彼に声をかける言葉がなかったんだと思う。
ただ、僕は大学になって彼と出会ってるから、
自主性をもんじて試合で結果出て、
それがチームに貢献してくれるんだったら、もうそれでいいやという、
ある種なんかすごい割り切り方で接してたので、
練習に来ないことに対して何も言わんけど、
来たらもうちょっと顔出せよみたいなことはずっと言ってた。
そうやって話をしていくと、彼との水泳の話が結構僕の中では増えてきたんですよ。
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そうなると彼も、やっぱり練習にも来始めるんですよね。
練習に頻繁に来ると、何が起きるかというと、上手くなるんですよ。
当たり前なんやけど、それに本人は本当に気づいてなくてね。
だから上手くなっていく、だから僕は上手くなってきたなって、
ここがもうちょっとしたらこうなるぞ、これいいぞって言ったら、
彼はもうやっぱね、今日の僕の泳ぎどうでしたかとか、
ここがこんな感覚だったんですけど、どうしたらいいですかとか、
聞き始めて、それに僕は答えていく中で、
彼が個人種目で全国に行ったことない子で、
大学のインカレにリレーだけで行ったことある子だったんで、
僕はコーチ個人で行けると思いますかって聞いてきたんで、
行けるよって。絶対行けるよ。
だけど自分がどれだけやるかっていうのはやっぱ、
やらされるんじゃなくて自分で考えないといけないからねって言ってたんだけど、
ある日ね、コーチ僕個人でインカレに出場します。
そのために頑張ります。よろしくお願いしますって言われて、
で、あら、なんか変わったねって、
君はなんかもうこの半年で大きく変わったねっていうのを口にも出したし、
すごく心から思ったんですね。
ただやっぱり意識改革をして、練習に来るようになっても、
これはまあ、うちのチームのスタンダードにようやくたどり着いたぐらいなんですよ。
ただね、彼はね、普段練習をしてないから、
練習に来始めると、さっきも言ったようにこう、上手くなるんですよ。
上手くなった状態で、ちょうどね先週の土日、
マスターズ大会っていう大人の大会に大学生は出れるんで出たんですよ。
で、これは公式の記録にもなるし、
あの、一体どれぐらいに来てくれるんかなと思いながらレース見てたら、
もうね、出る種目出る種目でベストタイムを更新するんですよ。
そりゃそうですよね。今まで練習してなかったんだから。
でね、僕もそれ見てて、ああ、いや早いなと思って。
僕は早いなって思うのってあんまないなと思うんですけど、
まあ例えば200メートル背泳ぎ、これ泳いだことある人いないだろうね。
ほとんどの人は200メートルの背泳ぎ泳ぎたくないからね。
ただ、まあそれを2分2秒で泳いだんです。
ベストタイム2秒ぐらいベストを更新してね。2分2秒で泳いだんですよ。
で、2分2秒がどれぐらいのタイムかっていうと、
大学生の全国大会の標準記録まであと1秒ぐらいです。
つまり、もう、あ、切るなって僕思いました。
あ、彼、全国大会の標準も自分で切って、
初めて全国大会行くなっていうふうに感じたぐらいのレベル感なんですね。
50メートルも背泳ぎで25秒でしっかり泳いでたんで、
まあ出るとは思ったけど、すぐ出したなっていう。
なんかあと半年後かなと思ったら、すぐ出したなっていう。
で、その後彼が僕に動画を送ってくれて、
僕は自分の初見を返して、本人の感覚はこうだっていうのも伝えてくれて、
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で、練習はこういうふうにやっていこうとかって話をしてね。
で、それを土曜日と日曜日やり取りを繰り返していったら、
日曜日最後に僕、いつも言うんだけど、
試合が終わった後って何日か疲れてるから来なくなるやつとかいるけど、
もう今週末が試合だから、何とか練習来てほしいなと思って、
最後の文章に、この土日の結果っていうのは直接話で聞きたいから、
また来たら話聞かせてなって送ったんですよ。
そしたら彼から、僕も話したいですって、いろんなことをコーチと話したいですって、
楽しみにしてますって返事をくれてたんですよ。
で、ほんと変わったなと思って、何だろうなぁ、
なんかこう、うって響くかわかんねえ、反応もねえ、練習もこねえ、
だけど目を見てちゃんと話を聞く、何かを考えてそうだけど、
それを積極的にこういうには出してないとか。
つかみどころのねえやつが、だんだんなんか水泳が好きになっていく過程を、
この半年で早送りで見たような気分になって、
ああ、これがもしかしたら僕がやらなきゃいけないコーチングなのかなってちょっと感じたんですね。
何となく水泳する子もいるし、やりたくてやってる子もいるし、
目的があってそこに挑んでる子もいるんだけど、
やっぱり最終的には自分で決めて頑張ってもらわないといけないと。
そこに至るまでに、一人一人の考え方も違うし、
もちろん人が違うわけだから正解も違ってきますよね。
そこに対しての柔軟性っていうのを持たないといけないっていうのは頭でわかってたけど、
僕は彼が成長するまで待てたんですよ。
待つことができた。
それはね、たぶん20代だったらできなかった。30でもできなかった。
でもね、今40になって思うのが、割とデンと構えとけるなって気がする。
気づくギリギリのリミットまでは彼らに時間を与えて待つことができる。
で、結果を出すための準備もできるし、
結果が出るっていう自信も今すごくあるんですよね。
それは、言っても彼らもそうだけど僕もそうで、
割と必死にはやってきたんで。
最良のことを準備ができたかっていうと、
全くそうではないけども、去年よりもいい準備をしてるから、
おのずとそれは結果でついてくるであろうっていうのが今のところわかるぐらいね。
これをもっと理想の形にしていかなきゃいけないんだけど、
こうやって彼が成長して、
練習に来ないっていうのは本人が悪いっていうのも一つだし、
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じゃあそれをそのまま来ない来ないって言うのが指導者なのかって考えたときに、
どうすれば来てくれるのかっていうのをちょっと考えないといけないなと思って考えて、
実際に僕もそれを僕なりにやってみて、
それがやっぱり選手ってこんなに早くなるんだっていうのをとても実感したので、
なんか僕の中ですごい勉強になった。
だから、人が行動するときとかもそうだけど、
自分が何か発言したりとか行動するときって、
何か明確な意図を持って動いてるんですよ。
なのにも関わらず、
例えば人が練習を来ないこととか、
頑張れないことに対して本人が弱いって考えてしまうのは何でなんだろうなってちょっと僕は思ったので、
自分自身の指導を見直すきっかけにもなったし、
頑張れないダメじゃんっていうのは指導者じゃなくて、
頑張れない子が頑張れるようになって、そして遅かった子が早くなっていく、
それを実現するのが指導者であるって考えたときに、
僕は指導っていうものに対してもう一度見つめ直すことができたのかなというふうに思ってます。
大学生ってうちにいっぱいおるけど、面倒くさいんですよ、あいつら。
面倒くさいんですよね、本当にいろいろと。
面倒くさいんだけど、一人一人違うし、
一人一人が僕にもたらしてくれるものっていうのは結構大きいなと。
それを一つ一つ僕は丁寧に受け取っているような感覚では接してるし、
それをおそらく彼らもそう思ってくれてるんじゃないのかなっていう気はするんですよね。
一方通行なのかもしれんけどね。
だから、あなたの意見を僕は大切にしますよっていうのは、
やっぱり大人側から言ってあげると、
子どもたちに自分の意見を言えるような心のゆとりみたいなのを出させてあげるのは難しいのかなと思うので、
なるべく僕はそれをしていく。
僕の中でNGの線引きっていうのは決まってて、
人の足を引っ張るとか、人の時間を奪うみたいなことっていうのは僕はやっちゃダメかなと思っているので、
結局そういうことをするようになってしまうと、そこはもうやっぱりチームを優先させてもらうから、
容赦なくやめてくれと言うだろうし、
ただ自分が苦悩したり葛藤していく中で、
例えばマイナス的なことであったりとか、
そのことを僕の時間を使う分には全然かまわないなというふうに思っているので、
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皆さんは組織で動いていることが多いと思うので、
分かりますよね。だからそういう線引きはするけど、
やっぱり一人一人によって成長するスピードと成長するタイミングが違う。
ただ出会った以上は成長してほしいなって僕はすごい感じている。
今この間もね、人のペースメーカーみたいにされて苦しい練習やったって言ってた、
同じく2回生の男の子がいたし、今は練習好きだって頑張ってくれてるし、
練習が嫌いで練習来なかったやつでも、練習し始めていつの間にか大好きになって、
コーチと毎日話したいみたいに言ってくれる子が出てきたと。
これは1年間僕は向き合ってきたことの一つの形が出始めているのかなというふうには感じています。
ここからどうやって動いていけるのかっていうのはまだ分からないんだけど、
彼らと共に自分の目標が達成できるように、彼らの目標を達成に導けるように、
しっかりやっていこうと。すごくいい学びになったなというお話でした。
それではまた。