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2026-03-16 15:19

「インターネット広告費5割超え」の本当の意味 ―― メディアの"重心移動"を読み解く

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▶話した内容電通「2025年 日本の広告費」を入口にメディアの構造変化を読み解く/総広告費8兆623億円(前年比105.1%)で4年連続過去最高/インターネット広告費4兆459億円(110.8%)が初の50.2%超え/「ネットがテレビを超えた」は比較軸がずれている——販促費のデジタル流入で広告費と販促費の境界が溶けている/物販系ECプラットフォーム広告費2,444億円(112.5%)——「買い物の場」が「メディアの場」に/「払い手」(広告主)の論理がインプレッション→アクションに変化/運用型広告が2兆9,352億円で88.7%——「誰に届くか」の精密コントロール/ウェブメディアのネガティブループ(広告過多→ページ重→ユーザー離反→さらなる広告挿入)からの二極化/ビデオ広告が初の1兆275億円超え(121.8%)——コンテンツ品質が広告成立の前提に/PV至上主義→滞在時間・行動量のエコノミーへの移行(ハフポスト時代の実践)/ソーシャル広告1兆3,067億円のうち動画共有系5,126億円——エンゲージメントの深さが価値の源泉/プロモーションメディア1兆7,184億円(102.0%)で3年連続成長——イベント・展示4,748億円(111.2%)のフィジカルの力/デジタルが伸びるほどフィジカルの価値が上がる逆説/マスコミ4媒体2兆2,980億円(98.4%)——テレビメディアデジタル広告費108.6%成長は「器の載り替わり」/新聞91.8%、雑誌96.3%は器の問題であってコンテンツ制作力の死ではない/「メディアは器」——レーサーと三輪車の喩え(コンテンツ制作者の話ばかりで器の設計を語らない問題)/広告費=メディアの健康診断書(血流がどこに集まっているかの可視化)/2007年ネット広告8.6%→2025年50.2%の18年間で変わったもの・変わらないもの/「作り手のストーリーに人は動く」はAI時代も不変


▶ソース一覧[1] 電通「2025年 日本の広告費」/ 電通報 / https://dentsu-ho.com/articles/9645

[2] 電通「2025年 日本の広告費」公式レポート / 電通 / https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0305-011003.html


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サマリー

電通が発表した2025年日本の広告費によると、インターネット広告費が初めて総広告費の50%を超え、4兆円を突破しました。これは単にテレビからネットへ広告費が移行したのではなく、広告費と販促費の境界が曖昧になり、「買い物の場」が「メディアの場」へと変化していることを示しています。広告主は「誰に届くか」を精密にコントロールできる運用型広告に重点を置き、メディアの価値基準も「PV至上主義」から「滞在時間・行動量」へと移行しています。デジタル広告の成長は、リアルな場での体験価値の重要性を再認識させ、デジタルとフィジカルを組み合わせた設計思想が広告費の数字にも表れています。AI時代においても、作り手のストーリーに人は動くという本質は変わらず、メディアと人との関係性の変化が広告データから読み取れます。

インターネット広告費5割超えの衝撃とメディア構造の変化
松浦シゲキの、それでもメディアは面白い。
この番組、それでもメディアは面白いわ。
メディアコンサルタントで、コミュニケーションプランナーの松浦シゲキが
ありとあらゆるメディアの器をこねくり巻きながら語り尽くします。
さて、今回のテーマは?
はい、皆さまこんにちは。松浦シゲキでございます。
毎年、この時期になるとですね、出てくる恒例のレポートがございまして
電通が発表する日本の広告費。
実はね、実はってわけではないですけど、ちゃんと毎年読んでますよ、みたいな話なんですが
2025年版が出まして、今年はちょっと考え深いものがありましたかなという感じです。
で、何が起きたかというと、インターネット広告費が初めて総広告費の50%超えました。
4兆459億円。総広告費8兆623億円のうちの50.2%。
で、ソーシャルメディアとかを見てるとですね、
ついにネットがテレビを超えた、マスメディアの時代は終わったみたいな反応あったりとかするんですけど
自分はね、そういう話したいわけではなくて、このデータもうちょっと丁寧に読むと
もっと面白い景色が見てくるかなというふうに思いまして、しゃべる次第でございます。
で、まずちょっと違和感の話から入ろうかなと。
インターネット広告がマスコミ4倍台を超えたというフレーミングあったりとかしますが
これ事実としてはそうなんですけど、比較の軸がずれてるかなと思います。
で、マスコミ4倍台の広告費は2兆2980億円で全年費98.4%微減しております。
一方、インターネット広告費はですね、4兆459億円で全年費で言うと110.8%差が広がりました。
で、ここだけ見るとね、テレビからネットにお金が移ったと読みたくなるんですけど、実はそんな単純な話じゃないと。
で、注目すべきはインターネット広告費の中身。
4兆459億円の内訳見ると検索連動型が1兆2814億円、ソーシャル広告が1兆3000トンで67億円、ビデオ広告が1兆275億円で初の1兆円超えと。
で、ここまではね、まあそうだろうなという話です。
でも、その物販系ECプラットフォーム広告費というのがありまして、それが2444億円ありまして、全年費、これが112.5%の伸びてるんですよね。
これ何かと言いますと、Amazonや楽天で商品を検索した時に出てくる広告、つまりですね、買い物の場がメディアの場になっておりますと。
広告費の定義の変化と「払い手」の論理
で、ここに私がですね、重心移動と呼びたい変化の本質があるかなと。
テレビからネットにお金が移ったんじゃなくて、そもそも広告費の定義が変わってきてると。
まあ、反則費ってあるんですけど、それがデジタルに売るようにしても、広告費と反則費の強化線が溶けてきてるかなという感じです。
まあ、そもそももうかなり溶けてるんですけどね、それで言うとね。
で、自分はいつもですね、メディアのプレイヤーを作りて、伝えて、受けての3つで考えてるんですけど、
広告の世界ではですね、もう一つ大事なプレイヤーがいます。それが払い手、つまり広告主のことですね。
で、この払い手の行動権利が根本的にね、ずっと変わってきてます。
昔の広告は、たくさんの人に見てもらうことにお金を払ってました。
テレビCMがね、まさにそれで視聴率が通過でした。
1000万人届くから、これだけのお金を払うという感じですね。
で、今の払い手はですね、違うことを考えてて、この人は買うのかとか、この行動は売り上げにつながるのか、
つまりインプレッション、見てもらうことだけではなくて、アクション、動いてもらうことにお金を払うようになってきてます。
で、今回のデータで言うと、運用型広告がですね、2兆9352億円で全体の、なんと88.7%を占めているんですよ。
で、改めて運用型というのは、リアルタイムにですね、
オーディエンス、読者を見ながら出し方とかね、単価とか調整していく広告。
つまり払い手が誰に届くかをかなり緻密にコントロールできるようになってるんですよね。
だから多くの人に大雑把に見られるっていうインプレッションだけじゃなくて、
誰に届くかを精密にコントロールできる広告に、もう9割ですよ。9割占めてるような状況です。
で、これメディアの側から見ると何に意味するかというと、
たくさんの人が見ていますだけでは、もう払い手なんか説得できませんと。
そこに大きな価値があるのかというと、ないです。
それで言うと、パブリッシャー単位でね、たくさんのユニークユーザーを抱えてなければいけないんですけど、
それにしたって、みたいな話なんですよ。
だってプラットフォーマーの方はもっともっと多く持ってますもん。
だからプラットフォーマーの方に運用型広報が流れちゃうっていうところなので、
メディアでやるのはね、単一メディアでやるのはだいぶしんどい状況っていうのはもうね、
10年ぐらいそんな感じなんですよ。
で、以前もこの番組で話したことがあるんですけど、
ウェブメディアにはネガティブループがありますと、
ウェブメディアのネガティブループと二極化
広告収入を増やすためにページに広告たくさん貼ります。
するとページ重くなります。ユーザーが離れていきます。
クリック率下がります。Googleの検索順位も落ちます。
トラフィックが減ります。その減った分を補うためにさらに広告を貼る。
ね、悪循環ですね。
で、今回の広告費データを見て思うのは、
このネガティブループから抜け出しているメディアと、
まだあり続けているメディアで完全に局下進んでるんじゃないかなという風に思います。
一つね、ビデオ広告が1兆円を超えたというのは象徴的でして、
動画広告はですね、テキスト広告よりもユーザー体験の鑑賞が大きいです。
だからこそ、受け手にとって見る価値があるコンテンツの中に、
自然に溶け込む形でしか実は広告成立しませんと。
テキストを読みながらね、いろんな広告が出てきたりとか、
右下からボコンと出てきたりとかあるんですけど、
今現時点で動画においてはですね、それないので、
というとこもありまして、コンテンツの質、体験の質が低ければ
ビデオ広告機能しないという話です。
つまりですね、やっぱ払い手の変化が伝えての品質をね、
PV至上主義から行動量エコノミーへの移行
取り直しているという状況でございます。
で、これもですね、この番組で以前話した件とつながるんですけど、
ページビュー市場主義の問題。
ページビューが多い偉いという時代から、
私はね、ずっと違う指標を見てまして、
見てたのは、とにかくユニークユーザーと滞在時間。
なぜかというと、ページビューはですね、
ページをたくさん分割すれば水増しできます。
でも、滞在時間はですね、嘘を使えません。
で、そのコンテンツに人が時間を使ったかどうか、
これが本質的な仕様で、
この点においてで言うとですね、
プロモーションメディアの成長とデジタル×フィジカルの逆説
テキストも動画も音声も関係ございません。
で、今回の広告機データで面白いのは、
ソーシャル広告1兆3067億円のうち、
動画共有権が5126億円を占めているということですね。
YouTubeやTikTokの広告ですね。
ここではどれだけ見られたかではなくて、
どれだけの時間、エンゲージされたかが、
価値の厳正になっておりますと。
で、私はですね、行動量の好みという言い方をしているんですけども、
メディアの競争時期が何人に見せたかから、
どれだけ深い行動を引き起こしたかに移っております。
いいねを押す、コメントする、シェアする、購入する、
この行動量の深さと量っていうのがね、
広告の価値を決めるようになっております。
で、そうなると、そもそものメディアの設計思想そのものが変わらなきゃいけないと。
人を集める装置ではなくて、人を動かす装置。
ここの転換がね、インターネット広告費5割5円の
マスコミ4媒体の現状と「メディアは器」という視点
本当の意味なんじゃないかなというふうに思います。
で、他にもですね、面白いデータありまして、
プロモーションメディア広告費、これが1兆7184億円で、
全日費102.0%、3年連続成長。
中でもですね、イベント展示が4748億円で、
全日費111.2%、交通広告もですね、
1736億円で、108.6%。
つまりですね、リアルの場合に対する投資が伸びております。
これ、デジタルシフトの話と矛盾しているように見えるんですけど、
実は全然矛盾しておりませんで、
私はいつも富士からの力という話してるんですけど、
デジタルが伸びれば伸びるほど富士からの価値が上がります。
なぜか、デジタルはですね、情報を効率よく届ける装置としては最強です。
でもこの人本当に顧客になるのかを判定するには、
やっぱり物理的な設定が必要になります。
広告費データはメディア産業の健康診断書
ラジオさん、日本放送さんが大通りの東京ドームやったりとか、
そもそも音楽フェスの物販はそうですよね。
Appleのストアなんて最低なものなんじゃないかなと思います。
デジタルで認知して、フィジカルで確信する。
今回のプロモーションメディアの成長は、
ハライテンはこのことに気づいている証拠なんじゃないかなというふうに思います。
私もハライテン側のお仕事をやったことある身からしても思います。
デジタル広告だけではですね、行動変容の最後の一押し足りないというか、
変わらないもの:作り手のストーリーに人は動く
分かんないんですよ。実際会ってみて、
どうして変わったんですかというリアルな声を聞くことは大事です。
だからリアルな場に投資する。
広告費8万円の中にこのデジタル×フィジカルの設計思想が
通じとしても現れ始めているんじゃないかなと思います。
もしリアルな場というところが、
そうでもないね、デジタルだけやってればいいねという話になるんだったら
イベント展示とか交通広告とかの広告費って下がると思うんですけど、下がりません。
むしろ伸びております。結構伸びています。
10%ぐらい伸びています。
ここでですね、従来マスコミ4倍台の話もしておきたいかなと。
新聞は全年期91.8%、雑誌は96.3%と厳しいですね。
フリーペーパーに至っては80.9%で、紙の広告全体的に縮んでおります。
一方でね、テレビメディア広告費はですね、全年期99.7%ということでほぼ横ばい。
それでもメディアは面白い、メディアは器として考えているというのは
一番最初からやってますけど、
そのメディアとは器でありまして、その上にコンテキスト、文脈、切り口があって
その構成要素としてコンテストがありますと。
料理に例えると、お店たる器があり、日本料理かフランス料理かみたいなコンテキストがあって
その上に実際の料理、コンテンツが乗っかりますという話です。
この視点で見ると、テレビの放映装置とある器としては確かに縮んでおりますというのはあるんですけど
テレビが生み出すコンテンツの力が残っています。料理人のパワーが残っております。
だからこそテレビメディア由来のデジタル広告機器が全年期108.6%伸びております。
テレビのコンテンツがデジタルの器に乗り換わって、そこで広告が回っていることもまた事実だったりします。
器が変わってきているだけだと思います。
テレビという放送班が死んだんじゃなくて、テレビというコンテンツ製作装置自体が
デジタルという新しい器の中で生き直しているという感じに考えた方がいいかなと。
問題なのは、器が変わっていることに気づかずに、その古い器にこだわっているケースかなと思います。
車のレーサーの話をするんですけど、よくするんですけど自分は、
どんな優秀なレーサーでも三輪車を乗っていたら速く走れないんですよね。
器の設計を変えなきゃいけないし、器の環境も変わっているのに、
レーサーとあるコンテンツ製作者の話ばかりしているメディアがまだ多いかなというふうには思ったりします。
ここまで話してきてですよ。
自分が感じているのは、コーヒーのデータってメディア産業の健康診断書みたいなものだなというふうに思います。
なんて言ったって8兆円あります。8兆623億円という数字は、
日本の企業が私的に言えばコミュニケーションを使ったお金の総額です。
このお金がどこに流れているかを見ると、メディア産業のある意味、血の流れが見えるかなと思います。
血の流れが集まっているところ、デジタル、ビデオ、ソーシャル、リテールメディアが
払い手がここにお金を出す価値があると判断した場所です。
血の流れが細っているところ、新聞、雑誌、フリーペーパーは払い手の判断基準に合わなくなってきた場所なのかなという感じです。
でも血の流れが細っているからといって、それイコール死亡じゃないんですよ。
新聞社や出版社が持っているコンテンツ制作能力というのは、デジタルの器に乗せ直せば新しい価値に全然なり得ますし、実際そうなっています。
問題は器の設計と血の流れ、血流の動線ですね。この2つを変えられるかどうかという話だと思うんですよ。
最後に番組名に立ち返って、それでもメディアは面白いという話でございますが、
私、振り返ってみると、2007年にネット広告機がまだ全体の8.6%だった頃からこの業界におります。
デジタル側におります。ライブドアでアグリゲーターの側にいて、トップジャックの広告とかディレクションをしていました。
ハーフポスト、パブリッシャーでした。直接編集長としてコミュニケーションしましたし、スマートニュースでもアグリゲーターの側にもいましたし、
伝えて側みたいな形で広告出向の立ち位置もやりました。この50%を超えるまでの18年間ぐらいで何が起きたかというと、
お金の流れが変わっただけじゃないんですよね。メディアの器が変わって払い手の論理が変わり、受け手の行動が変わってきたんです。
でもこの流れにおいてで言うと、一つだけ変わってないものがあるとすれば、それは何がどうなっても、作り手のストーリーに人は動きます。
AIが簡単にスペック的な情報を返せる時代でもありますから、人がわざわざ時間を使ってコンテンツに接するのは、そこにストーリーがあるからでございます。
ビデオ広告1兆円の裏側にあるのは30秒のCMを流して終わるじゃないんです。この人のストーリーの中に自分を重ねたいという受け手の欲求があるんですよね。
ソーシャル広告1兆3000億円の裏側にあるのは、誰かの紹介で知りたいという信頼の回路だと思います。
広告機のデータは数字の羅列に見えますが、この向こう側にはメディアと人との関係性がどう変わってきたかのストーリーがつけて見えております。
構造が変わること自体は厳しいことでもありますし、面白いことでもあります。
どっちに見えるかは、自分がどこに立っているかで変わるんじゃないかなと思います。
今日は、点数2025年日本の広告機のデータを読みながら、インターネット広告機が5割を超えた意味を自分なりに考えてみました。
それではまた。まとめた刺激でございました。また来週です。
15:19

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