でもね、この話を金閣寺に戻すと、溝口はですね、そうやってみんなから笑われること、それがね、ちょっとなんか自分のアイデンティティっぽくなってたっていうね、そういう複雑なことがね、ちょっとよく読み取れるんですよね。
で、次のシーンなんですけどね。次はですよ、金閣寺の都邸になった。まあ主人公は金閣寺を掃除したり、住職の身の回りをする、身の回りの世話をするってことをしてたんですけどね。
ここで鶴川という同じ身分というか立場の仲間と出会う。この鶴川は差別しないんですよね。鶴川はこの溝口の喫音を全然からかおうとしないんですよね。
それで、なんでだと聞くんですね、主人公が鶴川に。鶴川はだって僕、そんなことはちっとも気にならない立ちなんだよって言うんですよ。で、その後のね、この主人公の心情の描写がね、最初はこの種の優しさを知らなかったっていうのから始まるんですけど、その後がすごいんですよね。
あと読みます。
無視されることは、それがそのまま私という存在を抹殺されることだと奇妙に信じ込んでいたのだから。だからね、やっぱりみんなから嘲笑されて、笑われて真似されて、バカにされて、そういう環境にずっといたので、
それ、どもりイコール自分、喫音イコール自分というふうに溝口は思い込んでいたんですね。もう外界との間にすごく隔たりがあると。それが自分なんだけど、喫音を取っちゃってもまだ自分なんだっていう。
喫音を、私からどもりだけを越し取ってっていう表現を作ってますけど、表現を使ってますけど、どもってるっていう喫音のことを越し取るっていう表現ですから、綺麗にそれだけ取っちゃうって感じですかね。
喫音の部分だけを綺麗に差し引く。それでもまだなお私なんだ、私でいいんだ、僕でいいんだみたいな。だから、最初は戸惑った感じなんですかね。え、じゃあ僕って何みたいな。喫音取っちゃったら僕何みたいな。
そういうの最初は戸惑ったけど、まあ心地良いみたいなね。すっぱりと裸にされた心良さをくまなく味わったっていう。書いてありますね。だからね、どもりであるということを無視されること、つまりからかわれないこととかバカにされないこととか。
それは存在を抹殺されることだとそれまで信じ込んでいたと奇妙にね。だからバカにされてからかわれた方が存在を認められてるっていう、そういうちょっと歪んだ感じだったものが綺麗に洗い流されたっていうことなんですかね、この鶴川の優しさで。
はい、そういうね、描かれ方をしてるんですよね。喫音がね、喫音の人の内面というか。だから僕も喫音がもう僕なんだなっていう。最近そう思うのか、このポッドキャストを始めた時、第1話が喫音が私みたいな、そういうタイトルをつけたんですよ。
それはね、やっぱ喫音と自分は切っても切り離せないなっていうのを思ったんですよね。今でこそ気にならなくなって喫音があまり出なくなってるし焦らなくなってるんですけど、やっぱりね、喫音に苦しめられてきた自分の過去というのは変わらないわけですね。
だからそういう人生なわけだから、喫音はもう自分だと。でもまあ、現代に生きる僕とかは、いやいやいや、これなくなったらな、なくなったら本当の自分だなとかっていう気持ちもあったんですよね。
でも差別が激しいというか、昔はね、もっと昔はそういうふうにも思えないと。なくなったらそれが本当の自分なんだとすら思えない。むしろいろいろバカにされてからかわれている喫音があるっていうのが、それがちょっと一種歪んだアイデンティティになるっていうね。
はあ、なるほどなと。だから辛いとか思わなかったってことなんですかね。そういう状態が普通だったら。
時代のこととかも考えさせられましたし、あとは喫音が外との扉の鍵になると。ちゃんと開いたためしがないと。外界と自分の間には何か隔絶されたものがある。
ラグがあったり、隔たりがある。スムーズに接続できない。だから外と繋がれないっていうね。はあ、なるほどなーって。そういうちょっと、何て言うんですかね。
僕の内面の奥底にもすごい気にしてた時代は、そういう外と繋がれねえなーみたいな。みんなどんどん先行っちゃうわみたいな。そういう感覚があったなっていうことを思い出し、
それはね、こういう外と外界との間を隔てる鍵なんだよ喫音はっていう、原稿化してくれた三島由紀夫。もう本当にすっと腑に落ちるものがありました。ちょっとそういうことを言いたかったんですね。
はい、そういうちょっと話をしてみました。この番組ではお便りも募集しております。番組の感想やツッコミなど何でもいいですので、ぜひお便りフォームから送ってください。お便りいただいた方は紹介したいと思います。ぜひよろしくお願いします。
はい、では音楽のコーナーです。めくるめくるライナーノーツ。このコーナーはロックのCDアルバムを中心に、そのCDアルバムの中に入っているライナーノーツを読んで、その作品を紹介するコーナーです。
今日はですね、フーファイターズですね。もうすごいスーパーバンドです。ロックの電動入りもしてますし、グラミ賞も15回通ってるとかって調べたら書いてありましたね。もうすごすぎ。
フーファイターズのファーストアルバムを紹介したいと思います。なぜフーファイターズのファーストアルバムかというとですね、30周年版がまた出たからですね。
僕はフーファイターズあんまり聞いてなかったんですけれども、これをCDショップで見かけました。この神ジャケを。神ジャケ好きなんですよね。今もちょっと話ずれますけど、CDショップ行ってずらっと洋楽が並んでるとか、いろんなジャンルのCD置いてあるとか、もうほんと滅多にないですよね。
東京とか行かないと、ほんと。だからそれがハッキー屋さんかな?ハッキー屋さんのCDコーナーに行ってあったんですよ。このフーファイターズのファーストアルバムが。で、もうついつい買っちゃいましたね。やっぱ神ジャケとこの時代のこのアルバム、もうついつい惹かれちゃいます。
というわけでちょっとね、超有名アルバムですけど、簡単に紹介したいと思います。この30周年版ということで、ライナーノーツを書いた鈴木義之さんは、ちょっと違う視点でこのフーファイターズのファーストを捉え直そうとしています。
だからフーファイターズのファーストアルバムは、他のバンドのファーストとは違うと。悲しみの中ね、元ニルバーナのドラマデイブグロールが悲しみの中制作したアルバムだからっていうね。
そういう見方がやっぱりずっと強かったし、そういう文脈で捉えるとすごく感動的に感じてパワーももらえる感じがしますよね。でもね、そろそろもっとフラットに本作へ向き合おう。向き合ってもいい時期なのかもしれないという風に鈴木さんは書いてます。
はい、そこで今週の一説。
結果的に本作は重苦しいイメージばかりが先行したグランチから脱却し、そのエネルギーを陽性なものへと転換してみせたと言ってもいいかもしれない。
はい、やっぱまさにですよね。まさにそうだな。だってすごくこのパワーに満ち溢れてますよね。
これ、だから一見ストレートでラフなパンクハードロック、東風ファイターズ思われがちですけど、やっぱね、これ鈴木さんも書いてるようにフックのあるメロディーやリフに満ちているっていう。
これもう当たり前の事実ですけど、やっぱデイブ・グロールのソングライティングすごいですよね。魅力的な曲いっぱい。もう最高っていう。ライブで盛り上がれる曲がいっぱいですよね。
そのライブバンドとしても、スーパーライブバンドとしても、東風ファイターズ有名ですけども、やっぱその元はちょっとラフでパンクな感じじゃなくてやっぱりソングライティングなんだろうなというのを改めて感じさせてくれるアルバムですよね。
で、東風ファイターズの来歴についてちょっと触れていくと、やっぱりね、このファーストアルバムはデイブ・グロールが、ニルバーナーが終わったと、カートコ・バーンが亡くなってしまうというその悲しみの中でスタジオに入り一人でね、全部の楽器演奏して完成させて、
その後、東風ファイターズとしてバンド活動を始めるにあたりメンバーを招いたっていう、そういう始まりですよね。
だからまあ、この鈴木さんは、ライナーノーツを書いた鈴木和之さんは、この東風ファイターズのライブを目の当たりにして、生き残った者は自らの人生を歩み続けるのだっていう、書いてみれば当たり前のことだけれども、生命力あふれるエネルギーを直に与えてもらったって、ライナーノーツに書いてますよね。
そういう人は世界中にいるんじゃないかと。だからそういう文脈じゃないところからそろそろ捉え直そうとも言ってますけど、やっぱりね、その文脈からそういう物語、やっぱりついてまいりますよね、この東風ファイターズのファーストアルバムには。
だからこそ、デイブの書くすごくいい曲、すごい曲たちに、さらにですよ、さらにまたパワーを与えているという、人に与えるパワーをまとっているわけですよね。
その後の東風ファイターズですけど、ちょっとメンバーの入れ替えがあったりとかちょっとしたりするんですが、やっぱり一番最近で大きなニュースは、2022年のテイラー・ホーキンスが亡くなってしまうと。
でもそれでもデイブと仲間たちは、2023年にアルバムを完成させます。公認のドラマジョッシュフリーズを迎えて、2023年フジロックとか、あと2025年にも来日してます。
デイブは新日誌化としても有名で、日本との絆も深いんですよね。日本のファンとの絆も深いと。だからまだまだどんな曲を聴かせてくれるのか、どんなパフォーマンスを見せてくれるのかっていうのがすごく楽しみなバンドです。
だからもうこんなみんなが元気のない時代に、よりこのフーファイターズの曲は鳴り響くんでしょうね。ちょっと僕も今まであんまり聴いてなかったので、このフーファイターズもっといっぱい聴いて、この元気をもらっていってパワーをもらっていきたいなと思います。
はい、ということで、今日のめくるめくライナーノーツではフーファイターズのファーストアルバム、フーファイターズを紹介しました。