1. ストーリーとしての思想哲学
  2. #38 人間の思想はどう形成され..
2023-10-08 05:03

#38 人間の思想はどう形成されるのか

マルクスによる上部構造は下部構造に規定されるというテーゼを紹介する回です。

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ストーリーとしての思想哲学
思想染色がお送りします
今回は、人間の思想とはどのように形成されるのかというテーマです
これについては、カール・マルクスがとてもいい指摘をしています
丈夫構造は株構造に規定される、というんだけど、このテーゼを紹介する回です
丈夫構造というのは思想とかイデオロギーといった精神的なもので、株構造というのは経済活動とか生活といったもののことです
丈夫構造は脳みそに属すること
株構造は体に属すること、というイメージですね
マルクス以前は、脳みそは体に優越すると考えられていました
つまり思想が先にあって、人間は思想やイデオロギーに基づく生活をするんだ、という考え方が普通でした
マルクスはこれが逆だと言います
イデオロギーと生活とを対比させた時、人間には先にイデオロギーがあるのではなく、先に生活があるよね、ということ
もうちょっと具体的に言いますね
人間の大きな歴史を俯瞰してみると、ベースとなる生活や経済活動という部分
これはかつては農業を農村という共同体のみんなでやる社会が普通でした
このような生活・株構造をしていると、必然的に農民同士は協力しなければいけなくなります
共有地を管理するのもそうだし、開墾や農業用水の管理もみんなで協力する必要性に強く迫られます
このように人々が協力し合う関係のことを類的存在と言うんですが
このような生活を当たり前にしていると、村の内部、身内とよそ者を強烈に区別するような思想になるであろうことは想像に難くないです
ちょっと言い方が悪いかもしれないですが、村社会思想とでも言うべき常務構造は株構造によって規定されてくるといったことです
一方で農村社会から工業化社会に移り変わると、大都市のような人口密集地で賃金労働をして生活することになります
そうすると賃金労働者同士って農村みたいに協力する必要ってないですよね
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むしろ他の賃金労働者っていうのは仕事や良いポストを奪い合う敵ですらあります
このような株構造は、自分だけは何とか良いポストにありつこうという利己主義だったり、同僚より先に出世してやろうという競争主義のような常務構造を構築します
さらに言えば、農村のような大きな共同体から都市部のアパートに労働者は各家族という単位で住むようになりますから、プライバシーとかプライベートを重要視するようになります
これも株構造が常務構造を規定しているという構造になっていますよね
はい、今風に言うと仕事が人を作るという言葉もありますが、
人間の思想というのはどのような経済活動に組み込まれているかに規定されるんだという話をカールマルクスがしているという話でした
思想やイデオロギーというと、脳みそによって作られるという感じがするけど、実のところ肉体的、物質的なところから強い影響があるという理論を紹介して今回はここまでとします
次回もよろしくお願いします
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