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ストーリーとしての思想哲学
思想染色がお送りします
今回はですね
狼について喋ります
僕は中世ヨーロッパがとても好きなんですけど
やっぱり狼って言うと
童話の赤ずきんとかでも捕食者としての悪役ですし
悪者のイメージがあります
この狼っていう動物を補助戦にして
歴史を俯瞰すると
ヨーロッパっていうものに対する理解度が深まって
面白いよという話です
まず、昔のヨーロッパって
基本的に森に覆われていて
暗くて深い森の中に
恐ろしいものがいるというイメージがあります
童話の赤ずきんとか狼と7匹の小やぎとか
3匹の小豚とかのイメージですよね
だから狼イコール
嫌われ者のメタファーを
ラベリングされて押し付けられているというわけですが
どのようにしてこういうイメージが形成されていったのか
その形成過程を、歴史を見ながら
順番に紐解くような感じで見ていきたいと思います
そもそも
狼の嫌われ者のイメージは
近世以降にできたものであって
古代から中世にかけて
狼はヨーロッパであんまり嫌われてはいませんでした
恐れられてはいたけど
同時に崇拝の対象でもあって
近世ほどは決して嫌われてはいませんでした
今、動物の歴史っていう本見ながら喋ってるんですけど
その理由がですね、かなりシンプルなもので
そもそも古代から中世は
人間の数っていうのがまだあんまり多くなかったから
だから狼とあんまり遭遇することがなかったようです
めちゃくちゃ身も蓋もない理由なんですけど
シンプルに昔は人口密度が低かったから
なおかつ狼もそんなにたくさんいなかったですから
だから人口密度も低いし狼の密度も低かったから
遭遇率が低かった
だからそもそもあんまり合わないから
嫌悪とか憎悪の対象にはなり得なかったというわけですね
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はい
それから狼は人間をですね、実はあんまり狙いません
狼から見た人間っていうのは
行動が予測しづらくて
多様な武器を持っていて群れを作る生き物です
これがあの狼から見た人間
人間の特性ということだけど
それに加えて人間は犬を刺激しますし
おまけに家っていう南高不落の城塞に閉じこむることもできます
ですから狼から見たら
人間はあんまり魅力的な獲物ではありませんでした
したがって人間が群れからはぐれている時とか
何か必要な時以外は襲わなかったようです
特に何にもない平時の時は
狼もバカじゃないから
もっと他に魅力的な獲物がいますから
そっちを襲ってました
だから人間自体は襲われづらかったんですけど
一方で人間が飼っていた家畜はよく狙われました
ちなみにちょっと余談ですけど
先ほど人間は犬を刺激するっていうふうに言いましたけど
今でも犬って首輪をつけているイメージがありますよね
最近は室内飼いをしているから
あんまり首輪をつけることもないのかもしれないですけど
イメージとして
あの犬の首輪っていうのはいくつか由来があるみたいです
で、その中の一つが狼と戦うための防具だということです
動物と動物の戦いって特に狼って
獲物の吸収を狙ってきますから
だから獲物の喉を狙ってくるんですよ
なので鉄の首輪を犬につけて
狼が犬の喉を噛み切れないようにしたんです
こうした犬用の防具、犬用の鎧みたいなものが
この犬には首輪をするっていうイメージの由来の一つだということです
話を元に戻して
狼のイメージが決定的に悪くなるのは18世紀になってからです
これが結構個人的に意外で
こんなに最近のイメージなんだっていうふうに思いました
18世紀の1764年から1767年にかけて
フランスのですね、ジェボーダン地方っていうところで起こった事件が
どうやらターニングポイントであったようです
ジェボーダンの獣っていうのを
歴史とか、まあ何か都市伝説とか
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そういうのが好きな人は聞いたことがあるかもしれません
一旦ここでキリがいいので終わります
次回はジェボーダンの獣事件の話を続けます
では次回もよろしくお願いします