では、筑波大学教授の東野篤子さんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
東野先生は、ロシアがウクライナに対して全面戦争を始めた2022年2月24日からずっと情報発信を続けてこられました。
4年が経ちまして、日本のメディアでの報じられ方、そして先生が伝えるメッセージに変化があったのか、なども伺っていきたいと思うんですけども、
まずはその日本のメディアでね、報じられる数というのは正直ほんと減ってきましたよね。
めちゃめちゃ減りましたね。はい、その通りです。私も2022年2月24日の前後からはですね、
例えばそのテレビ局3日4つ回ってっていうのは普通でした。
テレビ局の控室のソファーでちょっと寝かせてもらって、その次の収録に行って、その次の収録に行ってみたいな生活をしていて、
さすがにあれを4年間続けることはできなかったと思いますけれども、しかし現在もですね、
例えば日本で選挙があったらもう一切なくなっちゃうとか、それから最近ですとそのベネズエラもあり、イランもあり、
なのでやはりウクライナはどんどん後回し、後回しになっていっているという感じがするので、
今回佐々木さんに呼んでいただけて大変ありがたいと思っております。ありがとうございます。
正直聞いてくださっている皆さんも、今ウクライナとロシアどうなってるのっていう、
今どっちが優勢なのとか、どこくらいまでそのロシアの進行が進んでるのっていうのがわからないんですよね。
あまり伝わってこない。もちろんアクティブに情報を自分から検索したらもちろん出てくるとは思うんですけども、
受け手でメディアを見ているとほとんど今報じられないので、今選挙はどういった状況なんですか?
はい、選挙とそれから選挙以外の、例えば都市部の状況などと分けてお話をしたいと思います。
まず、東部南部の前線の状況なんですけれども、これはここ数ヶ月の特徴なんですが、
ウクライナ側が前線しているというニュースの方が多く入ってくるようになりました。
ただこれは全ての拠点でウクライナが構成している、ウクライナが優位に立っているということでは全くないということなんですね。
戦いのあり方、戦いの仕方というのは4年目に入り、一層過劣に一層残酷なものになっています。
ただ、ウクライナが取り返すことができる領土が少しずつ増えている。これもまた事実なんですね。
ただ、取り返すことができる領土がですね、戦略的に重要な場所であるかどうかというところがまた別問題でして、
ロシアがですね、例えば大きな拠点を最近でも落としそうになっている。
一部のロシアのメディアでは、落とした、もうここは占領しましたよというふうに言っているところもあるということなので、
一概にウクライナが押しているとも、ロシアが押し返しているとも言えない状況です。これが前線の状況。
そして今年に入ってからの大きな変化というのは、何といってもウクライナがロシアの国内の、特に石油関連施設を積極的に攻撃をし始めたということが違っていますね。
これまではウクライナ国境に近い石油施設などの攻撃はありましたけれども、それが都市部になってきました。
例えばまずはサンクトペテルブルク、その後モスクワに対して繰り返し攻撃があるということなので、
これまでこの戦争と無関係だと言われてきた都市部、ロシア都市部の人たちにも、戦争の影響が及ぶようになってきたということは、ここ数ヶ月の大きな変化だと思います。
そうですよね。モスクワで何かあったとしたら、普通に暮らしているロシア人にとっても、これはって感じる部分があると思うんですよね。
いくら情報統制だとしてたとしても、ロシアにとってはこれまずいなってなりますよね。
もちろんロシアの上層部としては、このような展開をそもそも予測もしていなかったと思いますし、それに対する人身の掌握ですよね。
これで例えば民衆がですね、より戦争に対する危機感、嫌悪感を強めてしまうということは、ロシアの中央部としては決していいことではないと思います。
ただ私もここ数ヶ月の動き、例えばサンクトペテルブルグやモスクワに対する攻撃がなされたということで、
ちょっとそのロシアの中でも遠征気分が高まり、プーチン政権に対して、もう戦争なんかやめてくださいって人が増えてくるかなと思ったら意外と増えないんですね。
やはりそのロシアの国民性という話をすると雑になってしまいますが、多くの場合その権力者に対して非常に従順で、
特にプーチン体制のようにですね、締め付けが厳しい体制ですと、例えば声を上げることによって罰金になったり、拘束されちゃったりというですね、
そういったことがありました。つい最近もウクライナの中では大打撃に報じられて、ロシアではほとんど報じられなかったんですけど、
例えばそのロシアの国内のある男性がですね、ウクライナに対して米ドルで言うと150ドルを寄付したと、
それによってそれが発覚してしまって金庫刑になってしまったというですね。
だからウクライナに対する協力の罪なわけですよね。だからそういうことでもお金を寄付しただけでも、
そのように罰則を与えられてしまう以上ですね、戦争反対だとかプーチン政権反対だとかということはとてもじゃないけど言えないという状況だと思います。
なるほど。
あと現状のその戦況として、いわゆるロシアに接しているウクライナの部分、かなり多くの部分がロシアに攻め入られているような状況だったり、あとクリミア半島ですよね。
今そこはどうなんでしょうか。前線はウクライナしているっていうことですけども、今ウクライナはそこの部分を取り返せるのか、それとも一部はもう諦めなきゃいけないという状態になっているのか、ここは正直どうなんですか。
私の本当に正直なところを申し上げますと、私の理想としては、少なくても2024年2月24日の全面進行開始までの領土を取り返せばいいのではないかというふうに、これがもうウクライナにとって最低限望んでいたことなんですけども、その実現は私は大変に難しいと思っています。
ただですね、先ほど申し上げたように、今まで例えばドンバス地方ですと97%近くの地域によっては、ロシアが占領してしまっているところも少しずつ取り返しているところもあるということなんですね。
できるだけ早い段階で東部と南部の4州を完全征服してしまうということが目標だったと思いますが、それは達成できていません。達成できていなくても、今キープしているところはなかなかウクライナが取り返していないということも事実だと思います。
それから先ほど東部南部4州と言いましたけれども、ウクライナがですね、最初は占領されていたけれども一気に取り返したというハルキューという州がありました。そういった州の例もありますけれども、しかしその州によってバランスが大きいのは南部のですね、例えばヘルソンとかですね。
あの辺りの地域は、そこまでロシアに完全に制圧されているわけではない。まだウクライナが主権を保てているところもあるのですが、やはり東部は厳しく多くの部分がまだまだロシアによる占領に耐えている状態ですね。
それから大きな変化が最近あったのはクリミアでして、クリミアはずっとアンタッチャブル、触ってはいけないところだというふうに、特にアメリカが考えていた部分があるんですね。というのはクリミアは今回の戦争で取られてしまったのではなくて、2024年の3月のクリミア占領以降ずっとロシアの支配下にあったということです。
ロシアとしてはクリミアは補給面でも、それからまあ歴史的な象徴の面でも生命戦でして、ここは絶対に取り返されないし、私がその複数のウクライナ研究者から聞いたのはですね、やはりそのクリミアを本格的に軍事特化しようとするとロシアが核の使用を本気で考えかねないというそういった悲観論もありました。
ところがここしばらくを見てみますと、クリミアに対する包囲作戦ですとか、クリミアへのエネルギー供給を全く持って立ってしまう。それによってクリミアに住んでいる人たちは、ロシア人だろうが何人だろうがですね、エネルギーを買えなくなっちゃっているという状況があって、なんというか冷やがっちゃうという状況になっているわけですね。
逃げようにもなかなか逃げられないという状況もあるということなので、非常に大胆にクリミアをすぐに奪還ができなくてもですね、クリミアをウクライナの支配下にもう一度戻すことによって、東部と南部の戦線に影響を与えようとしているという作戦が今同時並行で行われています。
それがまた今クリミアがよりスポットライトが当たっているというか注目されているということなんですね。
一方でウクライナ国民の気持ちというのはどう揺れ動いているのかなというのも気になります。
どこにお住まいかというところであったり、例えば家族が軍として出ているとか、そういったことによっても何か気と違うんだろうなというのは想像できるんですけども、そうじてのウクライナ国民の今心情ってどうなんでしょうかね。
これは山あり谷ありですし、アップダウンがある。それからおっしゃる通り属性によっても違っている。ロシアに親戚とか家族がいるかどうかとか、純粋なウクライナ人というのもなかなか難しい。
例えば親がロシア人とウクライナ人であるとかですね、親戚がほとんどウクライナ、ロシアに住んでいるとかいろんな人がいるわけですよね。
今日もウクライナ市議派外務大臣とお話をしたときにですね、このように4年半続いていてもウクライナの国内ではそれでもなおかつロシアを支持している人たちだっているんだっていうのは現実として受け止めなきゃいけないみたいな。
そういったこともおっしゃっておられましたので、必ずしも皆さんが一枚岩ではありません。それはやはり世論調査などを見るとですね。
常に今すぐに妥協してやめてしまいたいっていう人もいるし、これだけの被害をこむって、そしてその東部も南部も取られっぱなし、クリミアも取られっぱなしで、やめてしまうわけにはいかないっていう人たちと分かれている状況だと思います。
ただここしばらくですね、やはりキウイなどを中心とした都市部へのロシアによる攻撃が激しさを増してきていて、私の知り合いももうお家が損傷してしまって現在住めなくなってしまったりとか、ずっとシェルター生活をなさっている方もいらっしゃいます。
そういった直近で、被害をこむった方々はですね、被害をこむっちゃったからもうやめたいっていうよりは、被害をこむったことによってやはりロシアに対する憎悪を増幅させてしまって、このまま絶対に終わるわけにはいかないから、どうしてもその土地を取り返したりとか、
ウクライナという国を存続させなきゃいけないっていう、その気持ちがロシアから攻撃を受ければ受けるほど強まってしまう人たちもいるということなんですよね。これは一口で語るのが大変難しいと思いますし、私自身も4年半の絵を見ながらですね、
ウクライナの運命はウクライナが決めるべきであるということが、私にとっての心情であり、一つの原則なんですけれども、それを言うことはとても残酷なことでもあるということをですね、自分としても自覚をしているところなんです。
そして今驚いたのが、外務大臣の方とお会いしたということを聞きまして、実際お話しできる範囲でどういったことをお話しされたんですか?
そうですね、現状という形です。やはり昨年も実は私お会いしていました。渋谷外務大臣はですね、大阪の万博にいらしていて、その時にウクライナデイっていうのが8月にあったんですね。
その時にゼレンスカ大統領夫人と渋谷外務大臣一緒にいらしていました。その時の表情はまだまだとても暗いものでして、やはりウクライナの苦境を一生懸命訴えるという状況でした。
しかし今回お目にかかった時はですね、やはり苦境は続いており、そしてより多くの人命が1年間で失われているわけですけれども、
ただ何とか私たちは体制を整えてやり返すことができている。奪還する領土が少しずつ増えてきている。
それは本当に皆さんがずっと支え続けていてくれたためだと。
日本はですね、非殺傷兵器に限っての支援しかできないから、その前線に直接影響するような支援ではないけれども、
ウクライナの国家というものを存続させる、社会機能を保たせるという意味では、とても大きな心の支えになっているし、
実際にその経済的にもとても助かっているということで、改めて日本に対する感謝の念願が述べられていました。
それも聞いて、日本人としては少し嬉しさもありつつ、ただもちろんね、単純に嬉しいというだけではなくて、
まだまだもちろんずっと戦争は続いているわけなのであれなんですけれども、
一方で日本というのは、実際に殺傷能力のあるものは輸出できませんけれども、
ヨーロッパは前回のお話のように、どんどんどんどん武器輸出というのは行っているわけで、
欧州にとってのウクライナ支援って、これどうなんですか、サステナブルにうまくいっているのかというのも気になるところですね。
そうですね、今までですね、例えば2022年、2023年、4年の初めあたりまではですね、
ウクライナ支援って完全な、かわいそうなウクライナを助けてあげるという、そういう発想だったと思うんですね。
ところがだんだんその考え方が変わってきます。
2024年の後半ぐらいから2025年、そして今っていうのは、もうウクライナがここで敗北してしまい、
そしてロシアにまだまだ有力が残っているということになってしまうと、またそのウクライナの残りの地域をめがけて、
ロシアが侵攻してくる可能性も高いし、それは例えばポーランドやワルド諸国などのですね、近隣諸国にも絶対に影響を与える。
そして去年からはウクライナを超えてですね、ロシアによるナトー諸国への領空侵犯なんかも増えてきていて、
なんだかこうロシア自分たちの方も攻撃対象として見ているということをね、自覚するようになりました。
ロシアもですね、これはロシアとウクライナの戦争じゃなくて、ロシアとナトーの戦争なんだってことを頻繁に言うようになりました。
なので今まで助けてあげなきゃかわいそうなウクライナをという意味で支援していたのが、自分たちがウクライナと一体であり、
その一体となった形で、もうウクライナに物をあげるだけではなくて、ウクライナを含めたヨーロッパ全体が防衛力の強化をしなければならない。
それは単に武器をいっぱい持ってますというだけではなくて、必要なものを必要なタイミングで作れるだけの体制を整えておくですとか、
必要なものを備蓄しておくですとか、そういったことまで含めて、これはウクライナを含めたヨーロッパの安全保障なんだということなんです。
一つまたしわ目が変わってきたのはですね、やはりその軍事的な技術、知識の面でウクライナがナトー諸国を抜いちゃっています。
特にドローンの技術などはかなり進んでるって聞きました。
おっしゃる通りです。それはですね、2022年の段階で一斉に民生部門をかき集めて作った寄せ集めのドローン技術ではなくて、
もうその戦場の状況をものすごい数時間レベルでアップデートして、それをそのドローンの技術に還元していく。
ところがそれを戦場で使うとですね、一瞬でロシアに真似されてしまうんですよ。
なので永遠のイタチごっこの中、ウクライナとして技術的な優勢を保っておかなければならないという、このサイクルがこの2025年、6年の間に随分できてきたわけですね。
他のナトーの亀戸がかなわないわけです。
ここまでずっとロシアと戦ってきた国はウクライナ以外にありませんし、その技術もロシアの癖っていうんですかね。
戦い方の特徴などもわかっている。
だからもうある意味では他のナトー諸国がウクライナに追いついていないので、これまではナトーがウクライナを訓練してあげていたのですね。
ウクライナがこのナトーに知識を伝えたり、あるいはナトーを飛び越えて、
ウクライナがいわゆる湾岸諸国といわれてUAEですとかカタール、サウジアラビア、こういった国々と防衛協力協定をいきなり結んで、ドローンの技術をその国々には渡しますよっていうことをやっているわけですね。
もう全然この戦い方のフェーズ、ウクライナの技術のあり方が変わってきちゃってるというのが、ここ半年ぐらいの大きな動きなんです。
むしろウクライナ側が教えてあげるよっていうようなフェーズになってきてる。
こんな状況が訪れるとはちょっと4年半前までは思いもしませんでした。
それは私だけではなくヨーロッパの諸国でもそうだったと思います。
一方ではアメリカ側の支援ですよね。
トランプ大統領はゼレンスキー大統領とね、いろいろと今までありました。
2025年のリガスとかは大変でしたよね。
今足元、近況はどうなんですか?関係はお互いの。
私どもがびっくりしたのはG7サミット、エビアンで開催されたG7サミットですけども、
あそこで地政学関連の宣言が出た時に、ウクライナに関するかきぶりがそこに含まれました。
驚いたのは、やはりウクライナに関するかきぶりを非常に良くして、
例えばウクライナの支援は揺るがないとか、ロシアの制裁は必要であるとか、キープしなければならないという言いぶりに、
アメリカが同意してくれるかどうかって非常に大きな問題だったんですけども、
なんだか当初の想定を遥かに上回って、アメリカがその好意的なかきぶりに同意をしているということなんですね。
これも議長国のフランスとしては、もっともっとトランプ大統領が渋い顔をしてですね、
あんまりウクライナに対して前向きな姿勢をG7として示すのは嫌だというふうに言う可能性もあると思っていたら、
結果的には非常にポジティブなかきぶりになりました。
これが本当にトランプ大統領の頭の中を100%代弁しているかというと、ちょっとそれは違う気がするんですけれども、
ただしG7としてそういったまとまった声明を出せたというのは、これは大きかったと思っています。
その原因というのは、今回の放送の冒頭でお話した通り、ウクライナが少し前線しているという事実がですね、やはりトランプ大統領としては大きかったわけですね。
その後の記者会見、トランプ再発言をたどってみると、ウクライナはよく戦っているとか、
もしかしたらもう少しですね、ウクライナにとって有利な状況が訪れるかもしれないというような趣旨の発言をしています。
トランプ大統領の中では短期的かもしれない、もしかしたら数日で覆っちゃうかもしれませんけれども、
ウクライナに対して、2025年の2月のようにあなたたちにはカードが何もないでしょう、みたいなそういう発想ではなくてですね、
今いけているのだから、アメリカとしてもちょっと手伝うよというような。
そしてロシアに対する制裁だって、イラン情勢が落ち着けばもう一回再導入してあげてもいいよというところまで来ていると思います。
ちょっとうがった見方をすると、もしかしたらなので、トランプ大統領、秋には中間選挙を控えているわけですので、
我々が支援したおかげで、ウクライナが前線しているという自分のアピールに結果としてつなげるという目的もあるんですかね。
予防線はいっぱい張ってますよ。
例えばトランプ政権の重要な人物がですね、これまでウクライナ支援には非常に渋い、非常に否定的な人がですね、
NATOが作った、先週の放送じゃないですけど、NATOが作ったウクライナ支援プログラムがあって、
それはNATOの国々は持ってない兵器とか、でもウクライナにあげたい兵器っていっぱいあるわけですよ。
ウクライナが欲しい兵器もある。
それはアメリカだけが備蓄があったり、アメリカだけがたくさん作ってたりするわけですよね。
そういったアメリカだけが優位を持っている兵器をNATOの国々がお金を出してアメリカにお金を払って買ってあげて、
それをウクライナにあげるというパールというシステムがあるんですね。
ちょっと一回経由してと。
その通りです。だから買ってお金を払うのはヨーロッパ諸国、お金をそれで儲けるのはアメリカ、
しかし兵器の行き先はウクライナという、そういう三角システムみたいなのができてきました。
そのトランプ政権に近い交換はですね、こういったパールのような制度があって、
ウクライナのためにヨーロッパがアメリカの兵器を買うのはとても良いことであるみたいなんですね。
今までとは考えられなかったようなことを言っているわけですね。
ここで気をつけなきゃいけないのは、アメリカはあげるとは言っていません。
ヨーロッパに買ってもらったら、それはウクライナに流れていってもいいんだよ、みたいな発言をしていてですね。
このレベルでもびっくりするほどポジティブなんですね。
もちろんアメリカにとっては防衛産業のところが潤うっていうこともあるわけなので、そこの狙いがあるんでしょうけど、
アメリカでも今そういったような変化が起きているっていうことなんですね。
要するにトランプ大統領は赤字大っ嫌いじゃないですか。
ビジネスパーソンですからね。
そしてヨーロッパには厳しいですよね。
そこでアメリカが積極的にヨーロッパに兵器を売っているという状況を作るということが、
アメリカ全体の利益として、自分はディールの大統領であり、
ヨーロッパに対する黒字を少しでも増やそうとしている大統領なのであるということが、
一つアピールになると思いますが、以前はこれがアピールにならなかったんです。
例えばイランの攻撃している時には、自分たちの分の兵器が足りなくなるかもしれないから、やっぱり売ってあげないとか言ってた時があったんですよね。
それから、ウクライナに対する支援そのものが気に入らないから売ってあげないということもありました。
なので、これが売ってあげないから売ってあげるに変わっただけでも、ヨーロッパとしては、ウクライナとしては非常にポジティブなんです。
なるほど。いろいろ裏の事情がまた見えてきましたけども、次はロシアとの向き合い方について伺いたいんですけども、
ロシアは全面侵攻を始めていこう、自分たちはナト、欧米と戦っているということも言ったりしています。
ヨーロッパはロシアをどういう存在として見ているのか、もちろん脅威の対象というふうには見ているのは間違いないと思うんですけども、
具体的にはどうなんでしょうかね。
そうですね、ロシアがこの戦争は対ナト戦争であるとか、対イギリス戦争だ、対アメリカ戦争だ、みたいに言うんですけれども、
全くそれの鏡写しがヨーロッパじゃないということは結構重要だと思うんですね。
やっぱりヨーロッパとしては、これはどうしてもロシアがウクライナを侵略している侵略戦争であると、
帝国主義的な発想に基づく侵略戦争であるというふうに思っています。
ロシア対自分たちというふうには思っていないと思いますね。
そこがロシアとヨーロッパの認識のずれるところだと思います。
ただ一方で、先ほどちょっとお話ししたんですけれども、ウクライナを含めてヨーロッパの安全保障体制を一体にしておき、
そしてその一体の中で防衛投資ですとか備蓄ですとか、そういったことを考えていかなければならないということなので、
ウクライナと自分たちは一体化していると思います。
ただ一体化した安全保障体制を作らないといけないということと、
この戦争の評価ということになった時に、やっぱりそれはロシアにやるウクライナ侵略だと思うんですよね。
これが一つです。
それから歴史をもうちょっと遡ってみたいんですけれども、
ロシアに対するヨーロッパ諸国の見方って実は二つに分かれているんですね。
例えばドイツなどはですね、ロシアとの特にエネルギーの協力関係を深める。
例えばノルドストリーム1や2を作ることによって、ロシアにとっても自分たちは欠かせない存在になる。
自分たちにとってもロシアは欠かせない存在になる。相互依存関係を深めていけば、
ロシアはいつか良い国になって優しい国になってですね、貿易を重視し、
経済的な合理性のないような戦争なんてやめてくれる国になってくれるはずって思ってた。
要するに仲良くすればそれが解決っていう、そういった考え方だったんですね。
例えばポーランドとかバルド諸国などは全然違う考え方なんですね。
やはり彼らは一方的に占領されたり、それから冷戦中も東側陣営に望まないのに入れられちゃった。
そういった国々はやっぱりロシアがどんなに頑張っても脅威でなくなることはないと。
ポーランドなんか何度も何度もロシアにですね、分割されてしまっていて、やはり脅威認識以外は持てない。
そういった国々にとってはですね、やはりロシアに対する警戒感を怠らないことがヨーロッパの安全保障にとって重要であるって言い続けてきたっていうことなんですね。
今まではやっぱりドイツは大国ですし、中東諸国はやはり小さい国も多いですし、
ドイツ的な見方の方が強かったんですよね。
ところが2024年の全面進行が始まった後、例えば2023年6月にマクロン大統領が言ったことっていうのは、
もっと私たち中東諸国の声を聞いて、ロシア認識を厳しいものに改めておくべきだったのに、私たちはそれをやらなかった。
非常に反省しているということを非常に率直に語って大変大きな話題になりました。
そういう意味では旧ソ連の国の方がロシアの現実を知ってるっていう感じ。
一方、ヨーロッパの国はどうしても今までエネルギーをおっしゃった。そこで依存関係があったので。
もう物価の上昇、エネルギーの枯渇ですね。
だいたいエネルギーを急いで開発するにもですね、まだまだ全然追いついていないということだと思いますので、
例えばドイツなどはですね、脱ロシア化と言われるロシア化のエネルギー輸入を抑えたはいいものの、その代わり石炭をたくさん使うようになって、
かつてドイツは日本が石炭を使いすぎるということで、二酸化炭素ガスを出しすぎるということで批判していたわけですけれども、
自分たち今後は率先して石炭を使っているということで、日本の一部のエネルギー業界においてはですね、
ドイツは戦争が始まったら全然今までと言っていることとやっていることが違うじゃないかということで、大変に批判をしていた方もいらっしゃると思います。
そのような形で、やはりロシアに対するアプローチを変えたいと思っていて実際に変わったところもあるし、変えきれないところもあるわけですね。
日本もまだまだ9%程度ですね、エネルギーをロシアに依存していますけれども、ヨーロッパもっと依存していたりするわけですよね。
制裁をして絞ってもまだまだロシアのエネルギーに依存せざるを得ないところというのがある。ここが非常に難しいところだと思います。
なるほど。では最後にこのウクライナ侵攻、終戦、停戦という道が見えてくるのかどうか、どこが最終的な終着点なのかというのを東野先生の見方を伺いたいんですけどもね。
私の基本的な立場は一刻も早くロシアが侵略をやめてほしい。ただですね、その希望が叶えられる可能性というのは低いのではないかというふうに思っています。
2026年中のことを言うとですね、もう2026年半分終わってしまいましたけれども、2026年中に何らかの停戦、一時停止でもいいから停戦というのが行われる可能性自体がそもそも少ないというのがですね、やはりヨーロッパあるいはウクライナでの圧倒的に強い見方です。
今までも停戦破りみたいなことはありましたよね。
もう本当に例えばイースターの停戦ですとかクリスマスの停戦ですとか、ロシア側が一方的に停戦し、そしてその停戦も破られてきたということもあります。
なので大きな意味でのですね、本当に局面が変わるような意味での急戦停戦はちょっと期待できないのではないかというのが私の考え方でして。
で、それは多くのヨーロッパのシンクタンクですとか、野崎ちゃんもそのように考えていると思っています。
あるとすると今のようにロシアが優先になったり、ウクライナが優先になったりを繰り返しながらこの消耗戦が続いていく。
消耗戦が続くときにですね、やはり国際情勢も見ていかなければならないんですけれども、2026年だけでも例えばベネズエラに対する攻撃があり、
そしてその後グリーンランド取得問題が浮上して、その後イランに対する攻撃がありました。
このようにベネズエラだったりイランだったりというような大きな変動が起こると、そのたびにウクライナに対する国際的な関心はやはり低下する傾向にあるということになりますね。
なのでウクライナとしては、例えば関心が低下しないまでも、例えばイラン攻撃の時のアメリカのようにイランの攻撃に対して兵器を使わなきゃいけないかもしれないからちょっとウクライナに売るものはありませんみたいな感じになってしまうとですね、
やはりその使いたいものがない中、使いたいものが手に入らない中での苦しい戦いを続けなければならないということだと思います。
例えばドローン戦の話なんかも出ましたけれども、ドローンをたくさん量産してですね、そしてそれでロシアに対する攻撃に使えるようになった。これはウクライナにとっては有利な出来事だと彼らは思っていると思いますが、
ちょっとドローンだとですね、その前線の状況を変えることが難しいんだと思います。やはりその前線の状況を変えたり領土を奪還するのは地上部隊です。
その地上部隊が疲弊しすぎていて、例えば戦争始まってからずっと帰れない人もたくさんいるわけですよね。そして当然のことが人数も減っている。
2022年に多かった志願兵もどんどん減っている。やはりそのある程度強制的にですね、徴兵をして、そしてその戦わせなければならない状況は続いていく中で、
ウクライナの国民的にもですね、ウクライナという国がなくなっては困る、潰れては困るけれども、自分が戦いたいかというとちょっとさらまた別問題という人も出てくる。
ということなので、ウクライナもギリギリの状況だと思います。
- そんな中でどうなんでしょう?日本に住む我々、一体何ができるのかなっていうのは常に考えているんですけども、東野さんはどうでしょうか?
- 私はいくつかあると思いますが、やはりその何かのニュースが、例えば日本で選挙があるとかですね、これもしょうがないんですけどもイランの情勢が危険だとか、
なった時にですね、その間ウクライナが楽になっているわけじゃないわけですよ。むしろこの放送でも申し上げてきた通り、苦しさは増しているわけです。
応援してくれる国の数も減り、そして支援の額ももしかしたら減っているというような状況だから、苦しさが増しているということは少なくとも忘れないようにしたいということだと思いますね。
これが一つだと思います。それからもう私もそうですけども、これ以上戦争が続くのは見たくない。これは視聴者の皆さんも同じだと思いますけれども、見たくないからといって、
ウクライナにもさっさと早く終わってしまったらどうですかということをですね、ウクライナの人たちの意思を尊重しない形で、押し付けの平和とか、押し付けの定戦というのをやってはいけないということだと思いますね。
今まで申し上げてきたことは忘れないとか、押し付けないとか、そういったネガティブなことなんですけど、今積極的にできることは何かというと、
例えばですね、そのウクライナに対する支援ですよね。やはりその支援を細らせてはいけないというふうに思っていますし、また政治面でも、例えばより日本の政治の上層部がですね、ウクライナに行ったりですとか、行けなくてもそのウクライナに対する支援を新しい国際局面で増やしていくということも大事だと思います。
まだ皆さん暑いじゃないですか。今真夏ですよね。ウクライナは冬の準備をしています。去年の冬があまりにも厳しすぎました。エネルギーも拠点も攻撃されてですね、そして大寒波を迎えてしまってですね、非常に過酷な状況でした。
もう彼らは春からこの今年の冬の準備をしているんですよね。やはり日本としてもですね、殺傷兵器が出せないというのならば、その越冬支援、これは深刻に考えていかなければならないと私は思っています。
本当にね、ウクライナに対する報道というのは、日本ではかなり減ってきてしまっているのは現実なんですけども、お話を伺って少なくとも、なので忘れない、しっかり心に留めておきたいということは私もすごく感じました。
そしてできる支援を考えるということですね。
そうですね。東野先生ここまで本当にありがとうございます。
どうもありがとうございました。
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