こんにちは、経済キャスターの佐々木真奈美です。 News Connect 国際欄のお時間です。
ゲストは、前回に引き続き、東京工科大学教養学館教授の 落合浩太郎先生です。
今回は、インテリジェンス研究を専門とされている落合先生に、 世界各国の情報機関についてお聞きしました。
スパイの活動は、私たちが日常的に使う プラットフォームの上でも行われているといいます。
スパイたちの仕事はどう変わってきているのでしょうか。
それでは本編をどうぞ。
東京工科大学教養学館教授の落合浩太郎先生です。 よろしくお願いいたします。
はい、こちらこそ。
さて、落合さんなんですけども、 実は今年8月に新しい本が出まして、
タイトルは、面白すぎて時間を忘れるスパイの世界ということで、
このスパイのことについて、私も読みましたけども、
え、スパイってこういう人たちなの?
こういうようなことをやってるの? っていう意外な事実がいっぱいわかりました。
落合先生はこちらの本、どういう思いで出筆されたんでしょうか。
今、意外な事実って言ってもらったんで、これは私にとって嬉しいことで、
タイトルはよくあることなんですけども、出版社がつけてしまうので、
本当は私がつけたタイトルは、多分本当のスパイの話だったんですよ。
そうだったんですね。
だけどその出版社が売れてるシリーズがあるんで、
面白すぎて時間を忘れるっていうシリーズがあったんで、結局押し切られちゃったんですけども、
多分本当のスパイの話っていうのは、これ確か本にも書いてあると思うんですけども、
こういう風に言われるんですね。
真実を知る者は語らず、真実を知らない者が語る。
その意味は、インテリジェンススパイ機関にいた人は、
守秘義務っていうのがあって、現役の時はもちろんだけど、
退職した後も言っちゃいけないことがあって、ちゃんと契約するわけですよ。
例えば本出す時も、CIAだったらちゃんと事前に原稿を出して、
これ出しちゃいけないからカットとか言われて出すんで、
つまりなかなか本当のことが伝わらないんで、
いろいろいい加減なことが広まってるけど、
多分これは本当だと。
信頼できるメディアとか、あるいは元スパイが書いてる本とかなどから、
これは事実でしょってことを集めたんで、
だから多分本当のスパイの話。
私も直接確かめたんじゃないんで。
こちらの本を読むと、もちろんスパイの世界について知識が得られるんですけども、
それこそ過去の戦争ですとか、過去に起きた国際的な事件、
こういった裏があったんだ、
ここでインテリジェンスやスパイはこういった活動をしてたんだっていうことで、
その時の歴史に起きた出来事への非常に造形が深くなるというか、
その舞台裏が分かって、非常にそういった意味でも面白く読ませていただきました。
ありがとうございます。
タイトル見ると出版社批判してるみたいだけど、
面白すぎて時間を捨てるっていうと、
ちょっと安っぽい感じになっちゃうかもしれないですけども、
中身としてはいわゆるインテリジェンス・リテラシーを挙げるものになってるっていう風には思ってるんですけどね。
ぜひぜひ皆さん、スパイの世界、
10刊も決まったということなので、
非常に売れてる本です。読んでみてください。
そういった意味では、今お話しだと、
北朝鮮にはなかなか入国が難しいので、
少ない可能性はあるけど、それでもいる。
それぞれの国の情報機関やスパイのことについて、
ここから詳しく伺っていきたいんですけども、
まず、じゃあアメリカですよね。
アメリカはCIA、これよく聞きます。
CIAというのは何か特徴とか、
いつ、どういったきっかけで発足されたのかっていうのは、
まず基本的な情報からちょっと伺えたらと思うんですが、
どうなんでしょうか。
CIAは1947年に出てきました。
Cはセントラルなんですよ。
中央。
この中央っていうのは、実は日本と関係があって、
1941年に日本が真珠湾の奇襲攻撃しましたね。
ハールハーバー。
あれ奇襲って言われてるんですけど、
実は当時アメリカ政府はある程度の情報を持ってたんですよ。
ところが、それが陸軍、海軍、ホワイトハウス、国務省、あるいはハワイ、出先、
いろんなところに分散していて、統合集約されてなかった。
もしちゃんと一箇所でまとめられていたら、
ある程度予測できたんだろうと、後で分かったんですね。
そこで第二次大戦が終わって、ソ連との冷戦が始まって、
アメリカって意外なんですけれども、第二次大戦が終わった時点で、
つまり1945年の時点ですね、
アメリカは大国の中で唯一、平時の情報機関を持たない国だったんですよ。
ところが冷戦が始まったんで、1947年にCIAを作った。
その時、真珠湾の教訓を生かして、中央だと。
つまり、セントラルがあるってことは周りにもあるってことですよね。
今のアメリカは、その後だんだん数が増えて、18の情報機関があるんですよ。
18の情報機関のセントラルがCIAだということですね。
なるほど。アメリカは、日本でイメージしたら、
北海道、東北だけの人たち、関東だけの人たち、それぞれがそれぞれの情報を抱え込んでしまっていて、
中央に集めてなくて、それで、あ、知らなかった、みたいなことになって失敗した例があり、
それでセントラル、中央としてのCIAが発足されて、今があるということなんですね。
でも、このCIAなんですけども、1回目の時の放送でもお話ありましたけども、
トランプが、そのCIAをいろいろと嫌ってるっていう話があちこち出てますよね。
これってなんでトランプ大統領は、そのCIAを半ば目の敵のような形で扱ってるんですか?
アメリカ見てると、軍対はどっちかっていうと保守的で共和というよりなんですけども、
情報機関、CIAその他は、もうちょっと高学歴でインテリでリベラル、民主党寄りのところがあるんですね。
だからそもそも、ちょっと派台が違うっていうのがあって、
で、あとトランプ大統領は、コロナの時もただの風邪って言ったり、
あと地球温暖化なんて起きてないっていう人でしょ?
ですから、フェイクニュースの人ですから、ある意味インテリジェンスと反対にいるじゃないですか。
なるほど。はいはいはい。
だからそもそも、派台が違うっていうのかな?
それがあって、それからもう典型的なダメな指導者ですけども、
自分の聞きたくない話を聞きたくない人ですから、
その情報機関から出てくる分析を信じたくないと思えば、
露骨に公の場でCIAその他を批判したっていう、なかなか珍しい大統領なんですよ。
でも、今お話で驚いたのは、もちろんそういった国の機関って、
その時の政権や大統領、首相などに使えるというのが、
普通の姿かな?と思うんですけども、
CIAはそういった意味では、ちょっと民主党寄りの政治色があるということなんですか?
それ、大変正しい指摘なんですけども、
要するに、当然ですけれども、
このインテリジェンスというのは、政治力を持っちゃいけなくて、
中立でなきゃいけないわけですよね。
だから、この人たちは政策を作るわけじゃないんですね。
政策は大統領やホワイトハウスで考える話であって、
この情報機関というのは、あくまで評価をして、
政策を決定するための材料を出すんですけれども、
しかしそうは言っても、人間がやることですから、
みんなが全く中立であるはずはないですよね。
つまり言いたいのは、特にアメリカの場合そうですけれども、
軍人とかFBIに比べて、CIAその他はだんだん変わってきたんですけど、
例えばYHPと言われる、昔はイエール・ハーバード・プリンストン、
IBリーグと言われている名門の中でも、
特にトップ3のYHP、イエール・ハーバード・プリンストンが多かったり、
知的レベルの高い人の集まりであるところがあるので、
どこの国もそうですけれども、
その人たちってどっちかというとリベラルになりがちなんですよ。
だからそもそもトランプ大統領とは相性が悪いでしょうね。
確かにそうですよね。
アメリカで青か赤か、よく大体そうやって投票どちらが多かったかってみると、
今おっしゃったような大学がある州というのは、
やっぱり青になりがち、民主党支持者が多い州が多いと思うので、
なるほど、そういうところのご出身だから、
結果ちょっとそういったような政治色が出るまでではないですけど、
そういったような思想というか考え方が生まれてきて、
若干そのトランプとは話が合わないというふうに感じている。
もちろんトランプ大統領が任命できる国家情報長官とかCIAの長官は、
トランプさんが納得できるような人を指名してますから、
長官は違いますけれども、
それもうちょっと下の方に行くと、
どっちかというと民主党よりの人が多いでしょうねって話ですね。
そういうことなんですね。
アメリカ他にもなので、CIA、FBI、いろいろありますけども、
ちょっとそういった意味では経路が間違う、やってることも違うっていうことでいいんですか?
任務が違いますから。
FBIは国内で主に外国のスパイを撤去する。
今だったらほとんどが中国だと思うんですけども、そっちが仕事ですね。
CIAは外国の情報を取る。
FBIは外国のスパイを取り締まる。
仕事がみんな違うんですね。だから18もあるんですよ。
アメリカについてまず一つ目取り上げましたけど、
では次はロシアですよね。
ロシアはお話でもありましたけども、やっぱりスパイの数はかなり多いというお話聞きましたけども、
ロシアでいうとスパイの機関の名前は何て言うんですか?
主なものは3つあって、国内でやってるのがFSBと言われるもの。
外国で多分日本に来てるのはSVRっていう。
また違うんですか?
これが対外情報機関ですね。
もう一つ軍が持ってるGRU。
だから多分日本に来てるのはSVRとGRUが多くて、
FSBもいるかなとは思いますけども、GRUとSVRが日本に来てる。
それぞれなのでやってることは若干違う?
かなり重なりますね。
つまりGRUは軍の機関ですから、もちろん最優先課題は日本の安全保障、
あるいは在日米軍のこととか知りたいでしょうけども、
しかしこのGRUとSVRが完全に住み分けができるかというとそうはいかないんで、
やっぱりこれどこの国でもあることですけども、この2つ仲悪いし、
どっちも手柄を立ててプーチン大統領に直接情報を持っていこうと思って、
しのぎを削ってる。これはどこの国でもそうですね。
スパイ同士が競い合ってるっていうような世界がロシアにはある?
日本でもそうですし、ロシアは特に顕著だと言われてますけども。
ロシアの特徴はソ連の時代はプロフェッショナリズムって言われたんですね。
中国が留学生とか、いわゆる民間人まで使う、
ある意味アマチュアリズムが特徴だと言われてるのに対して、
ソ連はプロフェッショナリズムの国で少数制で、
例えばこんな話があったんですよ。もう十何年前になりますけども。
アンナ・チャップマンって覚えてますか?美人すぎるスパイって。
あの人が摘発された時に、ロシアの元スパイですね。
ソ連の時代に活躍してたスパイがコメントしてたんですけども、
悲しいと。チャップマンって人は本当に素人で、
普通に携帯使ってて、FBIに盗聴されたりしてたんで、
それを知った旧ソ連、今のロシアのロースパイが嘆いたと。
我が国はいつからこんな素人を使うようになったんだと。
自分は大したことなかったけど、八カ国語を喋って国のために尽くしたと。
大したことないのが八カ国語。
標準的なスパイだったけど、八カ国語を喋ってたと。
いつからアンナ・チャップマンみたいな素人を使うんだって。
標準だけど八カ国語ってすごい嫌味ですよね。
そうですね。
これありそうなんですよ。
そんな語学の天才みたいな人を使ってたイメージなんですけども、
ただソ連崩壊後、ちょっと緩くなって、
あるいは、規律が乱れて、いろいろ問題が起きて、
ロシアが面白いのは、ロシアって闇市場に行くとお金払うと、
こういうさっき言った情報機関とか、あるいはそれ以外の政府機関が持ってる個人情報なんかがダダ漏れになってて、
要するに公務員が仕事で使った情報をお金で買おうと思って売ったりして、
そういう闇のマーケットがある。
これこんなにはっきりしてるのはロシアぐらいなんで、
つまりお金さえ払えば何でもできるっていう、
ソ連崩壊後の規律の緩みとか、あるいは経済的な困難とか、
そういうのが反映されてる感じがしますね。
だからプロフェッショナリズムって、ソ連の時代は言えたけど、
今のロシアに言えるかどうか。
ただあとロシアの特徴は、兵器で外国で暗殺したりする。
イギリスでやったりしてますけども。
だからちょっと意外なんですけれども、
中国は外国で人を殺したりとかはしないんで、
だからやっぱこれロシアぐらいしかない感じですね。
あとなので、スパイの中にもそういった汚職とか、
闇でお金の取引をしてる、そんな人たちもいるわけなんですね。
つい最近もアメリカのCIAでも、なんかあれでしょうね、業務上でしょうけど、
摘発した金塊を自分の物にしてたって。
しかもその人がニュースになったのは、採用の時に経歴持ってて、
かなり厳重に今のCIAに入るのは、
ハーバードンに入るよりも難しいって言われてるぐらいだから、
すごい倍率だし、ものすごいチェックしてたはずだったのに、
なんかね、華麗な経歴書いてあったんだけど、
そこに結構嘘があった人がやっぱり入ったら、
その金塊を自分の物にしてたっていうんで、
あれ、CIAってあんなに時間と金かけてチェックしてたのに、
経歴差症を見抜けなかったのって、それもちょっと話題になってましたね。
それはダブルの汚点ですね。
そうですね。
そのCIAの人が経歴をね。
もちろんなかなかない例でしょうけど、なかなかない例だからニュースになったんですけど。
そういうことですね。
いや、ロシアなのでちょっとこう、
情報機関をちゃんとコントロールできていない可能性もありそうですね。
そういった意味では。
そうですね。
あとロシアの問題は、これ多分中国にもいるんですけども、
独裁国家でありそうなのは、
例えば今のロシアだとプーチン大統領が聞きたくないような情報、
分析持ってったら嫌がられるから、
もう初めから忖度しちゃうんですね。
例えばウクライナ侵攻の時もそうだと言われてました。
プーチン大統領はもう戦争する気満々だったんで、
そのロシアのインテリジェンスもネガティブな情報もあったんだけど、
それ持っていくと怒られるの分かってる。
下手すりゃクビになるかもしれない。
なので1週間で制圧できます。
ゼネス級は人気ないし、
っていう分析を上げてやってみたら、
4年経ったけどまだ20%も占領できてない。
これ典型的なソ連の時代から良くある失敗ですね。
だから心配なのは、今中国が習近平国家主席の一挙大戦になってるんで、
中国もこうやってプーチンと同じく習近平国家主席が裸の王様になってると、
国際的にも怖いですよね。
良い情報しか習近平にあげないっていう可能性ありますけど、