【7月29日】ロシア・ウクライナ両国の攻撃で小麦が高騰。狙われる貨物船
2026-07-29 06:18

【7月29日】ロシア・ウクライナ両国の攻撃で小麦が高騰。狙われる貨物船

News Connect(ニュースコネクト)あなたと経済をつなぐ5分間

1日1つ、5分間で、国際政治や海外のビジネスシーンを中心に、世界のメガトレンドがわかる重要ニュースを解説。朝の支度や散歩、通勤、家事の時間などにお聴きいただけるとうれしいです。

▼出演:

野村高文(Podcastプロデューサー/Podcast Studio Chronicle代表)

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▼参考ニュース:

Ukraine's Black Sea ports lose a third of grain export capacity, farmers' union says

https://www.reuters.com/world/ukraines-black-sea-ports-lose-third-grain-export-capacity-farmers-union-says-2026-07-15/

Russia and Ukraine strike vessels in Black Sea, wheat prices jump

https://www.reuters.com/business/aerospace-defense/russia-says-it-hits-military-targets-kyiv-ukrainian-ports-2026-07-16/

Ukraine targets key Russian shipping routes

https://www.dw.com/en/ukraine-targets-key-russian-shipping-routes/video-78137006

Black Sea grain trapped as Russia, Ukraine attacks continue

https://www.world-grain.com/articles/23027-black-sea-grain-trapped-as-russia-ukraine-attacks-continue

Wheat prices hit 2-year high amid Russia-Ukraine tensions, drought concerns

https://www.aa.com.tr/en/economy/wheat-prices-hit-2-year-high-amid-russia-ukraine-tensions-drought-concerns/4007085

Grain prices approach projected 2026 peaks

https://www.farmprogress.com/marketing/decide-now-grain-prices-approach-projected-2026-peaks

ロシアのウクライナ侵攻と世界の穀物需給

https://www.maff.go.jp/primaff/kanko/review/attach/pdf/221130_pr110_03.pdf

The Russia-Ukraine War and Global Food Security: Impacts Four Years Later

https://www.csis.org/analysis/war-ukraine-and-global-food-security-impacts-four-years-later

消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)6月分(2026年7月24日公表)

https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html


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サマリー

ロシアとウクライナ両国による穀物インフラや貨物船への攻撃が激化し、黒海経由の穀物輸出能力が大幅に減少しています。これにより世界の小麦先物価格は高騰し、アメリカ国内の間伐や燃料コスト上昇も相まって、約2年ぶりの高値を記録しました。日本も食料品の輸入コスト上昇に直面しており、食料安全保障の議論が喫緊の課題となっています。

オープニングと穀物動向の紹介
おはようございます。2026年7月29日水曜日、ニュースコネクト、あなたと経済をつなぐ5分間、パーソナリティの野村貴文です。
この番組では、一日一つ5分間で世界のメガトレンドがかかるニュースを解説していきます。朝の支度や散歩、通勤、家事の時間などにお聞きいただけると嬉しいです。
さて、昨日夕方に熊本県で最大震度7の強い地震が観測されました。被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。
強い地震が発生しますと、同じ場所で何度も揺れが続くことがあります。発生直後の2,3日は特に強い揺れが頻発し、本身を超える規模が起こることもあります。
まずはですね、倒れやすいものの近くから離れて、安全をぜひ確保していただければと思います。
また昨日は津波注意報も発令されました。この時はですね、絶対に海岸付近には近づかないように、同じく安全を確保していただければと思います。
さて今日は、穀物に関する動向を取り上げます。
ロシア・ウクライナ紛争による穀物輸出の停滞
アメリカの穀物に関する専門メディアワールドグレインは27日、ウクライナ・ロシア両国が穀物インフラや貨物船に対する攻撃を強めていて、貨物の物資が滞留しているという記事を配信しました。
記事によると、ミサイルやドローン攻撃によってウクライナの国海経由の穀物輸出能力が3分の1減少したとされ、
19日にはオデイサオキでギニアビサウ船隻の貨物船が攻撃を受け、10人が死亡しました。
またウクライナ側も報復として、ロシアの穀物輸出の約25%を扱うアゾフ海のロシア船を攻撃しています。
6月から7月は北半球での小麦の収穫時期ですが、この影響で7月中旬に小麦の咲き物は1ブッシェル7ドルに達し、2024年5月以来の高値をつけました。
まず背景を説明しますと、ロシアの小麦は主に南西部で生産されます。
そしてこの地域と引き続きのウクライナも小麦の生産が盛んです。
ロシアによるウクライナ侵攻前のデータですが、この2カ国で世界の小麦輸出量の28%になっています。
そして両国とも主に国海から船に積み出して地中海に抜けるルートで小麦を輸出しています。
この国海ルートの主要都市オデーサ周辺ではこのところ、ロシア軍が港湾や小麦を運搬する船を集中攻撃しています。
この1ヶ月の間でオデーサ港周辺で28隻の船舶が損傷し、船員21人が死亡、34人が負傷しています。
これによってウクライナは海路による穀物輸出能力の3分の1を失ったと報じられています。
一方ウクライナも大量のドローンを活用した反撃に出ています。
ロシアの小麦輸出のためのターミナルや小麦を運ぶロシアの船を標的にして小麦輸出に一定のダメージを与えています。
ロシアは代替ルートを探っているものの北極海ルートもバルト海ルートもコスト的に現実的ではなく、
このようにロシアとウクライナが国海からの小麦輸出インフラを攻撃し合うことで
広範囲にわたる物流の停滞とサプライチェーンの混乱が連鎖しています。
世界市場への影響と小麦価格の高騰
この軍事的な緊張は世界のマーケットにも反映されました。
冒頭でも触れた通りシカゴにおける小麦の先もの価格はおよそ2年ぶりの高値を記録しました。
この急凍の背景にはロシアとウクライナの問題だけではなく
アメリカ国内における間伐の懸念や中東情勢の変動を受けた疲労コストの上昇といった要因も重なっています。
この水準は天井と決まったわけではもちろんありません。
今後の軍事衝突の展開や健康条件によってさらに影響を受ける状況が続いています。
農業部門の課題と過去の農業危機
さらに背景を振り返ると、昨年のウクライナの国物輸出量は
ロシアによる侵攻前の2020年と比べて35%減少しています。
広大な農地が地雷の設置などによって作付けできなくなっていることが背景にあります。
また戦争に人が取られるため人手不足が深刻になっています。
そして戦争初期には輸出を伸ばしていたロシアの農業部門も
現在は戦争の二次的な影響や人手不足によって影響を受けています。
昨年のロシアの小麦輸出量は
過去最高だった2023年から2024年シーズンと比べて2割減少しています。
アメリカの農業専門メディアファームプログレスでは
戦争による小麦の高騰が1980年代の農業危機を彷彿させるとしています。
1980年代のアメリカの農業危機は
70年代の輸出省電による農業ブームの後、急激なインフレを抑え込むため
FRBが断交した歴史的な利上げが引き金となりました。
当時政策金利が20%近くまで引き上げられたことで
農家は利払いの負担の急増やドル高による輸出の激減
さらに農地価格の暴落といった影響を受け
農業危機と呼ばれる深刻な事態に陥りました。
金融政策と農家への影響
今日から2日間アメリカの政策金利を決める会合のFOMCが開催されますが
マーケットではインフレ対策として
FRBが利上げに踏み切るのではないかという観測もあります。
今回はなかったとしても近いうちに利上げがありそうだという見方も一般的です。
金利が上がれば農家が80年代と同じ影響を受けることが考えられます。
つまり小麦価格が高騰しているかといって
小麦の増産には簡単には踏み切れない構造があります。
日本への影響と食料安全保障
そしてこの小麦価格は
消費のほとんどを輸入に頼る日本にとってはもちろん無関係ではありません。
日本が調達する食料品の輸入コストをさらに押し上げます。
総務省が発表する消費者物価指数は
前月と比べて0.3%
昨年の同月と比べて1.7%上昇しました。
これは食料やエネルギーを含む総合指数です。
今後小麦の国際的な価格がどのように推移するのか
私たちの生活にも直結します。
さて日本の食料といえばお米です。
一昨年から昨年にかけて日本ではお米が不足し問題となりました。
そして一方で今年はですね価格の下落が指摘されています。
さまざまなインフレの中でも主食の値段というのは
かなり影響が大きい部分です。
今後は食料安全保障を徹底的に議論する。
そしてその結論がしっかりと説明することが
政治の側にも求められると言えるでしょう。
エンディング
ニュースコネクトお相手は野村貴文でした。
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それでは良い一日をお過ごしください。
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