1. 【10分言語学】志賀十五の壺
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2025-12-09 10:51

#815 肺を使わない言語音?吸着音・入破音・放出音 from Radiotalk

主要参考文献
国際音声学会(編)竹林滋・神山孝夫 訳 (2003)『国際音声記号ガイドブック: 国際音声学会案内』東京: 大修館書店.

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

サマリー

このエピソードでは、肺の空気を使わずに発音される言語音に関して、特に吸着音、入波音、放出音について詳しく解説しています。吸着音は主にアフリカ南部のコイサン言語で観察されており、その発音メカニズムの理解が難しいことが強調されています。

下打ちとその機能
下打ちっていうのは、あんまり聞いてて気持ちのいいものではないんですよね。
無意識のうちにやってしまう方も、癖としてね。なんかイラついてるとかじゃないけど、癖としてやってしまうという人もいるかもしれません。
僕はなるべくやらないように気をつけております。
やっぱりね、自分がやられて嫌なことっていうのは、あんまり人にはしたくないというかね。
人の振り見て我が振り直そうというかね。そういったことで下打ちはあんまりしないようにしております。
が、下打ちというのが言語音として機能しているという、そういった言語もこの地球上には存在しております。
BGMです。始まりました志賀十五の壺。冬なのにサマーズです。
下打ちというのは、少なくとも日本ではムカついた時とかイラついた時にね、っていう音が出ると思います。
みんながみんな使うわけではないですが、そういった感情表現というかね、そういった機能を持っていると思います。
あるいは、なんか違うぞっていう時にっていうのをね、言ったりすることもあるかもしれません。
今回お話しするこの下打ち音、音声学的には吸着音あるいはクリックと言われることもありますが、
これは我々がイメージしている下打ちとはレベルが違って、そのレベルっていうのは、いろんな音色があるっていう意味でもそうですが、
言語音として機能しているという点でレベルが違うんですね。
吸着音の特徴
つまり、例えばパーターカーとかこういった破裂音とかサーとかハーとかこういった摩擦音とか、
そういったシーンと同じレベルでのような吸着音が使われるということです。
この吸着音、下打ちの音っていうのは何がそんなに特徴的かというと、実は肺の空気を使ってないんですね。
我々しゃべるときっていうのは普通肺の空気を使ってしゃべっているんですが、特に肺から出ていく空気ですね。
ですが、この吸着音、クリックと言われる音は、専門的には軟膏外と口のどこかしらで閉鎖を作って、口の中で空間ができます。
その口の中の空間の気圧を変化させて、気圧を下げることになるんですかね。
口の中のどこかしらの軟膏外より前の位置の閉鎖を解くことで、口の中が気圧が下がっていたところに空気が入っていくのを、その気流を利用して音を出すんですね。
ただ、皆さん舌打ちするときはそんなことを意識していないと思いますが、という音は歯茎で音を出していると思います。
歯茎と軟膏外で2か所で閉鎖を作って、口の中の気圧を下げて、歯茎と舌先の閉鎖を解放するときに、という音が出ているんですね。
同じようなプロセスで発音される吸着音は歯茎以外にもあって、例えば両唇を使えば、という音になります。
この、というのは、投げキッスの音と言えばわかりやすいかなと思います。
あるいは歯茎のもうちょっと後ろの方で吸着音を出すと、という音になるし、
舌の側面、前ではなくて側面を使って閉鎖の解放を行うと、という音になります。
これも吸着音の一種です。
吸着音が観察される地域というのは地理的にかなり偏りがあって、アフリカ南部でしか観察されません。
特に伝統的にコイサンと言われる言語で観察されます。
あるいはコイサンと接触のあったバントゥ系の言語でも吸着音が見られたりするんですが、いずれにせよアフリカ南部でしか見られないんですよね。
入波音と放出音の説明
したうち、吸着音以外にも肺の空気を使わず発音するという言語が存在します。
あと2つあります。
1つは乳反音と言われる音で、乳反音というのは、発音の仕方としては吸着音と一緒で、
口の中の気圧を下げて、閉鎖を解放することで口の中に空気が入ってきて音を出すというような感じなんですけど、
その閉鎖を作るのが、南郊外ではなくて、正門と口のどこかしらで閉鎖を作るんですね。
発音しやすいのは多分両親、両唇の乳反音だと思います。
口の中に空気が入っていくのがわかるんですけど、発音できたら。
これが両唇じゃなくて歯茎であれば、ダーっていうような音になるしっていう感じで、音色としてはそんな感じなんですけど、
これ発音が難しいのは、乳反音というのは空気が口の中に入っていくんですが、
それは肺は使わないんですね。肺で吸い込みながら発音するわけではないです。
空気を吸い込みながら発音することはできるんですけど、そうではなくて、正門は閉じます。
正門は閉じて、唇であれば唇を閉じて、ワーっていうような口の中の気圧を下げて、それでもって空気が中に入っていくというような発音です。
もう一個は放出音と言って、これは乳反音とは逆に口の中の気圧を高めて、口のどっかしらの閉鎖を解くことで、口の中から空気が出ていくことになります。
正門と口のどっかしらを閉じて、気圧を高めて、開放して音を出すと。
これは多分発音しやすいのは軟膏外の放出音で、っていうような音になります。
母音をつければ、ガーっていうような音になります。
これも繰り返しですが、肺の空気は使ってないんですね。
今のガーっていう発音だと、正門と軟膏外を閉じているので、喉の上半分の空間の空気を圧縮して、軟膏外の方だけ破裂させるというか、閉鎖を解いてガーっていう音になります。
肺の空気を使っちゃうと、ただのカーという音になるので、普通のシーンなんですよね。ある意味。
肺の空気を使わずに、カーではなくて、ガーという発音が放出音です。
入波音と放出音というのは、吸着音もそうですけど、イメージとしては、注射器っていうか、あるいは注射器的に水が出る水鉄砲がありますよね。
空気が外に出ないように入り口を塞いで、押すと中の空気が圧縮されますよね。
その入り口を開放すると、勢いよく外に空気が出ていくわけですけど、それが放出音です。
逆に、この取っ手のあれを引くと、中の空気が、気圧が下がりますよね。
入り口を開放すると中に空気が入っていくので、それが入波音という感じです。
注射器というか、古い水鉄砲というか、あるいは自転車の空気入れをイメージしてもいいと思うんですけど、
あれと同じようなことを口の中でやっているということですね。
ただ、理屈がわかっているということと、発音できるかどうかというのは全く別問題で、
吸着音なり入波音なり放出音を持っている和射は、当然音を出すメカニズムというのはわかっていないんですよね。
そういうのを全く知らずに発音できています。
たまたま日本語には、吸着音・入波音・放出音という、肺の空気を使わない音というのが存在しませんが、
そういった言語も世界中にはそれなりにあります。
吸着音はみなさん多分できると思うんですよね。
要は下打ちなので、から延長でとかとかやれば発音できると思うんですが、
入波音と放出音は難しいかなと思います。
空気が入ってくる入波音の方は、おそらく繰り返しですけどね、両唇のウワァから練習するのがいいと思います。
逆に放出音は空気圧縮しなきゃいけないので、圧縮する体積が小さい方がやりやすいんじゃないかなと思うので、
軟膏外、喉の奥に近い方?
経に当たるような音から練習して、アーっていう音が出せるようになってから、
アーとかパーっていう、だんだん口の外の方に範囲を広げていけばいいんではないかなと思います。
ぜひみなさん、吸着音・入波音・放出音という、肺の空気を使わない言語音の練習をしてみてはいかがでしょうか。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローも忘れずよろしくお願いいたします。
お会いしては、しんがじゅうごでした。
またねー。
10:51

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