1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #87 フランシスコ・ザビエルは..
2020-05-18 11:07

#87 フランシスコ・ザビエルはバスク人 from Radiotalk

#ひとり語り #落ち着きある #雑学 #豆知識 #教育
能格絶対格型言語
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始まりました、志賀十五の壺。 皆さんいかがお過ごしでしょうか。志賀です。
前々回のトークでですね、僕はお題トークで、 テストの思い出ということで収録してるんですけど、
その中で、本筋と全然関係なく、 物の例えっていうか、ポロッと、
ザビエルは何人だみたいなことを言ったんですよ。 フランシスコ・ザビエル。
で、それを言った後というか、収録終わった後にですね、 そういえばザビエルって何人なんだろうと思って、
ちょっと調べてみたんですよ。 そしたらなんと、バスク人だったんですね。
まあなんとって、もったいつけられてもですね、 なんだよバスク人って、聞いたことねえよ、そんなの。
みたいなことになると思うんですよね。 ただですね、このバスクっていうのは、バスク人、バスク地方、あるいはバスク語っていうのはですね、
言語学的に非常に興味深い 地域でございまして、
ということで今日のトークテーマはバスク語です。 僕もバスク語をその本格的に勉強したことがあるわけではないんですけど、
まあ結構ね変わってるっていうことで 取り上げられることも多いです。
じゃあそもそもバスクってどこなんだっていうことなんですが、 バスク地方というのは
フランスとスペインの国境をまたがっているような地域のことです。 でそこがバスク地方ということで、
ザビエルが生まれたところなんですよね。 今でこそフランスとスペインの2カ国にまたがっている地域なんですが、
ザビエルが生まれた当時、 1506年生まれのようですが、ナバラ王国という国があったようです。
ザビエルさんはですね、なんと関東省で亡くなっているんですね。 ということで当時は
ナバラ王国というところがあったんですが、今は フランスとスペインの2つの国にまたがって、
その一帯をバスク地方とよく呼ばれたりいたします。 なぜこのバスク地方というのが言語学的に興味深いかというとですね、
バスク地方で話されている言語がバスク語というのがあるんですが、 このバスク語というのが非常に変わっているんですね。
どういう点で変わっているかというと、これ前回のトークとつながっているんですが、 ちょっとまだ前回のトーク聞いてない方いらっしゃいましたら、
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これ聞いた後でいいんで、ぜひそちらも合わせて 聞いてほしいんですが、
ヨーロッパの言語って大抵親戚同士なんですよ。 それをインドヨーロッパ語族と言ったりします。
なので単語が似てたり、もっと言うと文法も似てたりするんですよね。 ヨーロッパの中でその
インドヨーロッパ語族という大家族のメンバーじゃないものの例として、 そのトーク内でお話したのはフィンランド語とハンガリー語というのを挙げました。
フィンランド語とハンガリー語はウラル語族というまた別の家族に属しています。 その時お話ししなかったんですが、このバスク語というのもインドヨーロッパ語族ではないんですね。
かといってフィンランドやハンガリーとかのウラル語族と関係あるというわけでもありません。 どういった言語と関係があるかは全く不明
ということで、こういうの系統的に孤立している言語とか言ったりするんですが、 そういうことで
ヨーロッパの中にありながらインドヨーロッパ語族ではない言語なんですね。 このバスク語というのは和社は66万人ほど
いらっしゃるようですが、全ての和社がスペイン語またはフランス語とのバイリンガルということのようです。
このバスク語というのがあまりにそのインドヨーロッパ語族と違うことからなんでしょうか、 こういうジョークがあちらの方ではあるようですね。
というのが、悪魔がバスク人を誘惑するためにバスク語を習ったが、 7年かかって覚えたのははいといいえだけだった
っていうジョークがあるようです。 それぐらい
バスク語って難しいという認識がヨーロッパではあるようなんですね。 これがなぜ難しいかというと先ほど申し上げました通り
インドヨーロッパ語族ではないっていうのが一つ ポイントではあると思うんですが
もっと複雑な点はあるんですよ。 その中でも今日お話ししたいのは
主語っていうものの考え方がヨーロッパの言語 あるいはもっと言うと
我々日本人というか日本語話者が思っている主語とも全く違うっていうのが 難しく感じるポイントだと思います。
主語って結構難しいんですよね、定義するの実は。 そのお話もいつかしたいと思いつつまだできてませんけど
めちゃくちゃ簡略化してお話しするとですね 日本語の場合主語は何なのか
というと各助詞のがっていうのがつくのが主語だというふうに ここでは考えようと思います。
例えば 石が落ちた
っていう簡単な文があったとしてこれ主語は何かっていうと 石が当然主語だっていうのがわかると思います。これ直感的にね
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わかると思うんですよががついている動向じゃなくてね あるいはまあ今の自動詞って言われるもので他動詞っていうものでも
彼が石を落としただと 普通ね主語って動作をするものとかいうふうに考えられるしここでもがっていうのがついている
のでやっぱり彼っていうのが主語だというのがわかると思います なので石が落ちたの石
彼が石を落としたの彼 は両方主語っていうふうに日本語では考えられますよね
でこれくらい簡単な例文だったら皆さん違和感ないと思うんですよ 他にも例えば英語の場合だとまあ主語っていうのは
英語の場合その動詞に一致するっていうのが あの三人称
単数現在の時しかないので基本的に語順が主語を決める キーになってますよね
同じような例文で考えたらまあザストーンドロップだとまあザストーンが主語で ヒッドロップザストーンだったら
まあ日が主語であると考えられますまあこれは動詞の前に出てるからということで 両方とも
ザストーンも日も主語であると 考えられます
で今挙げた日本語の場合も英語の場合も皆さんこれは異論ないと思うんですが バスク語が変わっているのは今お話ししたように
この自動詞の主語も他動詞の主語も日本語話者の場合は同じように捉えるんですが バスク語の場合は自動詞の主語と他動詞の目的語を同じように考えます
さあなかなかめんどくさいことになってきましたが日本語の場合は 主語っていうのがが作っている風に先ほど言いましたが石が落ちた
彼が石を落としたっていう風に自動詞の主語も他動詞の主語も 主語っていう意味で一つのグループだと考えますで逆に
目的語彼が石を落としたの石をは 別文だと考えますよねっていうのは
目的語という名前がついているということもそうですけど がではなくてをっていうのがくっついているからっていうのが理由として挙げられます
一方バスク語の場合は自動詞の主語と 他動詞の目的語が同じように
グループ分けされて 他動詞の主語だけ仲間外れみたいな
マークの仕方をするんですね ちょっとね日本語で
例えると 石落ちたみたいに自動詞の主語は
何もつかないことが自動詞の主語であるマークであると 仮定しますね今例えの話ですバスク語も実際自動詞の主語は何もつかないんですよ
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なので日本語で置き換えると石落ちたみたいな感じです で他動詞の場合は彼が石を落とした
みたいな言い方をします 彼が石落としたっていうのは他動詞の主語にはがっていうのがつくけど
目的語の方は何にもつかないのでこの何にもつかないという点で 自動詞の主語と同じマークを受けているとこういうふうになるんですね
なので我々日本語話者にとってはですね 自動詞だろうが他動詞だろうが主語っていう言葉で一つのカテゴリーとしてみなしてるんですが
バスク語は者にとっては自動詞の仕事 目的語多い一緒くたに見て他動詞の主語だけ
なんか別のものとこういうふうにみなしているということになります こういうのをね
脳核絶対核型言語というふうに言います 脳核絶対核型言語
ちょっと興味がある方はですね wikipedia をチョロッと見るだけでも勉強になると思いますのでリンクも貼っておこうと思います
でですねこの我々が触れる言語っていうのは 大抵主核対核型言語なんですよ
主核対核型言語日本語も英語もそうです なのでバスク語みたいな脳核絶対核型の言語は
異質に思えるんですけど でもまあこの自動詞の主語と他動詞の目的語を同じように見るっていうそういう世界観がね
バスク語は者にはあるんだっていうのをね まあ少しでも知っていただけたらと思います
というわけで今日のお話は ヨーロッパの中でも非常に変わっている
いろんな意味で系統的にも言語の低みとしても変わっているバスク語のお話でした よかったら番組クリップお願いしますではまた次回お会いしましょうごきげんよう
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