1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2020-12-15 11:07

#234 消滅する言語の悲劇 from Radiotalk

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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みなさんこんにちは、志賀十五です。今日も志賀十五の壺をやっていこうと思います。
いきなりですが、みなさんいろいろ日々の鬱憤というか不満というのを抱えて生活していらっしゃると思うんですけど、
ただね、こうやってラジオトークを日本語で聞けるっていうのは非常にありがたいことですよね。
これは何もラジオトークに限ったことではなくて、新聞とかテレビとかそういったメディアも日本語で見聞きすることができるわけですよね。
あるいは文学作品とか学術的なものも含めて、毎日のように書籍っていうのが日本語で出版されています。
翻訳されたものも含めてですよね。
あるいは大学とかそういった高等教育も日本語で受けることができます。
何が言いたいかというと、我々日本語母語話者、これを聞いていらっしゃる方がほとんど日本語母語話者だと想定して話してますけど、
我々日本語母語話者は自分の母語で大抵賄うことができる、間に合うっていうことなんですよね。
世界を見回すとそういうわけでもないんですよね。
当然母語とその国の公用語っていうのが食い違ってるってこともよくあることなんですよね。
あるいは自分の母語っていうのが初期体系を持たずに書き言葉で表すことができないっていうような言語もいっぱいあります。
あるいは大学等で高度な教育を受けようと思ったら、英語とかそういう政治的に力の強い言語で学ぶしかないという国もたくさんあるんですよね。
なんでいきなりこんな話をしてるかというと、今日のトークテーマが危機言語なんですね。
消滅危機言語と言ったりもしますけど、単にここでは危機言語ということにしたいと思います。
これはね、日本語母語話者にとっては感じづらいところではあるかもしれません。
よく生物で絶滅危惧種とか言ったりしますよね。
それと同じで、言語っていうのも絶滅する恐れが、消滅する恐れがあるってことなんですよね。
ちょうど生物の多様性がよく問題になるのと同じように、言語の世界でも多様性を守ろうという運動があったりします。
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具体的に言うとですね、世界の言語は今現在7000ぐらいあるって言われてるんですよね。
これは国の数がだいたい200弱ですよね。それと比べるとかなり多いなと感じるかもしれませんが、状況はあまり楽観できるものではありません。
いろんな数字で示されるんですけど、この7000ある言語のうち35%は下り坂である、話者が減りつつあるっていうデータがあったりとか、あるいは今世紀中には半分の言語が消えてしまうだろうという数字も出ていたりします。
先ほど我々日本語母語話者にはこういったことは感じづらいかもしれないと言いましたが、一言ではないんですね。実は日本国内にも危機言語はあります。それも8つもあるんですね。
これはどうやって定義しているかというと、ユネスコがそういうふうに定めているということなんですが、ユネスコのリストにあるんですね。
日本国内に危機言語が8つあると。その言語というのがアイヌ語、ハチジョウ語、アマミ語、クニガミ語、オキナワ語、ミヤコ語、ヤイヤマ語、ヨナグニ語となっているんですよ。
数で言うと琉球語が多いかなという感じですね。琉球諸語が多くて、ハチジョウ語というのは行政的には東京都に含まれるのかな、おそらく。
この言語はかなり当国的な特徴を有していたりするんですよね。
また、アイヌ語というのは、日本語や琉球諸語も含めて、日本語とは全く系統関係にない言語なんですよね。
この8つの言語が危機言語としてユネスコは認めているわけなんですよね、日本国内で。
なので、言語が消滅するということは意外と一言ではないということなんですよね。
ではなぜ言語が消滅してしまうかというと、これは様々な理由があるんですが、
一つは政治的な理由で消滅に向かうことがあります。
つまり、国家の方針として標準語あるいは共通語を広めるために、少数言語の使用を禁止するといったようなものですね。
これは戦時中であれば、朝鮮半島や台湾で日本が行ったことですよね。
日本国内でも方言札というのがあって、これはどうですかね、聞いたことありますかね。
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特にこれは沖縄なんかでやられたんですよね。
その沖縄のお国言葉を使ったら、木の板を首から下げなきゃいけないんですよね。
その方言札を外すためには、方言を使っている人を見つけて、リレー方式に渡さなきゃいけないんですよね。
これは学校で行われていたことで、よくあるのは子供だから殴って痛いっていうのをわざと方言で出させて、
そういう逃産に出るのは方言が出ますからね。
それで方言札を受け渡すということが行われていたりしたようです。
ただまあ今人道的な意味でも、こういった方針はほぼないと信じたいですけどね。
少なくとも日本国内ではないと思いますね。こんなひどいことは。
ということで、言語が消滅する原因の一つに、こういった国家の方針みたいなものがあったりします。
あるいは、さまざまな規模での国際化ですね。グローバライゼーションとか言ったりするものです。
これはいろんなところで、レベルで起こっているものだと思いますね。
標準語化みたいなものですね。日本語の共通語化みたいなものはいろんなところで起こっていると思います。各地域でね。
それはテレビとかネットとかメディアの影響もあるとは思いますね。
それと仮想化とかいった問題も相まって、どんどん方言和写というのが少なくなるっていうのも、言語の消滅の一つの例であると思います。
あるいは先ほどちょっと言いましたけど、高等教育を受けるためには、日本語はそうではありませんけど、英語をはじめとするそういった言語を学ばなきゃいけないということで、
あるいは職を手にするためにそういった大言語を学ぶ必要があるっていうことも、一つ言語の消滅に拍車をかけているんですよね。
そもそも言語が消滅して何が悪いんだという人もいるかもしれませんね。みんな世界中同じ言語を話した方がいいじゃないか。誤解も少なくなるし、
あるいは学校で英語みたいな感じで外国語を学ぶ必要もなくなる。
だったら同じ言語を話す方向に世界が向いた方がいいんじゃないかと思われるかもしれませんけど、それは強く否定したいと思いますね。
言語というのは当然コミュニケーションのツールであるわけですけれども、同時に文化的な遺産であるわけなんですよね。
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代々受け継いできた文化的遺産であるわけですよね。
で、その言葉っていうのはその土地の文化とか、あるいは物の見方とかね、そういったものと切っても切れないものなので、
それを捨てるっていうのは非常に悲劇的なことだと思いますね。
よく言われるのは、日本語でも方言でもどんな言語でも、その言葉でしか表せないような物とかこととか感情とかそういったものがあるわけですよね。
で、言語が消えてしまうとそういうものは表せなくなるということですよね。
安っぽい言い方をするとそういうことなんですけど、もっと広くね、言語がなくなると世界がなくなるんですよね、一つね。
言語っていうのは世界の見方なので、それがなくなると一つ世界の見方というか世界そのものがなくなると言っていいと思うんですよ。
もし世界中で話されている言語が一つになったら、一つの世界しかなくなっちゃうってことですよね。
それはいろんな意味で良くないと思いますよね。やっぱり人間の可能性を自ら閉ざしているようなものな気がするので、
最も大きな意味ではこういった理由で言語の消滅っていうのは食い止めなきゃいけないと思います。
もちろん言語学者の方たちはそれを食い止めるためにいろんな活動をしたりしてるんですよね。
ぜひこれらのことも調べていただけたらと思います。質問等ございましたらお便りいただけたらと思います。
というわけで今回はここまでということで、また次回お会いしましょう。ごきげんよう。
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