手紙と雪の美しさ
【徒然草ミニッツ】 さあ始まりました、【徒然草ミニッツ】
この番組は、1日8分で600年分の知恵をポケットに、をコンセプトに、吉田健康の徒然草を1日1段ずつサクッと味わい、通勤・家事の隙間時間で個展チャージしていこうという教養ショートラジオです。
よろしくお願いします。 さて、今回は第31段を見ていきましょう。
早速、現代語訳からです。 雪が趣深く降り積もった朝、相手から知らせたいことがあると言われ、手紙を送ると、
返信の雪の話は一切なく、 返信に雪の話は一切なく、
むしろこの雪をどう見たか、 一言も書かないほど堅苦しいお言葉、
何度も返事を書かせるお気持ちはいかほどかと綴られてきた。 雪の美しさ、
すら無視する堅い文面こそが、相手の本心を如実に示していると感じおもしろいと、
今はもう亡き人だからこそ、このやりとりが忘れられない。 そうなんですね。
いまいちちょっと理解できなかったんですが。 要点3つ、文面の省略が本音を移す、
共感の一言欠如が心の距離を示す、 小さな無視が最も鮮明なサイン、
これどういうことだろう? 雪が降り積もって相手から知らせたいことがあるって言われ、手紙を送ると、
返信きたのに雪の話はなかったと、 この雪、むしろこの雪をどう見たか、一言も書かないほど堅苦しい、
お言葉何度も返事を書かせるお気持ちはいかがだか、 雪の面白を振りたりし朝、
人の言うべきことありて、文をやると、雪のこと何とも言わざり返事、
帰りごとに、この雪、いかに見ると、 一筆の止まらぬほど、
ひかひがしからん、人のおせらること聞き入るべきかは、 返すがいすえ口をし、き、御心なり。
多分、手紙、
この時代の手紙のあれには、 最初にそういう季語、季節についてちょっと触れる、あれがね、
晩春の盛り、
どう過ごしでしょうか、みたいな、それのもっと堅い晩、 というか、があったんでしょう。
でもそれが一切ない。 っていう、
その雪の美しさすら無視する、堅い文面ごとが相手の本心を如実に表している。 これが面白いよね、って言ってるんですね。
あ、当時の感覚が全然わからないな。 多分そういうことなんじゃないかと、
現代への示唆
推測します。 で、続けますと、現代への示唆、なぜ今も刺さるのか。
ビジネスメールやチャットで、ただの要件だけの返信。 絵文字や挨拶がないほど、相手の距離感が強く出る現象は600年前から変わらない。
うんうんうんうん。
やっぱそういう感じですよね。
早春の折、 起伝におかれましては、いかがお過ごしでしょうか、みたいなのがない方が堅苦しく、逆に堅苦しくなく、みたいな。
要件だけの方がフランク、みたいな感じですかね。 で、日常&コミュニケーション応用ネタ。
共感の一行ルール。 メール冒頭に〇〇さんお疲れ様です、や、昨日は雪が美しかったですね、を必ず入れる習慣をチームで回すと、
温かさが伝わりやすくなる。 お疲れ様ですはまあ基本
という感じですけど、 ですね、雪が美しかったですね
とか、 言ってみたいな、言ってみたいな、これ。
雨、なんか、昨日雨がすごかったですね、とかはね、言いますけど、 この雪が美しかったですねっていう、こういう綺麗な日本語を使いたいですね。
そして無言サインセンサー。 返信が了解のみだったら、今忙しいのかなと気づき、フォローアップの一言を追加することで誤解を防ぐ。
めっちゃ大事、これめっちゃ大事ですね。 うーん、返信がちょっとね、こう
味気ないというか、だったら今ちょっと忙しいのかなって思ってフォローアップの一言追加する。 こういう心を
持ちたい。 こういう気遣いできる人でいたいです。
手書きメモで距離を縮める。重要な感謝やお詫びはあえてメールではなく、手書きのメモやカードで伝える。
デジタル無視を回避し、心遣いを際立たせる。
これもね、たまにもらう手紙っていうのは結構嬉しかったりしますよね。
なので、 あと、字の
字の綺麗さ。 大事ですよね。
これ、手紙ってなるとね。 これはまあここで言うことじゃないんで、また別の機会にお話ししたいですね。
はい、というわけで、今回はここまでとなります。 ぜひ皆さんも共感の一行ルールだったり、
無言サインセンサー、手書きメモで距離を縮める、やってみてください。 今回これめちゃくちゃ良かったですね。この日常&コミュニケーション応用ネタ、全部大事な気がします。
というわけで今回はここまでです。 また明日お会いしましょう。さよなら。
