音によるブランディングの概念
サンフランシスコ・デザイントーク。この番組は、サンフランシスコと東京に拠点を置くデザイン会社、BTRAXのCEO、Brandonと、デザイナーの彩香が、日本で働くデザイナーや、デザインをビジネスに取り入れたい方向けに、様々なトピックについて、深く話します。
はい、では今回もサンフランシスコ・デザイントークの放送を開始していきたいと思います。MCを担当する秋と、Brandonです。よろしくお願いします。よろしくお願いします。
今回のトピックはですね、Brandonさんが以前フレッシュトラックスに書かれていた、音によるブランディング、サウンドロゴというものに関して、何ぞやという部分と、実際の企業事例という部分について、深掘っていけたらなというふうに思います。
僕の大好きなトピック。
僕全然これ知らなかったので興味があります。
ブランディングって言うと大体あれなんですよね。ビジュアルデザインというか、ロゴとかキービジュアルって視覚に訴えるものが多いじゃないですか。
ブランディングって聞くと、見た目のことを指すと思う人が非常に多いですね。
なので、デザイナーがブランディングをやるというか、デザイン会社、うちもデザイン会社でブランディングをやったりするんですが、人間の感覚って視覚だけじゃなくて他にもある。
語感って言いますか。
語感あるじゃないですか。聴覚、聞くですね。音を聞く感覚に訴えるのも一つのブランディングとして、ブランディングチャンネルとして使えるんですよ。
なるほど。
世の中にサウンドロゴってなるものがあって、音のロゴ。音を使ってその企業とか商品を想起させるやり方っていうのがあって、日本企業が結構多くやってるんですよ、世界的にも。
日本企業のサウンドロゴ事例
人間って目で見たものを覚えるのも得意ですが、音の方がより頭に残りやすかったりとか、その音を聞いた瞬間に記憶が蘇ったりするっていうことがあって、非常に効果的なんですよ。
で、いくつも有名なサウンドロゴを今日は集めてみたので、少しずつプレイしておこうかなと思うんですが、現時点で分かりにくいこととか大丈夫ですか?
そうですね。サウンドロゴを日本企業が結構強いと言いますかっていうふうにおっしゃってたと思うんですけど、それはアメリカでも主流だったりするんですか?
アメリカよりも日本の方が多いと思います。なぜなら、テレビコマーシャル文化がアメリカより強くて、テレビコマーシャルの広告としての価値がアメリカより強いんですね。なぜかというとチャンネル数が少ないから。
アメリカだとケーブルテレビとかだと100チャンネル以上あるので、テレビコマーシャルであまりブランディング効果を狙えないんだけど、日本は広告っていうと真っ先にテレビコマーシャル。最近はネットも出てきたけど、なので最初か最後にその企業の音が流れるケースが多いんですよ。
じゃあぜひやっていきましょうか。
まず日本の方にとても馴染みのあるサウンドロゴ。この音を聞いたらこの会社だなっていうのがわかるのを1個流しますね。
これはコンビニですね。
どこですか?
ファミマとかです。ファミリーマート。
ファミマ。これサウンドロゴなんですよね。
これがですか?
これ聞いたらファミマだなって思います。
これ普通にBGMかな?店内に入ったらドア開いた時に流れたりとか。
そうなんだけど、このブランドを代表する音楽なんだよね。
あらま。
そうなんですよ。これが1つあるでしょ。あとは世界的に一番有名だと思っているサウンドロゴはこれですね。
聞いたことありますね。
これコマーシャルの最後に必ず流れるんですよ。
絶対日本企業、アメリカの企業だと思うんですけど。
なんかどこで聞いたのか思い出せないですね。
これ日本で流す時はこれにインテル入ってる。
あーインテル入ってるか。なるほどそうですね。
インテルインサイドなんですけど。
企業はあるなと思いましたね。
あるでしょ。
これはマクドナルド。
マクドナルド。
間違いなく。
これアムラビンギッズですね。
これもサウンドロゴ。
結構身近にある。
身近にある。
あとはこれもすごい。
これも世界で使われてるやつなんですけど。
プレイステーション。
そのまますね。
プレイステーション。
これカタカナ英語のプレイステーションっていうのがアメリカでもこのまま使ってるんで。
だからもうみんなわかるってことですか。
そうそうそう。
逆にその日本語っぽい英語の発音がユニークな感じになってるんですよね。
あとはね。
これ知ってます?超短いんだけど。
もう一回いいですか?
わかんない。
これニンテンドーウィーなんですよ。
ニンテンドーウィー?
国際的なサウンドロゴの影響
はい。
意外と覚えてないもんな。
これは?
それスイッチですか?
スイッチなんですよ。
はい。
あとは日本の会社だったらこれとかね。
聞き終わるんだけど。
このトーンが。3秒しかないんだけど。
聞き終わるんですが思い出せないですね。
これソニーなんですよ。
ソニーか。
あとは世界的に見ると日本で知られてないものとかだと
航空会社。結構航空会社のサウンドロゴ好きで
ドイツのルフトハンザーっていう会社。
全然聞いたことないですね。
これでルフトハンザーっていうドイツ語が流れるんですけど
飛行機に乗る空港の感じと飛び立つ感じの音が入ってたりとか
あとはね。これがサウスウエスト航空。
サウスウエスト航空です。
ここありますよね。あとはね。
これもサウンドロゴなんですよ。
これはね、企業じゃなくてプロダクトのサウンドなんですけど
サウンドロゴなんですけど。
MacBookじゃないですか。
MacBook。
マッキン・トッシュ。
マッキン・トッシュのサウンドロゴなんですけど
これはあれなんですよ。
起動音なんですけど
これ元ネタ知ってる?
いや全然わかんない。元ネタがあるんです。
元ネタがあって
これ非常に興味深いストーリーなんですよ。
Appleって
社名のAppleって
もともとスティーブ・ジョブスが考えたんだけど
スティーブ・ジョブスって
Beatlesが好きだったんだって。バンドの。
Beatlesが所属してたレコード会社がAppleっていうレコード会社で
若干揉めたらしいんですよね。商標で。
今のこの起動音って
Beatlesの曲の最後の音なんだって。
マジですか?
ちょっとプレイしてみましょうか。
これがBeatles。
これがBeatlesの
いや同じですよ。
同じ。ちょっとキーを変えてるんだけど。
確かにちょっとキーが違いを上げてるんだけど。
ただなんか全体的な印象といいますか。
そうそう。
マジですね。
あとは起動音はね
すごいサウンドロゴとの相性が良くて
多分ね皆さんがご存知なものとしてはね
これかな。
Netflix。
Netflixのロゴが浮かぶじゃん。
浮かびますね。N。
Nね。
出ますね。
これがあったりとか
あとはそうだな
これ知ってる?
聞いたことありますね。
聞いたことあるな。
Windows XP
XP
XPって言われる。
昔のやつなんですけど。
Windows 7とかはまた違ったりとか
98ってすごい古いやつが
Windowsでは有名で
これだったみたいですね。
僕はちょっと聞いたことがないですが。
なるほど。
聞いたことありますね。
これWindows 7。
ありますね。
プロダクトごとにやってるケースもある。
なるほど。
あとね
僕が好きな自動車
自動車系もね
各メーカーがサウンドロゴ作ってて
マツダ?
マツダ。
これアメリカでしか使ってないのかな。
Zoom Zoomっていう
Zoom Zoom マツダだったりとか
あとはね
これはポルシェなんですけど
車が駆け抜ける音
Wow
だったりとか
あとアウディは
心臓の鼓動
で最後にアウディのロゴが出るんですけど
どれもこれも1秒から3秒くらいなんですよ。
短いですよね。
それでパッと思いつかせるのはすごいよね。
でBMW
聞いたことあるかもしれないですね。
あるでしょ。BMWのコマーシャルに最後に流れるんですけど
あとはこれは
Volkswagen
Volkswagenですね。
これでも5秒ですからね。
すごいここに凝縮されたアイデンティティ
サウンドアイデンティティっていうのはすごいですよね。
家電だとね
他に世界的に言うとね
LG
っていうのがLGだったり
サムソンなんだっけ
聞いたことありますね。
結構幅広い業種で
あとセンハイザー
ドイツのヘッドフォンブランドなんですけど
ちょっと長めだよね。
あったりとかすると
っていう感じで
サウンドロゴは
企業のビジュアルアイデンティティって言われる
一般的なロゴプラス
音のブランディングとして使われることもあって
日本だとあれですよね
ゆるキャラと
あとは曲を作っている会社もありますよね。
ブランディングのために
例えばうちのクライアントさんのヤンマーは
ヤンボーマーボー
あれはサウンドロゴの域を超えて
完全にコーポレートソングですけど
こういうのがあると
これ以外でもね
日本だったら
公共広告機構
AC
懐かしいですね
あれもサウンドロゴですね
結構身近に聞くれてあったりとか
それでもあんまり意識してないけど
頭には残ってたりしますねかなり
音っていうのは
ほっといても自然にどこかから聞こえてくることが多いじゃないですか
見るのは目を向けないと見えないけど
なので日常生活の中で
特に日本だと
電車とか街中とか
それこそコンビニに入るときとかで
何かしら音が流れてくるので
それを活用することで
その個性を出せるというか
ユーザーに
何に接しているかというのが
音による印象付け
分かるんですよね
東京だと
あれもそうなんだよね
駅ごとに電車の出発音が違うじゃん
知ってます?
僕知らなかったです
あんまり意識してなかったです
なんか水道橋駅に行くと
鉄腕アトムのテーマソングが
電車が出るときに流れるんですね
マジですか?全然知らなかった
なぜかというと
鉄腕アトムというアニメの中で
鉄腕アトムを作った博士が
水道橋博士っていうんです
それにちなんで
その駅のテーマソングになってて
駅ごとに違うんですよ
流れる曲が
あとは音が
それで人間が無意識のうちに
駅にいるかっていうのが
脳裏に焼き付く
それかなり効果的ですね
音を聞いただけで
自分の位置が分かれたりとか
普段聞いてたら分かりますもんね
あんまり意識してなくても
この音が聞こえたから
ここに着いたんだなって
それが何度も繰り返されると
なんだっけな
心理学でいうところの
パブロフのイム現象が起きるんですよね
英語で言うんですけど
大学の時に学んだんですけど
何かをすると必ず何かが起こるっていうのを
何度も人間が繰り返すと
何かをする前に
その何かが起こっただけで
それをしたくなる
例えば犬に
餌をあげる時に
毎回同じ音を出して
餌をあげてたら
ある時から音を流しただけで
よだれが出るようになるんです
条件反射みたいになるわけ
ブランディングの課題
さっきのいくつか流したけど
うまいのは
例えばNetflixの
ダダーンっていうのがあるじゃん
あれってNetflixを開けるたびに鳴るじゃん
っていうことは
Netflixで広告とか流した時に
あれをダダーンって流すと
ユーザーが無意識のうちに
あ、Netflix見たいって思い始める
なるほど
そうなんですよ
同じように最初に流した
ファミリーマートの曲も
ファミリーマートに入る
自動ドアが開くたびに
あれが流れるから
ファミリーマートにいない時に
あれが流れたら
急にファミチキ食いたくなる
分かりやすいな
いや本当に
本当にそうなんですよ
なので
ソフトな中毒症状を
生み出すことができるんですね
サウンドロゴって
例えばソニーの
パンっていうソニーの音が流れると
ソニーを想起する頭の中で
ソニーの商品とか
っていうのができるから
情景反射に訴えることができるのが
音の強さなので
ブランディングをする時に
ビジュアルアイデンティティ
プラスサウンドロゴもやると
面白いよねという
なるほど
それっていうのは
結構簡単に
作れたりするものなんですか
簡単じゃないんですよね
音楽とかやったことある方は
分かると思うんですけど
物の3秒以内とかに
印象付ける音を作り出すって
そんな簡単じゃないんですよ
なので
ロゴのデザインもシンプル
サウンドロゴも短いので
そこでプロダクトとか
企業の世界観を生み出すっていうのは
なかなか難しい上に
正解が分かんないんですからね
確かに
何が正解か
なので
今一つ気になったのが
例えばロゴ
ビジュアルのロゴの場合は
どんどん必要であれば変えていくことも
リスクを止めながらで
可能じゃないですか
サウンドロゴに関しても
同様に変えていった事例とか
もしくは変えていくことは
それはすごい良い質問で
大きく変えるケースと
徐々に発展させるケースがあって
さっき流したインテルのやつ
もう一回流すんですけど
今流したのって最新版で
結構複数の音が入ってるんですね
もともと以前にあったのって
もっとシンプルだったんですよ
メインの旋律しかなかったんです
それが時代とともに
解像度が上がってる
ハイレーゾーになってって
複数の楽器が今入ってる感じなんです
これってあれと一緒ですよ
ゲーム
ゲームで
昔のスーパーマリオとかドラクエって
テクノロジーの制限があったから
旋律が3つとかしか使えなかったんで
ベース音とメロディー音と
ちょっと打楽器みたいなぐらいだったんですけど
最近だったら
フルシンフォニーみたいになってるんだけど
旋律は一緒なんですよね
メインになるメロディーは一緒で
そこを補強するような
伴奏っていうか
副音みたいなものを入れてって
より豪華にするやり方をやってると思いますね
なのにファミリーマートだけ
なぜか単音の一つの
デジタル音みたいな
8ビットみたいな音で
今でもやってるから
すごい耳に
逆に耳につくよね
あとは
プレイステーションの例なんかは声だよ
声を使ってるケースも
フォルクスワーゲンとプレイステーションは
人の声がやってますよね
もしかしたら
もうちょっとしたらあれかもね
AIがそういうのを生成してくれる時代になるかもね
なるほど
例えばロゴをアップロードしたら
それに合うサウンドロゴを
AIが生成してくれたら
いくつか複数出してくれて
好きなやつ選べば面白いかもね
確かに
これ使ってみたいですけど
もうあんのかな
聞いたことないけど
その音楽生成するAIが
いくつかもうすでにあるので
それを組み合わせて
文字を入れて曲を作ってくれるのが
例えばあるけど
サウンドロゴって
3秒以内に
印象的な音階を奏でるっていうのは
AIやってほしいな
今だったらもしかしたら
アイデア出しに使えるのかもしれないです
ベースとしては
ただ今後もしかしたら
サウンドロゴを作れるような
AIができるかもしれないですね
AIとサウンドロゴの未来
ちなみにこれ
ビートラックスとかでも
サウンドロゴだったり
ビジュアルのロゴも含めて
制作とかだったりって
行ってたりするんですか
ビジュアルのロゴデザイン
めちゃくちゃ今までもやってて
多分100、200は余裕でやってるんですよ
クライアントと
あとはクライアントの
新規事業のプロトタイプのためのブランド
世の中に出ないんだけど
そういうのも定期的にやってるので
相当やってるんですけど
音もちょこちょこ
僕もともと音楽やってたんで
作ってるんですけど
音のほうがすごい難しくて
判断する
どれが正しいか
どれが良し悪しするかっていうのは
難しくて
自分の会社のサウンドロゴも
数年前から
作ったよボツにし
作ったよボツにし
なかなか世に出せてない
それが良くないんだよね
っていうのは
さっきの脇の質問みたいに
ビジュアルのロゴは微調整
ある程度しやすいんだけど
サウンドロゴって一回出しちゃうと
旋律は変えるのは
あんま良くないんだよね
もう頭に
脳裏に
そのメロディーが焼き付いちゃうから
例えばファミリーマートの
旋律が一つ音ずれてるだけで
変に感じる
確かに変に感じます
こけちゃうじゃん
なのでそこを今
吟味しながら
やってたりはします
なるほど
どちらにせよ
Bトラックスでは
そうですね
なので
ブランディングと
リブランディングと
あとグローバルブランディングで
興味がある方は
ぜひお問い合わせいただければ
そうですね
ぜひコンタクトページから
お問い合わせいただければな
というふうに思います
それでは今回は
こちらで放送を終わりにしたいと思います
お聞きいただきありがとうございました
このエピソードを楽しんでいただけた方は
ぜひ高評価、チャンネルフォローよろしくお願いします
またサンフランシスコデザイントークは
番組に対する質問や
取り扱ってほしいテーマを募集しています
番組概要欄にある
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Spotifyでお聞きの方は
各エピソードのQ&A欄から
お送りいただけますので
お便りお待ちしております
最後までお聞きいただきありがとうございました
次回もお楽しみに