1. サイエンスポット | 10分で聴く最新科学ニュース
  2. 24. 花の向きをコントロールす..
2025-07-15 07:09

24. 花の向きをコントロールする植物の賢い生存戦略

spotify apple_podcasts youtube

天候に応じて花が向きを変える意義とメカニズムを解明

https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2025-05-12

X: https://x.com/SCIEN_SPOT_JA

https://x.com/SCIEN_SPOT_EN

SCIEN-TALK サイエントーク:

⁠https://scien-talk.com/⁠

LINE: https://line.me/R/ti/p/@356egxqv

Music : RYU ITO

⁠https://ryu110.com/

サマリー

植物は花の向きをコントロールし、気候に応じた生存戦略を持っています。特に、ハクサンハタザオは雨や晴れの日に花の向きを変えるメカニズムが明らかになっています。

花の向く理由
今回は、植物が花の向きをコントロールしているという話をしたいと思います。
サイエンスポットは、最新の科学技術にスポットライトを当てるポッドキャストです。
ホストは、サイエントークのレンです。
ということで、今回も植物の話なんですけれども、
花って太陽に向かってすごく気持ちよさそうに上向いているときと、
下にダランと垂れ下がっているときってありますよね。
これは、ただただ弱ったりとか強くなったりとかそういう話じゃなくて、
姿勢をあえて変えているっていう話があります。
植物にとって重要なことって、子孫を残していくっていうことなんですけども、
花粉を昆虫に運んでもらって、受粉して、また新しい種ができてっていうところがあると思うんですけど、
だから基本的には、そこの花っていうのは目立たせて昆虫にアピールして、
なるべく入ってきてもらいやすくしてるわけですね。
ただ、一方で花ってすごい繊細なので、雨とか風邪には弱いっていう側面も持ってます。
しかも雨って、さっき言った花粉を洗い流しちゃったりとか、
そもそも傷ついちゃったりとかするっていうことなんですよね。
これは植物が天候に合わせて、この向きをあえて変えるっていうことをやってると、
そういうメカニズムが今回分かってきたということですね。
今回はハクサンハタザオっていう花の種類、油中の植物なんですけども、
この植物に関して研究を行ったと。
日本にもいっぱい生えてる白い小さい花がたくさん咲くっていう植物ですね。
この植物観察してみると、やっぱり晴れた日は太陽の方向一斉に向いて、
雨の日には花が下を向いてるという現象が確認できてます。
まずはこれが実際に野外調査を行って、どういう環境要因でどういう向きになってるのかっていうのを調べてみると、
昼の時間帯である程度温度が高い時に、花が青色の光の方向を向くっていうことがまず分かりました。
青色の光っていうのは結構エネルギー高い方ってことですね。
要は太陽の方になるべく向くっていう性質があるってことですね。
これ実験装置とかも使って、この色の光が大事っていうのが分かってます。
これは植物が光屈成と呼ばれる光の方向に向くっていう動きですね。
これをあえてやってると。これ多分教科書とかにも出てるかなと思います。
一方、雨の日になると花が下を向くんですけど、これの条件は温度が低くて、
あとはさっきの青色の光が弱いっていう条件だと、重力の方向に今度は伸びていくと。
これが16屈成と呼ばれる現象です。
なので、これが起きるとあえて下向きになるんで、雨が当たる前に守れるということですね。
しかも雨粒が花粉に当たると実際急速に死んじゃうってことも分かっていて、
生存戦略としての花の向き
それが実際ダメージ回避できてるってことですね。
あとは花の向きが変わるときの細胞レベルのメカニズムっていうものも調べていて、
これは花の上下半分の遺伝子の発現量っていうのを比較してます。
植物のホルモンの一種の大気神っていうものがあるんですけど、
これは植物がぐんぐん伸びていくのを制御する植物のホルモンですね。
花が上を向くときにはこの花の下側の部分でこの遺伝子が高まって、
逆に下を向くときには上側でこの遺伝子の発現が高まると。
だから一部分だけ細胞を偏って伸長させるってことで、花全体が向きを変えてるってことですね。
これはメカニズムが分かったので、最終的に光を人工的に当てて花の向きを変えるっていう操作実験をやってて、
雨の状況で上向きになる花と下向きになる花をそれぞれ準備したと。
そうすると下向きの花の方が花粉の流出がやっぱり抑えられていて生存率も上がったっていうことみたいですね。
逆に晴れてるときにもう上向きの花と下向きの花を用意してあげると、
上向きの花の方が花粉を持ち出すっていう昆虫が持ってくる量が増えて、
種子の数が増えたっていうところまで分かったっていうことみたいですね。
なので、ただ単純に雨降ったらダメージ与えられて花がしょぼんと下向いてるわけじゃなくて、
あえて下を向くっていうのをコントロールしてちゃんと守ってるだろうと。
これは適応的な応答であるというふうにこれから言えるということですね。
僕とか結構雨に打ちひしがれて物理的に下向いちゃってるのかなとか思ってたんですけど、
この植物に関しては能動的に自分から花の向きを変えてるっていう運動を
そういうのをしてるっていうことで植物も賢いなというふうに思いました。
ということで今回すごい簡単なエピソードだったかなと思いますけども、
実際植物の細かい遺伝子レベルまで調べてあげるとちゃんとメカニズムも分かって、
実際それで植物をコントロールできるとかは結構面白いなというふうに思いました。
ということで今回のエピソードありがとうございました。
サインスポットのハッシュタグの方でですね、いつもコメントもいただいていてとても嬉しいなというふうに思ってます。
なんかやっぱりコメントしたりとかするとどうなんですかね、自分ごとになったりもしそうですし、
このポッドキャストかなり幅広いジャンルは扱ってるかなと思います。
結構総合格闘技みたいなことをしているので、
自分が興味ある領域外のところがどこかがあればいいなというふうに思ってます。
逆に僕の好みも結構あるので、僕はあえてそこから外れたようなこともやってみようかなとは思ってますので、
引き続きぜひぜひコメントや感想などをいただけたら大変嬉しいです。
ということで今回は以上です。ありがとうございました。
07:09

コメント

スクロール