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2024-04-26 03:45

お母さんのお乳 /小川未明

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作品名:お母さんのお乳
著者:小川未明

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お母さんのお乳 小川未明
赤ちゃんはお母さんのお乳にすがりついて、うまそうに飲んでいました。
それをさもうらやましそうにして、5つになったお兄さんと 7つになったお姉さんとが眺めていました。
兄さんはついに我慢がしきれなくなったと見えて、 お母さんのお乳に小さな手をかけようとしました。
すると赤ちゃんは顔を真っ赤にして かわいらしい頭を振って
触ってはいけないと言って怒りました。
よしよし、お兄さん、おっぱいに触ってはいけませんよ。
これは赤ちゃんのお乳ですから。
と、お母さんは笑いながら言われました。
お姉さんもまたお兄さんも笑いましたが、
お兄さんはなんとなく寂しそうでした。
そしてお母さんに向かって、
お母さん、赤ちゃんは意地悪ですね。
と言いました。
坊やも赤ちゃんの自分はやはり同じだったのだよ。
お母さん、僕もこんなに意地悪だったの?
赤ちゃんが生まれるまでは坊やが毎日こうして母さんのおっぱいにぶら下がっていたの。
そしてお姉ちゃんが手を出そうものなら やはりこうして顔を真っ赤にして怒ったの。
このお父の周りにはみんなの唇の跡が数限りなくついているのです。
と、お母さんは言われました。
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このお話を聞くと、お姉さんもそうであったかというように
可愛らしい目を輝かしました。
しかし、お姉さんもお兄さんもそんなにして毎日飲んだお父の味を忘れてしまって、
ただお父を見ると恋しいばかり。
赤ちゃんだけがお父の味を知っていました。
03:45

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