作品名:煙と兄弟
著者:小川未明
図書カード:https://www.aozora.gr.jp/cards/001475/card51558.html
青空文庫:https://www.aozora.gr.jp/index.html
ブンゴウサーチ for Kids:https://bungo-search.com/juvenile
著者:小川未明
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煙と兄弟 小川未明
薄曇りの下空を 冷たい風が吹いていました。少年はお母さんの張り仕事をなさる窓のところで
ぼんやり外の方を眺めていました。 もはやこの葉が薄く色づいて
秋も更けてきました。 さっきからそこで何を見ているの?
とお母さんが少年の様子に気がついて聞かれました。 僕、煙を見ていたの。
お母さんはちょっと手を止めて その方を見ると
隣の家の煙突から 青白い煙が昇っていました。
お風呂の煙でしょう? それは少年にわかっていました。
彼はそれを知らなかったのでありません。 そうじゃないの。
先に出た煙が後から来る煙を待っていて 一緒に空へ上がろうとすると意地悪い風が吹いて
みんなどこかへさらっていくのだよ。 だって同じ木から出た兄弟だろう。
かわいそうじゃないか と少年は言いました。
お母さんはしばらく煙を見ていました。 人間に例えれば
手を取り合って おぼつかなく遠い道を行くようです。
そう考えるのが正しいのですよ。 どこの兄弟も
優しいお母さんのお腹から生まれて 同じ父を飲んで訳隔てなく育てられたのです。
それを大きくなってから 少しの孫徳で兄弟喧嘩をしたり
互いに行き来しないものがあれば また中には
03:05
大恩のある母親を嫌って 寄せつけないものがあると言いますから
世の中は恐ろしいことですね。 と何か深く感じてこういったお母さんの目には
光るものがありました。 この時
僕はそんな人間にならないよ と
少年はお母さんの膝に 飛びつきました。
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