1. 耳で学ぶAI、ロボシンク
  2. #84 GPT-5のプロンプトを改善..
2025-08-20 19:41

#84 GPT-5のプロンプトを改善する

✍️内容

今回のエピソードではGPT-5のプロンプト改善に焦点を当てて話しました。

GPT-5の特性やプロンプト改善のアプローチについて。

その他にもCursorチームの実験結果やメタプロンプティングに使えるPrompt Optimizerについても言及します。

---

おすすめ生成AIツールの資料を配布中🎉

→資料を受け取る

---

🔗リンク

note: GPT-5のプロンプトを改善する

note: Prompt optimizerの使い方

GPT-5 Prompting guide

Codex CLI

---

🎧番組紹介

「耳で学ぶAI」はChatGPTやGemini、Claudeなど生成AIを初心者・中級者向けに分かりやすく解説する番組です。

---

👨‍💻パーソナリティ: 矢野哲平

「AIを分かりやすく、楽しく」をコンセプトにポッドキャストやnoteでAI情報を発信。Prompt OKなど各種AIツールも開発しています。株式会社root c代表取締役。福岡出身。

note

X: 矢野哲平

Prompt OK(プロンプト管理ツール)⁠

---

📩番組の感想や要望はこちら

サマリー

このエピソードでは、GPT-5のプロンプト改善の方法が説明されています。特に、GPT-5の特性に基づいたプロンプトの明確化や、AIによる計画立案や自己評価、さらにメタプロンプティングの重要性に焦点が当てられています。また、プロンプトオプティマイザーの活用方法や、コンテキスト収集に関する重要な洞察が提供されており、AIの性能向上に向けた具体的な方法についても考察されています。

GPT-5の基本理解
みなさんこんにちは、矢野哲平です。この番組は、耳で学ぶAIをコンセプトに、初心者・中級者向けにAIを分かりやすく解説する番組です。
今回のテーマは、GPT-5のプロンプトを改善する、について話していきます。
はい、ということで今回は、GPT-5の特性を知って、プロンプトの改善につなげようという内容となります。
GPT-5が公開されてしばらく経ちましたけど、みなさんはどのように使っていますでしょうか。
前のモデルより精度が上がったよ、という人もいれば、いや、前のモデルの方が良かったな、という人もいるようです。
みなさんはどのように感じていますでしょうか。これ、GPT-5の精度が低いと感じる理由の一つに、GPT-5の特性が関係している可能性があります。
今回のエピソードで、GPT-5の特性を抑えて、プロンプトの改善について一緒に学んでいきましょう。
今日話すポイントは主に3つです。1つ目にGPT-5の特性について、2つ目にGPT-5の回答精度を上げるプロンプトテクニックについて、
そして3点目にプロンプトの改良をAIに任せるメタプロンプティングについて話していきます。
はい、では早速話していきましょう。まずGPT-5について軽くおさらいをしましょう。
GPT-5は、最近オープンAIから発表された新しいAIモデルとなります。 GPT-4のバージョンから新しくGPT-5にバージョンアップしました。
これは、チャットGPTの無料ユーザー、有料ユーザー関係なく誰でも利用することができるモデルです。
今までチャットGPTって色々なモデルがありましたよね。 GPT-4.0、GPT-4.1、あとはGPT-4.5、O3、O4 mini、色々ありました。
逆にこのモデルの多さというのが、どのモデルを選べばいいのかわからないという足枷になっていたと思うんですけど、
今回のアップデートでGPT-5に統一されてわかりやすくなったと思います。 このGPT-5のモデル自体は様々な面で以前のモデルよりも
アップグレードしています。公式の説明によると、GPT-5は開発者を念頭においてトレーニングされているモデルと紹介されています。
例えば、外部ツールの呼び出しであったり、指示の追従、あとはコンテキスト理解の向上に重点を置かれているモデルと説明があります。
この公式の説明の中にGPT-5の重要な要素が含まれています。 それが指示の追従です。
つまりGPT-5はプロンプト、人間の指示に忠実に従うように設計されています。 これは以前のモデルでもあるGPT-4.1にも見られた特徴です。
プロンプトの指示に正確に従うという特性を持つと。 人間の指示に正確に従うっていうことは一見すると非常に良い特徴のように聞こえますよね。
ただ一方でこうした特性というのは他のAIモデルよりも矛盾した指示であったり、あとは曖昧な指示、こうした指示ではパフォーマンスを発揮できない可能性があるということも意味しています。
結構前にGPT-4.1が出て初めて使った時に結構融通が効かないモデルだなと感じていました。
フワッとした指示は動いてくれないなぁみたいな。 でそれと同じようなことがGPT-5でも起こっているように感じます。
今までGPT-4.0を使ってきた人からすると、いきなりGPT-5に変わってなんか回答精度が落ちている気がするなぁとか、
プロンプト改善のテクニック
AIの融通が効かなくなったなぁと感じている人も少なくないと思います。 じゃあこうした問題に対してどうするのかっていうと、改めてプロンプトのアプローチを見直すということです。
オープンAI公式もGPT-5向けのプロンプトガイドを公開しています。 ここからはこのプロンプトガイドの内容に触れながらプロンプト改善のアプローチについて話していきます。
GPT-5のプロンプト改善の第一歩、それはまず大前提として明確な指示を書く、 曖昧な指示をしないということです。
これはGPT-5だけではなくて、他のAIモデルでも言えることです。 ただGPT-5は指示に対して忠実に従うという特性があるので、しっかりプロンプト、つまり指示を書きましょうということです。
プロンプト改善の第一歩は、まずは明確な指示を書く、曖昧な指示をしないように注意するということです。 その他にもいろいろ有用なテクニックがあるんですけど、一つの考えとして
AI自身に考えさせるというアプローチも有用です。 AI自身にタスクの計画を立ててもらったり、あとは自己評価をしてもらったり
プロンプトをAI自身に改善させるというアプローチです。 ちょっとこれ詳しく説明していきます。
まず一つ目が、AI自身にタスクの計画を立ててもらうというアプローチです。 簡単なタスクだとこうしたことをする必要はないんですけど、ちょっと複雑なタスクになってくると
いきなりタスクを実行させるのではなくて、先にAI自身にタスクの計画を立ててもらって、そこから実行させると
こうすることで回答精度が上がります。 具体的にはプロンプトに次のような内容を含めます。まず計画を立てて、それに従って実行して
こんな感じでまずAIに計画を立ててもらって、そこから実行に移るというアプローチです。 こうしたアプローチはGPT-5を効果的に制御するためのアプローチとして
オープンAI公式のプロンプティングガイドでも紹介されている内容です。 ちなみにこうした計画の立案から実行に移るというアプローチ
これは論文でも紹介されている内容です。 プラン&ソルブプロンプティングというプロンプトエンジニアリングのテクニックの一つでもあります。
プラン&ソルブのまずプランの部分では、タスク全体を俯瞰してそのタスクを遂行するためのステップをサブタスクに分解して、詳細な計画をAIに立ててもらいます。
次のプラン&ソルブのソルブの部分、ここではAIが立てた計画に従って各サブタスクを1個ずつ実行するようなアプローチです。
これ結構効果的なアプローチなので、ちょっと込み入ったタスクを処理する場合、このアプローチも試してみてください。
私の経験談を話すと、GPT-5を使った文章構成のタスクで、こちらが想定しているよりもスコアが悪かったという現象に遭遇しました。
GPT-5のシンキングモードを使わずに文章構成を行うと、結構スコアが悪いという現象に遭遇しました。
で、この文章構成のプロンプトにプラン&ソルブプロンプティングのアプローチを加えると、大幅にスコアが改善しました。
メタプロンプティングの導入
AI自身にタスクを計画させる。こちらが一つ目のアプローチとなります。
次はAIに自己評価をさせるというアプローチについて話します。 これはセルフリフレクション、自己評価というアプローチで、たびたび紹介されているプロンプトテクニックでもあります。
例えば、何か新しくアプリをゼロから作るとします。 この時にいきなりAIに指示をして作成してもらうのではなくて、
AIに良いアプリとは何かということ、その基準そのものをまず考えさせます。 つまり完璧な成果物、ここでいう良いアプリとは何なのかということをAIに定義をさせてから、そこからタスクの実行に移ると。
タスクのゴールを単なるタスクの完了から最高品質の成果物を作ることへ引き上げるというのが狙いです。
例えばこんな感じのプロンプトにします。 このタスクにおける完璧な成果物の基準を7項目内部的に設定してください。
その基準をすべて満たすまで自己評価と修正を繰り返してから、最終的な成果物のみ回答してください。 アプリの制作を例に話しましたけど、これ別にアプリじゃなくても他のタスクでも応用ができます。
例えば会議資料の内容であったり、顧客への提案書、あとはそうですね戦略の立案だったり、
AAにいきなり会議資料を作ってもらうのではなくて、まず先に良い成果物とは何なのかということを定義してからタスクの実行に移るという流れです。
では最後3つ目、メタプロンプティングについて話していきます。 これはGPT-5自体にプロンプトの改善や最適化を依頼するアプローチとなります。
メタ、これは対象をさらに一つ上の視点から見るというニュアンスで使われます。 メタプロンプティング、AI自身にプロンプトを改善してもらうと。
GPT-5の初期のテスターがこのメタプロンプトを使用することで良い結果を得られたと、オープンAIの公式でも紹介されていました。
具体的にはGPT-5にプロンプトにどのような要素を追加すれば望ましい結果が出るのか。 あるいはどのような要素を削除すれば改善できるのかということを尋ねるだけです。
で、こうすることで結果的に良いプロンプトを得ることができたと。 具体的には次のような指示をします。
ちなみに今回のエピソードで紹介している内容、これはノートで記事にしておきますので、 プロンプトをテキストで確認したい人はそちらもチェックしてみてください。
概要欄にリンクを貼っておきます。ではプロンプトを紹介します。 今から読みますね。プロンプトの最適化を依頼します。
あなたの視点から回答してください。望ましい振る舞いをより安定して引き出したり、 望ましくない振る舞いを防いだりするために、私のプロンプトにどのような具体的な言葉を追加
または削除すれば良いか説明をお願いします。ここがAIの指示の主要な部分となります。 私のプロンプトを改善するためにアドバイスをお願いしますとAIに依頼をしています。
続けます。そしてあの改善したいプロンプトの全文を貼り付けます。 でここから次のように指示をします。このプロンプトで私が期待しているのは
AIが〇〇をすることです。ここには望ましい結果を記載します。 しかし実際には〇〇という動きをします。ここでは実際に起きている問題を記載します。
つまり期待と現実のギャップっていうのをAIに伝えています。 で最後にこのように締めます。
元のプロンプトの形をできるだけ崩さずにこの問題を解決するためにはどのような 最小限の修正や追加を行えば良いでしょうか
具体的な提案をお願いします。 以上がメタプロンプティングの一例となります。
GPT-5で使うプロンプトをGPT-5自身に最適化してもらうというアプローチです。 ちょっとここまで色々紹介してきたので一旦まとめます。
ここまで3つのプロンプトテクニックを紹介しました。 1つ目にAIに計画を立てさせるということです。
複雑なタスクはAIにまず計画を立ててもらってから実行させると精度が上がります。 2つ目にAIに自己評価をさせるということです。
AIに最高の成果物とは何なのかという基準を定義させて、 そこから自己評価と修正を繰り返させて品質を高めるアプローチです。
そして最後3点目にメタプロンプティングを紹介しました。 これはAI自身により良い結果を出すためにプロンプトの最適化を支持するアプローチです。
以上3つを紹介しました。 AIに計画を立ててもらったり、あとは自己評価をさせる。
こうしたテクニックに共通するのは、AIにいきなり答えを出してもらうのではなくて、 考えるためのプロセスを与えるという点です。
これ人間も同じですよね。 いきなり仕事に取り掛かるのではなくて、一度全体を俯瞰して計画を作ったり、
プロンプトオプティマイザーの活用
あとは成果物の基準を定義することで、最終的なアウトプットの質っていうのが上がります。 ぜひご自身のタスクに合わせて試してみてください。
ここからはメタプロンプティングについてもう一段階掘り下げて話したいと思います。 先ほどGPT-5にプロンプトの最適化を依頼するというアプローチについて
説明しました。 これはこれで使えるんですけど、もう一つプロンプトの改善をする方法があるので、そちらも紹介しておきます。
それはOpenAIが公開しているプロンプトオプティマイザーというツールを使うことです。 オプティマイズ、あの最適化みたいな意味合いがあるんですけど、
名前の通りプロンプトを最適化するツールとなります。 結構便利なツールなのでこの機会に紹介したいと思います。
使い方は非常に簡単で、プロンプトオプティマイザーを開いて自分のプロンプトを貼り付けます。 あとはボタンをクリックするだけでOKです。
あとは自動的にGPT-5向けに最適化されたプロンプトへAIが修正してくれます。 メタプロンプティングやってみたいけど、自分であれこれこう
AIに支持するのは面倒だなという人いると思います。 でそうした人はこのプロンプトオプティマイザーを使うことで簡単にプロンプトの最適化を行うことが
できます。 修正箇所に修正理由とかも載せてくれるので結構新しい発見があったりして参考になります。
でこのプロンプトオプティマイザーの使い方もノートで記事を書きましたので、興味のある方はこちらもチェックしてみてください。
概要欄にリンクを貼っておきます。 あと有料プラン向けの人のチップスになるんですけど、チャット画面でGPT-5以外の過去のモデルを選択できるようにすることもできます。
今ってチャット画面に表示されているのはGPT-5のモデルで統一されていますよね。 GPT-5のファーストモードかあとはシンキングモード
あと有料版の画面ではGPT-4Oも表示されています。 でこれにGPT-4.1あとはGPT-03やGPT-04 mini
こうした過去のモデルを使うこともできます。 でこれどうやるのかっていうと設定画面から一般を選択して追加モデルを表示する
という項目をオンにするだけでokです。 この追加モデルを表示するこの箇所をオンにすることで過去のモデルが使えたり
あとはGPT-5シンキングミニというモデルも選択できるようになります。 GPT-5のシンキングモード回答生成するまで時間がかかるなと感じている人多いと思います。
私も結構使ってみて、やっぱりシンキングモード精度は高くなるけど結構生成までに時間がかかるなと思っています。
こうした場合に回答精度もそこそこ良くて回答スピードもそこそこ早いモデルが欲しいと
そうした場合はGPT-5のシンキングミニを試してみてください。 これは有料プランの方が設定できる内容となります。
あとAIコードエディターのカーソル こちらがGPT-5について興味深い報告をしていたのでそちらについても触れたいと思います。
このカーソルっていうのはプログラミングのコードを書くためのAIツールとなります。 かなり有名なので使っている方多いと思います。
このコードエディターのカーソル、GPT-5が組み込みで使えるようになっています。 カーソルのチームは最初にGPT-5を組み込むときにコンテキスト収集のタスクで
あの次のようなプロンプトを使っていたそうです。 徹底的に情報収集して全容を把握するまでツールの呼び出しや質問を使うと
こんな感じで強い言葉遣いのプロンプトを使用していたそうです。 徹底的にとかですね。ただこのプロンプトではGPT-5は思ったほどパフォーマンスが上がらなかったという報告をしています。
カーソルチームが原因を調査したところ GPT-5はすでにモデルの特性として積極的にコンテキストを収集するため
このプロンプトが過剰にモデルを動作させる原因になっていたと。 もともとGPT-5はコンテキストの収集を積極的に行うというモデルの特性を備えています。
にも関わらずプロンプトでさらに徹底的にコンテキスト情報を収集してと指示をしていたので 逆に精度が下がる場面があったと
でこの問題を解決するためにカーソルのチームが何をやったかっていうと プロンプトから徹底的にっていう強い文言削除して表現を和らげたそうです
でその結果GPT-5が適切にタスクを判断できるようになって性能が上がったという話です これ結構直感に反する内容ですよね
プロンプトに徹底的にとか最大限とかそういった強い表現を含めると AIが指示に従って最大限のパフォーマンスを発揮しそうな感じがします
でもカーソルチームの報告ではGPT-5におけるコンテキスト収集のタスク これにおいては逆効果だったと
このチップスっていうのは開発者向けのチップスになると思うんですけど 頭の片隅に覚えておくと良いと思いました
GPT-5において過剰な指示というのは場合によってはパフォーマンスを下げることもあるということです
で最後にプロンプトの改善とは少し話がそれるんですけど 開発者やAIを使ったプログラミングに興味がある方に一つだけ朗報があります
それはオープンAIが開発しているツールに Codex CLIというものがあります
これがチャットGPTの有料プランに加入している人なら 制限の範囲内で利用できるようになっています
Codex CLIはAIエージェントがプログラミングを手伝ってくれる強力なツールです
もし今まさにAIコーディングのツールを探している人 クロードコードなど他のツールに課金する前にまずはCodex CLIを試してみてはいかがでしょうか
という話です Codex CLIもGPT-5が搭載されるようになって結構評価も変わってきています
このポッドキャストでもあの先で Codex CLIについても取り上げたいなと思います
はいそれでは今日のポイントをまとめます 一つ目にGPT-5は指示に忠実という特性を持ちます
そのため指示が不明瞭であったり矛盾がある場合は性能が落ちます 二つ目により良いプロンプトにするためのアプローチとして3つ紹介しました
AI自身にタスクの計画を立ててもらう AIに自己評価をさせる
そしてAI自身にプロンプトを改善させるメタプロンプティングのアプローチです
3つ目にOpenAIが提供するプロンプトオプティマイザーについても紹介しました こちらは手軽にメタプロンプティングを試すことができます
はい今日はこの辺ということで本日もお付き合いいただきありがとうございました 番組ではこのように耳で学べるAIを毎週発信しています
通勤中や火事の合間にAI情報をキャッチアップできます 毎週水曜朝に更新していますのでぜひフォローをお願いします
そしておすすめの生成AIツールをまとめた資料も配布しています 興味のある方はこちらもぜひ概要欄にリンクを貼っておきます
お相手は耳で学ぶAIの矢野てっぺいでした また次の配信でお会いしましょう
19:41

コメント

スクロール