「センスって何ですか」——引っ越しで生き残った本が、その答えを持っていた。
お聴き頂きありがとうございます。「理系男の人生取締役会」です。
今回はトマトが、センスに関する本を紹介してくれる回です。センスって何んでしょうか。センスいい人になりたーい。ぜひお楽しみに!
引っ越しで段ボール5箱分あった本が1箱まで絞られた。その審査を生き残った1冊——千葉雅也著「センスの哲学」を今回は紹介します。
センスとは何か。速さ?飲み込みの早さ?言語化できないコツ?
この本が出す答えは意外なものです。「センスとは下手馬である」。
下手な絵の要素として挙げられるのが「不十分な再現性」と「無自覚に出てしまう身体性」——つまり、何かを完璧に真似しようとする運動から降りたとき、その人だけのオリジナリティが出てくる。それがセンスの正体だという主張です。
具体例として登場するのが、この本の表紙にも使われているラウシェンバーグの抽象画「サマー・レンタル・プラス・ワン」。赤・黒・オレンジ・白がぐちゃぐちゃに配置された、何を描いているのか全くわからない絵です。
この絵をクラゲは「ブドウ」と読みました。粒々が並ぶリズム感からの連想です。
本の著者はこれを「餃子」と読んでいる。ラー油の赤、皮の白、焼き目の黒——そこに感じるリズムが、餃子を食べたときの口の中の体験と重なる、と。
突拍子もないようで、実はこれがセンスの動かし方の核心です。「こういうものを見てこう感じた」という自分の身体的な経験から引っ張ってくる——その引き出しの豊かさと、それを臆せず言える強さが、センスをつくっていく。
そして話は現代のAIへと飛びます。
AIはそれっぽい文章をいくらでも出せる。でもこの「クソ雑な会話」をAIにやらせたら絶対できない——2人がそう断言するのは、自分たちの会話こそが下手馬であり、身体性であり、再現不能なオリジナリティだからです。
ポッドキャストというメディアの強みが、思わぬ角度から浮き彫りになる回でもあります。
普段から自分の感覚に鋭敏に生きること。それが10年後のセンスをつくる——前向きな結論で締まります。
通勤・作業のお供にぜひどうぞ。
🌏 For our international listeners:
Welcome to The STEM Guys' Life Board Meeting.
What is "sense" — or as Japanese would put it, センス (sensu)? Speed? Intuition? The ability to pick things up fast?
This week, Tomato introduces a book that survived his recent move: The Philosophy of Sense by Masaya Chiba, a philosophy professor at Ritsumeikan University.
The book's core argument: sense is being a "bad horse." The two qualities of a bad drawing — imperfect reproduction and unconscious physical expression — are precisely what makes something feel original. The moment you stop trying to perfectly replicate a model, your own sensibility comes through. That's the source of sense.
The example used: a Rauschenberg abstract painting called Summer Rental Plus One. Kurage looks at it and sees grapes — a cluster of rhythmic shapes. The author sees gyoza — the red as chili oil, the white as skin, the black as a seared crust. The logic: the experience of eating gyoza and looking at this painting are structurally the same kind of rhythmic, bodily encounter.
The conversation then lands somewhere unexpected: AI can produce polished-sounding text, but it can't replicate this — two people rambling, mishearing each other, changing directions mid-sentence. That messiness is the human body expressing itself. That's the "bad horse." And that might be exactly where sense comes from.
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サマリー
今回のエピソードでは、「センスとは何か」という哲学的な問いについて、理系男の人生取締役会が深掘りします。センスは、単なる速さや器用さではなく、言語化できないコツを掴む能力や、オリジナリティに根差した身体性に関係すると考察されます。千葉雅也氏の著書『センスの哲学』を参考に、「センスとは下手馬である」という概念が紹介され、不十分な再現性や無自覚な身体性がセンスの源泉となりうることが語られます。具体例として、ロバート・ラウシェンバーグの抽象画「サマー・レンタル・プラス・ワン」が取り上げられ、その絵に「リズム」や「餃子」といった独自の解釈が加えられます。この解釈は、個人の経験や感覚に根差したオリジナリティの重要性を示唆しています。また、AIが生成する文章と、人間らしい「クソ雑な会話」の対比から、AI時代における人間のセンスのあり方についても触れられています。最終的に、普段から自分の感覚に鋭敏になり、それを表現する場を持つことが、将来的なセンスの向上に繋がるという前向きなメッセージで締めくくられます。
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