小澤 まずこのベル・ジャーという作品なんですけれども 2024年に出た海外文学の作品の中ではかなり話題になった作品ではないかなと思っておりまして
実際今まだこれ配信される時はちょっと微妙なんですけど 日本翻訳大賞の候補に今なっておりまして
もしかしたら配信されている時には最終候補が発表されているかもしれないんですが 現在候補に上がっているというところですね
あと今10代が選ぶ海外文学大賞というのが結構海外文学界隈では熱い話題にもなってまして そこのリストにも入っております
2024年の7月に発売して以来今こちらベル・ジャーですが七摺りまで行ってると聞いております
いやなかなか本当に売れている作品だなと思っております
もともと私はこの作品を去年の日本翻訳大賞の受賞式の時に同じく小文者が出ていた母を失うということが受賞されたんですけども
多分その絡みで参加者の席にこのI am I am I amシリーズのパンフレットが置かれてたんですね
でその第一弾としてベル・ジャーというのが出るっていうのを私はそこで知りました
たぶんちょっとこれは小澤さんにお聞きしたいんですけど小文者さんのこれかなり気合が入ったシリーズだったのかなと
小田 そうなんですよ 私もこれ知らなかったんですけれども小文者って昔は海外文学がとても強かったんですよね
だけど最近はこの学術本というか受験用の本とかが強くなってきていて 海外文学はあまり部数が出ないということもあってあまりって感じだったんですって
ですけど若い私のこのベル・ジャーの担当してくれた深井さんという編集者がいるんですけれども
彼女がいやいやちょっと海外文学をシリーズ化して出したいですってすごく気合を入れてこのI am I am I am考えたんですよね
そうそれの第一弾としてベル・ジャーが出てたっていう感じですね 勢いがある
日本法約大賞の時にパンフレット見た時になんかすごく勢いを私感じました 勢いをね
そうなんかそういうのって気合だけはあるけどあんまり会社もそんなに押さずに
あーなんかこんなのあったなーぐらいな感じでさーってなってくのかなと思ってたんですけど今までそういうのいっぱい見てきたので
今回のこれに関してはもうすごいですよね ラインナップも今まで出てる3冊ぐらいですか出てるのも素晴らしいし
本当に考えられているそして届いてるって感じがしますで書店もすごく応援しているのがわかります
赤いパンフレットですよね I am I am I am ちょっと縦長の
そうすごくいい流れだなぁと思っているんですけど
実際にあのベル・ジャーはもう発売以来結構話題だったなと思ってまして
小澤さん自体もかなりいろんなところでお話しされているかなとは思うんですけれども
まずはその河上美恵子さんと青山ブックセンターで対談とかされていたのが私印象に残ってまして
これ私チケット欲しかったのに買おうと思ったら売り切れてたっていうのをよく覚えてるんですよね
河上さんのファンがものすごくてすぐ売り切れちゃったんですけどでもやっぱりあれがすごく勢いをつけてくれましたよね
あの時に1時間半ぐらいですか河上さんがもう私多分1行ぐらいしか喋ってなくて
ずっともうベル・ジャーがいかに素晴らしいかってことをもう唾を飛ばしながらぐらいの勢いで熱弁されたんですよ
あの時の圧倒感真夏に行われたトークショーだったんだけど本当に
あのその冒頭ベル・ジャーの冒頭も真夏のニューヨークから始まってジリジリするような熱さが描かれてるんですけど
本当それと相まって良いローンチになったなって思いました
それで結局三枝子さん推してるからって言って読者の方がたくさん買ってくださって広まっていったっていうのもありますね
いやーでもすごい本当に勢いがあの時感じましたね
その後も結構イベントやられてましたよね
そうなんですよこれもやっぱりこのベル・ジャーが割とすぐに反響があったってこともあって
私からしたら大先輩の翻訳者の柴田本幸さんであったり岸本幸子さん斉藤丸子さん他にもあの作家だと小林エリカさんなど
お話しさせていただいて皆さんやっぱりこうベル・ジャーに思い入れがあって
ベル・ジャーやっぱり今まで2回役されているんでどの役で読んだよとか読み比べてみたよとかそういう話で結構盛り上がりました
ちょっとあの後々そのあたりの翻訳の話も聞けていけたらと思いますのでよろしくお願いします
お願いします
ちょっとここで私と三重さんの感想をちょっとお伝えしたいなと思ってるんですけど
個人的には私今回読んで前半は結構恥ずかしくなるような気持ちが多くて
大学の時のこれすごく表現が難しいんですけど
自意識と言ってしまえば自意識なんですけど自分は割となんでしょう特別なんだとか
こういろんなことができるんだって思って特に私上京してきたので
あの上京してきた時は結構そういうのに期待を膨らませて出てきたんですけど
まあ大学でいろんなことがあっていろいろ自信をなくしたりとか現実的なものにちょっと遭遇して
こういうもんだよなって思ったりしたことが結構あったんですけど
その時のですねなんかちょっと恥ずかしいというか
どうこの気持ちを扱っていいかわからないという感覚がちょっと戻ってきた一冊でした
前半はですけどね後半は後半でなかなかこういろいろ辛辣なシーンも続くので
それはそれで夢中になって読んだんですけれども
ただちょっとこれちょっと思春期の時に読んだら読み切れなかったんじゃないかってぐらいですね
ちょっと恥ずかしい気持ちになったような一冊でしたね
僕は事前情報をほとんど入れずにですね読み始めたんですけども
とはいえ最初の印象でちょっと青春小説かなと思ってまして
読んでいくと序盤はそういう青春小説な要素があるなと思っていたんですけども
だんだんちょっと違うことに気づいてきましてちょっとですね
この話としては主人公のエスター大学生なんですけども
すごい狭きもの雑誌社のインターンに合格して
もうほんと一握りの人しか参加できないところに1ヶ月間そのインターンとして参加することができては
キャリアのチャンスを掴むことができるんですけど
ただそこで自分が何者になりたいかっていうのが言うことができなくて
ただ読んでる側からするとですねエスターってすごい優秀な人だと思っていて
この後もいくらでもチャンスがあるだろうと思ってそういうですね
なんかキャリアであったりこのエスターの青春みたいなところがあるのかなと思ったら
そうはならなくて序盤は少し眩しさものを感じてたんですけども
次第にですねこのちょっと閉じられていくようなですね
なんかそんな読み心地があってですねこれはってちょっと思ったんですね
この前半とこの中盤以降のこのまさかこうなっていくとはっていうですね
という重たさみたいなものをだんだんと感じていってですね
やっぱり序盤のエスターがすごい良くてそういう好きになったんですけども
なんかそんなエスターの人生をただ眺めるだけしかできないっていう
なんかちょっと寂しさみたいなものもやっぱり読んでると
最初はエスターに親しみ感あったんですけど
だんだんエスターとの距離が離れていくなっていうですね感じもありましたし
しかもそんなエスターを見ていてやっぱり人事とは思えないような部分もありましたし
いやなんかすごいなんか自分の中にグイグイ入ってくる小説だなって思いましたね
そうですよねその共感してしまうポイントがやっぱり多いので
人それぞれ共感するポイントは違うと思うんですけど
おそらく多くの人がどこか引っかかるポイントがある小説ではないかなと思ってます
じゃあちょっとここからですね
あのこのベルジャンについて尾沢さんにちょっといろいろお聞きしていきたいところなんですけれども
はいそうですねまず本当に語りたいところが多いんですけれども
このいわゆる20年ぶりの新約というところなんですけれども
なぜこのタイミングでベルジャーの翻訳っていうのを
あの手掛けることになったんでしょうか
なんかベルジャーは私自身は大学院の時に
あのそれこそ柴田本幸先生のクラスで出会ったんですよね
それで出会った時にやっぱりその時は自分も20代で若かったですから
刺さり方が違うっていうか
すごく自分と重ね合わせて考えられるところがあって
エスター自身にもすごく魅力を感じたし
またそれと同時にやっぱりちょっとこれからの不安みたいなものをオーバーラップしちゃったりして
ちょっとこうあまり距離を取れないで読めてたところがあったんですよね
でもそれがものすごい心の中に残っていて
あの自分は翻訳家になるなんて思ってもいなかったから
翻訳したいなんて思ってなかったんですけれど
翻訳を仕事を始めてから
あそういえばベルジャーって翻訳あったんだっけなっていう
で調べてみると
あだいぶ前に翻訳されてるって思って
親木さんの翻訳されたものも買って読んで
すごい素晴らしかったんですけれど
それがどうして廃盤とかになってるのかなみたいな
あのもう一回出たらいいのにと思って出版社に問い合わせたんですよ
これって新訳出したりとかしないんですかとか言って
で判件まで調べてもらったら
もうその時点で判件が取られちゃってて
ダメだったんだと思ったんですよね
それで諦めてたんですよ
そしたらなんか急に全然知らない小文社の
深井さんって女の人からメッセージが来て
実はご相談がありましてみたいな感じで
でzoomで喋ったんですけど
えーみたいなその時にそのベルジャー訳していただきたいんですって言われて
で本当にあの私もうこれはマジなんですけど
あのテーブル立ち上がったでしょパーンて
嘘でしょみたいな漫画みたいなアクションして
嘘ーみたいな
そしたら深井さんも私もなんか判件が取れた時立ち上がったんですよとか言ってて
もう二人でそこで盛り上がったんですよね
それでやっぱり素晴らしい作品だし
もう世の中にこのベルジャーの翻訳が出回っていないから
ここで新訳を出すのはいいのではっていうお考えだったようで
やることになりました
なるほどいやすごいですね
なんかちょっと思った以上にドラマチックで
ちょっとドラマチックでした
あーこんな風に曲がってくるのかみたいな
そうあーって思って
えでもそれ別にその深井さんは何か知ってたわけじゃないですよね
ないないない私のことも知らなかったわけですよ
彼女はあれをカルメマリアマチャドの短編集を読んでくれて
そこであのこの人だったらと思ってくださったみたいで
声かけてくださったんですけど
それも嬉しくって
いやーすごいなんかいきなりすごい話が飛び出てきて
そうすごいちょっと運命的なものを感じましたね
なるほどありがとうございます
じゃあちょっともういろいろお聞きしたいこともあるんで
先に進めてしまいますが
まずこれベルジャーに対して
小澤さん自身今ちょっとお聞きしても
やっぱりなみなみならぬ思いがあったんだろうなと思うんですけれども
改めて翻訳する前した後
今どういった思いで今このベルジャーっていう作品に対して
接してるというかあの思いを持ってるんでしょうか
小澤 そうですねその大学院の時に読んだ時は
やはりあの物語としてベルジャーをすごい楽しむっていうか
ベルジャーを読んだ記憶がすごくあって
とにかく衝撃的なストーリーですから
それを追うことと
あとエスターに共感する共感しない
どちらでもいいんですけど
エスターと共に物語を進んでいくことに
必死だったような気がするんですね
でもその翻訳って究極の誠読でもあるので
本当に一言一言を追っていくと
このシルフィアプラスっていう人が
いかに詩人であるかっていうのが
詩人の力が浮き上がってくるんですよ
なんかこうイメージの一つにしても
冒頭で出したイメージはこういう形で出してくる
そうやって人の記憶の中を思い出させるっていうか
仕組みが仕掛けがたくさんあって
それって彼女はこの作品を
30歳の時に書いてるんですけど
30歳の時に10年前の自分の記憶を
たどって書いてるんですよね
だからこの構造自体ざっくり分けると
前半はニューヨーク
後半が地元っていうふうに分けられてしまうんだけれども
よく見てると結構ぐちゃぐちゃしてるでしょ
先に行ったり進んだり時系列ではないんですよね
それがなんとなく本当のシルフィアプラスの頭の中を
覗き込んでるかのように思えてくる
それにイメージが散りばめられてるものだから
読者が寄り戻されるっていうんですかね
あっちに行ったりこっちに行ったりっていう
グラツキを一緒に味わうみたいなところもあって
そういうのができてしまうっていうのは
ストーリーの構造だけでやってるわけじゃなくて
やっぱりシルフィアプラスの死心ですよね
物事をメタファーで捉えるという
辛い辛いとかどうにでもなってしまえなんて
一言も言わないんですよこの人アリスターは
言わないのに彼女が見てるものを
点々と描写していくだけで
悲しみの深さだったりとか
苦しみの深さがほとんど伝わってくるっていう
素晴らしいこのヒッチに
やっぱり訳しててもウッとくるところがあって
結構感情も持ってかれてしまって
なかなか子供が私いるので
5時半になるとお迎えの時間でパッと切り上げるんですけど
それがなくて多分ずっと翻訳してたら
ちょっとよかったじゃないかと思うくらい
すごい入り込んで訳していましたね
いやーなるほど
1回しか読んでないので
彼女は自殺というものを考えるようになっていく
という形になってきますね
でこの後もですね
精神病院を転々としていき
物語は進んでいくというところになっています
これがですね
十二三章ぐらいまでの内容なので
ここからはちょっといろいろネタバレもあるので
この辺りに留めておこうかなと思います
で一応ちょっと今ここまで話してしまったんですけれども
やっぱりこの小説にはですね
やっぱ自殺の話とか
結構男性社会のこととかもあるので
結構差別的なごくは表現が含まれていますね
この辺はちょっと注意して読んでいただけたらなと思うのと
あと今言ったようにちょっとね
センシティブな内容のものが含まれたりするので
まあ影響を受けすぎると
少しあまりいい方向に行かなくなることも多いと思うので
読むときはぜひちょっと注意していただけたらなと思います
あのちょっと未だちょっと話し切れてない部分を
少し話していきたいと思ってるんですけど
ネタバレしない範囲で
ラストのことを少し話したいんですけれども
ラストはですね
結構解釈が分かれる書かれ方をしているなと思いました
いやこれ話すの難しいんだけれども
まあ私はスッキリはしなかったかなっていう感じですかね
深井・うんうんうん
とこですね
でもだからといって
ドコ語感が悪いっていう意味ではなくて
テーマにもなっているというか
このモチーフにもなっているベルジャー
これガラス瓶のことですけども
このガラス瓶の中におそらくエスターはいた
もしくはガラス瓶を通して世界を見ていた
っていうことがあると思うんですけど
これが取り払われたのか
それともまだ彼女はその中にいるのかっていうのは
多分解釈分かれるところなんじゃないかなって思いますね
私はちょっとまだ囚われてるんじゃないかなって思いながら
ちょっと本を閉じました
みなさんどうだった
うん
なんかその囚われてるっていうのは
特に終盤読んでる時すごい感じていたんですけど
そうですね ラストはそれでも少し何か
そうですね ちょっとエスターが自分の人生を
歩むかもしれないっていうちょっと希望みたいな
なんかねそういったところも感じれはしましたね
なんかなかなかそうですね
これ本当に読んだ人がどう思うかっていうと
そうですね
やっぱりこの序盤のエスターってすごく
これもあれか
外肌から見ると恵まれた位置にいた女の子だったので
そこと比較してしまうとどうしても途中から良くないんですけども
そうですね
エスターが自分の人生を生きていこうってなれたのかどうか
なんかとっても名言とかできないんですけど
そうですね エスターにとってはどうなんだろうってすごく
あれですね 読み終わってもモヤモヤ残りますねこれは
そうだよね そういう作品だよね
そうですね
確かにね このモヤモヤもやっぱり
この本のもしかしたら良いところなのかもしれないですね
残念ながらちょっとラスト話しにくいからちょっと他のとこ行きたいんだけど
そうですね 振りやすいのはやっぱり登場人物ですかね
そうだね 確かに
登場人物すごいたくさん出てくるんですけど
印象的な人は何人かやっぱりいまして
僕の好きだったのはドリーンですね エスターがインターン
行った時に同じインターンに参加していた学生ですごいドリーンも頭が切れる
すごいモテモテな男からすごいね 誘われたりするようなタイプの女の子で
前半読んでてドリーンはやっぱり一番自分を持っている感じはしたよね
そうですよね 自分はこう生きていくんだみたいなものとか
あったんじゃないかなって プライドも高そうだしでも頭もすごく切れるし
世の中すごく上手く生きていけそうな
もうちょっと個人的にはドリーンがいっぱい出てきてほしかったなと
でもちょっとまあ差し支えないから ネタバレにならないと思うからだけど
割と最初の方ねドリーンがさ
エスターのいる部屋に帰ってきてさ 結構すごいことになるときがあるじゃない
エスター放置するとこあるじゃない あれ結構ビビったけどね
確かに会えるの面白いですよね ちょっと面白かったよね面白かったっていうか
エスターすげーエスターやるなーっていう感じはあったけど あと人物で本当もうちょっとだけワンシーン出てきた人物で
マルコっていうですね これ強烈だったね そうですねこれもドリーンとの付き合いでペルー人ですかね
のグループというかちょっと遊びに行って 単語踊るんですけど単語の最中にこのマルコと
エスターが喧嘩しても結構盛大にやり合うという印象的でしたね 呼んでる分には面白いんですけどなかなかもうはちゃめちゃなことをやってるなーっていうので
いやーでもこれは結構ニューヨーク最後の夜をね 最後の夜ですかね確かに とんでもないことになかなか衝撃的な最後の夜を過ごしてそのまま
その足ではない その足みたいなもんかでね ボストンに帰っていくエスターがなかなか印象的でしたね
他ありますか あとはいろんな人物 これ本当そうなんだよね なんかこのストーリーの流れからすると登場人物めっちゃ多いなと思っていて
やっぱりこれはあれだよね シルビアプラス自身のこう実際にあった人たちがモデルになったりとかしてる部分もあったりとかすると思うんだよね
だからなんかこの登場人物たちを通してエスターが世界をどう捉えてるかみたいなのが少しわかってくる部分もあったりするし
あとなんか迷惑力がない展開もちょっとやっぱり多くてまぁ何度もちょっと言っちゃうけど それってやっぱシルビアプラスが故にこう経験とか感覚とかを元に書かれてると思うので
あと印象に残ってるシーンっていうか 私なんかねある意味一番最初にこの小説で心を一番捕まわれたなって思ったのは
なんか熱いお湯に浸かるシーンがあるんですよ これドリーンがね男とイチャついていて 3人でいて
なんかこうイチャつき始めたからそこに入れなくなったというか まぁいたくなくなって一人で帰るシーンがあるんですけど
でホテルに帰ってすごい熱いお湯を入れて そこに浸かってっていうとこがあるんですけど
この熱いお湯で嫌なことがあった時に熱いお湯に入る感覚ってすごくわかって あとこの独特の友人と飲んでたのに
なんか自分一人だけ孤独感を味わって帰るみたいなのって 多分大学を飲み会とかによくあったような時もある気がしていて
なんかあの時の感覚とかもすごい蘇ったし この熱いお湯に浸かるって結構自分もよくやるんで
なんかこれこれってすごく好きなシーンですね 自分を保つためにやる
この行為として 確かに作中でも熱いお風呂に入っている時が一番自分自身を感じられるって書かれていて
なんかすごいわかる 本当一人で熱いお湯に浸かっていると自分にもなんかね
感じることができるというか そうねドリンは消えていくレニーシパードは消えていくフランキーは消えていく
ニューヨークは消えていく みんな消えてなくなってどうでもよくなる
あんな人たちのこと知らないし知り合いになったこともないし私は何の汚れもない いう感じね
これねすごいわかるなぁと思って ここがすごく共感してしまったとこですね あの35ページで訪れるんですけど
だいぶ早い時にグッと掴まれてるなって感じはしますけど なるほどちなみに僕は好きなシーンが344ページで
後半ですねそうですねもうなんか最後の方に近いんですけど 最後の方に近くでアーウィンっていう男性と知り合うんですね
エスターがではやってることは本当しょうもなくて ああああああ
1回限りの関係を持つって言うですね まあっていうのをやってその後のシーンですね
まあそのアーウィンの部屋でエスターがいるとその部屋の呼び鈴が鳴ってですね そこに女性が訪れるんですね
でその女性をアーウィンが追い返そうとするんですけどもエスターが部屋の中にいるんで なんかそこのただ文章がやたら
指摘でですね あーなんか読んでるとすごいなんかこの情景が浮かんでくるようなすごい中も絶妙なその
この文章となと思っていていやーなんかすごく好きになりましたね ちょっとだけ一部
本棟 呼び鈴がまたなり今後は産むを言わさないような
ノックの一撃も聞こえたアーウィンはため息をつくと立ち上がった 彼がいなくなった瞬間
私はバスルームに駆け込むとアルミみたいな色の汚いブラインドの裏に隠れて アーウィンの修道師みたいな顔がドアの隙間に現れるのを見ていた
でそこからあってですねでアーウィンが言うんですよね このすまないけどオルガ仕事中なんだよオルガ
いやそうじゃないよオルガ その間ずっとご夫人の赤い口は動き続け
白い煙に変換された言葉が ドアの近くに落ちているライラックの裸の枝の間を漂っていった
そしてようやく多分ねオルガさようならオルガという声が聞こえた ではこの一連のちょっと確かにあのくだりがあるんですけど
なんかほんとしょうもないことをやってたのに描写だけはすごく美しい なんかここやたら好きでしたね
あとは個人的にすごくあのここも印象深かったところで最後に一つだけ行くとですね このローゼンバーク夫妻の話がこの作中の中でちょっと触れられることがあってですね
それはロシアのスパイ疑惑がかけられて電気衣装にかけられて処刑されてしまったという事件になるんですけども
それに対してエスターはそんな疑惑がかかっている人を処刑してしまうってひどくないって思っているんですけど
ただあのその周りのインターン生の一人ヒルダっていう女の子にそのことを聞くと ヒルダはそんなローゼンバーク夫妻みたいな悪い人たちが死ぬのは当然だみたいなんですね
そんな反応でその後もこのインターン先ですね このエスターが将来何になりたいかというので
死人って答えるもののでも本当はどうなのかと 周りの人は結構自分はこうなりたいなりたいというのを思ってて
結構この 周りの人たちはこうなりたいというはっきりしたものをすでに固めていて
恋人のバディもそうで将来は結婚してこういう家庭を築いてっていうのをイメージを持ってて
そういう周りはなんか白黒はっきりしているような人たちの中で それは社会的なところもそうですねこのローゼンバーク夫妻のこの事件とっても
それはもうあの人は悪いっていうですね 白黒はっきり持っている人が多くてでもエスターはそれって本当なのかなって
自分のキャリアとか自分の将来についても まだ白黒はっきり持っていない自分っていうのがいるっていうですね
周りと比べてしまうとっていう なんかその辺ですごくこのなんかエスターの不安定な
なんかこの周りと比べてしまうとちょっと不安定に思えるところが現れてるなぁと思って
でそれはローゼンバーク夫妻の事件のなんかその反応とかそういうの一つ切り取っても
なんか周りとエスターとの違いっていうのも出てるんだなぁと思って ちょっと印象深いところでしたね
ここからですね少しだけちょっと小沢さんの他の活動についてもちょっとお聞きしたいなとせっかくなので思っておりますので少しお付き合いいただければなと思います
でまず2024年小沢さんだいぶ大活躍だったんではないかなと思っておりまして
小沢 そうちょっと尋常じゃない
そうそうなんで5冊ですかね5冊出たんですよ結局 そうですよね
すごいなって思っております
でまず2024年の11月からシリーズで観光が始まっております
新庁舎から出ているナルニア国物語の新役ですねこちら今まさに途中
小沢 まさに途中です今4巻まで出ていて4巻で出たばかりなんですけどここで1ヶ月ぐらい空いて
5、6、7と3巻が続いて出ていくんですけど初めてのシリーズもので本当に大変で
大変でっていうか思った大変としか言いようがないんですけど役しても役しても次が来てっていう
嬉しい悲鳴で本当はもう10年ぐらいかけてやりたい仕事でした
でも結局なぜ新役することになったかというと今回新庁舎の文庫から出るんですけれども
やっぱりナルニア国物語って世田谷寺さんっていう本当に素晴らしい翻訳家の方がずいぶん前にお訳しになったものが出ているんですが
子供向けで出ていることからあんまり大人の人に届いてないっていうところがあったんですよね
それを受けて他の出版社でも大人向けに規約が何個も出ていて素晴らしい翻訳者の方々をお訳しに乗ってるんですけれども
今回新庁舎はもっと裾野を広げるというかもっとちょっと小難しい言葉とかはあまり使わない変異な日本語を用いて
読みやすさを高めた翻訳を出しましょうということで始めたんです
なのでルイスの英語ってものすごく拡張高くて本当に女王とか王とかが出てくるしになると一気にものすごい難しくなるんですけど
古い言葉を使うんですよねそれを今までの翻訳だと結構すごく時代がかって訳されてたんだけど
そこをちょっとできるだけそび落として読みやすくしているっていうのがポイントかもしれないです
なるほどなんかちょっと我々もねちょっと事前にナルニア国物語っていろんな役が今
公文社の新訳文庫からも出ますし門川さんからも出てらっしゃったりして
岩波もありますしやっぱりちょっと子供向けじゃない形でちょっと門川さんはやられてるんじゃないかなっていうのはちょっと感じたところなのでなるほどなと思ったところでした
あとやっぱりファンタジーって子供の時に読むものっていう感覚ありますけどやっぱりルイスってもっと大きなものを頭に描いて物語を作っているので
やっぱりそのこのファンタジーを大人になって読み返すといろんな気づきがあってネタバレになっちゃうのであまり言わないんですけど
ただの時空なんて言うんですか今の流行りのその転生物って言うんですか転生とか時空を横断するとかそういうだけじゃないんですよね
なんかもっと深いテーマがいっぱい散りばめられていてそこが大人になって読み返す醍醐味だしですし
育てしている方にもしてない方にもみんな子供だった時があるのでなんかその時のことを思い返しながら読んでいただけたら嬉しいなというふうに思っています
私実はナルニア国物語読んでないのでちょっと読みたくなってるんですよね
読んでみてくださいよ 今回ちょっと色々調べさせてもらってあ面白そうだなと思って
いやーめっちゃくちゃ面白いですよ本当にで一巻がやっぱりめっちゃ有名じゃないですか
読んだことなくてもタイトルぐらいは魔女とあれだけじゃないんでしょあれでやめちゃう人が多くて2巻に行かない人がいるんですけど
2巻から本当の大冒険が始まるので空も行けば砂漠も行くし海も行くしみたいな色んなところを本当に巡って
まあすごいですよ本当に素晴らしい物語人が生きるっていうことはどういうことなのかとか
人生の先には何があるのかとかあとその心の拠り所になるものは何なのかみたいな結構深いんですよ
だからそれが伝わるといいなと思ってるのとあと今回の翻訳では私女の子のキャラクターがものすごい好きで中に出てくる
ルイスってあのやっぱり男の子を中心に書いている部分はたくさんあるんですけどやっぱり女の子の成長物語だって読める部分がたくさんあって
それをやっぱり彼らという言葉を使わずに彼女たちって訳してみたりとか別にここで男の子がここで一番ハイライト当たる必要はないよなと思うところではそういう代名詞を使ってみたりとか
なんかいろんなところで工夫して女の子がもっと生き生きと伝わるようにしたっていうのはありますね
なるほどいいですねちょっとやっぱりあのまだ走ってる途中ではあると思うんですけれども本当にあの完結まで楽しみに
はいありがとうございます読んでいただけたら嬉しいです多分私読むと思います
いや僕もあの読んでなくて読みたいなと思ってたんですけどもちょっと最終巻が出た時にちょっと全巻セットで
確かに確かに
揃えたいなと思いますね
文庫っていうのもね手に取りやすくて読みやすくていいですよね
そうですねやっぱり海外文学からすると価格も多分手が出しやすい
めっちゃ音してます
ところなのでちょっと手を出していきたいなと思っております
ありがとうございます
あと一冊ですねどうしても気になっている本がありましてやっぱり2024年に発売された川手処方針書から出ている
デルモアシュワルツの夢の中で責任が始まる
こちらこの短編集多分観光時期がベルジャーと多分ほぼ同時期だったんですけど
そうなんですよ
同じタイミングでちょっと結構重めの翻訳をされてたんじゃないかなってちょっと思っていまして
この本もですね同じく日本翻訳大賞の候補にもなっている作品なので
気になってる方も多いと思うので
ここの先についても少しお話聞けたらなと思ってます
この作品もニューヨークが舞台で1930年から40年代にかけてのニューヨークにいる移民のどこの子たちの話なんですけどね
メインになるのが短編集でそもそもナミっていう後男者の文芸師で
表題作の夢の中で責任が始まるというのを訳させてもらって
それを見た編集者の人が連絡してきてくれて
短編集をまるごとやりませんかっていうことで話が進んでいったんですけど
まあその伊藤さんという編集者なんですけどものすごい英文が読める人で
私ワルツについてもものすごい知識があって
彼が彼と一緒に本当に作り上げたという感じがする本なんですけど
すごいですね癖が強くてこの短編集もすごい面白い
私も一番最初の短編だけ表題作ですね
読ませてもらいましたけどこれは面白いなって思って
そうですかやっぱり表題作は特に自分の父親と母親の姿を
映画館で見るっていう構成も素晴らしいし
自分が映画館に座っている立場と座りながら
いろんなことが頭の中を巡っていって最後にわーってなるっていう
なんかもうたまらないじゃないですか文学海外文学的にはたまらない
エッセンスっていうか母親と父親の関係性もしかり
その二人を止めようとしてしまう
だからつまり自分が生まれてこなくてもよかったのではというところまで行き着く感じとか
そのたまらないですよね
あれが本当に爆発的に人気になったんですよその短編だけが
だから今までも一発屋とかって言われてちょっと伝説的な作家とか言われていて
日本だと評論家の坪内雄三さんが紹介してくださったりとか
今までも表題作がそれこそ畑中先生だとか柴田先生あたりがお役人になっていて
あるんですけれどもなかなか他の作品まで役が回らなくて
でも役してみて本当に他の作品もものすごい癖のあるたまらない
海外文学好きはたまらないんじゃないですかね
そんな気がしますね
すっごい翻訳難しかったですけどね
ベルジャーとナルニアとこのデルモ・ジョルツを一気に翻訳してたので
本当にこのニューヨークとかっていうのは被ってるけど全然違うじゃないですか
男の子のうつうつとしたオレってオレってみたいなのと
女の子の繊細な心の中とナルニアのファンタジーがもう私の頭の中でもごっちゃになって
本当にすごかったですよもう爆発寸前でした
本当に混乱しますよねこれきっと
ボイスっていうのがあるのかないのかわからないですけど
役仕分けっていうんですかね全然違うんでそこら辺も気をつけることもないんですけどね
翻訳ってやっぱり原文をそのまま翻訳していくわけですから
そんな自分で手を加えることはないんだけど
あまりにも違うボイスがある3つの作品だから
頭の中と自分の日本語がめちゃくちゃになっていく感じがして
すごいなんか不思議な体験をしました
いやでも多分そのなかなか苦労はされたと思うんですけれども
今回どの作品もですね多分めちゃめちゃいい作品なので多分多くの方に届くと思います
で私もやっぱこれそうですねナルニア国はまだ読んでないんであれなんですけど
夢の中で責任を始めるのは結構もう一番最初の作品がガツンとしているやつもある形もあるので
これから読み進めるのが楽しみな一冊なのでちょっと
ミネさん次第ですけどまたあのねこの番組にもしかしたら取り上げたいかなと
若い人から本当大人まで読んで本当何を感じるか
結構これも好み分かれる作品でもあるのかなと思いますし
本当人それぞれの多分何か読み心地があるんだろうなと思いましたね
そうですねそして小澤さん2024年25年とかなり精力的に
翻訳を取り組んでいらっしゃるとお話聞きましたけどやっぱりパワフルでしたね
そうですね全然違う作風の翻訳を本当に数こなしていくっていうので
なかなかできることないですね
本当小澤さんがいろんな役を手掛けられるんでこれからもだと思いますけども
どれもちょっと気になってきましたね
これまでも手掛けられている作品とかで気になっているのは
私ホットミルクとあと覚醒性を制限化
あのあたりは発売した当初書店で見て買おうかなよってやめたもののうちに入ってまして
いつか読みたいなって思っていた作品なんですけども
なかなか私もつんどくすごいんでなかなかおいそれと買うことが最近できないんですけど
やっぱ気にはなるなと思ってるんで
いろいろちょっとご予定はあるみたいですけれども
小澤さんの翻訳作品も読んでいきたいなと思いますね
そうですね
じゃあちょっと今回ベルジャー結構いろんな話ができたので
ちょっと読みたくなった人も多いんじゃないかなと思うんですけれども
ぜひですね手に取っていただけたらなと思います
じゃあ次回予告して終わりたいと思います
次回はですねマルコ・バッツアーノのこの村にとどまるをご紹介します
お楽しみに
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もっと我々のエピソードは聞いた人のためになってますが
最近はですね海外文学ニュースというのをメインにお届けしているので
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ではまた来週